野比のび太は失禁していた。
なんでこんなことになってしまったのか?
今日もまた、いつもと同じ平穏で退屈な日常が繰り広げられるはずじゃなかったのか?
しかし、彼の目の前にあったのは巨大で非常な「現実」だった。
突如、日本全土を舞台にした殺し合いが始まった。
彼を守ってくれるはずのロボットは、定期メンテナンスとかで一時的に未来に帰ってしまっている。
連絡のための手段も無い。もちろんタイムマシンは
ドラえもんが使用中だし、スペアポケットも故障中だ。
のび太は眠れぬ一夜を過ごした。
そしてその朝、目を覚ました彼が目にしたのは両親の変わり果てた姿だった。
のび太の父と母は、台所でバラバラに分割されていた。もはや息を確かめる必要すらない。
のび太は漏らしながら泣き叫んだ。もう自分には味方が一人もいない。
このまま自分も、誰かに殺されてしまうのだろうか。
「助けてよ、ドラえも~ん!!」
そんな彼の悲鳴に答えたのは、
チェーンソーの音だった。
「え……」
のび太は青ざめて振り返る。そこにいたのは、メイド服を真っ赤な返り血で染めたネコ耳の美少女だった。
少女の手の中で、血まみれのチェーンソーは次の獲物を探すかのようにうなり続けている。
「お前は……そうか、いつもワシの家にボールを投げ込んでいた小僧か」
少女は感情の無い目でのび太を見つめた。のび太は腰が抜けて、立つ事すらままならない。
「安心せい。楽に親御さんのもとに送ってやる」
動けないのび太の首元に、チェーンソーがどんどん近づいてきた。
逃げることも出来ないのび太はただ泣くだけだった。
(こんなことって……ドラえもん……しずかちゃん……ジャイアン、スネ夫……)
少年の首を斬り終えた少女―――
かみなりさんは、彼の目をそっと閉じてあげた。
それが、精一杯の償いだった。
なんの恨みがあるわけでもない。しょっちゅう我が家のガラスを割って謝りにくる少年に、少し親しみも無いわけではなかった。
「じゃが、ワシはなんとしても元の姿に……こんな姿ではなく、元の姿に戻りたいんじゃ!!」
それは、支給品がもたらしたちょっとした運命の悪戯。
うなり続けるチェーンソーを抱えながら涙するかみなりさんの背中で、レイジングハートが人知れず光を放っていた。
【一日目・早朝/東京都】
【かみなりさん@ドラえもん】
[状態]:魔法少女リリカルかみなり化
[武装]:チェーンソー、レイジングハート
[所持品]:支給品一式
[思考]:
1・優勝して、元の姿に戻る
【野比のび太@ドラえもん 死亡確認】
【野比のび三@ドラえもん 死亡確認】
【野比玉子@ドラえもん 死亡確認】
最終更新:2007年11月25日 11:35