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「シャアアアア……!ってそういや喋れたな」

怪物ことあかりんの弁当は空を飛んでいた。
飛びながら、弁当は今後のことを考えていた。

(急激な進化は自滅をもたらし、主催者にも目をつけられる……)

ヤプールの言葉を思い出しながら、弁当は考える。
慎重に動かねばならない。腐女子からは勿論、対主催思考のマーダー狩りにも気をつけねば。
あのドゥバイを滅ぼした連中はすでにこの世を去っているが、まだ参加者は大勢いる。

(そうだ、ドゥバイは滅ぼされた。ELOSも同じく……)

このカオスロワの地には、かつて2体の怪物がいた。
混沌生命体『テラカオス・ドゥバイ』
超絶性命体『ELOS』
どちらも宇宙レベルで危険な存在であり、限りなく生物の頂点に近かった存在だ。
だが、この怪物は滅びた。それは何故か?

(……力だけを求めてはいけない。まずは己の弱点から克服せねば、彼らの二の舞だ)

弁当は偉大なる先人の死から、しっかりそれを学んでいた。
『弱点』……生物である以上、必ず存在し、それを克服しない限り、完全な存在にはなれない。
ドゥバイは己の眉毛と体内臓器が弱点だった。
確かに外は圧倒的な防御力と攻撃力を持っていたが、内部は普通の女子高生レベル。
ELOSも防御能力に欠点が見られる。
いくら瞬時に感染し、完全に融合しワクチンを受け付けなくして仲間を増やしても、宿主を殺されたらお終い。
ロケットランチャーで爆殺されたらしいが、仮に感染者が沢山いても核投下で滅ぼされていただろう。

(弱点の克服か……まずは……)

強大な力を持つ参加者を狙うのではなく、己の弱点をカバーする能力を持つ参加者を狙う。
新たに定まった行動指針に沿って動こうとする弁当だが、程なくして目当ての参加者がみつかった。




「各地の様子を偵察……確かに余は水だから海上移動で色々動き回れるが……」

海の上で独り言を呟きながら辺りを見渡す巨大な水の目玉。

「でもこれで目立てるのか……?」

ディバイン・カオスの一員となった、ラグナ神である。

(ほう、魔力の方もかなり高い。これはなかなかいい相手を見つけたな)

弁当は、翼をひろげ一気にラグナ神に飛びかかる。

「む!?余に挑むか人間……ってなんだ貴様は!?」

目玉なだけあって、ラグナ神はすぐに奇襲に反応するが、その正体に困惑していた。
神の力を得た弁当と、水の神の戦いの火蓋が切って落とされた。




「クリムゾンフレア!サンダーフォース!」
「ぬぅ……!」

神の戦いが始まってしばらく、弁当は驚愕した。

(こいつ……水の神なのに水の技使ってこないだと……!?)

むしろ水と相性どうなのよな、炎や雷を撒き散らす有様である。
だが、これで弁当はまたひとつ学習した。

(人を見た目で判断してはいけないな……)
「メビウスバリア!」

などと考えている間に、敵はバリアを展開。
そしてその間に、なにやらエネルギーを溜めている。

「切り札か……!」
「滅びるがいい!よくわからない者よ!黄泉の波動、発動!」

最終奥義まで水と無関係なことにはもうつっこまず、しかし弁当は退くことをしなかった。

「そちらのチャージ中にこちらもチャージ完了済みだ!ゆくぞ、弁当メテオ2020!」
「何!?」

黄泉の波動の発動と同時に、弁当はニアラより得た力を行使する。
宇宙のエネルギーを体内に溜め、高空から隕石のごとく突撃する技だ。
空の弁当の前に、七つの光の輪が現れ、弁当はそこからさらにエネルギーを増幅させる。

「う、うおおおぉぉぉぉ!?」

虹色のエネルギーを纏った弁当は、黄泉の波動を貫き、その勢いのままラグナ神の水の防壁、コアをも貫く。

「……!」
「勝負ありだ。では、いただきます」

弁当が無数の触手をラグナ神に伸ばす。
ラグナ神も自身の触手で抵抗するが、コアに傷を負った状態では水の体を維持することも厳しい。
水しぶきを散らしながら、やがてラグナ神のコアは弁当に取り込まれた。
それと同時に、水の巨体もまた普通の水に戻る。

【ラグナ神@サガ3時空の覇者SOL】捕食確認







弁当は取り込んだラグナ神の能力で、海上を猛スピードで移動していた。
向かう先は、アメリカとは正反対のイギリス方面。
さすがの腐女子も、まさか自分が海ルートでイギリスまで逃亡するとは考えないだろう。

「……なるほど、ヤプールの言葉は確かに正しい」

ラグナ神を取り込み、弁当は水に対する耐性や移動手段を手に入れた。
これで万が一、キッチンで廃棄処分されても下水道内で生き延びられる。
弁当の弱点をひとつ、克服したのだ。
さらに嬉しいおまけとして、色々な魔法や短時間だが強力なバリアも張れるようになった。

(だがまだだ……鏡と一緒にニアラも吐き出していたら、私は今の戦いに勝つことはできなかった!
素の弁当のままで十分強いなどという考えを捨てるのだ!この星は化物揃いだ……!)

己の力を過信してはいけない。どんな相手でも油断してはならない。
弁当は、学習していく。

(不安は残るが、これで空中と水中の移動及び適応はとりあえず可能となった。
となると次はメイン、地上を高速移動できそうな力が必要か……)

そして弁当は、ゆっくりと力を蓄えていく……


三日目・06時00分/海上】

【あかりんの弁当@ナイトウィザード】
【状態】無限に進化中、イギリス方面へ移動中
【装備】触手、ニアラの翼
【道具】なし
【思考】基本:生物の頂点に立つ
0:腐女子達から逃げる
1:自分の弱点克服を優先的に行う
2:完全なる進化を遂げた時、腐女子達とは決着を着ける
3:ヤプールの言っていた事を胸に留めておく
4:対地上能力を手に入れたい
※その辺の魔王より遥かに強いです。
※ただ普通にあかりんが作った料理です。それ以外の何者でもありません。
※ラグナ神の能力を吸収しました
最終更新:2012年02月28日 22:09