夜中、日付も変わろうという時間に、なんかよく分からないけど突然殺し合いが始まりました。
私は、きっとこれは怖い夢なのだ、と思いました。
0時を皮切りに、私の家はあっという間に燃えて無くなりました。
パパやママは迫りくる暴徒から私を逃がして、そのままはぐれてしまいました。
これは夢なのだから、こんな夢は早く醒めてくれればいいのに。
夜の街を、独りになった秋山 澪は女子高生らしく両手で可愛く携帯を弄りながら歩いていた。
状況が状況、夜中に突然家を出ることになったものだから、お気に入りのパジャマにサンダル履きといった、とても夜の道を歩くには向かない格好で。
たまたますぐに取れる所に有った財布や携帯、両親に持たされたデイパックだけを持って。
彼女は両親とはぐれた後、前方の確認もほどほどに、ずっと携帯を弄っていた。
友人である田井中 律や他の軽音部などに連絡を取ろうとしているのだが、どうにも電波状況が芳しくない。
電波局が襲われたのか、はたまたアンテナが潰されたのか。
原因はなんであれ、彼女の携帯電話の電波が回復することしばらくはないだろう。
彼女の住んでいた街は、暴動でも起きたのか、地震にでも見舞われたのか、これでもかというくらい崩壊していた。
そんな光景も相まって、彼女の認識能力、判断能力は著しく低下していた。
警察や消防に連絡しようだとか、緊急時に指定された避難所に逃げ込もうだとか、携帯は通じないのでひとまず置いておこうとか。
そんな事は考えず、ただなんとなく、友達に通じないかなぁ、とか考えながら通じない携帯をぼんやりと触っていた。
そんな女子高生が、
テラカオスで世紀末同然の街中を歩くとどうなるか。
「イ゛エアアアアアアアアアアアア!!」
まぁ、だいたい襲われる。
大体そこらに立っている電柱の、もうちょっと高い辺りから、赤紫のトレーナーを着こんだイベリア半島のような顔をしたおっさんが、
何とも形容しがたい奇声をあげて、澪をめがけて、巨大な剣を振りおろしながら現れた。
奇声を上げたら居場所を知らせてるようなもんだとか、反応されて反撃がくるとか、そんなのは警戒している人間の話である。
一般人、しかも一時的に認識力が落ちている人間なんて、せいぜい、驚き立ちすくむか、最悪、異常事態であることすら認識できないだろう。
案の定、澪は、大した反応も見せず、襲われるがまま、斬り殺された。
いや、斬り殺されそうになった。
「間一髪だね!」
ここはテラカオスな世界。
ならば、奇跡も魔法もあるし、ヒーローだっているのだろう。
「なんだテメェ……!」
剣を持った男、無精髭を生やしたおっさん、
野原ひろしは突然の闖入者を睨みつける。
「殺し合いなんてやめてゆっくりしていってね!」
剣を弾いた生物、1mほどはあろうかというほどの巨大な生首、いや、饅頭ゆっくり霊夢はなんとも間の抜けた声で返した。
「そんな危ない物振り回さないでね!」
「うるせぇ!」
スティンガー、ハイタイム、ミリオンスタッブ。
スタイリッシュアクションをやったことのある人間なら大体分かるような動きでひろしは斬りかかる。
それを、ゆっくりはぼよんぼよんと跳ねまわりながら、僅かにも斬られながら逃げ回る。
「いたいいたいやめて! ゆっくり悪いまんじゅうじゃないよ!」
「だからなんなんだテメェは!」
1mはあるだろう大剣を華麗に振り回すダサい格好のおっさん。
泣き喚きながら地面を、壁を縦横無尽に跳ねまわる巨大な生首。
あまりにも現実離れした光景に、澪はいよいよ夢なのだろうと確信を深めようとしていたが……
「俺は力を手に入れたんだ! 守るんだよ、みさえを、しんのすけを、ひまわりを!」
「だからって、なんであの人殺そうとするの!?」
「アイツを殺せばもっと力を手に入れられる! だから殺す! お前もだ! 殺してやる!」
「わけがわからないよ!」
ひろしの必死の形相に現実を感じ。
「ボーっとしてないで早く逃げてよ! ゆっくり死んじゃうよ!」
「ああ、死ね! 早く死ね!」
ボロボロになりながらも澪を庇うゆっくりに責任を感じ。
「あ、あぁ……いっ……」
「イヤァアァァァァァァァァアアアァァァァァァァァアアアアッッッッ!?!!?!?」
今度は恐慌状態に陥った。
「ど、どうしたの!?」
「よそ見すんな!」
「うぎゅっ!?」
叫ぶ澪に気を取られたゆっくりをひろしは袈裟に斬り捨てた。
はっきり言えば、ゆっくり霊夢には澪を助ける義務も義理も無かった。
ただ、お人よしで、あまり深く考えないゆっくりはなんとなくで助けに入っただけなのだ。
いうなれば、ただのバカである。
しかし、徳というものがあるならば、それはこういった行為に生じるのだろう。
故に。
「アナタは……」
その特徴的な髪型は、螺髪といい、巻貝を示した知恵の象徴である。
「何故……」
額に突起はある白毫といい、髪の毛を巻いて作られたもので、世界を照らす光を放つという。
「何故このような行いをなさるのですか!!」
特徴的な長い耳たぶ。
「がんだ~ら」と書かれたTシャツに身を包み、聖人・ブッダはここに舞い降りた。
「なぜ……? なぜかって?」
話は変わる。
何故。なぜ、そもそもしがないサラリーマンでしかないひろしがその腕力にそぐわぬ大剣を振れるのか。
なぜ、彼が家族を守るため人を襲うのか。
それは、テラカオスバトルロワイアルに新たに定められた新ルールによる。
実は、今回のロワには「スキルカード」なるアイテムが存在する。
これは、手に持ちカードに書かれた名前を宣言するだけで、常人にはない特殊な能力が手に入るものだ。
もちろんとあるパロロワのパクリだ。
今期描写の少ないおかしなところは大体これで説明がつくよネ。
ひろしに支給されたのは「スタイリッシュアクション」
常人離れしたスタイリッシュな戦闘行為が行えるというものだ。
今期カオスロワにおいて、このスキルカードを手にする方法はいくつかある。
一つ、初期支給品に含まれている場合。 ひろしの「スタイリッシュアクション」はこれによる。
一つ、他人の支給品から奪うなどして手に入れる。
一つ、殺した相手がスキルカードに変化する。
最後の一つは、ひろしが自衛のため人修羅(lv.5)を殺して発見したルール。
これによりひろしはスキル「人修羅」を手に入れると共に……
(あれ? 殺して支給品とスキルカードが手に入るってことは、つまり……?)
積極的に殺し合いに乗っているマーダーが、スキルカードにより手が着けられない化け物のなる可能性に思い至ったのである。
話は戻る。
「てめえにゃ教えてやんねーよ!」
自分の家族を守るには、より多く殺して、より多くのスキルと支給品を手に入れるしかない。
現実離れした状況で力を手にし、自衛とは言え殺してしまった時にひろしに生じた勘違いともいえる万能感。
澪の秋山家とは違い、野原家はなぜか全員埼玉県春日部市の野原宅から遠く離れたところでロワの開始を告げられた。
しかしひろしは「闘争」を選択した。
どこにいるともしれない家族のために。
「そうですか」
カオスロワとはいえ、いや、カオスロワだからこそ、聖人であるブッダは人々の信仰を失い力を大きく制限されていた。
ならば、説法も奇跡も意味を持たず。
「饅頭よ!」
「ゆ……?」
「動けますか?」
「ゆっくりならだいじょうぶだよ……」
「その娘を連れてここから離れられますか?」
「ひっ!?」
「大丈夫、ゆっくりこわくない饅頭だよ」
「いや、いやぁ……」
「なんとか逃げるよ!」
「いい返事です」
「なにごちゃごちゃ話してやがる! つい待っちゃったじゃねーか!」
「つい、か。人の孝徳を感じられるなら何故……」
「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
ブッダは、今一度釈迦族の王子、ゴーダマ・シッダールタとして戦おうとしていた。
「ゆっくりにげるよ!」
「イヤァァァァァァァァ!!??」
「ゆっくりではなく急いで逃げなさい! 私もあとできっと追いつきます!」
「逃がすかよ! もう出し惜しみはしねぇ! デビルトリガー!!」
【一日目・1時30分/日本・桜ケ丘高校前】
【秋山 澪@けいおん】
【状態】恐慌
【装備】パジャマ、サンダル
【道具】支給品一式
【思考】
基本:起きる
1:qあwせdrfgthyじゅいkぉp;@:「」
【野原ひろし@クレヨンしんちゃん】
【状態】健康、デビルトリガー発動
【装備】アラストル@デビル メイ クライ
【技能】「スタイリッシュアクション」「人修羅」
【道具】支給品一式
【思考】
基本:家族を守る
1:目の前の連中を殺しスキルと支給品を奪う
2:家族と合流する
3:出来る限り殺し自分と家族を強化する
【ゆっくり霊夢@ゆっくりしていってね!!】
【状態】切り傷だらけ、若干焦げてる、疲労(中)
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本:みんなゆっくりしていってね!!
1:ゆっくりしたい
2:澪を連れて逃げる
【ブッダ@聖☆おにいさん】
【状態】健康
【装備】がんだ~らと書かれたTシャツ
【道具】支給品一式
【思考】
基本:衆生済度
1:ゆっくりたちを逃がす
2:目の前の男を説得したい
【人修羅@真女神転生3 死亡確認】
死因:事故でパトった
最終更新:2011年08月24日 00:29