「むぅ、やはりみつからないか」
小さく溜息をつく貧乳……もとい、テラカオス・ディーヴァ。
彼女は先刻葬った巨乳……もとい、シグナムの遺体を捜索しているのである。
自分がこの世の全ての存在(食材)を救う(喰う)ことを信条としているディーヴァにとっては、極力相手は救いたいのだ。
しかしシグナムを喰いきることはできず、それにより能力を奪うこともできなかった。
「私としたことが、加減を誤るとはなんたる失態。海の藻屑となってしまっては、もう救えないではないか!」
シグナムの死因は、ディーヴァを相手にした者の中では非常に珍しく、捕食ではない。
彼女の死因は簡単に言ってしまえば、ミンチ化だ。
シグナムの攻撃力は圧倒的であり、彼女の不思議な能力を用いた攻撃はディーヴァの能力の一部を破壊するほど。
流石のディーヴァも、これまで奪い取ってきた能力を片っ端から破壊されてはたまらないと、思わず本気の迎撃をした。
その結果、シグナムの肉体は木端微塵に吹き飛び、そのまま海に沈んでいったわけである。
暴食悪食の歌姫とはいえ、海を飲み干すことは不可能である。
今後もディーヴァに喰われることが嫌な参加者は、うまいこと海付近で木端微塵になるといいだろう。
「圧倒的な攻撃力を持つ反面、耐久力がそれに見合わず低めだったのがお前の敗因だ。
まあ、それは今の私にも言えることだがな……」
シグナムに負わされた傷を撫でながら、ディーヴァは自身の弱点を理解する。
思わずシグナムに全力を出してしまった点からも分かるとおり、現状のディーヴァの弱点は再生能力を上回るほどの圧倒的な物理攻撃だ。
これまで多くの存在を喰らってきたが、それにより得られた能力は火力増強と索敵能力の急上昇。相手を喰うことしか念頭に置いていない。
「セガール、ニアラ、シグナム……彼らは強かった。私を傷つけ、油断をすればこちらが喰らわれる程の相手。
どうにかして、より強固な肉体となれないものか。私は何が何でも滅びるわけにはいかないのだ」
思案するディーヴァの脳に、生前の記憶が流れ込む。
「ああ、やはりあの二人はあの時に救っておくべきだった」
都庁にて、自分に土をつけた魔王と勇者の二人組。
「そういえば放送であの麒麟の娘が呼ばれたのは残念だ。是非とも私が救ってやりたかった」
主人と連携し、自分を埼玉県まで吹っ飛ばしてくれた麒麟。
「だが、あの三人はまだ生きている。実に喜ばしい、彼女らだけは、じっくりと救ってやろう」
そして。
愛する男を奪った憎き……否、
テラカオスとなった今は同じく救うべき影の薄い三人組。
その筈なのだが、何故か例外的にゆっくりと救いたいという感情が芽生えてしまう。
喰いそびれた参加者はシグナム以外にもこれだけいる。
そして全てを救うべきでありながら、例外を作ってしまう感情。
まだまだ真の救世者(メシア)には遠いのだと、ディーヴァは噛みしめる。
生前の風鳴翼を色濃く受け継いだ彼女は、己を高めるという行為にも誇りを持ち、過度な慢心もしない。
故にその進化は、止まることがない。かつてダース・ベイダーから幼虫と呼ばれた彼女は、着実に大空を舞う成虫へと近づいていた。
「……むっ!?」
そんなディーヴァは、異変を感じ取った。
乗組員の全てを救い、シグナムを吹き飛ばし、無人となった筈のホワイトベース。
進化を続ける自分に対して、『狩る者』の意思が向けられる。
「――オオクノシンリュウヲホフリシモノ」
ホワイトベースの一角が吹き飛ばされると同時に、それは現れた。
「ニンゲン……コノ宇宙、最大ノ存在。ヨコセ――ソノエントロピー」
植物の種のような姿から海洋生物のような姿、変態を続けながらそれはディーヴァに対して言葉を続ける。
「我は真竜VFD……Vicarius Filii Dei
……お前を喰らい、エントロピーを統合することで完全なる第七真竜・セブンスドラゴンとなる存在なり」
名乗りを終える頃には、そこに白き巨竜がいた。
かつてディーヴァが喰らった真竜、その最後の存在。
本来VFDは全ての真竜を葬らねば現れない存在だが、イレギュラーなニアラの増殖によりその出現条件を満たしてしまったのである。
彼の目的は、食物連鎖の頂点である真竜をも超える存在と統合することで、完全なる存在として新たな宇宙を生み出すことだ。
「ふん、私は人間ではない。救世者(メシア)となる存在だ。
VFD……神の子の代理か。面白い、ならば私もお前を救い(取り込み)、完全なる救世者に近づこうではないか!」
ディーヴァとVFDが、咆哮をあげる。そして戦いが始まった!
※
「……っ」
「……!」
二人の達人、ジョンス・リーとラーメンマンはその気配を感じ取ってしまった。
拳王は、殺し合いに乗っていなかった。
自分たちは大きな誤解をしていたのだと、戦うべき相手は他にいたのだと、真実を伝えにホワイトベースへと戻った二人。
元々、戦争状態であったのだ。ホワイトベースが大破して沈んでいることには驚きはしない。
だが感じ取った気配に、二人は冷や汗を流さずにはいられなかった。
放送内容や、安倍総理なる存在すら、今の彼らにはどうでもいいことに過ぎない。
おそらくもう、リーダーであった十神は殺されている。あの男がこの気配の中で生き延びられるわけがない。
そしてきっと……この気配を感じてしまう距離まで、ホワイトベースに来てしまった自分達も、生き延びれるとは思えなかった。
「殺るか、殺られるか、か……」
ジョンスは呼吸を整え『一撃』の構えをとる。
万一生き延びられる可能性があるとすれば、それしかないからだ。
「何か、残せるものはないのか……」
ラーメンマンは己の敗北を悟っていた。
かつてウォーズマンに敗れた時のように、後に続く仲間に何か攻略の糸口を残せないだろうか。
だがこの場にキン肉マンはおらず、ホワイトベースの仲間は死に絶えた。
ふと、ホワイトベース入り口そばのパソコンがラーメンマンの目にとまった。
――オオオオオォォォォォォ!
艦内から響いたのは、恐ろしい咆哮だった。
そしてそれは、信じられない速度で、ジョンスとラーメンマンめがけ『正確に』突進してきた。
「――そこだッ!」
それに合わせるように、ジョンスは必殺の一撃を繰り出した。
だが、彼が繰り出した拳は、いやジョンスそのものが『一撃』で消滅した。
龍の牙が彼の拳を喰い、その勢いのまま全身を喰らいつくしたのだ。
【ジョンス・リー@エアマスター】 テラカオス・ディーヴァによる完全捕食
「アハハハハハ、クァハクァハハハハハハ! 脆い、脆い! 真竜も、人間も! だが実に美味い!」
あのジョンスが一撃で敗れ去ったことに、ラーメンマンは動揺することはなかった。
言葉を交わすことはなかったが、彼は恐らく覚悟を決めてラーメンマンより先に相手に挑むことで、僅かな時間を作り上げたのだ。
二人とも、既に覚悟は出来ていた。
禍々しい翼を生やし、より鋭さをました牙を覗かせる存在……
極点の捕食者へと進化していくテラカオス・ディーヴァを前に、ジョンスと同じくラーメンマンも退くことはない。
【VFD@セブンスドラゴンⅢ Code:VFD】 テラカオス・ディーヴァによる完全捕食
「お前は、特に美味そうだ。よし――ラーメンにしよう」
「ラ、ラーメンだと?」
「ああ、そうだ。お前なら、さぞ美味いラーメンになってくれそうだ。何故かな、私とちょっと似た匂いを感じるんだ」
にたりと笑うディーヴァに対して、ラーメンマンは後ろ手で僅かにパソコンを叩く。
ジョンスのためにも、散って行ったホワイトベースの仲間のためにも、そして……拳王に悪魔将軍のために。
僅かでもいい。この捕食者に関する情報を少しでも。
「ほあっ!」
手はそのままに、蹴りを放つ。
「ふん!」
しかしそれは受け止められ、握り潰される。
激痛がラーメンマンを襲うが、彼はそれさえも計算のうちであった。
ラーメンにする……悲しいことに、ラーメンマンはそれがどういう行為であるかを『知っている』
普通の人間であればおよそ想像のつかない、残酷極まりない殺し方を、ディーヴァの他にラーメンマンだけが知っている。
ラーメンにするには、相手を殺す必要があるが……先程のジョンスの用に一撃で喰ってしまえば、ラーメンにするもなにもありはしない。
「……っ!」
「無駄だ!」
もう一方の脚も潰され、もはや逃げ道はない。
だがラーメンマンは既に覚悟を決めており、ディーヴァのこの行為もまたラーメンマンの思惑通り。
ラーメンにしやすいように、身体を延ばしやすいように。
一撃の捕食よりも工程を踏む分時間のかかるそれは、ラーメンマンにとってはまさに望んでいること。
ラーメンマンがパソコンのエンターキーを押すのと、その身体がぐしゃりと折り曲げられるのは、同時であった。
※
ずるずると、かつてラーメンマンであったラーメンが啜られ、ディーヴァの胃袋へと消えていく。
【ラーメンマン@キン肉マン】 テラカオス・ディーヴァによる完全捕食
「ふぅ、ごちそうさまでした」
一礼をしたディーヴァは鼻を鳴らすが、もう美味そうな匂いはしない。
圧倒的な嗅覚と聴覚、そして捕食者の頂点である真竜の頂点を喰らうことで得た、強靭なドラゴンの牙。
もはや彼女に目をつけられたが最後、哀れな参加者は喰われるのを待つしかない。
「やはり、いいラーメンであった。ジョンスも、ラーメンにすべきだったか?
……いやいや、慢心は駄目だ。あの類は一撃で救わねばこちらがやられるからな」
ぐっぐっと拳を握るディーヴァ。
二人の達人、それも恐怖を組み伏せ自分に向かってきた勇気ある者を喰らった彼女は、食材の能力の一部を引き継いでいた。
より深く重い、剛の拳。そして卓越した技術による、柔の拳。
物理攻撃、接近戦が弱点ともいえるディーヴァにとって、格闘能力の向上は予想外の僥倖。
「しかし……まだだ。まだ足りない。シグナムというアぺリティフ、VFDというアミューズ。
ジョンス、そしてラーメンマンという素晴らしいオードブルを食べておいてなんだが……ああ、やはりそろそろメインを、拳王達を食したいものだ」
そしてVFDを喰らったディーヴァは当然その能力の一部を引き継いでいるが、何よりも色濃く引き継いだのは、強烈な捕食願望であった。
これは以前食したニアラ七人分のものも含めて、真竜を喰らった故の願望。
厨二病から、いいデザインの乗り物を探していた筈の彼女が、何故ホワイトベースに乗り込んできたのか?
その答えこそ、際限のないニアラの捕食願望(×7)であった。
ニアラが何かといえば、慢心と食欲の塊である。そこから慢心を切り離せば、より食欲が占める割合は大きくなる。
空腹と捕食衝動が、厨二病を上回ったのだ(無くなったわけではない)
VFDは、真竜を超えた者を……更なる高みに至るための者を取り込み、完全な存在に昇華するという欲望があった。
それはつまり、更なる強者への捕食願望。そしてディーヴァの場合……
「より強く、より高みに、より早く。
私は真の救世者(メシア)となり、この世界を救うのだ。逃がしはしない……拳王軍。
もはや、乗り物に拘っているような場合ではない。私は救世者、その自覚を持たねば彼らにも失礼だ。
全身全霊を持って彼らを……いや、この宇宙全ての生命を救わねばならないのだ!」
VFDより奪った禍々しい翼を広げると同時に、ディーヴァの全身から瘴気が放たれた。
そして瘴気はやがて花の形をとった。真竜が狙いを定めた星を喰いつくす時に合図として咲き誇らせる、死の花フロワロである。
撒き散らされる猛毒は、弱者を死に至らしめ、得物足りえる強者を衰弱させていく。
「拳王軍がシグナムの仲間ならば……このシグナムの
残り香を追っていけば、辿りつけるであろう」
限りなく進化の極北に近づいた捕食者が、空を舞う。
それは成虫ではない。
新たな生命を生み出す第七真竜でもない。
救いの神でもない。
この星に残る全ての存在に災いを振りまく、争いの淀みから生まれた化身、テラカオス。
その進化の終点を願い、カオスの権化へといま接近す。
【テラカオス・ディーヴァ@テラカオスバトルロワイアル十周目】
【状態】健康、首輪解除、救世者としての自覚、厨二病、火水土風木電聖闇核耐性(強)、薬物耐性(弱)、嗅覚と聴覚、肉体強化、有翼
【装備】シンフォギア・天羽々斬?(異常に禍々しく変化)@戦姫絶唱シンフォギア?
【道具】支給品一式 、スマホ、ストロング・ザ・武道の竹刀
【思考】基本:世界をカオスにする
0:拳王軍を追跡し、救う(喰らう)
1:この宇宙から全ての者を救い尽くす(喰い尽くす)
2:攻撃力だけでなく、脆い肉体を強化できる者(ダオス等)を喰い、より高みに至りたい
3:何故皆救済を拒む? まるで意味が分からんぞ?
4:私はまだまだ弱い、もっともっと強くならねば……!
※風鳴翼・佐村ガウスフレミング02・天海春香・はるかさんの能力を継承しました
※テラカオスとしては未完成のため、テラカオスバトルロワイアル十周目の死者の能力は現在使用不能、進化すれば使えるようになるかもしれません
※風鳴翼の容姿や人格を色濃く受け継いでいます、ただし、進化するにつれて失われる可能性があります
※ダルメシマンの人間の1京倍の嗅覚、ゼブラの聴覚と音操作能力を特に強く継承しました
※02氏の書き手としての能力を消失しました
※テラカオス候補者の一人である多木を食らった結果として力が大幅に増しています
※ニアラ×7及びVFDより、真竜の強靭な牙及び強烈な捕食衝動を色濃く継承しました。
これにより、空腹時は乗り物デザイン等の厨二病よりも捕食願望が優先されます。
※同じく真竜より、毒花フロワロ散布能力を継承&発動させました。現状関西及びディーヴァが向かう先に散布されています
※VFDを喰いましたが、ニアラ×7では他の真竜全ての代わりにはならないため第七真竜にまでは至っていません
※ジョンス及びラーメンマンより、多数の戦闘技術を継承しました
※ラーメンマンが、ネット上にテラカオス・ディーヴァの情報の一部を流しました
どの程度の情報をどこに流したかまでは不明
最終更新:2016年10月11日 20:17