「国は変わり、俺たちの時代は終わった。
だがこの現状はなんだ。
これでは戦時中の方が遥かに良かったではないか!」
白髪の男、坂神蝉丸は放送を聴き終わるなり、苦悶の表情で死んでいる眼鏡の主婦を発見し叫ぶ。
あの時代では、より良い国を作るため、国を守るために人を殺していた。
だからこそ罪無き敵兵を殺すという良心の呵責にも耐えられた。
しかし今は無意味な殺し合いを強要されている。
俺たち兵士だけではない。俺たちが守るべきだった一般人すらもだ。
「俺は……俺たち強化兵は、こんな時代を作るために戦ってきたのではない!」
不甲斐ない、なんと不甲斐ないのだ。
力を持ちながらも人一人守れんとは。
「岩切、お前が正しかったのかもしれんな」
かつて岩切はこう言った。
国は変われども我々は変わらない。自分達で時代を作っていくのだと。
もし奴の言うとおりに自分達で時代を作っていったとしたら、こんな事は起きなかったのだろうか。
「いや、仮定の話など意味はない……か。ならば」
拳を握り締め決意を固めると、主婦の眼を閉じさせ両手を組ませてやる。
その途端、遠くから女の悲鳴が聞こえてきた。
殺し合いに乗った者に襲われてるのだろうか。
それとも普段は見慣れぬであろう死体を見てしまい、恐怖に慄いているのだろうか。
どちらにせよ見捨てる事はできない。
「俺にはお前を弔う事はできない。すまん!」
せめて魂が成仏するように祈り、声の聞こえた方角へ走る。
岩切、お前の言うとおり時が経とうとも俺は変わらない。
だから、せめて俺の目が届く範囲だけでも命を助けてみせよう。
それが何も出来なかった俺の償いだ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
あの腹が立つような放送が終わり、俺は少なくない怒りを感じていた。
織田信長が放送している事に不思議に思ったりもしなくはないが、そんなのは些細な事だ。
殆どの死者が2次元のキャラだったが、現実の人間も死んでしまっている。
特別にお笑いが好きだったりするわけではないけど、もう二度と彼を見る事がないと思うと少し寂しくなった。
かがみの顔をこちらに向けさせ、話しかけるように口を開く。
「なぁ、お前の妹のつかさも友達のこなたも死んだんだってよ」
かがみは何も答えない。
それでも構わないというように俺は言葉を発する。
「お前達は空想のキャラだから死んだってどうって事ないかもしれないけどさ」
テレビで見ていた芸能人の死を報じられた事で、自然と自分の死も身近に感じてくる。
もしかしたら実家にいる俺の家族も今頃は死んでいるのかもしれない。
そんな事も考えてしまい、段々と怖くなってくる。
「こんな訳のわかんねぇ事で死にたくねぇよ……」
だけど自分の意思とは反して段々と誤解フラグが広がっていく。
一人でいるのが怖かった。いつも誰かに襲われる恐怖に怯え、寝る事すら叶わないのは嫌だった。
人と出会う事が怖かった。他人と出会い勝手に誤解され、それが元で殺されてしまうのは嫌だった。
一人は嫌だった。他人と出会うのは嫌だった。だからこそ、その結論に到るのは自然だった。
即ち、かがみの復活による服従。
大臣の言うとおり、復活させればそのお礼としていくらかの言う事は聞くだろう。
そもそも首だけな以上、一人では動けないのだ。
ならば◆6/WWxs9O1sと一緒に行動するしかない。
彼女の口からならば、自分を殺したのが彼ではない事も説明できる。
だからその判断は間違いではないのかもしれない。
彼がもっと冷静であったのならば、の話しだが……。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
運悪くその現場を見てしまった少女は生首を見て悲鳴を上げる。
そして◆6/WWxs9O1sがその声に振り向くと、少女は逃げ出した。
他人から見れば、少女の首を持ちその口に何かを入れようとする人間など異常者のそれでしかない。
そんな事にも思いつかないほど彼は冷静ではなかった。
尤も彼にそんな冷静さがあるのなら、そもそも彼に誤解など積み重ならないのだろうが。
「また誤解されちまう、これ以上包囲網が広がるとやばい!」
かがみに食べさせようとしたふっかつそうをポケットに戻すと、急いで逃げた少女を追いかける。
だが追いついてどうする、あの様子だと何を言っても無駄だろう。
ああ、そうか。殺せばいいんだ。何も生き返らせるのがかがみである必要はない。
ふっかつそうも2つあるんだ、何を迷う必要がある。
殺したって生き返らせられる、それにどうせ2次元キャラだ。
現実の人間さえ殺さなければ殺人に問われない。
そもそも今は殺し合いをしてるんだ、勝手にありもしない悪評を振りまこうとする奴が悪いんだ。
「すぐに生き返らせてあげるから早く殺させてよ!」
そう叫んでも女の子は足を止めない。
どうしてだろう、痛いのをちょっと我慢すれば直ぐに生き返れるのになんで殺されないんだろう。
ああ、そうか。かがみの顔が怖いのか。
そうだよな生首を見て逃げたんだもんな。
じゃあかがみには悪いけどコレは離さないとな。
かがみのツインテールを掴んでいた左手を思いっきり前に振る。
そして腕が正面に伸びきったら手のひらを開く。
そうすると面白いようにかがみの頭が飛んでいく。
頭は丁度良く前を走っていた少女の顔スレスレを落ちていき、驚いた少女は無様に転ぶ。
腰を抜かしたのか少女は尻を地面に擦らせながらあとずさりする。
「大丈夫、痛いのは一瞬だけだよ」
なるべく怖がらせないように笑顔で言い、電動ノコギリの電源を入れると思いっきり振りかぶる。
そして目をつぶり振り下ろす。
いくら2次元のキャラとはいえ生きた人間の解体は気持ち悪い。
人を切り裂く音と、男の呻く声と共に生暖かい液体が顔に付着する。
男の呻く声? 俺はその声に疑問を抱き目をあける。
すると、そこには白髪の青年が少女を抱きかかえ数歩先に倒れこんでいるのが見えた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「ぐぅっ!」
なんとか間に合ったか。
左肩を浅く斬られ血は激しく出てしまったが、見た目ほど大きな傷ではない。
仙命樹の力があれば数時間ほどで完治するだろう。
しかしこんな女子供まで殺しあわねばならんとは……
ますますこの殺し合いを企画した者達への怒りがこみ上げてくる。
だが今はこの少年をなんとかせねばならんだろう。
気絶してしまった少女を草叢に隠し、少年の方へ向かう。
「なぜ殺し合いに乗った!」
その言葉に少年は切れたように襲い掛かる。
「うるせぇ、どいつもこいつも好き勝手に勘違いしやがって!」
逆上しているのかノコギリも大振りで避けやすい。
それにもとは普通の少年だったのだろう。
武器に振られているといった感じだ。
とはいえ俺のような者だから避けられるのであって、普通の人間にとっては脅威だろう。
ここはなんとか少年の武器を封じなければ。
左右に避けながらも、為す術が無いと見せかけるように徐々に後退していく。
刃が服を掠めるたび冷や汗が流れる。
だがあと少し、あと少し下がれば……。
背中にささくれ立った感触が伝わる。
大木だ。
俺を追い詰めたと思い込んでいる少年は、止めだとばかりにノコギリを振りぬく。
その一瞬を狙い俺は横に頭から転がるように飛び込む。
勢いをつけたノコギリは止まらない。
大木を切断していく音が周囲に響く。
あの大きさの大木では切断には時間が掛かる。
その隙に少年を叩く!
転がった勢いで立ち上がり、少年に向かい走る。
少年はノコギリを抜こうとするが間に合わない。
腕を蹴り飛ばし武器から手を離させて、空いた胴に正拳を打ち込む。
そして前屈みになった少年の服を掴み、そのまま背負い投げをする。
少年はなんとか受身を取ったが、暫くは動けまい。
如何に得意の剣が無いとはいえ、無手での訓練も受けている。
この程度は訳もない。
俺はノコギリの電源を消し、大木から引き抜くと自分のデイパックに入れる。
少年には止めはさしていない。
この少年も元から悪かったわけではないのだろう。
全てはこの殺し合いが悪いのだ。
だからこの少年を殺す事は躊躇われた。
武器も没収したのだから大丈夫だろう。
俺は少女を背負うと、安全な休憩場所を求めてその場から去っていった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「くそっ、また誤解フラグが広がる……!」
俺は怒りからか悲しみからか体中の血が煮えたぎっていた。
息も荒く目も血走っている。
背負い投げされた痛みからだろうか。
いや、違う。
この感覚は知っている。いつも感じている感覚だ。
抑えきれないほどの欲情。
「くっ、なんだってこんな時に!」
フーッ! フーッ!
息がだんだん荒くなってくる。
やばい、何だかわかんないけどやばい。
早くこれを抑えなければ俺が俺でなくなりそうだ。
女、女、どこかに女。
そうだずっと一緒にいる女がいたんだ。
俺はおもむろにかがみの首を拾うと、ポケットからふっかつそうを取り出しかがみの口にねじ込む。
効き目が現れるまでの間にズボンのファスナーを下ろし、イチモツを取り出す。
「ん……ここは? 私は確か……」
どうやら本当に復活したみたいだ。
もう押さえられない、早く。
かがみの顔をこちらに向けイチモツに近づけていく。
「え、ちょ、何コレ。イヤーーーーーッ!!!」
問答無用で開いた口に突っ込む。
イマラチオという奴だ。
フーッ! フーッ! フーッ!
かがみがうめき声を上げる。
その反応が気持ちいい。
初めての経験が生きたアニメキャラの生首でイマラチオ。
こんな体験をしてるのは世界広しといえど俺だけだろう。
そんな貴重な体験をしているという事が、さらに俺を興奮させる。
「ぐっ、出すぞ、かがみっ!」
射精の瞬間イチモツを口から引き抜き、かがみの顔にぶっ掛ける。
白濁液に塗れたかがみの顔は、ポーッとしててどこか色っぽかった。
「んっふっふ~。また◆6/WWxs9O1sさんですか。
しかしレイプだなんて男の風上にも置けませんねぇ」
大石は盗聴器から流れてくる声を聴きながらパトカーを運転する。
その顔は口調に反して苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
「大臣さんは他人のために殺し合いに乗ってしまったようですが、
◆6/WWxs9O1sさんはあの様子じゃ快楽殺人者のようですね~」
大臣の乗ってしまった理由は、認めるわけではないが分かる。
だが快楽のために人を殺す◆6/WWxs9O1sのような人物はとても許す事はできない。
「どうやら大臣さんよりも彼のほうを早めになんとかしないとまずいようですねぇ」
大石はどこにいるとも分からない◆6/WWxs9O1sを探すためにパトカーを走らせる。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
その頃坂神蝉丸達は。
「ここなら安全そうだな」
少女を山小屋のベットに寝かせると、役に立ちそうなものを探しに部屋を周っていく。
「んっ……」
その時少女が目覚める。
「私、変な人に襲われて……ここは?」
「目覚めたか、俺は坂神蝉丸。
お前を襲っていた奴は俺が倒した。」
少女の声を聴いた蝉丸は家捜しを中断して、少女の元へ戻る。
「あの、ありがとうございます。
私は高円寺沙由香です」
「そうか、高円寺。怪我はないか?」
「大丈夫です。蝉丸さんこそ肩を怪我してるじゃないですか」
少女―――沙由香は蝉丸の肩の怪我を見て、近くにあった救急箱とタオルで簡易に治療をする。
「む、すまない」
その途端少女はベットに倒れ嬌声を上げる。
「あっ……やぁ、はぁん」
悩ましげな声を上げる少女に気付き、重大な事実を思い出した。
「そうか、仙命樹の催淫効果か!」
坂神蝉丸ら強化兵の持つ仙命樹の混じった血は、異性に触れると発情させるという効果を持つ。
今は制限により同姓にも効いてしまうのだが、そんな事は蝉丸も気付いてはいない。
「高円寺、お前の感じている感情は精神的疾患の一種だ。
直す方法は俺が知っている。俺に任せろ」
蝉丸は沙由香に覆いかぶさると服を脱がしていった。
【深夜/東京都を走るどこかの線路沿いの山にある山小屋】
【坂神蝉丸@誰彼】
[状態]:健康、感感俺俺
[装備]:電動ノコギリ
[道具]:不明
[思考]
1:沙由香をイかせる
2:主催を倒す
【高円寺沙由香@超昂天使エスカレイヤー】
[状態]:健康、催淫効果、D2ダイナモMAX
[装備]:不明
[道具]:不明
[思考]
1:蝉丸にイかせてもらう
2:主催を倒す
【深夜/東京都を走るどこかの線路沿いの山】
【◆6/WWxs9O1s氏@現実】
[状態]:健康
[装備]:
柊かがみの頭部
[道具]:ふっかつそう@ポケットモンスター×1個
[思考]
1:とにかく自分だけは生き残る
2:自分から現実の人殺しはしない/二次元キャラは妥協気味
3:誤解する奴には口封じも辞さない(二次元キャラ優先)
4:出来れば主催を倒す
※大臣の取引には乗ったふりをしていますが、実際に手を貸すつもりはありません。
【柊かがみの頭部@らき☆すた】
[状態]:呆然、精液塗れ
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]
1:不明
【深夜/東京都を走るどこかの線路沿いの山】
【大石蔵人@ひぐらしの鳴くころに】
[状態]:健康
[装備]:パトカー
[道具]:支給品一式、盗聴器
[思考]
1:赤坂らと合流する
2:殺人を未然に食い止める
※大臣と◆6/WWxs9O1s氏を危険人物だと判断しました。(特に◆6/WWxs9O1s氏)
【大木立道@バトルロワイアル 死亡確認】
死因:電動ノコギリによる、胴体を半分切断による失血死だかショック死だか(◆6/WWxs9O1s氏)
最終更新:2007年11月25日 19:17