「……さて」

白い衣装に身を包んだ男が一人考える。
モブの部下は今は誰一人としていない。
ここは国際展示場近く。

国際展示場……つまり、東京の地理未把握民に伝えるならば『ビッグサイト』。
そう言った方がわかりやすいいだろう。
ここで前回のカイザの日を祝っていたわけであるが……。
何故、いまさらここにユウキ=テルミが現れたのかをサイコマンは考える。

可能性の1=DMC狂信者を皆殺しに来た。
これはNOだ。

出来るならすぐにやっている。それくらいの実力はある。
少なくとも無量大数軍クラスはあると見切っていた。
だが、その程度だ。
名有の狂信者には勝てる。
しかし、幹部クラスになると勝つのは厳しいくらいだ。
勿論、サイコマン自身も奥義を出さざるを得ない程度には苦戦はするだろう。
だが、自身は負けない。何故なら彼は完璧超人なのだから。

可能性の2=DMC信者をただ煽りに来た。
これもNOだ。

彼は口は悪いが、ただのチンピラではない。頭は相当キレている。
他人を煽るのが大好きで、苦しむ姿を見るのが大好きで、意味もなく殺すのが大好きなだけだ。
だが、そんな彼が何の策もなく他人を煽るためだけにこんなところに来るだろうか?
裏切りを得意とする男が無警戒で裏切るだろうか?
どちらもNOだ。

ならば、何から何まで計算づくで動いていた行動だった?

「まさか……彼の真の目的は……!」

これはYESだ。
どんな行動も因果はある。
意味のない行動をとるなど決してない。

「彼は……『自分が死ぬ』ために……」

サイコマンは一瞬だけ嫌な予感が過る。
だが、そんなことはない。
ありえない。
決してありえるはずがない。

「いや、念のために……『ユウキ=テルミには手を出さない』ほうがいいでしょうね」

結論は出た。
すぐにそう進言すべきだった。
殺してしまった場合。
何をしでかすかわからない。

何によりも彼は『誰も知らないこと』を知っているはずだ。
生きたまま捉えることが出来れば……

『全狂信者へ通達、裏切り者【ユウキ=テルミ】はヘルカイザー亮によって討取られました』

「……………………はい?」

一瞬、時が止まった。
時間にして……ほんの少し。
だが……

「ニャガ……ニャガニャガ……ニャガニャガニャガ……」

サイコマンは顔を覆いながら笑った。

「ニャガニャガニャガニャガニャガニャガ……本当……
 本当に腹が立ちますよ、あなた方のすぐに感情に流される直情さにはねーーーーーっ!!!!」

あの冷静なサイコマンでもキレた。
自分の報告が遅れたのもあったが、それでもキレた。
近くにあったコンビニを近くに放置されていたトラックをマグネットパワーで浮かして突っ込ませた。
それくらいにブチギレた。

「これは早急に【ユウキ=テルミ】の情報を持っている者を探す必要がありますね」

サイコマンは一先ずキレながら、ビッグサイトの本拠地に戻った。
まずは説教からしよう。そう決めた。

二日目・13時50分/国際展示場近く】
【サイコマン@キン肉マン】
【状態】ブチギレ
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本:クラウザーさんを生き返らせるためSATSUGAIする
1:『ユウキ=テルミ』については狂信者上層部と相談
2:できればシルバーマンさんも勧誘したい
3:そういえば、草加さんは……まっ、いいでしょう。
※狂信者です
最終更新:2017年05月30日 00:24