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「バトルロワイアルだあ? ずいぶんとふざけた真似をしてくれるじゃねーか」

廃墟と化した、小さな民家。
ゴーカイレッドこと、キャプテン・マーベラスは一人怒りをあらわにしていた。
宇宙海賊の長として、大宇宙を股にかけてきた彼だが、ここまで悪趣味な催しは見たことがない。
必ず、俺が叩き潰す――そう決意して、マーベラスは支給されたデイバッグの中身を確認する。

「よし、モバイレーツはあるな」

馴染みの変身アイテム・モバイレーツを確認し、とりあえず安心する。
最悪生身での戦いも覚悟していたが、これさえあれば百人力だ。
何せ、かつて地球を侵略者の魔の手から守ってきたスーパー戦隊の力が、このモバイレーツで扱えるようになるのだから。

「あんたらの力、貸してもらうぜ」

モバイレーツを片手に、マーベラスは民家を出る。
と、それを待っていたかのように、一人の若い男がマーベラスの前に立ちふさがった。

「……何か用か?」
「君の手にある変身アイテム、それは大したお宝だ。悪いけど、それを譲ってくれないかな?」

気に入らないタイプだ、とマーベラスは思う。
どことなく、かつて彼が所属していた海賊団を裏切った『あの男』を思わせる、とぼけた態度。
こんな男に、モバイレーツを渡すわけにはいかない。

「断ったら、どうする?」
「その時は……実力行使さ!」
「っ!」

男はデイバッグから銃のようなものを取り出し、マーベラスに向けて乱射する。
予想通りの対応だな、とマーベラスは横っ飛びで攻撃を避けると、モバイレーツを構え――叫ぶ。

「豪快チェンジッ!」
「変身っ!」

『KAMEN RIDE DIEND』

電子音声が鳴り響き、シアンの鎧が男の身を包む。
仮面ライダーディエンド。それが男――海東大樹の、もう一つの姿だ。
仮面ライダーとゴーカイジャー。本来は出会うはずもない両者の戦いが、今始まろうと――

「……ってあれ、変身しないの?」

していなかった。
海東がディエンドに変身した一方で、マーベラスの姿は一切変化していない。
戦闘そっちのけで、ディエンドには目もくれずデイバッグの中を漁るマーベラスに、海東も困惑する。

「いや……ゴーカイレッドのレンジャーキーが、見つからねえんだ」
「ええ? 困るなあ、ちゃんと管理しておいてくれないと」
「うるせえ、ちょっと待ってろ」

歴代スーパー戦隊の力が込められたレンジャーキー。
モバイレーツでその力をスキャンすることで、初めてマーベラスらはゴーカイジャーに変身できる。
要するに、レンジャーキー無しではモバイレーツがあっても宝の持ち腐れなのだ。

「多分主催者に没収されちゃったんじゃないかな? やれやれ、せっかくお宝を見つけたと思ったのに」
「チッ……とことんふざけた真似しやがって……お?」
「どうかしたのかい?」

デイバッグの奥から、マーベラスは三本のレンジャーキーを発見した。
これでなんとか変身できる、と思いかけたところで――彼は気付いた。
ゴーカイレッドのレンジャーキーじゃない。
というか、三本が三本とも見覚えがない。

「俺の知らないレンジャーキーだと……?」
「……とりあえず、変身してみたらどうだい」
「お、おう」

海東の勧めで、再びモバイレーツを構えるマーベラス。
なお、海東は既にディエンドへの変身を解いていた。なんというか、もう戦闘に入る空気じゃない。

「というか、正直欲しくなくなってきたしね」
「おい、何か言ったか?」
「言ってないよ。さ、変身したまえ」
「……豪快チェンジ」

豪快さの欠片もない呟きとともに、謎のレンジャーキーがモバイレーツに差し込まれる。
次の瞬間、モバイレーツの電子音声が、レンジャーキーに込められた戦隊の名を叫んだ。


「タコヤキ! マーントマンッ!」

【一日目・00時30分/日本・東京都】

【キャプテン・マーベラス@海賊戦隊ゴーカイジャー】
【状態】変身中(たこやきマントマン・レッド)
【装備】モバイレーツ@海賊戦隊ゴーカイジャー
【道具】支給品一式、レンジャーキー(たこやきマントマン・レッド、ウェザーレッド、アイ・カミカゼ)
【思考】
1:…………。

【海東大樹@仮面ライダーディケイド】
【状態】健康
【装備】ディエンドライバー@仮面ライダーディケイド
【道具】支給品一式
【思考】
1:このお宝はいらないなあ
最終更新:2011年08月19日 00:25