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「うっ……くっ……」

桜井智樹に殺された巴マミは生きていた。
正確に言えば、致命傷を受けたのは空っぽの脱け殻の方。
魔法少女の魂が閉じ込められた小さな宝石、ソウルジェムが巴マミの本体であり
それを完全に破壊されない限り、死ぬことはない。死ねないとも言える。
いわばゾンビ、半ディアボロ状態なのだ。

(まさか、本当にこっちが本体になっているなんて……でも……)

しかし、だからといって即復活して桜井智樹に攻撃を加えることは出来なかった。
本体ではないとはいえ、脱け殻の肉体も深刻なダメージは受けている。
肉体を魔力で回復させることはできるが、少しは時間もかかる。
その気になれば、もう何も痛くない状態にもなれるらしいが、今は無理そうだ。

「マ、マミさん!?」
「うっ……セワシ君……?」

そんな巴マミのもとに、同じく一時的に症候群の呪縛から解放されたセワシが現れた。
地に伏せうめく巴マミの姿を見て、セワシは焦る。

「わ、私は大丈夫……でも、私の力じゃ、どれだけ肉体が不死身でもあの股間の翼に勝てない……
悔しいけれど、今は退くしかないわね……セワシ君も早く逃げた方がいいわ……」

そう言うと巴マミは空間転移でどこかへと去って行った。
しかし、セワシはその場を動こうとはしない。

「ほう、反撃装甲か!なかなか面白いが、お前の体力を一撃で削りきれば問題はないな!」
「くっ……!」

すぐそばでは、全裸王と魔王の激戦が繰り広げられていた。
しかし、魔王が押されている。反撃装甲で桜井智樹の攻撃を制限させて凌いでいるらしい。
元々魔王は直前の巴マミとの戦闘で、推定46HITの攻撃をモロに食らいダメージが残っている。
素人目から見ても、全裸王の勝利はほぼ確定的だった。

「!もらったぁ!」
「しまっ……ぐああああぁ!」

そして、ついに装甲が薄れた瞬間をついた全裸王の強烈な攻撃が魔王を捉える。
きりもみ回転しながら魔王は海へと叩き込まれた。

「ふん、雑魚にしては中々粘ったな。
……うん?なんだ貴様は」
勝利ポーズをとり、悠々とその場を立ち去ろうとした全裸王・桜井智樹。
その前に立ち塞がったのは、何か支給品を手に持つセワシだった。




「お前だな!その股間の翼でマミさんの純潔を奪ったのは!いつか僕が貰う筈だったのに!」
「……俺が言うのもあれだが、お前頭だいじょうぶか?
まあいい、この全裸王に恐怖せず立ち向かってきたその勇気は評価しよう。
俺はここから一歩も動かん。先制攻撃はくれてやる。殴るなり、武器があればそれを使うなりしてもいいぞ?」

そして全裸王は、全裸で仁王立ちした。
股間の翼をはためかせ、堂々と立つその姿は、まさに王の姿だった。

「その油断が!お前の命取りだ!全裸王!食らえええええぇ!」

セワシは、手に持つ支給品を構えたまま突進した。
最初は余裕の表情だった全裸王も、その支給品の正体を知った瞬間にその表情が崩れる。

「おい待て貴様!まさかそればぃあ゙あ゙あ゙あ゙ぐがあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ぎあ゙あ゙あ゙お゙ッッッ!!??」

筆舌に尽くしがたい激痛に、全裸王は絶叫し、やがて冷たく動かなくなった。
セワシが手に持ち突進したのは『電動鉛筆削り』を少し大型にしたものだった。
これを、全裸王の股間の翼の奥に隠れるものに突き付けたのだ。
夢で悶絶ものなのだから、実際やられたら確実に死ねる。


「ハァハァ……やったぞ!マミさんの仇を討ってやった……!
でもこれからどうしよう……僕達の症候群からの解放はおそらく有限。
野比玉子が再び死ねば、僕らも連鎖的にまた患者に戻るに違いない……
限られた時間を有効に使うには……………………よし!さっきの主催者のAVを根こそぎ奪って死者スレに持って行こう!」

こうして、セワシの旅が始まるのだった。

【一日目・10時/東京湾/天候・晴れ】
【セワシ@カオスロワ】
【状態】健康
【装備】大型電動鉛筆削り
【道具】支給品一式、携帯バッテリー、セワシのパソコン
【思考】
基本:主催者本部からAVを全て奪い取る
1:無理なら借りる

【桜井智樹@そらのおとしもの】死亡確認
【右代宮譲治@うみねこのなく頃に】生死不明
最終更新:2011年02月20日 20:01