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「これは酷い」

ノーベンバー11はそうひとりごちた。
兄貴たちについていくことを決めたはいいが、あまりのスピードに振り落とされたのだ。

(まあ……私は宣伝しても無駄だったろうし、別に構いませんよ?ええ、構いませんとも)

ノーベンバー11はとにかく前向きに行こうと決めていた。
そうしないと、アンゼロットや文人同様、完全に胃に穴が開くからだ。

彼らが今の本部を見たらどう思うのだろうか?

(所詮私たちも、レジスタンス同様用意された駒に過ぎないと痛感しますかね……)

給料2000円で確信した。
ゼロ達はバトルロワイアルよりも前にちょっとしたゲームをしていたのだろう。
ゼロが用意した『主催者』と伏羲が用意した『レジスタンス』
どちらが勝つか?別にどちらが勝っても問題はない。用意された以上、始末も楽だから。
ここに予期せぬ第三勢力、ダークブレインらがやってきてゲームどころではなくなった。
だから旧幹部もレジスタンスも破棄して、DCとの本気の戦いに挑むこととなった……こんなところか?
つまり給料2000円は『こいつどんだけ活躍するか賭けね?』と賭けられた金額なのだろう。

(……)

まさかこんな端金で殺し合いを運営させられるとは。
何も知らずに次々命を散らせたレジスタンスやかつての主催幹部やジョーカー……
遊びの対価にしてはあまりにも大きすぎる。
本部は安全かと思えば鏡音レンのせいでかなりの被害を受けている。
真っ先に帰った左慈が、おそらく一番利口だったのだろう。

アンゼロットも文人も飛び出して、自分だけが最後まで残った。
それで得したのは、『追っ手がいない』のと『2000円』だけだ。
これはどうみても自分が一番馬鹿を見ている。

「最後まで律儀にやる必要はないってか……?」

ノーベンバー11は再び深い溜息をついた。

「さて、これからどうしますか……」



クーガーの兄貴を探してもいいが、正直骨が折れそうだ。
とりあえず参加者になるということで首輪はつけてきたが……
このまま死ぬのはごめんだ。とりあえずの目標は『生きる』こととしよう。
だが各地の組織や、組織に属さないマーダーなど危険な相手は山ほどいる。
一応、ノーベンバー11はこれでも相当に強い。
敵が単体であれば、基本触れるだけで勝利確定だ。
しかし複数に囲まれると……少し危ないか。
かといっていずれかの組織に属するということもしたくない。
そもそも、主催者の一人だった男を受け入れなどしないだろう。

(アンゼロットは……例外でしょうね)

約一名はレジスタンスに助けられているが、それはきっと彼女が美少女だからだろう。
自分のような男では……いやイケメンではあるけども。
……だんだん考えが文人に近寄りそうなので、ノーベンバー11は考えるのをやめた。

「……」

そこでノーベンバー11は、あの最悪な仕事場で共に働いてきた仲間を思い返す。
といっても、生存していてかつ行方がわかるのは2人だけだが。
アンゼロット。彼女はよく働いていた。胃が持っていれば、3000円くらい貰えただろう。
飛来する猥褻物、その持ち主、再生変態、風呂場に突撃してくる上司……慰謝料もとれそうだ。
彼女は彼女の道を見つけた。多くを失ったが、傍らにはまだ仲間がいる。素直に応援しておこう。
文人……彼は一時期、初音ミクとの行為で職務怠慢が見られた。給料1300円くらいだろうか?
だが彼は、アンゼロットが去ったがために胃に二倍のダメージが蓄積されていった。
思えばリンリンを連れていった辺りから様子が変だった。
その後仕事疲れがピークに達し、全裸で会場に飛び出すという奇行にはしったのだろう。可哀想に……

(でも、全裸の紳士はどちらかと言うと私のネタなんですよね)

あ、これはまずいな。とは思いつつ、ノーベンバー11は思考が止まらない。

(アンゼロットには汚いナニと罵られましたが……
恥ずかしいという感情を持っている彼女に真顔でそんなことを言われたかと思うと傷つきますが……
確かに、鏡音レンと比べたら見劣りするかもしれませんが……
文人よりかはずっと立派なのでは……?ほら、上半身の筋肉含めて、全体的に)

ノーベンバー11はいつの間にか服を脱ぎ捨てていた。
確かに、いい体である。

(文人が女性を仲間にして軍団を作れるなら、私にもまずできるはず。
組織に属していない女性と接触して、その方たちと今後を考えるのも悪くない。)

彼も、やはり仕事のストレスで限界が近かったようだ。


三日目・01時00分/アメリカ】
【ノーベンバー11@DARKER THAN BLACK -黒の契約者-】
【状態】健康、全裸
【装備】なし
【道具】2000円、煙草3箱、脱いだ服
【思考】
1:生き残る
2:組織に属していない女性と接触する
※主催をリストラされました。
※C.C.をアンバーと勘違いしています
最終更新:2012年02月24日 16:34