アットウィキロゴ
襲撃者を全滅させた数十分後、殺し合いの主催者である野田総理はダース・ベイダー、ACから降りたジャック・O、バーダック、ココ・へクマティアル、風見幽香の五人をドームの内側に集合させ横一列に整列させている。
この五人は総理の親衛隊であり、殺し合いの管理を任されている幹部である。
能力にはバラつきこそあれ、それぞれが戦闘力や知力・カリスマに優れた者たちだ。
総理はそんな怪物たちの上に立ち、傲慢な言葉も吐けるのである。

「ベイダー卿、報告を頼む」
「襲撃者は我々の手によって全滅。 こちらの被害はパイロットが三名戦死。
現在、襲撃者の機体から抜き出したデータで背後関係を洗っています」
「どうせなら、一人ぐらいは生かして良かったものを……私が直々に拷問にかけた後、見せしめとしてもう一度全国でテレビ放送してやったものを!!」
「……」

総理の理不尽な怒りが幹部たちに向けられる。
先刻、自分の資金をとある少年に盗まれたことにまだ腹を立てているようだ。
五人とも肝が座っているようで誰ひとり怯えた様子は無かったが。

「まあいい。 次は本部が直接襲撃されることはないように危険な芽は早めに摘むよう特務機関には伝えておけ。
本部周囲の要塞化も進めろ。 念には念を入れて蟻一匹も通せないようにするんだ」
「コーホー、周辺の住民はどうするのです? 街からつまみ出しますか?」
「いや、要塞建築の労働力に回せ。 逆らえば容赦なく首輪を爆破しろ。
仮に反乱が起きてもお前らならたやすく鎮圧できるだろう」
「……了解しました」

何が総理をここまで変えてしまったのか、彼の提示したことは非情としか言い様がない。
だが、それを止める者は誰もなく、ベイダーたちでさえ逆らえぬ理由があるのだ。

「釘を刺しておくが感傷など持つな。 おまえたちの首にも参加者と同じように首輪付きであることを忘れるな」

逆らえぬ理由――総理は造反防止のために、五人の首にも参加者と同じように首輪をはめ込んでいた。
この首輪は特別製であり、総理が死んだり、総理に逆らうと爆発する仕組みである。
ちなみに島一つの爆発で死にそうにないサイヤ人のバーダックのみ心臓病を誘発するウィルスが入っている。
よって、幹部たちは野田を殺す能力を持っていたとしても逆らうことはできないのだ。

「承知しております。 コーホー。
ではあなた様のご命令どうりに周辺の要塞化を急ぎましょう」
「よろしい、では作業に取り掛かれ」

総理の指示を受け取り、幹部たちはドームの外へと出ていった。
一方総理は知らず知らずの内に額におびただしい汗を溜めており、ハンカチで拭った。
その汗は暑さのせいではあるまい。 首輪が付いているとは言え、あの五人の前に立つ重圧はかなりのものなのだ。

「あんな怪物たちを私が手玉に取れたことなど今でも信じられん……あの時は本当に運が良かった」

総理はバトルロワイアルを開催する以前、未曾有の大災害の直後を思い返す。




日本以外は崩壊し、パニックに陥る世界で一国の総理である野田はどうすれば良いのか四苦八苦していた。
世界から押し寄せる難民、そこに自国民を加えて領土や資源・食料が明らかに不足しており、明確な解決案はでなかった。
総理自身も対立政党はおろか、己が所属する党すら混乱によって纏められない状況になっていた。
このまま放っておけば日本は遠からず崩壊する最中で、野田はある男を拾った。
それは大災害の被害を受けて傷ついたダース・ベイダーであり、総理は彼を助ける代わりに首輪(いざという時の尋問用)をつけておいた。
助けてくれたお礼か、首輪をはめられた事による恐れ故か、ベイダーは総理に向けて現状に対する一つの提案する。
多くの者を殺し合わせて生き残れた者だけを日本人とするゲーム――バトルロワイアル。
道徳心そっちのけではあるが、日本のキャパシティをそのままに生き残った人類を存続させるためにはどこかで盛大な間引きを行うしかないのも事実。
殺し合いという過酷な環境下ならば、本当に生き残すべき有能・生かす価値のない無能の選別が容易になる。
総理はそれ以上に良い案を思いつかなかったので、彼の案に乗ることにした。
だが、合理的なれど道徳を無視した案には、多くの反対派も出るだろう。
しかしベイダーはフォースによる心理操作ができ、その力を利用して総理はほぼ全ての国会議員を操ることに成功する――これがTCBR法案可決の真実である。
TCBR法案可決直前にベイダーの心理捜査によって、多企業とのパイプを持つ大手HCLI社の令嬢――ココ・ヘクマティアル、過去に複数の組織を率いていたレイブン――ジャック・O、戦闘民族サイヤ人――バーダック、大妖怪の一角――風見幽香の四名を従属させ、どこぞの国の暗殺者・テロリストをも操り特務部隊に配属、バトルロワイアルを磐石にする武力・技術力・統率力などの準備は整った。
そしてテラカオスバトルロワイアルは始まり、今に至る。

「全ては仕方ない事……殺し合いという形で犠牲が強いなければ日本は、生き残った人類は滅亡するのだからな……」

殺し合いという狂った催しを開いたのは野田であるが、‘人類のため’という彼なりの大義があるのだ。
このバトルロワイアルは人類世界存続のための一つの手段なのである。


「……そして、バトルロワイアルが完遂した暁には、自分の理想の社会を創り上げる!!」

――しかし、野田は人類のためという「建前」に加えて、最後に残った日本を我が物にする「野心」が出来ていた。
未曾有の大災害は野田にとって、千載一遇のチャンスをもたらした。
ベイダーを支配下に置き、心理操作で国会の議会工作など簡単になり、日本以外の国が壊滅したことで外国からの政治的圧力を気にする必要もなくなった。
世界の一部でしかなかった日本が世界の全てになった。 つまり、日本の頂点に立つ総理は世界の頂点に君臨するわけである。
後は殺し合いを通して政治家の足を引っ張る無能共を駆逐し、人類を規定の数まで減らせばいい。
さらに自分にとって都合の悪い者が生き残ってしまった場合は、後で秘密裏に首輪爆破・抹殺すれば良い。
有能かつ自分に反抗的でない者だけが生き残り、思うがままに世界を統治できるヴィジョンが見えた時、消極的で弱腰外交な男だった野田総理は野望に目覚めたのだ。

「……だが、この殺し合いを参加者によって破綻させられる可能性もあるか。
万が一の時は、あの五人に私が操られたことにして責任を擦り付けよう。
元々、ろくな経歴の奴らではないし、国民も納得するだろう。 ふふふ」

ちゃっかり、幹部を人身御供にして生き残るための逃げ道も考えたりする……今の野田総理に死角は無い。

「ええい、それにしても特務部隊と参加者たちはまだ、うぐいすと末原を捕まえられんのか!
早くこの手で煮るなり焼くなりしたいぞ!」

以前なら大金を奪われても遺憾の意というだけ言って済ませていたが、そんな野田総理はもういない。
未来の人類の支配者として、彼を縛る存在は何もないハズなのだから。


【一日目・10時00分/九州ロボ(日本海を飛行中)・福岡Yahoo Japanドーム内部】

【野田総理@現実?】
【状態】健康、千石うぐいすと末原恭子に対する怒り
【装備】なし
【道具】なし
【思考】
基本:バトルロワイアルを完遂させ、自分の理想の社会を創り上げる
1:ロワを主催する
2:最悪の場合、幹部五人を人身御供にして生き残る
※福岡Yahoo Japanドーム周辺が要塞化されています

 $

ドームの外、着陸しているオスプレイの中に主催の幹部たち五人がいた。
オスプレイの中に増設された沢山のモニターがある前で、何やら怪しげな会話をしている。

「フフーフ、自分が傀儡であることに気づかないなんて愚かな男ね。
私たちが、ベイダー卿の超能力で操られていると本気で思っているわ。
逆にベイダー卿と会ったところから操られていたとも知らず、自分の意思で全部決めたと思いこまされている……フォースさまさまね」

そう言ったのはココだ。
総理にはベイダーから全員操って服従できるように教えていたが、実際は演技であったようだ。
そして、総理の自由意思と支配力は、本人が思っていたほど介在してなかったようだ。
ちなみにオスプレイには特殊なジャミングが施され、当機のパイロットも彼らの息がかかった者であり、会話が外部に漏れることはない。

「私たち五人が最初からグルだったなんて思いもしないでしょうね?
ところで回りくどく首輪をハメたり傀儡なんて作らなくても、私たちで殺し合いを主催すればよかったんじゃない?」

幽香の口から、五人は野田に首輪をハメられる以前から仲間であったと伺わせるものだった。
そして、彼女の疑問にはベイダーとジャックが答えた。

「コーホー、世間一般に良い評判の無い我々が主催をやったところで‘人類のために’バトルロワイアルを開いたという建前に納得する者は少なかろう。
あんなのでも公正な選挙で選ばれた総理であり、建前に多少の説得力は得られる、奴こそは傀儡に適任だったというわけだ」
「我々はわざと首輪をハメられ、支配されているという構図を作れば世間の注目や怨恨は支配者の野田の方に行く。
傀儡が表立って注意を引いてくれる分だけ、我々は影に隠れて行動できるというものだ。
さらに幹部というポジションを与えられた事で殺し合いを直接管理しやすくなり、殺し合いの情報を管理・統制・隠蔽し、殺し合いを我々の都合の良い展開へ誘導することも可能になった」
「なるほどね。 私たちは殺し合いの影の支配者というわけね」

納得した幽香を尻目に、バーダックは苛立った様子で言葉を発した。

「ごちゃごちゃと御託はいい。
テラカオス’を生み出すための計画――‘プロジェクトテラカオス’を遂行できるような成果は上がっているのか?
これはそのための殺し合いなんだろ?」

テラカオス――それは多くのテラカオスロワで破壊神の如く驚異となった存在。
小さな領土では抱えきれない民の間引きは建前であり、本当の狙いは恐るべきものを生み出す為に殺し合いを開いたらしい。
バーダックの催促の直後にモニターにデータが映し出され、全員が画面を注視し、ココが合わせて解説をする。

「ええ、殺し合いが始まって十時間の内にそれなりの成果は出ているわ。
まず、デイパックの中にはランダム支給品の他に飲み水を入れてあるけど、全ての飲み水にはテラカオス化を促進するナノマシンを仕込んである。
水を飲まない生き物は存在しない。 直接飲まなくても死体から蒸発した水分が空気中に混じり、ナノマシンは呼吸によって鼻や口から侵入。
今の時間なら全ての参加者の体内にナノマシンが入り込んでいるハズよ」

次にどこで監視していたのか、幾人かの行動の様子が画面に映し出される。

「ただし、元から持っている因子が絡むのか、全員がテラカオスになれるわけじゃなく、陰性の場合は何も起きないわ。
でも陽性なら、肉体面・精神面が変異して最後にはテラカオス化する……有りたいに言えばキャラ崩壊を起こしているのはテラカオス化が進んでいる可能性が高いわね」

何の脈略もなしに魔法のような力が使えたり、奇行に走ったり、増殖したり……多くのキャラ崩壊の原因がココが言うナノマシンの影響なのかもしれない。

「そして、テラカオス化を促進させるには殺し合いという過酷な環境しかない。
ナノマシンだけでは起爆剤になるのがせいぜいなもので、放っておいたら効力を失ってしまう。
争いの少ない県にキャラ崩壊者は少なく、激戦区の東京にはキャラ崩壊してる者が多いのが良い例よ。
テラカオスになれる参加者を植物に見立てるなら、ナノマシンは水、そこに殺し合いという肥料が加わって初めてテラカオス化が始まるのよ」

テラカオス化に関する殺し合いの必要性を一通りの説明を述べた後、数名の顔写真付きデータが映される。



「結果、ここまでで候補者が何人か生まれたけど、一番テラカオスに近いのは四条貴音ね。
殺し合いが始まる前はただのアイドルに過ぎなかったのに、参加者を捕食し続け、短時間で超人クラスの戦闘力を有するほどの肉体変化の兆候が見られる。
明らかにテラカオス化できる因子を持っているわね」
「じゃあどうすんだ? テラカオスになれるかもしれねぇなら優遇でもしておくか?」

バーダックの意見にはジャックが答える。

「いや、今はまだ発芽を見守る段階だ。
客観的に見てわかりづらいだけでテラカオス化に近づいている者はまだまだいるだろう。
四条貴音のように暴れてくれなければ、キャラ崩壊を起こしているかもわからない。
下手に優遇しても、過酷な環境でしか生まれないテラカオスから遠のくだけだしな。
キャラ崩壊を起こしている者はあえて放置で構わんだろう」
「なるほどな」
「それよりも重大な懸念材料が二つある」
「コーホー……対主催共の働きによる殺し合いの停滞と、我々の計画の漏洩と言ったところか」
「その通りだ」

ジャックの話題がテラカオスになる可能性がある者達から、その可能性を断つ者に変わる。

「殺し合いを積極的に止めようとする者や、最初から乗り気でない者は多い。
今回の襲撃のように小規模な戦力ならなんとかなるが、いつしか大きなうねりになると危険だ。
そうなる前に特に影響力の大きい対主催には消えてもらった方が良いだろう。
もう一つ、計画が知れ渡れば乗り気だった者すら殺し合いを放棄してしまうだろう。
己が生き残るためにやってるのに、己を失うだろうテラカオス化など普通は誰も望まない。
ベイダーの心理操作も完全無欠ではないし、何かの弾みで喋られるとも限らん以上、総理にすら口外できないな」
「危険な芽は早めに摘むべしってところね」
「そういうことだ、幽香。
仮にテラカオス化できる者が対主催に存在するなら、粛清自体が成長のプロセスにもなりえる」

この五人は参加者への粛清すらテラカオスを生み出すことに利用しようとしていた。
むしろ、今までの主催者側の介入が全部、テラカオス化を促進させるための差金なのかもしれない。
総理の金を盗んだ二人組をめぐって争うように指名手配させたのも、野球を始めた拳王たちに政府側からわざわざ球団を作ってぶつけたのも‘計画’のため……なのかは五人だけが知っている。

会議の最後にベイダーがまとめに入った。

「概ねの方針は決まったな。
○テラカオス化する可能性のある参加者は、今はまだ放置して様子を見る。
○対主催で特に影響力の強い者は早めに粛清。
○計画は今まで通り、隠蔽の方向でいく。
○計画の邪魔になるものは抹殺。
こんなところだろう……そろそろ総理に頼まれた周辺の要塞化を始めたいところだが、最後に何か質問はあるか?」

最後の質問はバーダックが意見をすることになる。

「そうだな、ココ、めぼしい対主催戦力を見せろ。 いつか俺がそいつらと戦いにいくかもしれねえ」
「ラジャー、バーダックは戦いたくてウズウズしているみたいね、フフーフ」

ココが機械を操作して、モニターに戦闘力や組織力に優れた様々な対主催たちが映された。
画面に映る者たちに対して呆れたように幽香がコメントする。

「まったく、暢気なものね。
野球やネットバトルで総理に挑むだの、殺し合いを歌で止めさせようとしているだの、そんなのばっかりね。
中には殺し合い自体を放棄して遊びふけっている人間すらいるわ。



――世界を襲った災禍がもう一度、今度は日本にも襲いかかってくるとも知らずに」




風見幽香は確かにそう言った。
大災害が最後に残った日本にも襲いかかる、すなわち世界の終わりを意味していた。

「コーホー……皮肉なものだ。 人々のために殺し合いを止めようとするその行いが、破滅の道だとは思いもしていない。
テラカオスを生み出さぬと、一週間も経たない内に世界は滅ぶのだからな」
「テラカオスを生み出す以外に人類が生き残る方法は無いのだしな」
「やれやれ、平和の道にはやっぱり犠牲は付き物なのかしらね」
「俺は地球人がどうなろうと知ったこっちゃないが、滅びをオイそれと受け入れる気もねぇしな」
「私も人間なんてどうでもいいけど、友達のお花たちだけは助けたいからね」

終末が近い事を知る五人の眼には、モニターに映る終末を知らずに奔走する者たちは滑稽に見えたのかもしれない……

$



世界を襲った大災害が、再び起きて日本を滅ぼす?
テラカオスを生み出さないと世界が滅ぶとはどういうことか?
五人の影の支配者によるテラカオスを生み出す計画……その真の目的とは?
その多くの謎はいずれ明らかになるのだろう……か?




【一日目・10時00分/九州ロボ(日本海を飛行中)・福岡県】

【プロジェクトテラカオス】
【共通事項】
1:野田総理(傀儡)の配下であり、10期テラカオスロワ主催の幹部格。 ただし、全員首輪付き。
2:殺し合いを利用してテラカオスを生み出そうと計画している。 テラカオスを生み出さないと世界が滅ぶらしい。
3:野田総理の配下になったのも、殺し合いを管理しテラカオスを生み出す計画の一環である。
4:全ての飲み水にテラカオス化を促進するナノマシンを入れている。 キャラ崩壊を引き起こしている者はテラカオス化の可能性が強いらしい。
5:計画を漏れると面倒らしく、野田総理含む他の者には計画のことは隠蔽している。
※世界が具体的に何で滅ぶのかは次の書き手氏にお任せします。


【ダース・ベイダー@STAR WARS】
【状態】健康
【装備】ライトセーバー@STAR WARS
【思考】
基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは消す


【ジャック・O@ARMORED CORE LAST RAVEN】
【状態】リンクスに改造
【装備】フォックスアイ(ネクストに魔改造)@ARMORED CORE
【思考】
基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは抹殺する


【バーダック@ドラゴンボール】
【状態】健康
【装備】スカウター@ドラゴンボール
【思考】
基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは殺す


【ココ・ヘクマティアル@ヨルムンガンド】
【状態】健康
【装備】オスプレイ@現実
【思考】
基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは撃つ


【風見幽香@東方project】
【状態】健康
【装備】日傘
【思考】
基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは地に還す
最終更新:2013年09月02日 09:56