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「はぁ……」

緑の帽子がトレードマークの男、ルイージは雨に打たれていた。
外の空気を吸いたいのもあったが、一度落ち着いて一人で考えたいことがあったからだ。

『あの銃を、他の誰かに向ける覚悟があるの?
 それは同時に、このバトルロワイアルでは人を殺す覚悟でもあるわ。
 他人の命を、可能性を奪う覚悟が。そして奪われる覚悟はあなたにある?』

ティアにそう問われ、自分は人を殺すことはしないと返した。
だが、確かにそれは甘い考えなのかもしれない。
このカオスロワ、放送主も内容もバラバラだが、変わらないのは圧倒的な死者の数。
まさか全員殺人者に殺されたわけはあるまい。そんなことをすれば首が飛ぶ。
つまり、必ず各地にいるであろう打倒主催者を志す者達も殺人を行っていることになる。
綺麗事を並べているだけでは生き残れる世界ではない。
自分を、或いは大切な誰かの命を守るためなら……子供であろうと人を殺めるだろう。
殺さず、見逃すという手もある。慈善行為に思えるこれも、甘い。
別の地でその相手が殺人をしない、自分を再び狙う可能性も完全には否定できないのだから。

「……」

アシェンは今頃どうしているだろうか。
殺人を続けているかもしれない相手、再び出会ったら止めなくてはならない。
止める? 具体的にどうする?
説得か。拘束か。武器剥奪か。四肢破壊か。そして……殺すか。
殺人者を倒すと言えば正義の味方に聞こえるかもしれないが、殺人者を殺すと言えばどうだろう。
もはやどっちも殺人者。そして殺人者となった自分がまた別の人間に『倒される』かもしれない。
殺人者の汚名を背負って、仮に元の世界に帰っても自分を誇れるか?
やむを得ない正当防衛であっても、殺人は殺人。後の人生にずっとついてまわる。

「兄さんなら、どうしたんだろう……」

目の前で殺された兄なら、どのような行動をとったのだろうか……

『あなたにはわからないでしょうね。大切な人を失った者の悲しみを』

「くそっ……」

頭の中で最後にティアに言われた言葉が蘇る。
ルイージも、この言葉には憤りを感じていた。
こっちの気持ちも知らずに、兄が目の前で殺されたことも知らずに言われた一言。
ため息混じりの、冷えた見下すような視線もまだ忘れていない。
まるで自分の方が悲しみが深く、それを乗り越えた。貴方とは違うんだといわんばかりの態度。

「……人の死に、違いなんてあるのかな? 誰だって、大切な人が死んだら悲しいさ。
 でも……それは、殺人者にも当てはまるんじゃないのか?
 殺人者にだって、家族や、恋人や、友達や……」

また考えが最初に戻る。
いくら殺人者だからと言って、命を奪っていいのだろうか? 自分にその権利はあるのだろうか?
どれだけ悩んでも、一向に答えがまとまらない。
そんな時だった。

「このカメがああぁぁぁぁ!?」
「!?」

一人の全裸の男が、凄まじい勢いで飛ばされ宿屋の壁にめり込んだ。
男の安否も気になるルイージであったが、男を吹き飛ばした相手の姿を見て言葉を失った。

「ノコノコ……やっと会えたなルイージ。
 長かったぜ……俺達の世界じゃ、お前達は無限に1UPして絶対に殺せねえ……
 だが、このカオスロワならお前の息の根を止められる! お前ら兄弟に踏み殺された無数の友の恨みを知れっ!」


【一日目・18時30分/神奈川県・リッカの宿屋前/天候・雨】

【ルイージ@マリオシリーズ】
【状態】健康。覚醒 やや鬱、殺人への葛藤
【装備】ハンマー、ナイトファウル、ロングトゥーム・スペシャル
【道具】支給品一式
【思考】基本:ゲーム破壊
   0:!?
   1:……。
   2:アシェンを追い、決着をつける
   3:楠舞神夜を探し、ハーケンの遺言を伝える

【エクスデス@FF5】
【状態】重傷、全裸、壁にめり込み中
【装備】さばきの杖
【道具】支給品一式、大量の聖水、その他
【思考】基本:無の力を操る方法を探す
0:ノコノコを殺す
1:宇宙の法則を乱したい
2:カメっぽい奴は殺す

【ノコノコ@マリオシリーズ】
【状態】健康、怒り
【装備】甲羅
【道具】支給品一式
【思考】
1:ルイージを殺す
2:その後エクスデスも殺す
最終更新:2011年03月26日 12:23