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シリウスという名の主催であり電波体は常に暇であった。
それはバトロワでも変わりはなかった。
ゼロから過度レベルの干渉は禁じられていたために会場を見つめるだけが彼の楽しみであった。
もっともそれは楽しみと言うよりは暇つぶしである。
大体の監視はエクスデスがやっている上にアルバートや帰還したマスターハンドらも動いている。
シリウスが出来ることは書類整理と『断罪者』に細かい指示を下すことぐらいである。
実のところ主催という立場の中ではもっとも暇を持て余していたといえる。

「やれやれ、本当に満たす程度の娯楽と言うのは皆無ですね」

シリウスは元々はブラックホールサーバーと呼ばれる巨大サーバーの管理者だった。
そこでシリウスは快楽的に宇宙各地の電波体という生命体を捕獲し戦わせて楽しみ、時として星ら破壊する狂気的な暇つぶしを行っていた。
そんな彼の前に現れたのが古い馴染みであるゼロである。
ゼロはシリウスに面白い提案を持ちかけた。
それはバトルロワイアルの主催になってもらいたいというものだった、
シリウスは多少の暇つぶしが出来るならと思い快く承諾し、新主催の一人に加わった。
とは言え違反者の粛清はエクスデスがこなし、自身がやれる仕事も限られている。
戦闘力はかなり高いほうであるが、最終局面まではおそらく出番は待ってこないだろう。
「暇そうだね」
同じく新主催の1人であるアルバートが声を掛ける。
アルバートもシリウス同様にゼロの呼びかけで加わっていた。
「あなたはいいですよ、アンゼロットの後釜に納まりましたしね……」
「なら代わりにしてみるかね?」
「フフフ……あなたの仕事を奪うのはやめておきましょう」
シリウスは言った。
「アンゼロットといえば未だにネタキャラ街道を突き進んでいるみたいだね」
「いい暇つぶしを思いつきました……ちょっとね」
「君もかね、過度な干渉じゃないならゼロも許してくれるだろう」
アルバートはそう言うとシリウスはモニターを動かした。


『フフフ……ごきげんようアンゼロット』
シリウスが暇つぶしのために通信を繋げたのはアンゼロットだった。
彼の声が3人の首輪から聞こえる。
元主催であり裏切り者であるが、何故それに至ったのかシリウスも興味があったからである。
それ以外にほとんど他意はない。
ただ本人の興味本位にすぎなかった。

「あ、あなたは?」
『初めまして、私はシリウス……新しい主催の一人ですよ』
「シリウスだと……」
真の主催という言葉に黒が身構える。
ベール=ゼファーも同じである。
『そう慌てないでください、別に私は執行者の粛清でもなんでもなくただお話がしたいだけですからね』
粛清と言う言葉に一番酷く反応したのは仲間に加わった執行者勢である。
『どうやら精神レベルで回復したようですね……貧乏くじ引いたのは箒くんだけですね』
「御託はいいです、さっさと本題に入ってください」
『まずどういう心境で私達を敵に回すことにしたんですか?』
率直に聞くことにしたシリウス。
長引かせるつもりはなかった。
「何故そんなことを?」
『だってそうじゃないですが、彼らは元々伏羲が用意した舞台装置ですよ、あなた方と全然関係ない……そこまで義理立てするのでしょうか?』
シリウスはレジスタンスが伏羲が作ったことは知っていた。
「私はただあの人達のために何かしたい……そう決めたんです」
『あーそれがあなたの敵対理由、あなたは死んだ人のために戦いたいと?』
「それのどこがいけないんですか?」
『あなたはかつては主催という上級階級だったのに……感情で流されるんですね』
シリウスは理解しがたかった。

たしかに職場については最悪だったのかもしれないがアンゼロットはそれを溝に捨てたのだ。
ゼロは実に寛容である。
今まで『名無し』の思惑には気づきつつも放置し、問題のあるものを除き、ある程度は見逃したのだ。
伏羲についてもそうだ、最終的には何もお咎めせずに返した。
アンゼロットも謝っていれば素直に主催復帰も許したのである。
『はっきり申しましょう、あなたいえあなた方は天狗になっているだけです……』
「どういう意味よ?」
今まで口を挟まなかったベール=ゼファーが口を挟んできた。
『フフフ……下品ですよ』
「余計なお世話よ」
『まあいいでしょう、あなたは手順を理解していませんよ……首にあるものお分かりですか?』
黒とベール=ゼファーは首についていた首輪を触った。
不快な金属の感触がする。
『私達にとってあなた方もDCも問題ないんですよ……それがある限りですけどね』
「言ってくれるな」
黒が言う。

『アンゼロット、あなたはそれを抑える側だったんですよ、今更……私達に反旗を翻して正義と名乗るのはおこがましいですよ』
「おこがましい……?」
『だってそうでしょう、あなたは自分の罪を清算したいために反逆ごっこをしている……そうでしょう?』
シリウスは追撃をやめなかった。
むしろどういう反応をするのか楽しみで仕方なかったからだ。
『その直接的な要因がラグナと不動遊星の死になるんでしょうね……まったく理解しがたいヒューマノイドですよ』
シリウスにとってもアンゼロットを助けた2人は実に愚かであり理解できないものだった。
「アンタって本当に腹の立つタイプね」
『当然でしょう……種の存続上、切り捨ては必然ですからね』
「シリウスって言ったな、お前は人間を理解していない」
黒とベール=ゼファーが声のみで攻め立てるシリウスに対して言う。

『フフフ……これは手厳しい、ですがこちらも真実を述べただけですけどね』
「シリウス……」
ようやくアンゼロットが口を開いた。
『なんでしょうか、ミス・アンゼロット?』
「これ以上……」
『どうしました?』
「これ以上……死んでいったものたちを侮辱するな!!」
『な……?!』
さすがの冷静沈着なシリウスもこれには驚いた。
多少の発破だったがまさかここまで感情を爆発させるとは予想外だったのだ。

「ラグナに遊星にクラウザーに他のレジスタンスもたしかにみんな舞台装置と知らず踊らされていたんでしょう」
『……そうです、だから馬鹿げているんですよ』
「彼らがそれを知ってもおそらくレジスタンスをやめなかったんでしょう」
『フフフ……信念って奴ですかね?』
「だから私は彼らの遺志を引き継いであなた方新主催を倒します!」
アンゼロットの言葉に一滴の曇りもなかった。
『なるほど、ようやく多少は理解しましたよ……実に有意義でした』
「ゼロに伝えてください、私はあなた達のような存在を許さないと」
『いいでしょう……あなたの要望にはお答えしましょう、それから黒さんでしたね?』
シリウスはアンゼロットの覚悟を確認し、大体の暇潰しが終えたことを理解した。
だが、このまま引き下がるのもつまらなかった。

「なんだ?」
『銀さんでしたっけ、あなたの探している方は?』
シリウスは新たなに話題を切り出したのは意外な人物だった。

「どうしてお前がそのことを知っている……?」
銀の名が出たせいでさすがの黒も少し動揺が隠せなかった。
アンゼロットの信念が硬いと判断したシリウスは次の1手を即座に用意した。

それは『銀』の存在である。
『何か集団で行動し得体も知れない生物兵器を作ってましたね……』
もちろん半分は嘘である。
だが、黒を心理的に揺さぶるのは十分に可能であった。
現にモニターに移っている黒はいつもの冷静沈着さは失われていた。
「……銀はどこにいる?」
『やはり大切なパートーナーですか、彼女はアメリカにいました……答えられるのはこれだけです』
「そうか、もう十分だ」
モニター越しの黒は明らかに動揺しているのはシリウスには理解できた。
これは参加者を殺傷する過度の干渉ではなくいたずらである。
実に子供ぽい悪魔的なものである。

『以上でお話は終わりです……アンゼロット、私は主催本部でお待ちしておりますので』

そういってシリウスの声は二度と聞こえなくなった。
彼の暇つぶしと言う名の接触の終わりである。
すろと黒はこう言った。

「悪い、ここでお別れだ」
「黒さん?」
黒の突然、言い出した。
「奴の言っている事を信じたわけじゃないが少し確かめてくる……」
「アメリカに行くのね……」
「そうだ、それに奴じゃないが何か胸騒ぎがする、俺1人でいい」
シリウスのことを真に受けたわけではないが黒にとって銀の存在は重要である。
ならば自分の目で確かめるしかなかった。
それが例え罠だとしてでもである。
「……分りました、ベル……このまま連合基地へ行きましょう」
「ちょっとアンゼロット、いいの!?」
「止めても無駄ですよ、銀って人はよく知りませんが……私たちの入る隙間はないでしょうね」
「すまないな」
黒はアンゼロットに感謝した。
「思えばお前にも迷惑をかけたな、本当に悪い事をした」
黒はベール=ゼファーにも謝った。
思えば随分と巻き込んでこの仲である。
「分ったわ、その代わり必ず銀を連れて戻ってきなさい」
「ああ、お前達も彼女らのことを頼む」
黒は『執行者』の面々にそう言うとアンゼロットに地図を渡しアメリカ方面へ歩き出した。
アンゼロット達はそれを見送った。
「黒、必ず戻ってきなさいね……」
ベール=ゼファーはそう言うしかなかった。


三日目・03時00分/イギリス】

【ベール=ゼファー@ナイトウィザード】
【状態】健康、ぽんこつ、アンゼロットに若干同情、黒にたらされてる、怒りと悲しみ、連合基地の場所の書かれた地図
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:主催者を殺す。ウザイ連合も全員殺す
0:黒……
1:手駒を集める
2:三沢、土蜘蛛を警戒
3:連合の穏健派に会いに向かう


【真昼の月アンゼロット@ナイトウィザード】
【状態】覚悟と決意、KBウィルス感染、魔法少女化、黒の驚異的なたらし能力に若干恐怖
【装備】魔法少女の服装、ラブラブステッキ、虹の剣
【道具】バスタオル、出来立てカブトボーグ、ロイドウザウルス、
    トムキャット・レッド・ビートルVモデル(修理中)、シーザー・カエサル・エンペラー(修理中)
【思考】基本::バトルロワイアルを終わらせ、死んでいった者たちへの償いを
0:黒さん……
1:ゼロ以外の脅威にも対処したい
2:連合の穏健派に会いに向かう


【セシリア・オルコット@インフィニット・ストラトス】
【シャルロット・デュノア@インフィニット・ストラトス 】
【凰鈴音@インフィニット・ストラトス】
【共通思考】
【状態】健康、黒にたらされた
【装備】ブルー・ティアーズ@インフィニット・ストラトス
【道具】不明
【思考】
基本:黒さんのために2人を守る
1:黒さん……
※主催側を辞めました


「どうだったかね、彼女らの様子は?」
「しばらく生かせばもっともっと暇つぶしが出来そうなくらい面白そうですね」
接触が終わったシリウスはアルバートと話をしていた。
「君にとって有意義な娯楽が出来たのは喜ぶべきかね」
「では次の暇つぶしを探しましょうね」
「では逃げた左慈がどこにいるか探すのはどうかな?」
アンゼロット達に限らずまだまだ参加者を弄るのは非常に楽しい。
適度に過度にならず遊ぶのもたまにはよい。
シリウスはそう思いつつ再びモニターと楽しい睨めっこする作業に戻った。

【三日目・03時05分/???・主催本部】

【シリウス@流星のロックマン3】
【状態】新しい主催幹部
【装備】不明
【道具】不明
【思考】基本;ゼロと共にバトルロワイアルを運営する
※『真の主催者』の1人です。
※『名無し』の思惑は見抜いております


【マスターアルバート@ロックマンゼクスアドベント】
【状態】新しい主催幹部
【装備】不明
【道具】不明
【思考】基本;ゼロと共にバトルロワイアルを運営する
※『真の主催者』の1人です。
※『名無し』の思惑は見抜いております


「……間に合えばいいがな」

アンゼロットらと別れた黒は銀のところへ向かうべく急いでいた。

「無事でいろよ、銀……」

黒が向かう先はアメリカ大陸である。

【黒@DARKER THAN BLACK -黒の契約者-】
【状態】健康、焦り、アンゼロットに若干同情、怒りと悲しみ
【装備】仮面、ナイフ、ワイヤー、黒いコート、スターダストドラゴン(たらされかけ)
【道具】支給品一式、病院で回収した医療道具、車、土下座最中、通信機 、釣り道具
【思考】基本:ゲーム脱出
1:銀に会いにアメリカへ向かう
2:三沢、土蜘蛛を警戒
3:最中は自重する
※黒がガラスをぶち破ると自動的に『覚醒ヒロイズム』が流れます
最終更新:2012年02月28日 21:57