我輩は猫である。名前はまだない。
BR法は猫である我輩には関係がないもの
と思っていたのだが、いつのまにか首輪が付けられていた。どうやら我輩も参加せねばならないようだ。小子化や高齢化は猫に関係ないだろうに。
我輩だけが参加猫なのか。それとも全ての猫が参加しているのか。確認のために近所の様子を見ることにしよう。
縁側に横たわる小生を飛び越え庭に出ると、どこからか猫の悲鳴が聞こえてきた。
悲鳴がした家に向かい垣根の隙間から様子をうかがうと、ペンチとビニール紐を手に襲い掛かる男 そしてそれを必死にかわす白い猫の姿が見える。その首には鈍く光るリングがあった。
…あの猫を助ける義理はない。が、あの猫の彼氏に貸しを作るのは悪くないな。奴は不思議な道具を数多く持っている。中にはこの首輪を外すものがあるかもしれない…
支給品の爪と牙を身につけ、背後から男に飛び付き、背中を引っ掻きまくる。超硬度
の爪の切れ味は凄まじく、服はおろか筋肉すらやすやすと切り裂いた。
「今のうちに逃げろ!」
「でも…」
白猫は戸惑っているようだ。
「彼氏の家に行くんだ。奴ならこの状況を打破できるはず…!」
「…あなたの名前は」
「我輩…」
の名前はまだない と続ける前に、背中にまわした男の手が我輩を捕らえ
「うぁぁぁッ!猫ごときがッ!」
そのまま我輩を地面に叩き付けた後、首に紐を巻き付けてきた。
「我輩さんっ!」
「いいから早くいけ!こいつは我輩がなんとかする!」
痛みに耐えつつ紐を切り裂き、距離をとる。
「…あなたもドラちゃんの家に来るのよ!待ってるから!」
そう叫ぶと白猫は垣根を飛び越え、
ドラえもんが住む家の方角へ駆けていった。
「ディルレヴァンガー…まさか東京にいるとはな」
猫殺し。数年前に子猫を虐殺しネットで実況した男。身元が割れ逮捕されるまで、猫達を震え上がらせた存在だった。
「猫ごときが俺に歯向かうかぁーッ!」
叫ぶと同時に数枚のCD-Rを投げ付けてくるディル。それらを叩き落としつつ、爪による一撃を喰らわせようと跳躍するも-
「よぉーしよしよしよしよし」
我輩は奴が持つ、柔軟性がある棒の先にあるフワフワの物体に心を奪われた。
ねこじゃらし。対猫用の兵器である。
我に返ると同時に首の辺りからポキリと音がした。体が動かない。どうやら首の骨を折られたらしい。遠退く意識の中に
「世界の戦う黒ムツ諸兄に捧ぐ」
という声が響く。またか。どうしようもない人間だ。やはりこいつは-
最期に死亡確認と言うドンブリ頭の中国人が見えた気がした
ディルの首から赤い液体が溢れ出す。奴は化け物をみるような目で我輩を凝視し、ゆっくりと倒れていった。
「一度きりの人生というのは不便だな…お前には二度も殺された。報復が一回しかできない」
【我輩(仮名)@百万回生きた猫】
状態:健康 *過去に数回死亡
装備:オリハルコンの爪、オリハルコンの牙
道具:支給品一式
思考1.ドラえもんの家に向かう
思考2.ドラえもんの道具で首輪を外す
【ミーちゃん@ドラえもん】
状態:健康
装備:
道具:支給品一式
思考1.ドラえもんの家に向かう
思考2.ドラえもんと合流し我輩を待つ
【ディルレヴァンガー@2ちゃんねる】
状態:死亡
備考:死体付近にCD-R数枚とペンチがある
【小生@我輩は猫である】
状態:死亡
【東京のどこか 16:00】
最終更新:2006年12月17日 15:33