ノリスケや知り合いを探すために飛び出したはいいが、外は深い闇に包まれていた。目の悪い波平は迂闊は動き回れない。
いくら全自動卵割り機があるとはいえ、暗がりからいきなり教われでもしたらひとたまりも無い。
当ても無く歩き回るのは得策とは言えないだろう。
「ひとまず人が集まっていそうな建物を目指すとするか。学校には誰にいなかったしなあ」
地図を見ると近くに図書館があるらしい。ここならカツオ辺りがいるかもしれない。
「よし、なるべく人と会わんように茂みの中を行くか」
舗装された道から脇へ抜けようとしたその時だった。
後ろから首筋に刃物のようなものを当てられた。
「動くな」
凛とした女の声が冷や汗を掻く波平の耳に響いた。
「危害は加えたくはない。お前はこの殺し合いに乗っているか?」
「いや、私は別にそういうつもりじゃあ……」
しどろもどろになりながらも答えると、背後の殺気が消えた。
「そうか、すまない。ならばワシと手を組まんか? 単独行動は危険じゃ」
振り返った先にいた人物の姿を見て、波平はさっきとは全く違う意味で驚いた。
そこにいたのは、子供用の玩具の杖を構えた、上半身はセーラー服で下半身はスクール水着の少女だった。
「……なんじゃ? そんなにジロジロ見たりして?」
「え、いやあそのだなあ、なんという格好をしとるのかね君は」
「ええい、ワシだって好きでこんな格好をしとるのではないわ!! この杖の口車に乗せられて気がついたらこの様だ!!」
少女の憤慨に呼応するように、彼女の握っていた杖が英語で何かを喋った。英語などさっぱりな波平にはよくわからなかったが。
「ワシは神成というものじゃ。知り合いの子供たちが何人かここにいるらしいから、助けたいと思っておる。あなたは?」
「私は磯野波平というものです。家族を探していたところです。こっちとしても一人でも味方が欲しかった。是非とも協力しましょう」
どうやら相手が外見に反して立派な社会人らしいことを知った波平は礼を尽くして答えたが、その視線はスクール水着から出ている綺麗な生足に向けられていた。
「して磯野さん、あなたの支給品は?」
「いいものですよ、ほーれー」
波平はお気に入りの支給品を誇らしげに掲げた。
「ほう、全自動卵割り機?」
「実にいいものですよ。そのうち一家に一台の時代が来ますとも」
『マスター、私は手で割ったほうが早いと思いますが』
レイジングハートが英語で冷静な分析をしたが、軽くスルーされた。
「この通り、玉子を何個入れても割れるんですよ」
「いいですなあ、私にもやらせてください」
それから二人は親睦を兼ねて、十個ほどの玉子を夢中で割った。
「よし、私からもお返しがしたい。波平さん、このレイジングハートを使ってみませんか?」
「いやあ、私はあまり魔法とかそういうのは経験が無く……」
「大丈夫ですよ、祈願型プログラムですから願うだけでいいんです」
そう言って波平に杖を渡す
かみなりさん。その胸中には後ろ暗い目的があった。
(ワシだけこんな屈辱的な姿にされて溜まるものか。磯野さんには悪いが、私の同類になってもらおう)
眼鏡っこメイドや眼鏡っこ和服少女に返信した波平を夢想して愉悦の表情を浮かべるかみなりさん。しかし、
「そんなにいうんなら」
と波平が杖を振るうと、彼の和服が光に包まれたかと思うと中世の騎士のような荘厳な鎧に変化した。
波平の肉体は全く変わっていない。それどころか、なんかかっこよくなってる。
「馬鹿な!! なぜ女の子の姿にならないんですか!?」
「何を言っているんです、私は少しでも強そうな姿に変身したいと願ったからこういう姿になったのですよ。女の子になろうなんて思うはずがないでしょう」
『その通りですよマスター。馬鹿なことを言っている暇があったらサービスシーンにおけるチラリズムの研究でもしておいてください』
ことここに至って、ようやくかみなりさんはレイジングハートに嵌められたことに気がついたのだった。
【磯野波平@
サザエさん】
状態:魔法老人リリカル波平化
外見は元の波平の姿のまま、Fateのセイバーのような甲冑を身に着けたもの
思考:知り合いと合流する
武器:全自動卵割り機@サザエさん
所持品:支給品一式
【かみなりさん@
ドラえもん】
状態:魔法少女リリカルかみなり化
外見は身長150センチくらい、ロリ美少女、上セーラー服にスク水
思考:のび太たちと合流
武器:レイジングハート@魔法少女リリカルなのは
所持品:支給品一式
最終更新:2007年08月01日 11:31