どれくらいの時間が経っただろうか……
少女の目に映るのは『虚無』。
最初の仲間を失い、守るべき主君を失った。
「…………幽々子様…………」
もういない亡霊の名前を呟いた。
前の放送では最初の仲間、ハーケンの名前は呼ばれなかったのは、当人も疑問に思った。
偽名だったのか……それとも本名じゃなかったのかは今となっては確認するすべなどない。
あの化け物のように強かった『神威がくぽ』ですら死んだのだ。
――――自分はなんで生き残ってしまったんだろう……
マルクが撮ってきたという10/の映像を何度も繰り返して見る。
映像の中の10/は笑っていた。同行していた時に自分にも見せたことが無い顔で笑っていた。
まるで画面の中の化け物たちとの戦いを楽しんでいるように笑っていた。
「どうして……こんな風に笑えるの?」
「彼女は怪物だったんじゃない?」
「ベアトリーチェさん……?」
ベアトリーチェがやってきた。
「10/さんは人間ですよ……普通とはとても言えませんでしたけどね」
「そうね……彼女は『主催者側の手先』なんじゃないのかしらね?」
「…………そうなのかもしれませんね」
(否定しない……妖夢にも彼女に不信感があったのね、クスクス)
ベアトリーチェには10/に対する不信感があった。
ジョーカー疑惑。当人は否定していたが、全否定ではなかった。
疑惑は深まっていくばかりである。その時である。
妖夢のいる部屋にまた
来客者がきた。
「紫様……それと龍宮の使いの……?」
「「ものすごく人違いです!」」
「私は宇佐見蓮子!」
「私はマエリベリー・ハーンです、メリーでいいわ」
メリーと蓮子も妖夢のいる部屋にやってきたのだ。
そして、妖夢は早速、よく似た知り合いと見間違えた。
「……『また』間違えられちゃったね」
「うん、そんなに似ているのかな、私達……」
「『また』って?」
「さっき、紅白の巫女の服を着た娘にね」
「(霊夢か……)で、その巫女は?」
「どこかに行ってしまったわ」
「そうですか……」
霊夢とは入れ違いになったようである。
その霊夢は今ここにはいない、一人で出掛けたらしい。
「その映像の人……」
「知っているんですか?」
「キリカが持っていたSS集にその人と同じ名前の人がいたのよ」
「ああ、乗り物に乗ると乗り物酔いしまくってた人ね」
「その話、もう少し聞かせてください!」
二人はキリカが持っていたカオスロワ8期のSS集を読んでいた。
全648話……一日少しずつ読み進めていけば、一気に読めないことも無い。
それに抑えるキャラを抑えとけばだいたい分かる。
それに出ていたのだ、10/は。ついでに6/も。
「確か……最後に『戦いに乱入して、そのまま何処かに消えた』のよ」
「消えたんですか?」
「ええ、その後、全く出てこなかったからね」
「……話を聞いただけじゃ。その妖夢達と一緒にいた『10/』ってわけでもなさそうね」
余計に悩む。
考えれば考えるほど深みにはまっていく。
「少し外の風に当たってきます……」
頭を冷やすために妖夢は一旦部屋の外に出て行った。
そして、三人がその部屋に残った。
「ねぇ、その話のSS集はどこにあるの?」
「確か、まだキリカが持っているんじゃない?」
「そう……(読んでみたいわね、その話)」
【
三日目・01時00分/???・DC新本部】
【ベアトリーチェ@WILD ARMS Advanced 3rd】
【状態】健康 生身
【装備】なし
【道具】基本支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:バグラモンに従う
1:妖夢が心配
2:10/が出ていたというSS集が気になる。
【宇佐見蓮子@東方Project】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:とりあえず生き残ることを考える
1:生き残るために同盟に入る
【マエリベリー・ハーン@東方Project】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:とりあえず生き残ることを考える
1:生き残るために同盟に入る
「ヒッフッハ! ヒッフッハ!」
刀を振るう。
風を斬る音だけが周囲に響き渡る。
もう何も考えたくなかった。
ただ、闇雲に刀を振るう。
「ヒッフッハ! ヒッフッハ! ヒッフッハ! ヒッフッハ! ヒッフッハ!
ヒッフッハ! ヒッフッハ! ヒッフッハ! ヒッフッハ! ヒッフッハ……何やってんだろう、私は……」
刀を振るうのを止めて、空を見上げる。
目から涙が零れ落ちていく。
「―――幽霊が死ぬとどこに行くんでしょうかね……?」
誰に問いかけるわけでもなく独り言のように呟く。
しかし、答えるものなど誰も居ない。その時である。
「あれは霊夢……いや、男? アレ……なんで見間違えたんだ?」
空を飛ぶ亀の上に乗った巫女―――に一瞬だけ見えた、だが男だ。
妖夢は涙を拭い、その亀が自分の方に向かっていることに気付いた。
「ご主人様……じゃなかった、仁王殿、下の娘っ子がこちらに気付いたようだ?」
「まぁ、そうじゃのう……油断せずに行こう」
その亀に跨った手塚やら霊夢―――にイリュージョンで扮した仁王。
マダカスカル島で一人と一匹は出会った。
亀が人語を話すことには少し驚いたが、先程人語を話す犬とあったので抵抗はなかった。
そして、その亀――玄爺が霊夢を探していると聞いた、どうも捨てられたらしいので文句があるそうだ。
その後、一人と一匹はマダカスカル島を脱出したのであった。
「おっと、こっちに敵意は無いダニ、その刀を収めんしゃい」
地上に降り立った詐欺師は妖夢に話し掛ける。
勿論、敵意など無いことはない示す。
「博麗霊夢と弱音ハクという女を探している」
「霊夢の知り合いですか?」
「そんなとこぜよ……どこにいるか、知っとうに?」
「それは私にもわかりません……何で探してるの?」
「心配じゃからのう……アイツらは強いがかなり危ういんぜよ」
「一緒にいた時間が長かったんですか?」
「話せば長くなるぜよ?」
「……構いません」
仁王は妖夢に今までのことを話す。
そこに詐欺はほとんど無かったような気がする。
「さぁ、こっちは話したダニ、嬢ちゃんはなんで泣いてたぜよ」
「泣いてなんかないです……」
「嘘はいかんぜよ……涙の跡が頬にあるぜよ」
それを聞き、妖夢はハッとなる。
そして、しばしの沈黙が二人の間に出来た。
「……私、分からなくなったんです……」
「ほう……」
妖夢も今までのことを話す。仁王は聞き役に徹する。
そして、全てが聞き終わった後に詐欺師は口を開く。
「魂魄……俺はこういう言い方は苦手じゃきに、強いて言うなら………
眼に見えるモノ、全てが真実とは限らんからぜよ」
「仁王さん……」
「さて、話も済んだし俺は行くぜよ」
玄爺に再び跨り、ここを飛び立とうする。
「ちょっと、待って下さい」
「?」
妖夢は一旦、DC新本部に戻った。
その数分後、仁王の下に妖夢は戻ってきた。
「手紙を残して置きました……私もここを離れます」
「そうか……」
「それで着いて行ってもいいですか?」
「別に構わんぜよ」
そして、妖夢も玄爺に乗り、DC新本部を跡にした。
(……流石に人間二人は重い)
なお、玄爺はちょっといっぱいいっぱいだった。
【三日目・01時30分/???・DC新本部近く】
【仁王雅治@新テニスの王子様】
【状態】健康
【装備】テニスラケット、テニスボール、ゼットセイバー、玄爺
【道具】参加者詳細名簿、血糊、その他不明
【思考】
基本;???
1:プリッ
2:博麗とハクは無事だろうか……
3:真田に会う
【魂魄妖夢@東方Project】
【状態】強い決意、深い悲しみ
【装備】刀「月の桂」@月華の剣士
【道具】基本支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:この殺し合いを開いた主催者を斬り、真実を探す。
1:10/に会う
2:
初音ミクと8/を警戒。
3:しばらく、仁王と行動する。
4:幽々子様を殺した者は確実に斬る。
最終更新:2012年02月28日 22:38