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「しかし、空気になりきるってのは難しいねぇ」
「貴女のどこが空気なのよ……」

紫と10/がレジスタント本部で茶を楽しんでいた時であった。
ブゥンという音と共に、本部のモニターに突然映像が映し出された。
「これは……イギリス支部から?」
どうやら発信の大本はイギリス支部らしく、すぐにとある人物の顔が映し出された。

「魔理沙……?」
「よー紫、元気でやってるか?」
「え、ええ。貴女はどうなの? 貴女に任せたスイス支部が実質最後の砦だったのだけれど」
「そっかそっかー、紫は元気か。なによりだぜ。
 ……ならきっと今頃、レジスタンスの連中はみんなお前を恨んでいるだろうぜ?」
「なっ……! それはどういう意味――」
「ちょっと、面白いもんみせてやるよ」

モニターの魔理沙が何か操作をすると、画面が切り替わった。



「かはっ……!」

八雲藍は、奮闘した。
突然の支部内部爆破にも迅速に対応し、支部員たちの逃走に尽力した。
だがそれは、すぐに妨害されることとなった。
悲鳴とともに巻き起こる爆音。
彼女の周りにはいつのまにか無数の死体が転がり、その目の前には……

「な、なぜ機皇帝が我々に攻撃を……!?」

知る由もないが、絶望を味わってしまったアポリアの操る機皇帝もまた暴走を開始したのだ。
藍の能力は非常に高いが、相手が悪すぎた。
たった一人で4機もの巨大な殺戮兵器を相手取るなど、不可能なのだ。
繰り出される斬撃に砲撃の嵐。
過剰殲滅ともとれるそれは、妖狐の体を跡形もなく吹き飛ばしてしまった。



「藍……!」
「ははは、まさかあいつらが暴走するとは思わなかったぜ。嬉しい誤算だけどな」
「貴女、何を言って……!」
「ほい次いくぞー」



「うぐ……ここまでなのか……死ぬ前に、もう一度二郎を食べたかったな……」
「あたしは……もうちょっといい男と一緒にいたかったわね……」

真っ赤に染まった部屋に横たわるのは、赤セイバーと泉京水だ。
誰が見ても一目でもう長くはないことがわかる傷を負っている。
そしてそのすぐ側には、かつて赤屍蔵人と呼ばれた者の屍がぐしゃぐしゃになって転がっている。
立っているのはただ一人。かつて6/と呼ばれたリビングデッドのみだ。
多少の傷や相方の死など問題ないと言わんばかりに、再生6/は胡桃の剣を造り出した。
そして、それを振り下ろす。
もはや虫の息の二人の頭部めがけて……





「……っ!」
「おー、片方は倒せたんなら、こいつらかなり頑張った部類なんじゃないか?
 よし、次にいくぞー」



「く……ここまでか……! 黒、ベル! スターダストに乗って先に行け!」
「ここは、僕らが足止めします……! アンゼロットさんを連れて、早く!」

アンゼロット一行もまた、追撃を受けていた。
とは言っても相手は機械やリビングデッドの類ではない。
「なんだ、ルーチェモン、この程度の連中を蹴散らすのにわざわざ我を呼んだのか?」
神に等しい力を持つ、アルセウスとルーチェモンだ。

「ど、どうして私が……そ、それにどうしてあなた達が……?」
「……君はどうあれ、主催者の立場だった人間だ。ポーランドの悪夢も元は君の手によるものだろう。
 それはとても許せることじゃないけれど……今の君は確かに主催者に怒りの感情を持っている」
「お前に追っ手が差し向けられるのも、こちら側にいるとなにか主催側にとって不都合が生じるからだろう。
 ……ならば、俺たちはその可能性にかける。お前が主催者を討つ刃となる可能性にかける!」

星屑の竜が空を飛び、アルセウスらがそれを追おうとするが、すぐさまに二人の男が立ち塞がった。

「ふん、人間が神たる我に、このアルセウスに逆らうか! 身の程を知るがいい!」

アルセウスが輝いたかと思えば、次々と大爆発が発生していった。
およそ人間では耐え切れないほどの威力をもって……



「な、なに……今の怪物は……」
「おいおい、第三勢力の把握すらしきれてないのか?
 しかしあいつらも無駄死にだな。あの元主催者もカブトボーグ所持者、殲滅は確定事項だ。
 それじゃ次だな」



「……」

そこにはもはや誰一人として生者はいなかった。

「……」

文字通りの死屍累々、苦悶の表情を浮かべた死体で、そこは埋め尽くされていた。
この場所があのイタリアであるなどと、誰が予想できようか?

「……」

かつては希望を周りに与えた皇も、今は地に沈んでいる。
誰もいない、死の大地だ……



「こ、ここは……!?」
「あ、そうか。ここはもう主催者の使ったウイルスで全滅してて面白くもなんともないな。
 そういや紫、これも知ってるよな?」





局所的な爆発で、熊岡県の何かが崩れ去った。
おそらく熊岡を支えているであろう支柱やコアの類が破壊されたのだ。
圧倒的な質量を持つ熊岡が海に落ちたらどうなるか?
落ちた衝撃も凄まじく、巨大津波だって発生する。
およそ普通の人間では、熊岡にいては助からなかった。
博麗霊夢は空を飛べたが、残りの同行者はそうはいかない。
いかに騙しが得意でも剣術がすごくとも、自然の力には抗えず、海の底に沈んでいったのだ。
人も大地も関係なしのその災害の様子は、モニター越しでも十分な恐怖を与えるものであった。



「いやー、さすがに霊夢には逃げられちまったみたいだが、残りは死んだぜ? なかなか迫力あるだろ。
 ん? そろそろか。ちょっとテレビの方に切り替えるぜー?」



『諸君、レジスタンスは同じ対主催でありながら、我々の要求である、
ボーガーの粛清を拒んだ、これはその報いである!』
『この男を殺す!裁きを下す!』

『ここまでか……リーダー……紫殿……』

『これが裁きである!カブトボーグの味方をした者の末路である!!
だが、我々はカブトボーグを拒む者なら喜んで受け入れよう!!
この世界から忌むべきカブトボーグと主催を滅ぼすのだ!!』



「…………ッッッ!!!」
「あははは随分派手にぶっ放したな! さすがは我ら人造昆虫カブトボーグ V×Vはウザイ連合だ!
 よかったな紫? お前、このおっさんからは随分信頼されてたみたいだぜ?」
「黙りなさい!」

次々と見せられる悪夢のような殺戮映像に、たまらず紫は叫ぶが、それでも魔理沙は言葉を続けた。

「……ま、こんだけお仲間の死に際見せておいてなんだけどさ、あいつらは頑張ったと思うぜ?
 どんなに攻められても挫けないで、粘って頑張って主催者達と戦ってきた。
 実際イタリアは主催者の攻撃に耐え切ったわけだし、スイスだって見事に迎撃してみせたさ。
 ……あいつらが、カブトボーグなんてもんに味方しなければ、本当の『仲間』になれたのにな……」
「何を、勝手な! さっきからカブトボーグカブトボーグ……!
 殺された彼らが! 何をしたっていうのよ!?」



「なに言ってんだよ紫? レジスタンスはカブトボーグなんて兵器をもってるような連中を仲間に引き入れてるんだぜ?
 そんなの、組織ぐるみで同罪に決まっているじゃないか」



紫はその魔理沙の淡々とした口調に、心底震え上がった。
もはや彼女は、自分の知っている彼女ではないのだと、嫌でも思い知らされた。



「悪いが紫、カブトボーグってのは本当に危ないもんなんだ。
 奴らがその気になれば、零距離からマスパぶっ放してやっても無傷なんだぜ?
 そんなもんが世の中うじゃうじゃ……悪意ある奴らが使ったら、世界は一瞬で破滅だ。
 だから私ら連合は徹底的にカブトボーグと主催者を殲滅させる。世界に真の平和を取り戻すためにな」
「……! あなた達がしていることも、主催者となんら変わらない虐殺じゃない!」
「おいおい、勘弁してくれよ。主催者は善良な市民も殺す。私らはあくまでボーガーや擁護派しか殺さない。
 その違いがなんでわからないかなぁ……まあいいや。そろそろお別れだ紫。私もひまじゃないんだ」
「待ちなさい!」
「もーあと残ってる支部ってイギリスだけだと思うけど、できれば降伏してくれないか?
 さっきも言ったが、ただ主催者に立ち向かってたあいつらのことは好きだからな。ボーグさえなけりゃいい。
 ……ただし、紫。お前とお前のところのリーダーは駄目だ。
 ボーガーを擁護してんのは、リーダーが重度のボーガーの可能性が高いからな。
 そしてお前は……仲間が殺されるのを見て怒っていたみたいだが、何かしたのか?
 死んだあいつらは、自分で移動してた。戦っていた。だけど紫、お前はどうなんだ?
 ただ本部でのんびり使えそうな参加者に○×でもつけてたんじゃないのか?
 いずれ本部の場所も暴いてやるぜ? それまでにほんの一握りでも仲間の命が惜しかったら、降伏するこった」

自分の言いたいことのみを喋り続け、やがてモニターはブツンと音をたてて真っ暗になった。
それは現在の紫の心境を表すかのようだ。
スイス支部リーダー・霧雨魔理沙の裏切りから始まったレジスタンスの壊滅。
未だ底の見えぬ主催者の力。
アルセウスと名乗っていた、全く異なる派閥の敵対者。
そして、今こうしている間にも世界各地で虐殺を繰り広げているであろう人造昆虫カブトボーグ V×Vはウザイ連合。
残った支部はイギリスのみ。だがあそこも既に退避勧告をしており、大多数がスイスに向かっていたことだろう。
彼女を、霧雨魔理沙を信頼しての行動だったというのに……
その行動が今、大惨事という言葉も生温い惨劇を産み出してしまった。
もはや、レジスタンスは戦えない。主なメンバーが皆殺しにされ、あのオルテガまで惨く処刑されたのだ。
再起は不可能。
レジスタンスはこの戦いから脱落した負け犬なのだ。
僅かに生き残った者は、あとは指を咥えて眺め続けるしかない。
主催者が勝つのか。危険な香りを放つ同盟軍が勝つのか。あるいは人造昆虫カブトボーグ V×Vはウザイ連合が勝つのか。
ただ一つ。
もはや正常な思考もままならない紫でもわかったのは……

この先は、絶望の一本道だということだけだ。

二日目・15時45分/???・レジスタンス本部】

【八雲紫@東方Project】
【状態】健康、レジスタンスリーダー代行
【装備】不明
【道具】支給品一式、不明支給品一式
【思考】
基本:レジスタンス幹部として主催打倒に動く
0:茫然自失
※隙間を操る力は一部制限されています
※レジスタンスの幹部です。

【10/@TCBR】
【状態】疲労(中)、拘束中、脱空気
【装備】ドス(短刀)@現実
【道具】支給品一式×2、自作のコンピュータ、 ティーセット一式、その他不明
【思考】基本:『名無し』の因果を断ち切る。
0:どうしよう……
1:ゆかりん(紫)たちに協力をせざるを得ない
2:8/が気になる。
3:6/……ファントム……妖夢が心配になってきた。
4;本物のクウガが見れなくなったのは。ちょっと残念
レジスタンスの皆さん@様々な作品】 全滅確認 ※イギリスのメンバーは若干名生存しているかもしれません
最終更新:2012年02月18日 04:19