直後、
ルーファウスの心臓が消し飛ばされる。
wikiでちゃっかり死亡確認の文字を追加された黒のカリスマか?
それとも新たな
ゲーム進行役か?
否、彼の胸を貫いたのは、一人の主婦であった。
「き・・・・・・さま・・・・・・な・・・・・・ぜ・・・・・・?」
背後を振り返り、自分に致命傷を与えた人物を確認すると、ルーファウスは驚愕し吐血する。
パンチパーマの栗色の髪、三段腹の肉のつき過ぎたずんぐりむっくりした体系。
なんてことはない、商店街に行けば自然とすれ違うであろう中年の主婦だ。
マーダー、即ち殺し合いに乗る参加者全般を指す者の総称。
己自身もそれを生業とし、誇りを持って幾多の参加者を殺害していた。
その全てはカオスロワを円滑に進めるため、彼はそれを正しいと思っていた。
(だが何故貴様が・・・・・・?)
そして眼前で自分を睨みつけている女性。
彼女もまた、ルーファウスと同じマーダーであり、自らの拳を極めるために参加者を殺害し続けていた。
手当たり次第に参加者を殺害していたルーファウスにとっては彼女は、競い合うべきライバルであり、
同時にカオスロワのマーダーのかわいい後輩であるはずだった。
彼女から見ても、ルーファウスは憧れるべき先輩であった。
(どうして・・・・・・俺を・・・・・・)
だからこそルーファウスは困惑する。
目的は違えど彼女も自分もお互いの実力を認め合ったマーダー仲間。
何故こんなところにいる?
何故参加者を殺さない?
何故・・・・・・何故、俺をそんな目で見るんだ?
ルーファウスの頭の中が、いくつもの疑問で埋め尽くされていく。
しかし、これ以上彼に悩む暇は与えられない。
口や貫かれた胸か流れる血液が、自身のスーツを染め上げる。
真っ白だった生地に、赤色が縦にラインを描いて地面に落ちる。
結局ルーファウスは答えにたどり着くことなく、死者スレに逝った。
「うるせー・・・・・・」
ルーファウスを絶命させた女性、ナックル幸代は嘆く。
血まみれのナックルを乱雑に引き抜いて、彼の遺体を投げ捨てた。
そして、それでも足りないのか、主催基地の機材を殴り、使い物にならなくした。
「期待させてこれかよ・・・・・・」
ナックル幸代は、ルーファウスに絶望していた。
マーダーとは言うまでもなく、殺し合いに乗る参加者のこと。
時には自ら危険を晒し、一般人、対主催はもちろん他のマーダーにさえ殺し合いを挑んでいく。
自身も彼らと同じ"参加者"でありながら、あえて彼らとは異なる茨の道を突き進む。
彼はカオスロワの誇り高き"マーダーであったはずなのだ。
「裏切りやがって!」
僅かに動いていたモニターに、ナックル幸代は止めと言わんばかりに拳を叩き込む。
ルーファウスは逃げた。
マーダーを捨て、"主催者"と言う立場に逃げた。
殺されることから逃げ出して微温湯に浸かっていた。
一方的に殺害を行えるマーダーは果たしてマーダーと言えるのだろうか?
貴方は飽くまで彼らと対等ではなかったのか?
これが貴方の求めた殺し合いか?
幸代は、もう立ち上がらないルーファウスに尋ねる。
答えは返ってくるはずも無く、しばしの沈黙の後、彼女は彼の遺体に背を向け歩き出した。
(貴方は既に死んでしまった。 "マーダー"であることを捨ててしまった。
ならば・・・・・・)
主催基地を出た幸代は天に浮かぶ星を見つめ、右腕を突き上げる。
これまではただ、己の拳を極めていただけであった。
しかしこれからは違う。
もういないルーファウスに代わって、カオスロワのために殺害を続ける、それが幸代の新たな決意。
これでルーファウスが報われるとは思わないし、報われて欲しいとも思っていない。
彼の幻影を消したくない、自己満足でも構わない。
ただ、彼のマーダーとしての誇りだけは、ここで消したくなかったのだ。
(ならば、私が貴方の役目を果たす!)
自慢のリングは既に汚れてしまった。
彼の血だけでない、幾多の人間のそれで、真っ黒に濁ってしまった。
しかし彼女の誇りは、新品のダイヤモンドにも決して劣らぬ輝きを放っていた。
【一日目・20時10分/富山県富山市・主催者本部跡/天候・暴風雨】
【ナックル幸代@魔人探偵脳噛ネウロ】
【状態】健康、疲労(小)
【装備】様々な高級指輪(1980万のナックル)
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:ルーファウスのようなズガン要員となる
※アンチ連盟の一員です
【ルーファウス@テラカオスバトルロワイアル 死亡確認】
最終更新:2011年06月06日 18:26