「……」
アンゼロットは無言で服を脱いでいた。
顔にぶちまけられたケフィアは一応タオルで拭いたが、髪にまで纏わりついているのだ。
仕事をおろそかにはしたくなかったが、ここは素直にノーベンバーの好意に甘えようとも思った。
とにかく、早いところシャワーを、欲を言えば入浴してこの粘液を落としたい。
自分では気がついていないが、アンゼロットは涙目であった。
(まったく……先生は、何故あんな変態を?
鏡音レンもそうです。確かに戦力としては申し分ありませんでしたが……
黒服がまた大量に死亡……まあ、それは残った彼らが何故か仕事を3倍の速さでこなし始めたからいいです。
あ、あろうことか、私にまでいやらしい薬を塗って、あんなところを……!)
服を脱ぎつつ、アンゼロットは鏡音レンに危うく汚されかけたことを思い出し、一瞬身震いする。
あの時は意地で耐えたが、あのまま続けられていたらどうなっていたことやら……
ちなみに、黒服たちの仕事スピードが上がった理由は、その時の録画テープである。
主催本部の技術で瞬く間に量産されたそれを糧に黒服がハッスルしているということを、彼女はまだ知らない。
(……そういえば、確か鏡音レンに最初に襲われたのは先生だったはず。
まさか、ワクチン投与が遅すぎて、実はKLウイルスに感染していた……?
いやまさかそんな……でも、それならあのクリスタルボーイら変態を復活させた理由にも……)
ここで、アンゼロットはひとつの疑惑を抱いた。
それは、マユリもKLウイルスに感染しているのではないかということ。
ワクチンというものは、ものにもよるが投与が遅すぎるとその効果が発揮されない。
バイオハザードのウイルスなどもその例だろう。
黒服よりも、自分よりも、誰よりも鏡音レンと長時間一緒にいたのはマユリである。
つまりは、感染の可能性も一番高いのだ。
そして、感染していなかった場合。
これも妙だ。鏡音レンに普通の状態で搾取されたなら、変態はこりごりになるだろう。
それは、参加者のニアラがいい例だ。
変態にこりた人が、極度の変態であるクリスタルボーイを、ついでに自称魔王も復活させるだろうか?
元々鏡音レンは、レジスタンスにウイルスをまく為……内部から破壊するつもりだった。
まさかそれと同じ、逆転の発想?
『主催者本部に変態を増やし、作業を妨害する』それが目的だったのではないだろうか?
主催者本部に入り込んだレジスタンスのスパイが、イシドだけとは限らない。
(……どちらにせよあとで、先生の様子を見る必要がありそうですね。でも今は、お風呂が優先です)
新しい仕事が増えたことに頭を抱えつつ、アンゼロットは浴室でくつろぐ。
できれば杞憂であって欲しいと願いながら。
【真昼の月アンゼロット@ナイトウィザード】
【状態】髪に
クリボーのケフィア、マユリに疑念
【思考】
0:あとでマユリを問い詰める。
1:バトルロワイアルを運営しつつテラカオス・ドヴァイを倒す
2:レジスタンスの動きにも気を配る
3:新しい駒でも捜しますか
4:イシドを泳がせる
5:あの人の帰還を待つ
6:鏡音レンを利用するが、二度と本部には入れさせない
※主催側です。
最終更新:2012年02月13日 10:50