福島県のとある都市部を、アンバランスな風貌の男女が歩いていた。
男はやせ気味の体に古びたコートを纏い、気だるげな表情を浮かべている。
名は阿紫花英良。人形使いの殺し屋だ。
一方の女は、ロリータファッションに身を包んだ金髪の美少女である。
名は真紅。生きた人形「ローゼンメイデン」の第5ドールだ。
二人はロワ開始時にたまたま近くに居合わせ、襲ってきたとあるマーダーを協力して撃退。
そのまま現在まで、行動を共にしているのである。
「それにしても……紅茶も満足に入れられない男と組むことになるとは……。
早くジュンを見つけたいわね。あいつ、私を放っておいてどこをうろついているのか……」
「すいやせんねえ、紅茶の入れ方もわからん、教養のない男で。
しかしお嬢ちゃんも、自動人形(オートマータ)なのに紅茶を好むとは珍しい……」
「だから私は、誇り高きローゼンメイデン! そんな下品な名前ではないのだわ!」
「あー、はいはい。そうでしたねえ」
軽口を叩きながら、歩き続ける二人。そこへ、ふいに声がかけられる。
「真紅! 真紅じゃないか!」
「……蒼星石?」
自分の名を呼ぶボーイッシュな雰囲気の少女を見て、真紅は半ば反射的にそう呟いた。
◇ ◇ ◇
「これは……」
蒼星石に案内された民家に足を踏み入れた二人。そこで真紅たちが見たのは、布団に寝かされた一人の少女だった。
その少女の顔は真っ赤に染まり、息も荒い。健康体でないのは、一目見れば明らかである。
「彼女は?」
「鳴海亜樹子さん。この殺し合いが始まった直後に、僕が出会った人だよ。
なんでも、彼女に支給されたのが彼女の友達にとってすごく大事なものらしくて……。
いくら止めても、渡しに行くって聞かなくてさ……。あの嵐の中を走り回って、この状態さ」
「なるほどねえ……」
「それで、そこまでして彼女が届けたい物って何なの?」
「ああ、僕が預かってる。これだよ」
真紅の質問に対し、蒼星石はポケットから何かを取り出す。
「これは……何かの機械かしら? 見たことがない形ね」
「あっしも見たことがない代物ですねえ」
現れた謎のアイテムに、真紅と阿紫花は揃って首をかしげる。
彼らにとって未知の存在であるそれは、ダブルドライバー。
亜樹子の大切な仲間である翔太郎とフィリップが、仮面ライダーWに変身するためのアイテムだ。
「届けなきゃ……。翔太郎君か……フィリップ君に……」
「うわごとでまで……。よっぽどその人たちのことが心配なのね」
「ふむ……。翔太郎にフィリップね……。その方たちに届ければいいんでやすね?」
亜樹子が呟いた名前を脳裏に刻み込むと、阿紫花はダブルドライバーを自分の懐にしまい込んだ。
「英良、あなた……」
「で……お代はいかほどいただけるんで?」
【一日目・11時00分/福島県・とある民家/天候・晴れ】
【阿紫花英良@からくりサーカス】
【状態】健康
【装備】まっぷたつのけん@ウィザードリィ
【道具】支給品一式、ダブルドライバー@仮面ライダーW
【思考】
基本:積極的に殺し合いに乗ることはしない
1:ダブルドライバーを「翔太郎」か「フィリップ」に届ける
【真紅@ローゼンメイデン】
【状態】健康
【装備】マグナムスチール製のメリケンサック@魁!!男塾
【道具】支給品一式
【思考】
基本:積極的に殺し合いに乗ることはしない
1:阿紫花にとりあえず同行
2:ジュンを探す
【蒼星石@ローゼンメイデン】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:亜樹子を看病する
【鳴海亜樹子@仮面ライダーW】
【状態】風邪による高熱
【装備】なし
【道具】基本支給品
【思考】
1:ダブルドライバーを二人に……
最終更新:2011年02月26日 00:25