多分日本一有名な大学。
部屋に不自然に転がるビン。
BR法をいち早く察知した学生が、薬品を大量に教室の隠し扉(自作)に隠していたのだろう。(って言ったって今回の事では無く、映画『バトルロワイアル』のBR法に影響されたアフォ学生)
まあ、ともかく――自称天才アルケミスト、エゼル・バルビエ(ちなみに指名手配中)は、自前の頭脳で薬品を本片手に混ぜ合わせていた。
バルビエ印、特製爆弾。奥さん安くしておきますよ?
完全なる薬品兵器。――はっきり言って、専門分野では無いが。
しかし、自分なら大丈夫。発明ならおてのものだ。
道を極めた精錬術師。天才アルケミスト。あらまあ、そうですか。
結局、エゼルが必要な分の高性能薬品兵器(未実証)を作り出すには、
ゲーム開始から二時間は過ぎていた。
――それでも、殺傷させるには十分過ぎる程の量の兵器は揃った。
爆弾から毒ガス散布兵器。はい、全部自作。俺天才。
「動かないで」
エゼルが振り向くと、ドアには立派なブツを構えた人間の眼鏡女が覗けていた。
眼鏡女の顔は相当引き攣っていたにも関わらず、笑みすら見える。
そうですか、人を脅して私TUEEEEEE目的ですか?
「……何のつもりだよ?」
「いいから、こっちに来なさい」
ちゃき、と、重苦しい金属音が部屋に響く。
確かにここで爆弾(威力未実証)を使えば簡単に倒せるだろうが、威力がまだ分からないこれを近距離で使ったら自分までどうなるか分かった物ではない。
相手をまどろませる錬金術、アゾート(菓子の詰め合わせ
みたいな名前だ。しかもエゼル唯一の使用可能錬金術)を使うには時間がかかりすぎる。
それに――女の目的は?
素直に女に近づくしかなかった。
まあ、脅している以上突然撃つ、なんて行動は少なくとも行わないだろう。当面、女に従うしかない。
そう踏んでから、エゼルは女に近づいた。
これでどうなんだ? 眼鏡ちゃん。
すると――どうだ?
エゼルの上着を少しずつ片手(無論、もう片手は銃でエゼルを向いたままだ)で剥いでいくではないか!
エゼルは、――まあ常人より回転速度が数倍早い脳で、服に手をかけた時点で理解した。
これは、つまり――
「あなた、童貞でしょ?」
「――」
エゼルは言葉を失った。
この眼鏡女は言ってのけた。軽い口調で。
「私は――ただやられる側よりやる側に回っただけよ」
何? なんて言ってるんだ、このバカは?
エゼルは笑いを堪えるのに必死になった。
アンハ。それで全部わかりました。ということは、あれですね。
最初から例え逆レイプであろうと何だろうと、とにかく俺とヤっちゃって、結局いつかは殺すつもりだったわけですか。
他の奴らが全員死んで、俺を盾にすれば生き残れると? なあるほど。それまで俺と何回やれるか計算でもしてた訳か?
馬鹿馬鹿しさと眼鏡女の無知さで、背筋がむずむずした。
さっきの「ただやられる側よりやる側に回っただけ」の『やる』は『殺る』んじゃなくて『犯る』って訳か?
ハン、笑わせてくれるぜ。
それに――童貞だって? ああ、そうかもしれないしそうでないかもしれないな。
まあ――今はどうでもいい事だ。
とにかく、こいつは果てしなく頭が悪いんじゃないか?
女はエゼルの身につけていたケース(エゼルの発明品の一つ、カードを入れるケース。尤も、今は『混沌のテラ』とか言う物語か何かの一部の写紙入れになっていたが)を乱暴に投げ捨てると、
一段落したかの様にエゼルの身体を白いローブごしにつたうように愛撫(ウザったい事この上無かった)し始めた。
「あら――いい身体付きじゃないの」
――で?
どうするんだよ?
エゼルは一瞬の隙を突こうと女から銃を奪おうとし――行動を中断された。
女はエゼルのローブを上へめくり上げ、そのまま内側へ飛び掛かる!
「なッ!?」
エゼルは驚愕の表情と声を上げ――
――しばらくお待ちください――
その数十秒後だった。
眼鏡女の頭はエゼルの目の前で石榴の如く弾けた。
びちゃびちゃと、ぐじゅぐじゅになった、所謂ミンチ肉がそこら辺に飛び散った。
――はい?
それはエゼルが作った爆弾による爆発と理解するには、二秒もかからなかった。そこにいる人物が持っていたので。
仰向けに倒れたエゼルからは、青い髪の少女、混沌のテラに書かれたままのそれなら、リリーナが、そこに立っていた。
「大丈夫?」
リリーナは
「ああ……まあ、平気だ」
エゼルは痛むそこを押さえながら――
――って事は、本格的に? ――
――立ち上がった。
上着を着直し、ケースを再び身につけると、再びリリーナの方に鼻を向けた。
はい、大丈夫ですともレディ。
「とにかく、早くここから出ましょう、今の爆発を誰かが聞いた筈……」
何か、リリーナが凛々しく見えた。或いはあまりにも判断が早過ぎる?
リリーナは足早に廊下に出ていった。エゼルもその後を追い――で、驚愕した。本日二回目――
先程、確かにリリーナがしっかりととどめを刺した筈の眼鏡女が、廊下を軽トラで爆走してこちらに向かっている!
あの女の死体はまだ教室内に転がっている。――では、あの女は?
そんなことも尻目にエゼルは迷わずアゾートを試みた。
まあ、エゼルは軽トラなんて見た事ないし、中の人さえ眠らせればなんとかなると思ったのだろうが、はい、そうはい神崎。
女は、眠りに落ちた。運転席で。
どう見ても居眠り運転です、本当にありg――
突然、唐突に軽トラが爆発した。
本当に唐突。
普通爆弾をそんなに易々と使うか?
「……よくあんな至近距離で爆弾を使ったな」
軽トラと、エゼル達の距離は既に四メートルも無かった。リリーナが爆弾を投げ込んだのだ。まあ、結果オーライ。
「あら、私は、アフラ・マズダ様に従っただけよ?」
リリーナは微笑みながら、そう返した。
――混沌のテラのリリーナより明る過ぎやしないか?
リリーナの胸元に、何かが涼やかに揺れた。
【一日目 東大 14時】
【エゼル・バルビエ@FFTA】
[状態]:疲労
[装備]:爆弾 混沌のテラの写紙(209話と211話、215話が書いてある)
[道具]:支給品
[思考]1:生き残る
【リリーナ@ファイアーエムブレム封印の剣】
[状態]:電波受信
[装備]:爆弾 稲田瑞穂のガラス玉(特別付録、アフラ・マズダ様入り)
[道具]:支給品
[思考]1:アフラ・マズダに従う
最終更新:2007年05月15日 23:11