サザエとカツオは、六つの死体をとりあえずお隣のいささかさんの家の庭に勝手に隠して、体勢を立て直すために家の中に入った。
すると、そこには今まで観たことも無いような緑色の巨大な怪物が立っていた。口元には返り血がついている。二人は腰を抜かしてしまった。
「やあ、勝手にお邪魔して
ごめんなさい。埼玉から猛ダッシュしてきて疲れちゃったから、水でももらおうと思って」
ガチャピンは、なんでもないような風に言う。
「ちょ、ちょっと待ってよ、その血は? 」
カツオの問いにガチャピンは答える。
「ああ、この家の女の子が、僕を見るなり化け物だとか相方を差し置いて目立ちたがりとか酷いことを言ったんで、食べちゃった。ごめんね。だって、みんなを助けるために戦ってる僕を悪く言うなんて、そんな子は死んじゃったほうがマシだからね」
「なっ・・・・・・!! 」
「それよりさ、君達僕の仲間になってくれない? 僕はこの
ゲームを止めようとしているんだ。いわば正義のヒーローだよ。だからもちろん協力してくれるよね? 」
それを聞いたカツオは、ピストルをガチャピンに向けた。
「ふざけるな、ワカメを殺しておいて、なにがヒーローだ!! 」
しかし、打ち込んだ弾丸は、ガチャピンの分厚い皮膚にはじき返される。
「なんだ、君も悪い子なのか」
ガチャピンの声質が変わる。顔は笑顔のままで。
「駄目よ、カツオ。逃げましょう!! 」
サザエは弟の腕を取って走り出した。
「やれやれ、あんまり飛び道具は好きじゃないんだけどな・・・・・・」
ガチャピンは、磯野家の中で見つけた猟銃(フネの支給品)を構えながら呟いた。
あらゆる技術に精通しているこの恐竜の末裔にとって、重火器の扱いなど朝飯前だった。
緑の殺人鬼は、逃げた姉弟を追う。
「姉さん、逃げるってどこまで!? 」
「とにかくあいつを撒きましょう。それに、
対個人用核爆弾はまだ三つ残ってるわ。これを逃げ道に仕掛けておけば、あいつが踏んだとたんドカンよ」
「姉さんにしてはいい作戦だね」
「『しては』は余計よ」
サザエはそう言いながら、残った核爆弾のうち一つを道の真ん中に置いた。
「さあ、あとはあの電信柱の影にでも隠れておきましょう」
そう言ったサザエの耳元を、一発の銃弾が掠めた。
「僕から逃げれるとでも思ってるの? 」
見上げると、ガチャピンは屋根の上で猟銃を構えていた。
「そんな、あんなところから来るなんて!! 」
スキーやロッククライミングすらもこなすこの緑の怪物にとって、屋根伝いに動くことなど朝飯前だった。
「カツオくん、君は特別にちゃんと焼いてから食べてあげるよ。もう生肉は食べ飽きちゃったしね。ああ、隣のおばさんはどうでもいいや。僕は子供専門だからね」
屈託の無い笑顔で、彼はそう言う。
「くそ、お前なんかのどこが正義なんだ!! 」
カツオはピストルを発砲する。すると、
「うわあああ!! 」
ガチャピンは目を押さえて倒れこんだ。一発が目に当たったらしい。
「姉さん、今のうちに!! 」
カツオはサザエを促して走り出す。カツオもガチャピンも、このゲームを終わらせたいという最終目標は同じ。しかし、そのために取れる手段が違いすぎた。
サザエたちが逃げていると、前方から見知らぬ猫たちが走ってきた。
「あらあなた達、どうしたの? 」
こんな時でも、いつものおせっかいを発揮するサザエ。
「さっきから銃声がするから、どこか安全なとこに隠れようと思いまして・・・・・・」
リーダー格らしい、どこか紳士なネコが答える。
「あら、それなら私達と一緒に来ましょう。大丈夫、カツオが守ってくれるから!! 」
無責任に調子のいいことを言うサザエだった。
そんな彼らの背後から、
「みんな、僕の邪魔をするなら殺しちゃうよ~。僕はこのゲームを終わらせてみんなを助けられる。だから、僕の邪魔をする奴らは悪い子なんだ。僕が正義、それに従わない奴は悪さ」
道の遠くで、無邪気に狂ったことをいうガチャピンが、銃を構えて立っていた。
「姉さん、ここは二手に分かれて逃げよう!! 」
カツオはピストルを構えながら叫ぶ。
「そうね。あなた達は、あっちの道を通ってうちに隠れていればいいわ」
それを聞いた猫たちは走り出す。
「ちょっと姉さん、何を言ってるんだよ!! あっちの道は核爆弾を仕掛けた道じゃないか!! 」
「あ、いっけなーい!! うっかりしてたわ」
次の瞬間、爆音と閃光が遠くで迸った。それに混じって、三人の猫の悲鳴が聞こえた。
「まったく、姉さんのうっかりのせいでまた人が死んじゃったじゃないか!! 少しは気をつけなよ!! 」
「わかったわ。今度から気をつける」
「じゃあ、僕たちも逃げよう」
二人は再び走り出す。ガチャピンは二人の後ろから銃弾を続けざまに発砲した。しかし、特殊な走り方をする二人にはなかなか当たらない。流れ弾が、周囲の家に打ち込まれていく。
「くそ、なんて逃げ足の速い・・・・・・」
「ガチャピン」
突如、聞き覚えのある声がした。ガチャピンは舌打ちをしながら振り返る。
「あなたの正義は間違っておりますぞ。このわたくしは、あなたの相方として、あなたを止めて見せますぞ」
赤い戦士が、薙刀を構えて佇んでいた。
サザエとカツオは、逃走中に道の真ん中で腹を抱えてうずくまっているネコミミにスクール水着姿の少女を発見した。腹からは激しく出血している。おそらくガチャピンの流れ弾に当たったのだろう。
「あらあなた、大丈夫? 」
あわてて駆け寄るサザエ。
「こんな時はどうすれば・・・・・・そうだ、確か背中を叩けばいいのよね!! 」
サザエはそういうと、ネコミミスク水の少女の背中を強く叩いた。
「姉さん、それは鼻血が出たときだよ!! そんな怪我をしてるときに背中を叩いたりしたら死んじゃうよ!! 」
「あ、そうだった!! 」
しかしすでに遅かった。致命傷を負った上に背中に強い打撃を何度も受けたペケは、そのショックがとどめとなって息絶えた。
【東京都 世田谷区 2日目0時】
【
フグ田サザエ@
サザエさん】
[状態]:おっちょこちょいモード、かなり被爆
[装備]:なし
[道具]:支給品一式
[思考]
1:ついうっかりしちゃったわ
基本方針:行き当たりばったり
【
磯野カツオ@サザエさん】
[状態]:かなり被爆
[装備]:ピストル
[道具]:支給品一式
[思考]
1:もうホントヤダこんな姉
2:ワカメの仇を取る
基本方針:このゲームを終わらせる
【ガチャピン@ひらけ!ポンキッキ】
[状態]:若干被爆。ムックウザイ。
[装備]:猟銃
[道具]:支給品一式
[思考1]
1:ムックがうざいので殺す
2:カツオとサザエを殺す
3:千葉にガチャピーランドを建設する。
4:わくわくさんだけはリスペクト
基本方針::仲間を集め、“自分の指揮の元で(ここ重要)”バトルロワイアルを終わらせる。
【ムック@ひらけ!ポンキッキ】
[状態]:若干被爆。ガチャピン、俺の声を聞いてくれ!!
[装備]:薙刀
[道具]:支給品一式
[思考1]
1:ガチャピンを止める
2:他の仲間達と合流
基本方針::仲間を集め、バトルロワイアルを終わらせる。
【磯野ワカメ@サザエさん 死亡確認】
【ぴろ@kanon 死亡確認】
【ガンバルニャン@ネコジャラ市の11人 死亡確認】
【青葉クゥ@ねこきっさ 死亡確認】
【ペケ@魔法少女猫× 死亡確認】
※磯野家の前、いささかさんちの庭、空き地前の電柱付近には放射性物質および放射線が残っています
最終更新:2006年12月17日 16:56