「馬鹿な……この殺し合いはバイオロンの仕業ではなかったのか!?」
場所は東京都・新宿。
機動刑事ジバンこと田村直人と音無キルコは、2度目の放送において発表された死者の名前を聞いて
驚きを隠せなかった。
二人は派手に東京タワーをへし折ったのち、ボールが飛んできた渋谷方面をくまなく捜索したものの指名手配された
二人を見つける事はかなわず、仕方なく方針を変更して別方面へと進む事にしていた。
ちなみに本来ならジバンはレゾン・バイカン・スパイラスの3大メカに乗って移動しようと考えていたのだが、
何故か3機とも応答する事がなかったため「さてはバイオロンの仕業か!」といつものように断定して徒歩で
移動する事と相成った。
そして放送において呼ばれた死者の名には探していた指名手配の2名、そしてバイオロンの首魁である
ドクターギバの名が含まれている事をジバンは聞き逃さなかった。
「……ジバンさん、そのバイオロンのボスの名前が呼ばれたって事は、やっぱりこの殺し合いはバイオロンの
仕業じゃなかったんですかね?」
「信じられない事だがそうだろう。僕達が先に倒したあの怪人達の名前が呼ばれたのが放送が偽りではない証拠だ。
だがキルコ君、たとえこの殺し合いがバイオロンの仕業ではないとしても、僕は微塵も躊躇したりはしない!」
対バイオロン法第9条
機動刑事ジバンは、あらゆる生命体の平和を破壊する者を、自らの判断で抹殺することができる。
そしてこの法律である。
かつて月面からやってきた侵略者クイーンコスモのようなバイオロンではない存在とも戦ったジバン。
今更相手がバイオロンであろうとなかろうと本人にはあまり関係なかった。
まあ流石にドクターギバを始末した下手人が探し人のまゆみちゃんだとは思いもしなかったが。
「まゆみちゃんの安否も心配だ。行こうキルコ君、早く主催者の本拠地を探し出さなければ!」
「もちろんです! 私もハル先輩達を早く探さないといけませんし―――」
と、二人が決意も新たに立ち上がった時である。
「そこのお二方、逃げるでござるーーーーーーーーーっ!!」
「「えっ?」」
突如として後方から聞こえてきた叫び声に驚き、ジバンとキルコは振り返ってみた。
そこに見えたのは―――
「かっか!」
「かっか!」
「かっか!」
「かっかっか!」
「はるかっか!」
「ヴぁーい!」
頭にリボンを付けた妙な生き物の大群と、それに追いかけられる男の姿だった。
見ると男は両脇に後方の生き物とよく似た生き物を2匹抱えていた。
「何だあの生き物は? まさかバイオロンの怪物か!?」
「っていうか、こっちに近づいてきますよ!?」
「理由はどうあれあの男性は明らかに追われている! 助けるんだキルコ君!!」
「はいっ!!」
普段の素行が色々とアレな二人だが、警察官としての正義感は流石に捨ててはいなかった。
男性を救うべくキルコはトンファーブレイドを構え、ジバンは続いてオートデリンガーを構える。
「キルコストーム!!」
「オートデリンガー、サブマシンガンモード!!」
ドガァァァァァァァァァァァァン!!
「「「かっかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」
キルコの起こした竜巻とジバンの銃撃により、迫りくる謎生物はまとめて爆炎の向こうに吹っ飛ばされた。
………逃げていた男を明らかに巻き込みながら。
「お二人とも、助けていただいたのはかたじけないが……次からはもう少し穏便に頼むでござる……」
「す、スミマセン……」
「我々はてっきりバイオロンの怪物とばかり……」
追われていた男は幸い吹っ飛ばされただけで命に別状はなかったため、二人は彼を介抱しつつ話を聞く事にした。
彼の名は空蝉丸といい、人類絶滅を目論むデーボス軍という組織と戦う「獣電戦隊キョウリュウジャー」の
一員なのだという。
また彼もこの殺し合いを止めるべく仲間を探しながら現在まで活動している事が判明した。
「ところで空蝉丸さん」
「ウッチ―と呼んでくだされ。仲間からはそう呼ばれているでござる」
「は、はぁ……まあそれはそれとして、その子達は一体?」
「この者達は拙者が道中で保護した子供達でござる。彼女達も探し人がいるというので、共に今まで行動して
いたのでござるよ」
「かっか!」
「くっ」
「ヤー」
「子供……なんですかね、ジバンさん?」
「何を言うんだキルコ君、どこからどう見ても子供じゃないか」
「いやでも、このリボンの子なんかさっき分裂してましたよ?」
「少なくともバイオロンでなければ問題ないだろう」
「いいんですか、それで……?」
空蝉丸によるとリボンの子が「はるかさん」、ロングヘアの子が「ちひゃー」、ボーイッシュな感じの子が
「まこちー」という名前との事である。
話によればはるかさんは水をかけると分裂してしまう特異な性質を持っているらしく、空蝉丸が知らずに水を
渡してしまったために先ほどまではるかさんの大群に追い回されていたらしい。
ちなみに分裂したはるかさんはジバンとキルコに吹っ飛ばされた衝撃で一体に戻ったらしく、他の個体はすべて
消滅していた。
「まきょー………」
「まこちーちゃん、何だか悲しそうですけど……何かあったんですか?」
「その子は先の放送で探していた者の名が呼ばれてしまったそうでござる。それ以外にも知り合いがこれまで何名も
命を落としたらしく……」
「何という事だ。こんな小さな子供までも悲しませるとは、血も涙もない所業! やはり野田総理を許すわけには
いかない!!」
「拙者も同じ気持ちでござるジバン殿。このような不毛な戦、なんとしても止めなければ!」
同じ子供好き同士で通じ合うものがあったのか、ジバンと空蝉丸はどちらともなく固い握手を交わすのだった。
その空気についていけず、やや遠巻きにキルコは二人を見ていた。
「……まあとりあえず、これからよろしくお願いしますね。はるかさんちゃん、まこちーちゃん、ちひゃーちゃ―――――」
「シャーッ!!」
「うおあっ!? な、なんか私ちひゃーちゃんに嫌われてる!? 私なんかしましたか!?」
ちひゃーは普段はおとなしいが、ばいんばいんな女性には噛みつくなどする習性がある。
その事をのちにキルコは空蝉丸から教えられ、少々へこむのであった。
「ところでこれからどうしましょう? 野田総理のいる場所を探そうにも手がかりもありませんし、何か情報が
あればいいんですけど……ウッチーさん何か知りません?」
「拙者もここに来るまでの間にいくつか噂を聞きましたが、役に立つかどうか……」
「この際真偽はどうあれ情報はあった方がいい、教えてください空蝉丸さん」
「では、拙者の知る限りの情報をお教えするでござる」
曰く、野球で野田総理に勝負を挑もうとする集団がいる。
曰く、『ねっとばとる』という勝負で野田総理を打倒しようとする一団がいる。
曰く、九州が空を飛んで日本海に陣取っている。
曰く、出会った相手を中華蕎麦にして平らげる食人鬼がいる。
曰く、東京都庁という建物が魔物の巣窟と化した。
空蝉丸の口から語られた有力そうな情報が次々と挙げられる。
どれも色々とカオス極まりないが、この状況から考えると本当にありそうなので二人は少々身震いした。
「この中で僕達が今すぐ対応できる物と言えば、空飛ぶ九州と東京都庁の二つだが、九州は何か飛行手段を
確保しないと難しいだろう……くっ、スパイラスさえあれば……」
「拙者のプテラゴードンを使えればよいのでござるが、この状況ではスピリットベースに行く事もかなわぬゆえ、
獣電池のチャージを考えると無駄な使用は避けなければ……」
「となると、私達が行くべきは都庁ですね! 幸い近いですし、もしかしたら他の殺し合いを止めようとしている
人達とも会えるかもしれませんよ!」
「かたじけないお二人とも……拙者も全力を持ってお手伝いさせていただくでござる!」
「何言ってるんですか、困ってる人を助けるのは婦警として当然ですよ!」
「かっか!」
「くっ!」
「まきょー!」
3人に呼応するように、ぷちどる達も声を揃えて応じた。
心強い仲間と合流したおかげか、まこちーもやや精神的に持ち直したようである。
「だが、都庁が怪物の巣窟と化しているなら、こちらも準備を整えてから行った方がいいだろう。みんなの
持ち物を確認しておこう」
方針が決定した後、ジバンの提案により全員の持ち物が改めて確認される事となった。
ダンジョンに向かう前の装備の強化はいつの時代もやはり必須である。
特にぷちどる達の支給品はよく確認されていなかったのでなおさらだった。
「おおっ、これはガーディアンズの獣電池! まさかこの子達が持っているとは!」
「ジバンさん、ちひゃーちゃんの荷物になんか忍者が入ってたんですけど……」
「忍者……まさかバイオロンのシノビノイドか!?」
「いえ、それはないかと」
調べてみると様々なアイテムが発見された。
特にぷちどる達の持っていたガーディアンズ獣電池というアイテムは空蝉丸が使えるものという事だったが、
何かの運命を感じるという事でしばらく彼女達に持たせておく事となった。
「では各々方、いざ『都庁』へ向かうでござる!」
『おおーっ!』
だが、彼らは気付いていなかった。
数多くのアイテムの中で、はるかさんの支給品の中に紛れていたあるものの存在に。
その名は新型ナノマシン入り飲料水。
第2放送直前、
主催陣科学班のクルル曹長によって開発されランダムに転送された狂気の発明。
その一つが今ここに送られていたのである。
そしてもう一つ。
本来はるかさんは日光を苦手としており、日陰を好む習性があった。
だが今、はるかさんは日の光の下を何の苦も無く歩いている。
何故なら彼女は水を吸収した時点で、既に
テラカオス化の影響を受けて体質が変化していたからに他ならない。
この上新型の水を彼女が何かのはずみで手に入れたらどうなるか―――――
それはまだ誰にもわからなかった。
「………かっか!」
【一日目・15時00分/日本・新宿】
【田村直人@機動刑事ジバン】
【状態】健康、強い決意、機動刑事ジバンに変身中
【装備】マクシミリアン、電子手帳、パワーブレイカー、ニードリッカー、オートデリンガー
【道具】支給品一式、ダイダロス
【思考】
基本:野田総理を倒して殺し合いを止める
1:まゆみちゃんは無事だろうか……
2:東京都庁へ向かう
3:野田総理の本拠地を探す
4:黒幕はバイオロンではなかったが、ためらわず戦う
5:やはり子供は可愛いな
※殺し合いを仕組んだのがバイオロンではないと知りましたが、本人はあまり気にしてません
【音無キルコ@新米婦警キルコさん】
【状態】健康、やる気充分
【装備】トンファーブレイド
【道具】支給品一式
【思考】
基本:野田総理を成敗して殺し合いを止める
1:ジバンさんやウッチーさん達と協力して悪党を成敗する
2:東京都庁の魔物を成敗する
3:野田総理の本拠地を探す
4:ハル先輩達、無事かなぁ?
5:ちひゃーちゃんとも仲良くしたい
【空蝉丸@獣電戦隊キョウリュウジャー】
【状態】健康
【装備】ガブリチェンジャー、ザンダーサンダー
【道具】支給品一式、獣電池(プテラゴードン)×6、モンスターボール(プテラ)
【思考】
基本:野田総理を倒して殺し合いを止める
1:ジバン達に同行する
2:東京都庁へ向かう
3:野田総理の本拠地を探す(九州が怪しいと睨んでいる)
4:ぷちどる達を守る
5:キング殿達と合流したい
【はるかさん@ぷちます!】
【状態】健康、日光を克服、テラカオス化進行中
【装備】なし
【道具】支給品一式、獣電池(フタバイン)、新型ナノマシン飲料水
【思考】
基本:かっか!
1:空蝉丸達と行動する
2:おなかがすきました
※水を吸収した事でテラカオス化が進行し、日光を克服しました。他に影響が出るかもしれません
【ちひゃー@ぷちます!】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、獣電池(トペランダ)、牛乳×大量、大盾忍@戦闘中
【思考】
基本:くっ
1:空蝉丸達と行動する
2:
765プロの面々の死に悲しみ
3:千早に会いたい
4:とりあえずキルコは嫌い
【まこちー@ぷちます!】
【状態】健康、深い悲しみ
【装備】きあいのタスキ
【道具】支給品一式、獣電池(プクプトル)、モンスターボール(ダゲキ)
【思考】
基本:まきょー
1:空蝉丸達と行動する
2:真と765プロの面々の死に深い悲しみ
3:襲われたら全力で戦う
最終更新:2013年10月16日 22:01