「なんとか間に合ったぜよ……」
「なんとかってねぇ……」

 ボート上の詐欺師が遠き故郷、日本を見ながら、呟いた。
 現在の時刻は日本時間で二日目00:00。
 ハク、霊夢、そして仁王の三人はなんやかんやで日本を脱出していた。

『動くこと、雷霆の如し』

 仁王―――がイリュージョンによって扮した真田が二人を背負って……
 雷の如き速さで長野県を駆け抜け、静岡県で船を拝借したのである。
 そして、現在、三人でオールをこいでいる。

「……禁止エリアが日本になってから二時間も経ったのにね」
「主催者側でも色々事情があるんじゃないの?」
「にしても、熊岡県って本当になんなのかしらね?」
「……熊岡県、大木とヘリの融合体にして、けいやくしょで契約を結ばれた日本国の新たな領土。  
 一応県。操縦席もあり、プロペラによって飛ぶ事も出来る。冷暖房及びシートベルトなし。
 攻撃反射の能力は原作終盤同様未搭載な模様。埼玉県と福岡県の間をぼちぼち目立ちながら移動中。
 ……書き手ロワ3rdでの設定ぜよ」
「書き手ロワって?」
「プリッ」

 意味が有りそうで無さそうなことを話す仁王。
 この話が彼の詐欺(ペテン)かどうかは定かではない。

「それにしても熊岡県に行くには飛ぶ必要があるわね」
「私一人だけなら……まぁ、私が行く必要ないしね」
「博麗……薄情じゃのう」
「だって、行ったところで二郎が食えるわけじゃないでしょ?」
「……そういえば、レジスタンスの一員に美味しい料理を作れる人が……」
「それって無料?」
「協力してくれるなら、交渉はする」
「プリッ」

 ボートを漕ぎつつ、ハクは考える。
 レンは先程まで熊岡県にいた。しかも熊岡県は浮いている。
 ある種の逃げ場がないのである。
 つまり、レンを殺した奴はまだ熊岡県にいる可能性が高いと考えた。
、しかし、ハク達は今の所、熊岡県に行く術がない。 

 ハクが一人で悩んでいた、その時である。

「――――その役目は私に任せてもらおう!!」
「「「!?」」」


『パラパーン! パラパーン! パァーパパーン!!
 パパァパパァ! パパァパパァ! パラララー!!』


 大声のセルフBGMが流れた、そして、海中から浮上してきた現れた謎の戦艦。
 その戦艦は先端にドリルが付いたロマン溢れる戦艦であった。


「……また変な奴が来たわね」
「おまんが一番の変人ぜよ、博麗……」
「あーん? 何か言った?」
「ピヨッ」
「その声はボs……トロンベの人!」
「……今の私はレーツェル・ファインシュメッカーだ。それ以上でもそれ以下でもない」
「……弱音ハク、それにそこの二人、とりあえずここで話すのもなんだ、中で暖かい食事を用意している」
「やっと、ご飯に辿り着けそうね」
「ピリーン」

 そして、三人は導かれがままにクロガネの艦内に入った。
 尤も霊夢は暖かい食事という言葉に釣られて中に入ったのだが……。
 中にいたのは長身の男が二人。
 一人はサングラスを掛けて、謎な雰囲気を醸し出す男。
 もう一人は犬……もとい、犬のような男。

「ようこそ、クロガネへ……私が艦長のレーツェル・ファインシュメッカーだ」
「そして俺がスペシャルポリス……SPD地球署署長ドギー・クルーガーだ。
 ……今はレジスタンス組織の一員でもある」
「おい、博麗、犬がしゃべっとるぜよ」
「別にそんなことはどうだっていい、重要なことじゃない……それよりもご飯は?」
(まさか、レジスタンス側には宇宙警察までいたの?)
「安心したまえ、こちらに用意してある。
 ……それとジロリアン五人衆が君に非礼をしたことは私から詫びておこう、すまなかった」
「アンタがアイツらを裏から糸を引いてた黒幕だったの?」
「いや、同じジロリアンとしてだ……彼らは礼儀がなっていない」
「まぁいいわ……それよりも、これ食ってもいいかしら?」
「…………」

 ジロリアン十二神将の一人、レーツェルが霊夢に詫びる。
 しかし、そんなことお構いなしに霊夢は目の前にある海鮮スパゲッティを懸命に口に運ぶ。
 それはまるで高級レストランに出てきそうなシロモノであった。普通に美味しそうである。

「それでレーツェルさん……熊岡県に行く方法って?」
「このクロガネで君たちを熊岡県に運ぶ」
「……裏があるわね(ズズズズ)」
「プリッ(ズズズズ)」

 霊夢と仁王はスパゲッティを食べつつ、レーツェルとドギーに視線を送る。

「実はな……」

 ◆ ◇ ◆ ◇

「着いたぞ」
「ここが熊岡県か……案外普通ね」
「プリッ」

 1時間後、彼らを乗せたクロガネは熊岡県に到着した。

「それでは君たちの健闘を祈る」
「……アンタらは行かないの?」
「我々はまだやるべきことがある……それにな」
「ええ、わかったわ」
「プリッ」

 そして、クロガネは熊岡県から離れていった。
 三人はクロガネを見送ると熊岡県を探索し始めた。
 ……とある目的のために。

【二日目・1時30分/ムー大陸上空・熊岡県の端の方】
【弱音ハク@VOCALOID派生】
【状態】健康、決意
【装備】オルテガのマスクマント@ドラクエ3、斬鉄剣@FFシリーズ
【道具】支給品一式 、アグ○スの支給品
【思考】
基本:家族を救い、徹底的に抗う
0:熊岡県を探索する
1:レンを殺した奴は絶対に斬る
2:シャウトモンを信頼する
3:がくぽが言っていた妖夢と黒い服の女に少しの興味。
4:バグラモンが気になる
※8期とは別人


【博麗霊夢@東方Project】
【状態】健康、少々のやる気
【装備】メダジャリバー
【道具】支給品一式、ラーメン二郎の無料券、大量のセルメダル
【思考】
0:ハク達に協力するが、別に仲間になったわけじゃない、飯の恩を返すだけだからね!
1:二郎のラーメンを食べるために何かする。
2:とりあえず、主催者と異変を起こした奴をぶっ殺す。
※ハクが知る限りのレジスタンスの情報を知りました。

【仁王雅治@新テニスの王子様】
【状態】足に疲労(小)
【装備】テニスラケット、テニスボール
【道具】参加者詳細名簿、血糊、その他不明
【思考】
基本;???
1:プリッ


「さて、我々も行くとするか…」
「出来れば、アイム・ド・ファミーユという娘を保護しておきたいが……」
「ドギー、確かにそれも一理あるが、今の状況を分かっているのか?」
「冗談だ……では、俺は先程の『彼女』から送られてきた機密暗号の解析を進めておく」
「頼んだぞ、友よ、駆け抜けろ、トロンべ!」

 三人を送った後、再び二人はクロガネの艦内に戻った。
 そして、レーツェルは操縦桿を握り、クロガネを移動させていく。
 ドギーは先程、某所から送られてきたデータを解析する。
 その送られたデータとはイシドが作ったモノであった。



(まさか『執行者の中にも裏切り者が……しかも複数いる』とは主催者側も流石に思わないだろう?)


 そして、クロガネはムー大陸の地中を突き進んでいった。

【二日目・1時35分/ムー大陸地下】
【レーツェル・ファインシュメッカー@バンプレストオリジナル】
【状態】健康
【装備】クロガネ、小型拳銃
【道具】支給品一式、大量の料理、その他不明
【思考】
基本:殺し合いの破壊
1:ドギーと行動を共にする
※ジロリアン十二神将の一人です。

【ドギー・クルーガー@特捜戦隊デカレンジャー】
【状態】健康
【装備】マスターライセンス
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:殺し合いの破壊及び主催者逮捕
1:レーツェルと行動を共にする
2:出来れば、アイムを保護したい
3:デカレンジャーの皆とも合流したい。
※レジスタンスのようです。
最終更新:2012年02月09日 15:18