「ちんちん、ちんちん、ち~んちん~♪」
バトルロワイアルが開始して早くも六時間が経過した。
この六時間でどれだけの人々が死んでいったのだろう。街中ではあちらこちらに死体が転がり、ツキジめいた光景が広がっている。
そんな非日常的な空間を、歌を歌いながら平然と歩く一人の少女がいた。
「ちんちん~、ちん~ちん、ちんちんち~ん♪」
背中から羽を生やしたその少女の名は、ミスティア・ローレライ。夜雀と呼ばれる妖怪だ。
バトルロワイアルに興味のないミスティアは、この状況でもいたって普段通りに
『ちんちん、ちんちん』と人を鳥目にしてしまう歌を歌いながら、町を徘徊していた。
なお、先ほどから頻出する『ちんちん』は夜雀特有の鳴き声であり、別にいかがわしい意味ではない。
「ちん、ちん、ち~んちん、ちん、ちん」
「そこの君っ! 君だよ、君っ!」
「ちんっ!?」
いきなり上空から発せられた大声に、ミスティアは反射的に空を見上げる。
すると、なんと赤い巨大ロボットがこちらに向かって降下してくるではないか!
いったい何が起きているのか。ミスティアが困惑しているうちに、巨大ロボットは無事道路に着地し、そのコックピットハッチを開く。
ロボットから降りてきたパイロットは――なんというか、全体的に黒い男だった。
声から壮年の男性だということはわかるが、逆に言えばそのくらいしかわからない。
幻想郷にいる宵闇の妖怪だって、ここまで黒くはないだろう。近づいてくる相手に、ミスティアは鋭く尖った爪を向けて威嚇する。
すると、男性は慌てて弁明を始めた。
「ま、待ってくれたまえ! 私は怪しい者ではないんだ!」
「……何か私に用でも?」
「うむ。私はこういう者なのだが」
男性が懐から一枚のカードを取り出す。
すわスペルカードかとミスティアは身構えるが、よく見れば何の変哲もない名刺だ。
名刺には男の名前と、役職が書かれている。
「……芸能プロダクションの社長?」
「君の歌声にティンときた! アイドルをやってみないかね!」
「ええええっ!?」
【1日目・6時00分/日本・神奈川】
【高木社長@アイドルマスター】
【状態】ティン!
【装備】リグ・コンティオ@機動戦士Vガンダム
【道具】支給品一式
【思考】
1:ミスティアをスカウトする
【ミスティア・ローレライ@東方project】
【状態】健康
【装備】
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
1:アイドル……?
最終更新:2012年11月15日 15:06