「さて……どうしたものでしょうか……」
弱音ハクは深いため息とともに弱音を吐いて……いたわけではない。
ぐるりと周りを見渡せば、警官隊やら戦車やらが自分を狙っていた。
「これは貴方の差し金ですか?東京都知事」
「ああ、バトルロワイアルとはなんと素晴らしいのだ!合法的に変態を殺せるとはな!」
戦車から体を出す東京都知事は高笑いが止まらない様子だった。
彼はこのバトルロワイアルが始まった瞬間には行動方針を決めていた。
それは彼が忌み嫌う変態の根絶。
国家権力である警察すら味方に引き入れ、都知事は本格的に動き始めたのだ。
だが、別に目の前にいる弱音ハクは変態ではない。
それでいて彼女は今こうして狙われている。
「弱音ハク!いい加減に無駄な抵抗はやめろ!」
「数年に及ぶ公務執行妨害、犯罪組織への加担、鏡音レンの隠匿その他諸々!
バトルロワイアルが始まった今、貴様には死の罰を与えて罪を償ってもらう!」
警官の何名かが辺りに大音声を響かせる。これがハクが狙われている理由……
正確には、鏡音レンが狙われていたのだが、ハクがそれを排除してまわっていたのだ。
誰がリークしたのか、レンが姉を襲ったという事実は都知事と警察の耳にすぐに入っていた。
(あれからもう数年か……)
都知事が例の台詞をいいつつ、鏡音レンの欲望の肉棒をちょん切ると宣言したのは今も覚えている。
あの時は偶々家の留守を任されたハク一人だったのが幸いだった。
あの場にネルがいたら、彼女も激昂し自分と同じ修羅の道を歩んでいただろう。
そしてハクは、家に押しかけてきた部隊を、一人残らず徹底的に潰した。
レンの行為は確かに法に触れるし、世間から見ても異常だというのは理解していた。
だが、あの警察に、都知事に捕まったら確実にレンは殺されると思った故の行動だった。
まだ彼は若いし、きっと一時の過ち……月日が過ぎれば落ち着くだろう。
それに自分には生涯かかってでも無理であろう、高い歌唱力も持っているのだ。
殺させてなるものか。
その思いのもと、ハクはレンを守るために国に牙を向けた。
しかし、ここでハクに思わぬ誤算が発生した。
レンの性欲は月日と共に益々増大していき……
気がついたら親族は全て一度はレンにその身を貫かれていることが判明したのだ。
加速的に上昇するレンの罪の重さ、それに比例して増える警官隊。
それでもハクは一人で警官隊を相手どった。
家から半径100メートルには絶対に近寄らせなかった。
しかし、嘘か真かは不明だが、レンがとうとう通行人にまで手を出したと警官が騒ぎ始めたあたりから……
さすがのハクも一人で戦うのは厳しくなってきた。
波状攻撃されれば、ハクには休む暇すら与えられない。
そんな時、思いもよらない助太刀が入った。
数人の同じ制服を着た男女が、レンの家に向かう部隊を壊滅させたのだ。
名は聞いていないし、姿も妙なマントとマスクで隠された彼らの正体は今もわからない。
ただ、彼らは東京都知事と敵対する組織の一員だと言っていた。
孤軍奮闘したハクは彼らに、同志と認定された。
姿を隠すためのマスクマントも貰い、組織の本部の場所も教えて貰えた。
それがつい先日のことだ。
「弱音ハク!貴様が例の変態の集まった組織と接触したことは知っている!」
「本部の場所や首謀者の正体を私たちに教えるなら、特別に見逃してやることを考えてもいいぞ?」
(嘘ですね……)
そして今日、バトルロワイアル初日。
殺人が許される世界になってしまった現状。
年貢の納めどきだと言わんばかりにハクは狙われていたのだ。
(……これは逆にチャンス。とはいえ、さすがに人数が多いですね……)
「「こーっふく!こーっふく!こー……
ゴロン……
次の瞬間、拡声器を使い叫んでいた部隊の何人かの首が地面に転がった。
「なっ―――!?」
「貴方たちがバトルロワイアルに
便乗して私やレン君を殺すというのなら……
私もそれに便乗して、貴方たちを殺すだけです」
そこには、東京都知事に敵対する組織の証である怪しいマスクマントを装備し、刀を構えたハクの姿が。
「今は退きますが、いずれ貴方たちも斬ります」
「何をしている!その変態擁護者を撃ち殺せ!」
「……その思想を掲げる限り、必ず」
守りの薄い右翼を突破し、白刃を煌めかせながらハクは闇夜に消えていった。
いずれ敵対者全てを葬り、レンを救うという思いをもって……
【一日目・00時30分/日本・東京都】
【弱音ハク@VOCALOID派生】
【状態】健康
【装備】オルテガのマスクマント@ドラクエ3、斬鉄剣@FFシリーズ
【道具】支給品一式
【思考】
基本:レンや他の家族を救う
1:東京都知事やその協力者、レンを
狙う者は全て斬る
2:今は退却
※8期とは別人
【東京都知事@カオスロワ】
【状態】健康
【装備】戦車隊、都知事兵隊(残員90パーセント)
【道具】支給品一式
【思考】
基本:バトルロワイアルを利用し、変態をこの世から消す
1:鏡音レンや弱音ハク、その他の変態を見つけた場合は即殺す
2:変態じゃなくても変態に協力した者は殺す
3:自分に歯向かった者も殺す
4:主催者と対談し、主催者側に入れてもらいたい
※8期とは別人
最終更新:2011年08月18日 10:21