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川に沿って南に向かっていた織田信長の耳に、あまりにも場違いな叫び声が聞こえた。
「ドラえもーん、ジャイアーン、せんせーえ、かみなりさーん!! 」
こんな状況下で大声を出すなど、まともな者のすることではない。
さては罠か。いや、この声は童のもの。
念のためコルトガバメントを懐から抜いて、脇に構えながらその声のするほうに向かった。
森の中では、一人の少年が口に手を当てて知り合いらしき者の名を呼び続けていた。
おまけに、荷物は切り株の上に置きっぱなしだ。あれでは簡単に奪われてしまうではないか。
「おろかな小童よ。哀れとは思わぬ」
信長はその少年の顔を一瞥すると、すぐに背を向けた。
このままでは、あの少年は間違いなく死ぬだろう。
無益な殺生はしたくないが、役にも立ちそうにないものを助ける義理も無い。
阿呆は勝手に死ねばよかろう。

・・・・・・待てよ。

信長は立ち止まった。たしかあの少年は、さっきまでいた奇妙な空間で、
この殺し合いの首謀者らしき小童と知り合いのような口ぶりで話していた。
もしそうだとすれば、あの少年から主催者に関する情報を得ることが出来るかもしれない。
どのみち猿と官兵衛以外に当てにする者がいるでなし、それだけの情報が得られるのなら十分だとも言える。
それに、他の参加者に関する情報も得られそうだ。それも、ここから脱出する役に立つかもしれない。

「みんな、一体どこにいるんだよ! 一人にしないでよ!! 」
涙で頬を濡らしていたのび太の前に、
「おい、童よ」
いきなり、見知らぬ和服姿の男が現われた。
「ひ、ひぃぃぃぃぃ!! こ、ころさないでぇぇぇぇぇ!! 」
のび太は腰を抜かして後ずさった。
見るからに殺気溢れる男が、銃を構えて出てきたのだからその反応は当然とも言える。
「おろかな小童よ。余の言に従う限りは殺さぬ」
信長は、居丈高にのび太に歩み寄った。
「余は織田信長、世に聞こえたうつけじゃ」
ここで普通なら「まさか、あの織田信長!? 」と驚くべきところだが、のび太は生憎そんな人名は知らなかった。
「お前に少々聞きたいことがある。答えよ」

その後、おびえるのび太をなんとかなだめて聞き出した話は、信長にとって信じがたいものだった。
あの黒幕らしい小童は未来人で、しかもこの少年の孫。
そしてここには、未来からやってきた人造人間「どらえもん」とやらもいるらしい。
ふざけたことを言っているな、とも思ったものの、これだけ面妖なことが次々と起こっているのだ。
未来から来た人間とやらがこの件に関与していても不思議は無いかもしれない。
(ふむ。これはますます早々に、猿に会わねばならんのう)
現状では、まだまだ情報が足りない。というより、考えれば考えるほどわけがわからなくなってくる。
とにかく動くしかない。

「あ、それと・・・・・・」
のび太が恐る恐る口を開いた。
「おじさん、これってどう使えばいいか知ってる? 」
のび太はそう言って、自分のナップザックから一丁の火縄銃を取り出した。
「ほう、種子島か」
「種子島? 」
そもそも他人に支給品を軽々しく見せるなどとは自殺行為もいいとこだが、もちろんのび太はそこまで頭が回らない。
「僕、普通の銃は上手く使えるんだけど、こんなの見たことなくって・・・・・・」
「普通も何も、銃といえばそれしか無いではないか」
信長は苛立ちながら冷たく答え、そして突然誰もいない背後に向かって振り返った。
「何奴!! 」
「え、え、何? 」
のび太はきょとんとしているが、百戦錬磨の信長に読めない殺気などない。
「感付かれたか。見事」
木々を掻き分けて姿を見せたのは、のび太にとってはびっくりするような美人だった。
長くて美しい髪をポニーテールにしていて、着ているのはスーツの上下。そして手には日本刀を持っていた。
「何用か」
信長の問いに、女はまるで侍のような口調で答える。
「某はそなたらとは違う存在。全く別の世界から連れてこられた」
「何の話だ? 」
信長はますます苛立つ。
「某は元の世界に戻らねばならん。そして、カオスルートの続きを書かねばならん。
某のSSを楽しみに待っている者たちがいるからだ。私は帰る。カオスルートに」
女は刀を抜いた。そして、まだ名乗ってもいない二人に向かって告げる。
「織田信長殿、野比のび太殿。お覚悟を」



【一日目 4時】
【E-2 森の中】


【織田信長@歴史】 
[状態]:健康 臨戦態勢  
[装備]:コルトガバメント
[道具]:支給品一式
[思考]
1:目の前の女を撃破する
2:秀吉、官兵衛との合流
3:この場から脱出する

【野比のび太@ドラえもん
【状態】:健康 怯え
【装備】:火縄銃
【道具】:支給品一式
【思考】
1:この女の人、怖い・・・・・・
2:信長さんも怖い
3:怖いよー、ドラえもーん

【例の彼@カオスルート】
[状態]:健康 臨戦態勢
[装備]:物干し竿@Fate/stay night
[道具]:支給品一式
[思考]:
1:すぐにでも元の世界に戻り、SSの続きを書く


最終更新:2007年03月04日 12:26