「響っけーッ! 胸のっこっどっおッ! 未来のぉ先へぇぇぇーッ!」
高らかに歌声を上げながら、拳を振るう少女が1人。
一見、歌声で敵を呼び寄せているようで、自殺行為にも見える行いだが、これがれっきとした、彼女の戦闘スタイルなのだ。
少女――立花響は、シンフォギアシステムの適合者である。
さながら魔法使いの呪文のように、歌を歌い続けることで、シンフォギアはその機能を発揮するのだ。
「ふー……やんなっちゃうよね、ホント。こんな時にもノイズが出るなんて」
さらさらと炭化していく怪物を、横目で見やりながら言った。
響の目的は、殺し合いを止めることである。そのためには野田総理を止めなければならない。
このまま状況を放っておけば、相当数の死者が出るはずだ。彼女には一刻の猶予もなかった。
そんなところに、にっくきノイズが現れたのだから、愚痴っぽくもなるというものである。
「――おい貴様、何だ今の歌は」
その時、背後から声が聞こえた。
くるりと振り返った途端、うわっ、と小さく呟いた。
コテコテのパンクファッションに、威圧的な装飾のギター――いわゆるデスメタル然とした男がそこにいたのだ。
「いちいち驚くな、小娘め。俺は何をしていたのかと聞いているんだ」
「え? えっとー……歌いながら戦ってました。このシンフォギアは、歌いながらじゃないと、力が出ない武器なんです」
「なるほど、よく分かった」
ふむ、と大仰に頷いた後、男は一瞬沈黙する。
それで終わりかと思った響だったが、
「……だとしたらなおさら聞いてはおれんわッ!」
本当にやかましくなるのはここからだった。
「え……えええッ!?」
「貴様の歌は腑抜けている! 殺気がこもっておらんのだ! ヤる気があるのか貴様は!?」
「さ、殺気?」
「今のままのお前の歌では、虫一匹レイプすることすらできんわーっ!」
「れれれレイプってッ!?」
「小娘! 今から俺が、お前にデスメタルを教えてやる! 本物の殺しの音楽を、骨身に染み込ませてくれるわっ!」
「えええーッ!?」
「口応えは聞かん! お前は黙って、俺の言うことを聞いていればよいのだ! 分かったか~!」
「お……お、押忍ッ」
どうやら、反論を聞くような相手ではないらしい。
また面倒なことになったな、と、響は内心でため息をついた。
(……私、呪われてるかも……)
【一日目・00時10分/日本・岐阜】
【立花響@戦姫絶唱シンフォギア】
【状態】健康
【装備】ガングニール
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
0:殺し合いを止める
1:仕方ないので、この男について行く
【根岸崇一@デトロイト・メタル・シティ】
【状態】クラウザーさん
【装備】ギター
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
0:響にデスメタルを仕込む
【ノイズ@戦姫絶唱シンフォギア 死亡】
死因:撲殺
最終更新:2012年07月27日 18:01