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宇宙空間。
悠久の闇が支配する世界。
窓から覗いた景色には、地上から見上げた物とは比較にならないほど星の光が広がっている。
地球より打ち上げられた人工衛星M-BUSはそんなバトルロワイアルから隔離された場所にあった。
下方に一段と大きくそびえる青い星が未だに戦乱の渦に巻き込まれているとは思えないくらい静かな空間だ。
少なくとも、つい先刻前までは。

「言われた通り来てやったが、貴様は何者だ?
 まさか我らを懐柔しようなどとは考えていないだろう」
「ナニバカナコトイッテルンダ!」

数時間前、レジスタンス、連合、ディバイン・カオスの上層部の者達に
M-BUSからのメールが送られた。
『真実を発見した。今すぐこのメールの発信源まで来て欲しい』
胡散臭さ極まりないメールであったが、彼らに他の選択肢など残されていなかったのだ。
くだらないことしか言わないのであれば殺せばいいだけ。
それにうまくいけば敵対陣営を潰せるかも知れない。
各々M-BUSの位置を突き止めて、会場から切り上げて来たのだ。
その際地球に向かっていた頭が丸い生物とコンタクトを取ったらしいが、
彼らが疲労困憊なのも戦闘のためなのかも知れない。
ちなみにその生物は分が悪いと察したのか、戦闘後どこかに行ってしまったそうな。

「はぁはぁ・・・・・・連合の奴らめぇ・・・・・・」
「あれはどうみても連合のメンバーじゃない気がするのサ」
「うるさい!ワシあの魔女からようやく逃げてきたんだぞ!
 そこを追撃するとはどう考えても連合の仕業だ!」
「たるんでいるなクライシス皇帝」
「なんだとぉ!?」
「少しは落ち着きなさい。
 今はそこの男から話を聞くのが先決よ」

八雲紫が指した先にはM-BUSの責任者であるタチバナという男がいた。
彼女らを含め人外が集まっているが、全身を宇宙服で覆ったタチバナという男も
胡散臭さだけなら負けていないであろう。
タチバナとともにいたオンドゥルオンドゥル叫ぶライダーは彼のボディガードなのだろうか。
ライダー一人ではこのメンバーを止めるには役不足だとは思うが。

「これより君達に重大な情報を伝える」

タチバナは部屋内のモニターを映し出す。
そこには死んだ参加者がアンデッドとして蘇生して活動している姿が見られた。
人が生き返る、本来なら自然の摂理に反逆した光景ではあるが、
M-BUS内では不満の声が立ち上がるだけである。

「これって主催の技術で死ねなくなっていただけよね。
 まさか見せたい物ってのはこれだけ?」
「くだらないな。これで終わりならば貴様を殺して地球に戻る」
「ナニバカナコトイッテルンダ!」
「剣崎落ち着け・・・・・・もちろんこれだけではない。
 しかしこの主催の行為自体がある目的とリンクしているんだ」
「ある目的?そういえば死者の復活が他の次元のカオスロワに比べて
 死者の復活が随分多いようだが」
「え?」
「ちょっと待つのサ!?」
「別の次元だと?」

あかりんの弁当の言葉にM-BUS内は凍りつく。
実はこのあかりんの弁当は召集されたメンバーの中ではイレギュラーな存在なのである。
様々な生物を吸収した結果、他次元を覗き見る能力を得たのだ。
M-BUSからの電波もハッキングした。
他のメンバーが戸惑っている中、タチバナは淡々と話を続けていく。

「その通りだ。
 他の次元がどれだけ蘇生があるかは知らないが、蘇生・・・・・・いや蘇生と言っていいのだろうか。
 アンデッド化してバトルロワイアルに復帰している人間が多すぎるんだ」
「まるでアンデッドにするのが目的であるかのように・・・・・・なーんて」
「ウェイ!?」

マルクが呟いた一言に再びM-BUS内にどよめきが走る。

「あれ?みんなどうしたのサ。
 タチバナも固まって・・・・・・」
「それだ。 私が見つけた主催者の目的、それは・・・・・・」
「そこまでだ!」

強い爆音が鳴り響き、硝煙の臭いがバグラモン達の鼻をつく。
宇宙空間とM-BUS内を隔離する壁が砕かれた。
真空に放り出されまいと各々が部屋の機材に捕まる中、
破られた壁の中から、炎を纏った大男が姿を現した。
主催の一人であるアポロン・フレイムだ。

「主催の刺客は倒したんじゃなかったのサ?」
「逃がしただけだ・・・・・・だがこんなところまで追いかけてくるとはな」
「なんだかんだいってお前も逃げてきたんじゃないか?」
「まさか」
「おしゃべりはそこまでだ」
「ウェイ!?」

アポロン・フレイムを纏う炎が一筋の束となってバグラモン達に襲い掛かる。
バグラモンは咄嗟に盾を構え、他のメンバーは紫の出した隙間や
あるいは自分の異空間に隠れることによりこれを回避する。

「もう時間がない!早く対主催達にこのことを伝えないと彼らは・・・・・・」
「そうね、残ったレジスタンスのメンバーの元まで急ぎましょ」
「結局正義の味方を利用することになるのは癪だがな」
「後のことは主催を倒して考えればいいのサ」

空間が消え去ると同時に隠れていた紫達も姿を消す。
バグラモンは思った。ああ、俺置いていかれたんだな、と。

「待て貴様ら!?」
「余所見をするな!」
「ちぃ・・・・・・覚えていろよ!」








「糞!」

黒が膝をつき、顔面にこびり付いた血を拭う。
屈服しているのは黒だけではない。

「ちくしょう・・・・・・」
「・・・・・・プリッ」

天野河リュウセイ、博麗霊夢、フウロ、仮面ライダーオーズ、ゴーカイレッド、10/、
魂魄妖夢、仁王雅治等と、思惑は違えど共に主催を倒してゲーム打破を願う者達だ。
そんな彼らが地に膝を突いている、得物で体を支えている、それは何を意味するのだろうか。

「ハーハハハハ!
 威勢がいいのは最初だけか貴様ら!」
「所詮徒党を揃えてもこの程度のようですね」

ゼロとシリウスそして彼らに倣って薄ら笑いを浮かべている
マスターアルバート、黒衣マト、小鳥遊ヨミ、初音ミク等の主催の面々だ。
主催によって敗北の危機に瀕している対主催、これが意味することは即ち・・・・・・

「このまま世界が終わっちまうのかよ・・・・・・」
「そんなことはどうだっていいのよ!それよりもどうしてこいつは殺せないの!?」
「この・・・・・・ジュラル星人めぇ・・・・・・」

息を荒げながらもゼロに向かって人差し指を向けるのは田中ぷにえと泉研だ。
黒達が主催本部に乗り込む以前も彼女やヤプールを始めとした参加者達は、ゼロと戦っていたのである。
ぷにえの間接技がゼロの目玉に決まった。
巨大ヤプールの目潰しがゼロに決まった。
ニアラのブレスがゼロを溶かした。
泉研の光線がゼロをバラバラに砕いた。
マミのティロ・フィナーレがゼロの体に巨大な風穴を空けた。
勝治のカブトボーグから出てきた謎騎士がゼロを切り裂いた。
ベール=ゼファーのアンゼロットのマダムジェニファーの魔法がゼロを粉々に破壊した。
IS組の重火器がゼロを灰燼へと変えていった。
ゼロと名乗るダークマター族の長は、ぷにえ達によって何度も殺されたはずなのだ。

「お前達も、地獄に落ちよう・・・・・・」
「貴方も仮面ライダーじゃないですか!
 どうしてこんな酷いことをするのですか!?」

仮面ライダーオーズが、仮面ライダーキックホッパーに叫ぶ。
しかしオーズは、火野映司は知らない。
彼は悪魔との契約によって修羅に堕ちてしまった男だということを。
闇に堕ちた三沢大地にとって、仮面ライダーの称号は意味を成さない。
キックホッパーという鎧は、自分以外の全ての存在を地獄に落とすための道具に過ぎないのだ。

「無様ですねーマーベラスさん。
 そういえばルカ姉さんはどうしたんですかぁ!」
「ぐっ!?」

ゴーカイレッドの腹に初音ミクの蹴りが食い込む。
度重なる改造を強化されたミクは、ザンギャックの行動隊長並みの身体能力となり、
少女の細長い足からは想像できないほどの衝撃がゴーカイレッドに襲い掛かったのだ。
宙を舞ったゴーカイレッドはそのまま壁に叩きつけられる。
ミクを説得しようとしていた巡音ルカを連れて来なくて正解だったのだろう。
今のマーベラスには、彼女はおろか自分さえも守れそうにないのだから。

「仮面ライダーというのもこんな者か、あっけないものだな」
「そろそろ私達の仲間にしてあげよう」
「私は・・・・・・負けない!」

ブラックロックシューターとデッドマスターの猛攻により
マスクドフォームに戻ったカブトことジムリーダーフウロ。
装甲をすり減らしながらもバイザー越しの眼光から闘志が消えることはない。

「そうです、ここで倒れたら・・・・・・」
「黒と」
「マスターと」
「「「「「一緒に居られなくなるからね!/なりますからね!」」」」」
「ちょ」

世界が滅んでしまうから、と若干決めたことを言おうと思ったら
タラされた女軍団に言葉を奪われてアンゼロットは声を止めてしまう。
しかし照れ一つ浮かべていないベール=ゼファー達の面構えに、
彼女は黒に対する一途な想いを感じ取っていた。
同時に自分も負けていられないと次の呪文の詠唱を始める。

「ああそうだ、俺達は負けられない!」

彼女達の気迫がそのまま激励となったのか、
黒も残された力を振り絞って立ち上がる。
彼女達が自分をどう想っているかなんてわからないが、
自分に賭けた彼女達の意思を無駄にはしたくないのだ。

「・・・・・・プリッ!」
「私はまだ・・・・・・折れていません!」

仁王雅治はテニスラケットを、魂魄妖夢は刀を構える。
そうだ、まだ彼らの得物は折れてはいない。
信念を貫く武器さえ無事であれば、まだ自分達は戦える。

「はっ!言ってくれるわねぇ・・・・・・
 いいわ、あんたら後でまとめて相手してあげるから覚悟しておきなさいよ?」

次々と立ち上がっていく対主催達に倣うのは気に食わないが、田中ぷにえも負けるわけにはいけない。
ふら付く足に渇を入れ、ぷにえは立ち上がる。
田中ぷにえは覇者だ。
ただの戦闘狂とは格が違う。
年相応の小さな体には、やがて世界を背負わなければならないという使命が託されている。
敵を前に倒れることは許されない。逃げるなんてもっての外だ。
名も知らない雑兵達でさえ立ち上がっているというのに、何故自分が地面を舐めなければならないのだろうか。

「そういうわけだ、行くぞお前ら!」
「「おう!」」

天野河リュウセイの言葉に松岡勝治とマダム・ジェニファーが答える。
もう死んだかと思われたリュウセイの存在に当初、二人は疑問を抱いた。
それもそのはず、彼は魂ごと焼き尽くされて跡形も無く消滅したからである。
今のリュウセイは彼そっくりのボディに同じ人格を埋め込まれたホムンクルスでしかない。
だが、残された魂の欠片からは確かに天野河リュウセイの声が聴こえた。
外道ながらも我が道を貫く姿勢は紛れもなくリュウセイそのものだったのだ。


「おとなしく倒れていれば苦しむことは無いものを・・・・・・」

ゼロは笑う、主催達も笑う。
壊しても壊しても再生し続ける自分達は無敵の存在だ。
いかに彼らの心が折れずとも、その入れ物は有限である。
どれだけ虚勢を張ったところで、限界が訪れるのは目に見えているのだ。

「早く殺しちゃいましょうよぉ。
 そしてこの後は文人さんと・・・・・・きゃ♪」
「理解不能、だな。
 シリウス、そろそろ彼らをデリートしていいかい?」
「もちろんです。
 彼らはこれ以上、我々を楽しませてくれそうにありませんからね」
「私も同意見だ」

ゼロの声とともにダークマター族が次々と天上から湧いてくる。
元々ダークマター族は彼の分身だ。
ゼロが生きている限り、時間と力さえあれば無限に作り出せる。

「では対主催ども、そして天野河リュウセイ。長かったがこれで終わりだ!」

小さいダークマターが対主催勢に撃ち出され、リュウセイ達は身構える。
いくらかは打ち落とせるが、数が数だ。 被弾する覚悟もしなければならない。
果たして彼らにそれだけの力が残っているだろうか。
ダークマターがリュウセイにぶつかる瞬間、ダークマター族が一斉に爆ぜた。



「最終試験開始ぃぃぃぃぃぃ!!!!」
「何者だ!」

「「小さいダークマター! 獲ったどぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」
「「「「「「「こいつらを倒せばハンターライセンス!」」」」」」」
「ニートだけどハンターライセンスを取ろうとしてたら主催と戦うことになった。死にたい。
 あ、跡部様頑張って」
「あーん、俺様の跡部王国(キングダム)で見抜いた。
 ・・・・・・この施設、内部構造がスケスケだぜ!」

主催本部を嗅ぎ付けてきたハンター候補生達が、小型のダークマターを取り始めたのだ。
拳、剣、銃、銛、飛行石、テニスボール、サッカーボールが、小型のダークマター達を次々と葬っていく。
これには流石の主催達も驚き、ゼロ、シリウス、アルバートを除く主催達は乱入者達と戦い始めている。
これで物量の差は完全に逆転し、一部の主催者は冷や汗を垂らし始めた。

「ハンター試験最終課題、主催の首を取れ・・・・・・か。
 ハンター協会も面白いことを考えますね」
「だが私達には・・・・・・ぐぇ!?」

言いかけたアルバートの腹にカブトボーグが突き刺さる。
天野河リュウセイの必殺技が決まったのだ。

「ボサっとしてんじゃねえ!
 まだ俺達がいることを忘れるなよ!」
「だがリュウセイこの人数ならもしかしたら!」
「人海戦術、気に食わないけど力を借りるしかないようね」

リュウセイ、黒、ぷにえは互いの目を見て頷いた。
他の対主催や受験者達も彼らの思惑に気づき、必殺の一撃を放つために力を溜める。

「させない!」

キックホッパーはクロックアップを発動させ、
天野河リュウセイに向けてライダーキックを放つ。
タキオン粒子で周囲の時間をねじ曲げたキックホッパーは今や、
亜光速で移動しているようにしか見えないのだ。
天野河リュウセイだろうと見破ることができないであろう。
そう、天野川リュウセイであれば。

「見えてんだよ!」
「!?」

次の瞬間、天野河リュウセイの前に仮面ライダーディケイゴこと跡部景吾が出現した。
アタックライドクロックアップを使用して、キックホッパーと同じ領域に足を踏み入れたのだ。
跡部は天野河リュウセイを浚って行く。これでライダーキックは空振りに終わるはずだ。
しかしキックホッパーが仮面の奥で眉を顰めているのはそれが原因ではなかった。

「こいつを代わりに持っていきな!」

跡部の後に現れたのはゴーカイレッドがレンジャーキーの力で変身した未来戦隊の一人、
タイムレッドだ。タイムレッドにもクロックアップ同様、時間に干渉する能力が装着されている。
僅か2秒間ではあるが、自身にかかる時間を限界まで高めるアクセルストップは、
立ち止まっている初音ミクをキックホッパーの前に設置することぐらいは容易いことだった。


  • Clock Over-

「え!?嘘きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

キックホッパーのライダーキックを食らって初音ミクはブラックロックシューター達の方向まで飛んでいく。
飛んでくるミクを受け止めきれずに、ブラックロックシューターとデッドマスターは壁に叩きつけられる。

「シリウス!アルバート!」
「わかってます! く、雑魚がワラワラと・・・・・・」
「貴様ら離れろ!」

リュウセイ達を邪魔させまいと、名も無きハンター試験の受講者はゼロ達に群がっている。
おかげで砲撃がずれたり盾となって攻撃を止められたりで、
ゼロ達は対主催達に手を出せずにいた。
リュウセイが持ったカブトボーグに光が篭り、リュウセイは目を見開く。

「みんな!俺に力を貸してくれ!」
「言われなくても!」
「わかってるわよ!」

リュウセイはチャージ台にカブトボーグを押し付けて、チャージを行う。
現在主催と対決を繰り広げている場所は、
以前リュウセイとゼロがボーグバトルをしたときに使ったスタジアムがあるところでもある。
だからチャージ台が置かれていても不思議ではない。
3チャージを終えたリュウセイは、名も無きカブトボーグをゼロに向かって投げた。

「チャージイン!」

炎の覇気を纏ったカブトボーグは、見る者が者であれば彼の愛機、
トムキャットレッドビートルに見えたであろう。

「俺達もいくぞ!」

ゼロへと向かうカブトボーグに、黒達も自身の得物を投げつける。
触れたナイフはカブトボーグに吸収され、カブトボーグを肥大化させる。
ヒーローの必殺技も幻想郷の住人の弾幕も10/のチート力も魔法少女達の魔法も
泉研のキチガイ光線もその他銃火器も全てカブトボーグは吸収し、自分の力へと変える。

「食らえぇぇぇぇぇぇ!!!
 レッドアウト・ゴールデンマキシマム・バーニング!!!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

謎メータが限界突破し、巨大なカブトボーグがゼロへと襲い掛かった。




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最終更新:2012年07月17日 00:54