この世界でも上位の神、ノーデンスから命を賭してこの世界の真実が語られた都庁同盟軍。
その直後に起きた邪竜ギムレーからの敵対者への処刑宣告。
そして定時放送。
それらを聞いた同盟軍は一丸になって動き出した。
世界を守るために。


千葉県に現れた巨大な邪竜は拳王軍と狂信者の敵なのは確実だが、敵か味方かまではわからない。
だが敵か味方かは不明だが、放置は愚策。
敵ならばいずれ殲滅する必要があり、交渉して味方にできるのならば肩を並べて戦うべきだ。
いくら世界の破滅を願う邪竜とはいえ、蒼の汚染によって自分まで破滅したくはなかろう。
何より滅ぼす者の対象に自分たち都庁を外していたところから、同盟を組める余地があると信じたい。

そこで情報収集と同時に彼方にコンタクトを取るためにオオナズチは都庁で唯一のドラゴンネットワークの使い手として、邪竜へのコネクションを探すべく、あえて誰もいない一室に引きこもった。
これがオオナズチの最後のドラゴンネットワークとなり、都庁とイチリュウチームに多大な貢献を齎すのだが、それはまた別の話。
気になる人は5264話を参照されたし。


続けて第六回放送への内容の考察。
仲間や仲間になるかもしれなかった対主催の多くが死んでいる悲しい情報の中に、色々見えてくるものもある。


一つは裏切り者の安倍総理が粛清されて、ダース・ベイダーが主催として復権したらしいとのこと。
ナノマシンをバラ撒いた存在であるのは確かだが、未だに全容が見えない10期主催陣という組織。
嘘がなければ、主催も内ゲバを起こすあたり、一枚岩ではなかったようだ。
ひょっとすると、死んだ安倍総理と主催の椅子を奪い返したベイダーのどちらかが大災害を引き起こした元凶なのかもしれない。
主催の中に元凶がいるなら内ゲバの中で死んでいてほしいが、真実は主催の誰かを捕獲しない限りわからないだろう。

一方、ベイダーが九州ロボに戻っているあたり、主催を追いかけて東京までやってきた自称対主催である超人血盟軍及び拳王連合軍への話の信憑性がなおさら低くなる。
中盤から囁かれていた拳王軍・主催同盟説が都庁の界隈でより濃厚になる。
でなければ単純な戦闘力においてベジータという状態異常耐性以外はセルすら凌ぐ存在が残っていながら、九州ロボが今も動き続けている理由がわからない。
考えられる可能性として拳王軍・超人血盟軍は主催の安倍派の味方であり主催への敵対行動もいちおう取っていたが、それは邪魔であるベイダー側を滅ぼすため。
しかし目論見は外れ、安倍派は滅ぼされてベイダー側が復権。
元は味方であれ、今後は主催も拳王軍と敵対的な行動を取るだろう……あくまで想像の範疇であるが、主催が拳王軍の敵であるにしろ味方であるにしろ滅ぼす決定事項は覆ることはない。


一つは行方不明の聖帝軍先遣隊にとって柱であったクロコダインの死亡。
都庁に先にたどり着くハズの先遣隊が都庁にいないところからして何かあったのは想像に苦しくなかったが、やはりクロコダインほどの男が死ぬほどの異常事態が発生したようだ。
紘太・チルノ・ふなっしーの三人はまだ生きているが、連絡は取れないので不安は大きい。
仲間としては当然心配であるし、彼らが戻らないと聖帝軍は野球ができないのだ。


一つは同盟を組んでいた狸組の壊滅。
五人中二人しか生き残っていない様子からして都庁から離れた後、狂信者などのどこかの強マーダーに襲われたのか……
半ば追い返してしまったレストは内心悔やむ。
彼らを壊滅させたのは最低でも殺生丸ほどの強者に最高クラスの武器である天ノ村雲ノ剣の装備を与えても勝てない敵。
さらにブリーフ博士の首輪解除技術は対主催のみならず、マーダーや狂信者も喉から手が出るほど欲しいはずで奪われたらまずい。
まだ名前の呼ばれていないはやてとブリーフ博士の無事を祈る他ない。


一つはイチローチーム・ドラゴンズ双方からかなりの数の死者が出ていること。
こちらも狂信者たちに襲われ、横浜で拳王連合軍に一部メンバーが襲撃を仕掛けて敗走したところから大半のメンバーが死亡したようだ。
特に最後の目撃情報である千葉には例の巨大邪竜がおり、なおさらギムレーが敵か味方が判断を迷わせる。
聖帝軍同様、彼らにも野球をしてもらわなければいけない。
直接会ったことは一度もないが、いずれ仲間になる存在としてこれ以上の損害がでないことを願う。


一つは風鳴翼が放送で呼ばれていないこと。
都庁に二度目の襲撃を仕掛けて撃退したところからだいぶ時間が経過した。
関西での目撃情報を最後にぷっつりと消息が途絶えたようだが、おそらく死んではいまい。
最後に相対した時は理性を保っているとは言い難かったが、それでも世界を救うために必要なテラカオスではある。
もう一度相まみえることがあれば、どうにかして捕獲したい。



悪い情報の方が多かったが、放送には吉報も混じっていた。
ユーノとなのはの無事。
悪しき拳王連合軍の半壊。
都庁の魔物を騙っていた天魔王軍の全滅。


ユーノとはのはに関しては、仲間である桑原とエリカは素直に喜んだ。
ユーノはテラカオス化はしているが、セルがいる限り治療の余地があり、希望は残されているのだ。
あくまでネット上に上がってないだけだが、ユーノが変異したと思われるフェレット型の怪物が誰かを襲ったという情報もない。
ハス太殺害はユーノの罪ではなく、テラカオス化による暴走。
無事に合流して、セルによる触手治療ができればまだ十分に人としてやり直しができるはずである。


熱斗など拳王軍の主力の戦死は嬉しい誤算である。
特にエリカやアルルーナなど彼らを最も嫌う存在はこれまでの過ちの天罰を食らったのだと述べた。
奇襲をしかけたリオレウスがやってのけたようだ。
心の中で多くの魔物が彼に祝杯を捧げた。
拳王など残る面子も強大ではあったが、殲滅への道筋も見えてきたのは確かだ。


そして、オルゴ・デミーラ率いる天魔王軍の全滅。
桑原・エリカの情報いわく居城にしていたと思わしき首相官邸が跡形もなく爆散したので、その際に何者かに殲滅されたのかもしれない。
欲を言えば一人くらいは捕虜として捕まえて、警察組襲撃などの罪を擦り付けたことを白日のもとに明かし、都庁の無実を証明させたかったが贅沢は言ってられない。
一番いい知らせなのは違いないのだ。



さらに拳王軍の弱体化、天魔王軍の全滅を聞いて神樹は提言した。

『エネルギーが溜まって俺の秘奥義『神々の黄昏』が撃てるようになったぜ。
こいつは耐性無視の即死攻撃……どこの誰が攻めてきても、これを決めれば集団単位で全滅に追いやれる。
一回しか撃てないだろうから使い時は間違えられないが、拳王連合軍、邪竜、狂信者、主催……射程内にさえ入っちまえばどれか一つは確実に滅ぼせるぜ』

神樹が、ある意味誰であっても滅びを与える最強の武器を手にしたことは都庁同盟軍に取っては特大レベルで良いニュースであった。
射程やエネルギーを貯めなおす時間を考えるに一発しか撃てないという制約はあるが、攻めてきた敵に確実な滅びをもたらし、防衛が約束される。
例外的に耐えられるのは蒼を纏う黒き獣だけであろう。

こうなれば天魔王軍がいなくなったので敵が一つに減り、さらに一つの敵組織の殲滅を約束されたも同然。
防衛が安泰であるとすればこれまで守りしかできなかった都庁同盟軍が攻めに転じやすくなることを意味する。



そして。
ダオスはまず、小町と影薄組四人を世界樹の頂上に集めて一つの作戦を提案する。

「次の大災害まで時間が残されていない。
だが、野球をやるには数が多い狂信者が特に邪魔だ。
よって、私から狂信者を早期に攻略する作戦を立案する」

ダオスの言葉に影薄組は驚く。
散々煮え湯を飲まされた狂信者に一泡吹かせられることと、どうやって勝つつもりなのか二重の意味で。

「……で、どんな作戦なんだいダオス?
奴らの数は無尽蔵に近い。
同盟軍全体で総攻撃を仕掛けたとして、多大な損害は免れないよ」
「そうなると余力がなくなって予言の完遂は難しいっす。
犠牲なしで勝てたとしても時間がかかりすぎるだろうし」

小町とモモの意見は最もだ。
いくら強化に強化を重ねた都庁同盟軍でも数万以上は確実にいる狂信者を相手にするには骨が折れる。
防衛はまだしも、攻撃に転ずるとなると同盟軍でもいずれ地力の差で敗北、勝てても時間切れで大災害が襲いかかってる危険性が大。
そもそもビックサイトを攻めてるうちに都庁に拳王軍などの他の戦力が襲いかかってきたら目も当てられない事態になるだろう。

「確かに真正面から仕掛ければそうなるであろう。
私が提案するのは少人数の精鋭によるビックサイトへの潜入工作だ」
「潜入工作だって?」
「そうだ、非常に危険な……しかし、DMC狂信者という組織を最低限の時間で倒せる作戦だ。
小鳥、作戦概要をまとめたものを」
「はい」

指示を小鳥がノートパソコンで潜入作戦の概要を描いた図解を影薄組に見せ、ダオスが補足する。

「私やまどかのレーザーによる超長距離射撃も考えたが、ビックサイトには魔力が集中していることを感知した。
長距離からの爆撃は、貯めていた魔力が暴発する可能性もあり危険だ。
最低でも関東圏内は跡形もなく吹っ飛ぶ」
「直接攻撃はダメか……あたいもドラゴンハートを受けてからなんとなく尋常じゃない魔力の塊を感じたが、こいつが狂信者どもが掲げているクラウザーを生き返すためのエネルギーか?」
「クラウザーの蘇生ができるかどうかも胡散臭いと思うが、参加者を殺して莫大な生体エネルギーを集めているのは確かだ。
実際、犠牲者が増える度にエネルギーも増している」

ダオスとまどかの全力全開のレーザーならば同じ県内になるビックサイトは射程内でいつでも消し飛ばすことは可能。
しかし、先にイチリュウチームのドラゴンたちが感じ取ったように、集めた魔力が誘爆して大惨事を引き起こす危険性がある。
そうなると施設そのものを消し飛ばす火力攻めの間接攻撃は不可能である。

「しかし狂信者がこのエネルギーをどう使い、本当にクラウザーが蘇生できるかどうかはさして重要ではない。
このエネルギーがそっくりそのまま無くなればどうなるか?
クラウザーの蘇生が絶対にできない状態になったとすれば?」

回答を待っているかのようにダオスは小町と目を合わせる。
小町は一息置いてから答えをだした。

「……なるほど、術だろうと機械だろうと、エネルギーを溜め込んでいる手段を奪うか壊すかすれば、狂信者はクラウザーを蘇生できなくなる。
目的を果たせないと知った組織は瓦解、最低でも大幅な士気低下はするね。
つまるところ、あたいたちにビックサイトに潜り込んでクラウザーの蘇生手段を挫け……アンタはそう言いたんだね」
「その通りだ」

この世界は蒼の汚染によって死者の蘇生ができない。
そんな中、嘘か真か亡くなったクラウザーさんを蘇生できる方法を見つけたと、ディーという男が見つけて発信したのが狂信者の興りである。
ならばビックサイトに潜り込み、その方法を無くしてしまえば蘇生の希望を失った狂信者集団は大義を失い、同時に組織力を失う。

「そのために、おまえたち影薄組の力が必要なのだ」
「あかりたちが?」
「左様だ。
そこらの擬態能力を持った魔物を上回るステルス性、潜入する分に必要な戦闘力を兼ね揃えた戦士はおまえたちしかいない」
「確かに僕らの能力は潜入工作には有用だと思いますけど……」
「不安もあるだろうが、私やレスト、まどかやセルでさえ潜入には能力面でも技能面でも不向きだ。
戦闘も全くやらずに敵地に潜入できる適任者はおまえたちしかいない」

純粋な戦闘力なら影薄組一人一人より上の人材は都庁にも存在する。
しかし、世界樹周辺ならばまだしも、味方の支援を受けられぬ敵地最深部で敵に見つかれば確実に袋叩きにされる。
ステータスだけなら最強クラスのレストでさえ狂信者の豊富すぎる戦術の前に何度も敗北しており、仲間の支援なしならばとっくにこの世にはいない。
その仲間の支援も世界樹での防衛戦ならまだしも、敵が多すぎるビックサイトの前では支援する間もなく死者スレ送りとなるであろう。
ビックサイトをいかに攻略するかは戦闘力ではなく、いかに敵に見つからずに急所をつけるかのステルス能力が鍵とダオスは見たのだ。

「アンタの考えはよくわかったが、ビックサイトに侵入するための俺たち四人以外の戦力は?」

方針を理解した日之影の質問。
確かに潜入に適正があるのは影薄組しかいない、が流石に四人だけではいざと言う時が困る。
そもそも日之影以外の三人はドラゴンハートと雀力で大幅強化されているとはいえ、元は非戦闘員。
モブ狂信者には負けないだろうが、余程のザコじゃない限りネームド狂信者相手にはまずい。
潜入作戦なのだから戦力は多すぎてもダメなのだが、少なすぎても蘇生手段を破壊する前に全滅する危険がある。

「影薄組に同伴できる戦力は……小町だけになる」
「ついていけるのはアタイだけかい? 他に誰か連れていけそうな奴はいないか?」
「こまっちゃんの強さは長く付き合ってたからわかるし、俺らのリーダーが一緒に戦ってくれるのは嬉しいぐらいだが……」

影薄組に同伴できるのは小町のみ、このダオスの答えに小町含めた全員が不安そうな顔をする。
小町が頼りにならないからではない。頼りになる彼女がいてもまだ不安が残るからだ。

「確かに戦力的にはまだ不安もあるだろうが、これにもいくつか理由がある。
一つは都庁を防衛するための戦力が必要なこと……天魔王軍こそ滅んだが、敵はそれ以外にも残っている。
それらが一斉に攻めてくれば防衛のために外せない戦力は決まってくる」
「神樹とアルルーナはどう考えても潜入向きじゃねえし、その二人もトレーナーであるエリカがいてこそ真価を発揮する」
「さやかちゃんも都庁のみんなの怪我を治すために外せないね、セルがいる限りソウルジェムの汚れが貯まらないからレストさんでもできない無限回復ができるし」
「聖帝軍の皆さんはさしずめ対拳王軍への切り札っすね」
「透明化できるオオナズチはこの都庁で唯一ドラゴンネットワークができる人材ですし。邪竜とどうしてもコネを作らないといけませんから外せないですね……通信がすぐに終わるなんて思えませんし」
「他は戦闘できないか、潜入能力を持っていない……ん? ちょっと待て」

ここで小町が一つの疑問に行き着く。

「あたいは日之影たちと付き合ってただけにステルス能力を持っている奴らを見つけられる『慣れ』のようなものはあるけど、あたい自身にはステルス能力はないぞ?」

小町は影薄組のリーダー格と言っても過言ではないが、彼女自身はステルス能力はない。
むしろ女性にしては高い身長、赤い髪、胸にぶら下げた爆乳のせいで遠くでも目立つぐらいだ。
顔も『乳神』の通称でネット拡散されて日本中に広く拡散されている。
潜入はとても難しい……と思われたが、ダオスはこれについて回答する。

「それは問題ない、これは機械に強い犬牟田に教わったことだが……解決策は影薄組が使っているデモニカにある」
「あかりちゃん、私が教える通りの手順でデモニカスーツの悪魔召喚プログラムを使って」

小鳥はあかりにデモニカスーツに内蔵された悪魔召喚プログラムを起動させ、操作を教わることで一通りの手順を覚える。
その結果。
小町は光に包まれるとあかりのデモニカスーツのコンピュータの中に入った。

『うお? あたいがあかりのデモニカの中に入っちまった!』
「びっくり仰天だよ!」

あかりのヘルメットの中に『死神 オノヅカコマチ』の驚き顔が映る。

「見ての通り、悪魔召喚プログラムには悪魔や天使、魔獣を封じて仲魔とする機能がある」
「狂信者の狭間や大和って人が使っていたものと同じっすね」
「左様。これを利用すればステルス能力を持っていない小町を、ステルス能力を持った影薄組が運搬することで恩恵を受け、ビックサイトへの潜入を容易にできるわけだ」
『なるほどねえ、しっかしこんな便利なもんがあるなら他の連中も連れていけるんじゃないのかい?』
「残念ながら大半の仲間はプログラムに『悪魔』と判定されないせいか入れない。
入ることができるドラゴン族は防衛に欠かせぬし、天使判定のカヲルは予言に必要な鎮魂歌を作らせるとために都庁に残ってもらわねば困る」

一先ず、小町の潜入問題が解決したところで、小町は悪魔召喚プログラムから出た。

「潜入問題はよしとして、小町を選んだことにも理由がある。
クラウザーの蘇生手段を破壊したことを世間に発信する際、誰がそれをネットに流すかも重要になる」
「だったらあかりたちでも……」
「待て待て待て、発信者がおまえたちではいくらなんでも影が薄すぎだ。
映像で流しても透明人間が映しているようにし見えんだろう……オイ、気を落とすでない、あかり」
「……まあ、事実っすね。大阪のジプシー・デンジャーとの戦いでも、小町さんや混沌の騎士さんだけクローズアップされて私たち四人は半ば無視されてたぐらいっすし」
「発表者も重要つーわけか。ジーミーな俺たちじゃ世間への効果も薄い」

影薄たちは影が薄いだけに、存在を忘れ去られやすい。
組成手段を破壊した動画を掲示板に張り付けたところで無視されるか、ごく少数に見つけられても狂信者を止めるには不十分なくらいしか伝播しない可能性がある。

「そこで小町の出番だ。
誇張も入っているとはいえ参加者から信頼されている数少ない女傑。
そんなおまえが狂信者に痛恨の一撃を与えた動画を上げれば、瞬く間に広がるだろう」
「確かに、完全に悪党扱いの他の同盟軍の仲間よりは信頼されるだろうね」
「しかも、小町さん自身にも泊がついて私たちが並行してやっている小町さん偶像計画が捗りますね」

小町が狂信者に痛手を追わせたことを世間に発表することは、並行して実行中の小町偶像計画のためにもなる。
ヘルヘイム扱いの都庁のボス扱いであるダオスを、小町が倒すという演技を行うことで参加者の混乱を沈静化させる計画は、とにかく小町のヒーロー性を上げることで効果を上げる必要があった。
この計画を実行に移すにはどうしても拳王軍と狂信者が邪魔であるし、ちょうど片方を潰すことのできるため一石二鳥とも言えるのだ。

「あ、ちょっと待った。
あたい、さっき追い払ったモブ暴徒に信頼できる対主催がいたら、都庁の近くで待ってるから会わせてくれって言ったんだけど、そっちはいいのか?」
『ならばこの俺が留守を引き受けよう』

スマホ越し語りかけてきたのは、世界樹の下層部にて心の傷を負っているきらりの介抱をしている元・悪魔超人の人間・魔雲天であった。

「魔雲天、おまえに任せて大丈夫か?」
『人間になってしまったことは都合がいい。
人間の姿の俺は世間の誰にも知られてないし、ほかの連中ほど警戒はされないハズだ。
ただ小町の仲間であるという証拠が欲しい……何でも良いからちょうどいいものを一つくれないか?』
「……わかった。あたいが主力武器に使っていた神鎗の柄がある。それをやるよ。
苦労をかけてすまないね」
『いや、きらりの件で助けてもらった恩返しをしたいと考え、人間になって弱体化した身で何かできることはないか探していたところだ。
あのお方もきっとそうするよう願うだろう』

魔雲天は悪魔超人を引退したが、悪魔将軍への敬愛や忠誠心は捨てていない。
放送で彼の名前が呼ばれた時は多大なショックを受けたが、絶望で塞がるのは将軍への無礼であると考え、非力な人の身でも戦うことを決めた。
近くのベッドで疲れきって眠っているきらりを見守りながら、それを決めたのだ。


「とにもかくにも影薄組の潜入作戦に関する疑問は以上と見ていいな?
この作戦の趣旨は影薄組による狂信者中枢への破壊工作と、偶像計画に必要な小町の泊付けの意味が込められている。
……だが、この任務は敵の懐に最低限の戦力で飛び込むため、非常に危険を伴う」
「ビックサイト内部は改装されていて殺し合い前の見取り図なんて宛にできませんし、他にもどんな敵や罠が潜んでいるかはカオスロワちゃんねるでさえもわかりません」
「作戦成功率や生還率も非常に低く、決死隊作戦と言っても差し支えない。
仮に時間の猶予があれば、こんな無茶な作戦は薦めたくない。
日之影、桃子、黒子、あかり……そして小町も、降りたいなら今のうちだ。
作戦に乗るのならば死ぬ覚悟はできているか?」

鬼気迫る表情で危険な作戦に了承するかを問うダオスと小鳥。
失敗すれば死、成功しても全滅する可能性も非常に高い作戦。
ハイリスクすぎる作戦から仮に降りてしまっても誰も責めないだろう。


だが影薄組五人は、死ぬリスクよりも狂信者を討つことで得られる多くを救う道(ハイリターン)を選んだ。

「もう時間もないんだ、別の作戦を練り直す時間も勿体無い。あたいはやるよ」
「大活躍するチャンスを前にして主人公は引かないもん!」
「元生徒会長だってな!」
「私は小町さんや皆が一緒なら何も怖くないっす」
「五人揃わないとただでさえ少ない作戦成功率がもっと低くなります、僕もやりますよ」

五人とも、覚悟を決めて作戦に乗ることにした。

「だけどダオス、一つだけ間違いがある」
「なんだ?」
「あたいたちは一人でも多く、いや誰も死なずに、この都庁に帰ってくる。
それまで世界樹を陥落させるんじゃないよ」
「……ああ、わかっている。
ここがなくなるとおまえの偶像計画が水の泡。そして帰る場所だからな」

高い士気と世界を守るという目的意識から来る笑顔を交えた小町の啖呵に、ダオスもクスリと微笑むのであった。
この五人ならきっと作戦を成功させて狂信者組織を倒せると思っただけに。


「よし、死ぬ覚悟があるのなら、『アレ』もやってもらえるな?」
「……『アレ』?」
「時間はまだ少しだが残されている……命の前に尻を犠牲してもらえるか?」






で。

『にしゃ!』

時刻は19時ちょうど。
フォレスト・セルの口から二人の影の薄い少年が吐き出された。

影薄組の黒子テツヤと日之影空洞だ。
セルから吐き出された二人は粘液塗れで全裸であった。
周囲に女性はいなかったが、代わりにレストやサウザーと言った男性陣が毛布を片手にすぐさま介抱に入った。

「大丈夫か、日之影」
「はは、正直舐めていたぜ、彼女でもない奴に童貞より先に尻の処女を失っちまうなんてな……」
「……ご愁傷様とだけ言っておく」

普段飄々としている日之影は声をかけてきたサウザーに笑顔を向けるが、それは明らかにぎこちなく作り笑いだと思った。
笑顔がガクガクしているなら腰もガクガク痙攣している。
それを見たサウザーはなんともいたたまれない顔をしていた。

「それだけセルのテクニックはすごいのさ。
どんなに肉体を鍛えた存在もしばらくは立っていられなくなるレベルで。
まあ、君と黒子はまだまだタっているみたいだけど」
「笑えねえよ、その下ネタ。あ、やべえ、また出ちまった」
「や、やめんか! 俺の服に汚れがつくかと思ったぞ!」

経験者であるレストはドヤ顔で語り、今さっき経験者になった日之影とまだ後ろは処女のサウザーは呆れた顔をしている。

「ところで黒子は大丈夫?」
「鋼の精神力を持っているアイツのことだ。
きっとフォレスト・セルのテクニックだって――」

もうひとり、セルの加護を受けていた黒子ならばきっといつもどおりであろうと期待されていた。
ほむらが魔法少女にしてもソウルジェムが濁らないだろうと思われたぐらいのオリハルコンメンタルの持ち主だからだ。

「――――」
「あ、ダメだ。あまりのショックで固まってやがる」
「あちゃー、セルの前では黒子でもダメだったか」
「ひええ……こいつでダメなら全参加者がセルのテクニックに耐えられんだろう」
「にしゃー、しゃしゃしゃーにしゃー♪」

黒子は連載初期のジャスタウェイ顔のまま、体育座りで固まっていた。
なぜか勝ち誇り、某スローロリスのような勝利のポーズを取るフォレスト・セル。


「男どもあと40秒でそこからどきな!
あたいたちが、いつまで経っても出られねえじゃないか」
「おお、すまねえなこまっちゃん」
「覗いたらあかりとモモと三人がかりでしばくからな?」
「そんなオオナズチみたいな真似はしないよ」
「レスト、なんとなくおまえならやりかねん気がするんだが……まあ、変なことはしないように聖帝たる俺が責任を持って見張っておこう」

未だに正気に戻っていない黒子を日之影が背負い、全裸の少年二人と聖帝とアースマイトは出て行った。
そこから入れ替わるように三人の裸の美少女達と、まどかとほむらが付きそう形で現れた。
まどかとほむら以外は一糸まとわぬ姿で夜風に晒しているためか、三人とも顔を緊張で紅潮させていた。

「トホホ、服をもらえたと思ったらまた全裸っすか……」
「ま、前の処女は取らないって言われたけど、これって事実上のセック……とにかく怖いよ小町ちゃん。
同人誌でそれなりに稼いでる経験者だったらどうすれば教えて!」
「人を勝手に経験者にすんな!
幻想郷在住の人間が勝手にあたいを題材にしたいかがわしい薄い本を売り出しているだけであたいはバリバリの処女だよ!
ましてや後ろなんて……」

未成熟、美乳、豊乳の体が緊張によって出た冷や汗で濡れ、その体で小町の体に寄り添うのだから余計に艶かしい。

「あかりちゃん! 黒子くんと日ノ影さんは何も教えてくれないみたいだから、終わったらお尻は気持ちいいか教えてね!」
(クッ、仕方がないとはいえ、まどかの性知識の危険が危ない!)

天使の微笑みでさらってトンでもないことを言うまどかと、終わっても何も喋るなと熱い視線ビームを送るほむらに見守れる形で、三人の前にフォレスト・セルは口を開く。


なぜ、これからビックサイトへ侵入をしなければいけない影薄組が、こんなエロゲじみたことをしているのか?
それは沖縄に現れた蒼の精霊、破滅を呼び込む黒き獣の存在に他ならない。
黒き獣の纏う蒼はテラカオス以外は耐えらない代物。
仮に周囲に降り立てばテラカオスと候補者以外の全てが一瞬で無に帰すだろう。
黒き獣の前ではレベルの高さや耐性などただのハリボテである。

だが何事にも例外は存在する。
テラカオスほどではないが蒼に耐えられる物質を古代グンマーがフォレスト・セルを通して残してくれた。
セルに尻を捧げた存在はテラカオス因子を吸い出されると同時にアンチテラカオス抗体及び蒼への耐性を得られることができるのだ。
先に加護を受けたレスト、きらり、魔雲天は、『少しの間だけ』なら黒き獣と対峙しても死なない耐性を得ている。

現在沖縄にいる黒き獣、または獣を殺して蒼の力を得たかもしれない貧乳歌姫が、いつ東京に攻めてくるかはわからない。
もし狙われるなら海に面しているビックサイトからかもしれない。
その場合、仮に接敵した場合、耐性がない場合は戦うことも逃げることもできはしない。
そんな懸念があるからこそ潜入作戦の前に抗体を手に入れる必要があった。
ついでに唐突なテラカオス化を防いで作戦を失敗させる要因を潰す意味合いもあった。

とはいえ、尻の純潔を捧げるのは、命を賭けることとは全く違う勇気がいる。
三人とも処女なのでなおさらだ。
ちなみにフォレスト・セルが治療で抗体を一度に分けられるのは三人までで、それ以上は効果が半減する。
かといって一度の治療は30分かかるので一人ずつは時間の無駄。
三人同時にいくしかなかった。

「て、てやんでえ! 女は度胸だ!!
命散らした奴がゴマンといるのに、尻一つ捨てられないケツの穴の小さい女でいられるかい!」
「お、応っす!」
「主人公はケツに対して根性がないほどヤワなのかい?」
「の、ノーサー!! 主人公は退かぬ媚びぬ省みぬ!!」

しかしいつまでも立ち往生はしていられない。
そこで小町は(半ばやけっぱちの)啖呵を切って二人を奮い立たせる。

「おし、じゃあ、いくぞおおおおおおお!!!」
「「おおおおおお!!」」
(もう、ヤケクソね)

気合を入れた後に槍のようにフォレスト・セルの口へ向かっていく小町と後に続く二人。
その光景を微妙に冷ややかな目で見るほむほむの図。
そして三人の期待(?)に答えるようにフォレスト・セルは口を開き、中から無数の触手が飛び出した。

「きゃん!?」
「ひやああああ! そこはらめえ!!」
「ぬ、ヌルヌルするっす!」

一瞬にして触手に絡め取られるあかり、モモ、小町の肢体。
縛られる体に、肌にくい込む触手、絞られる汗、ダダ漏れの嬌声、揺れるおもち四つ。
同性なのに思わず見とれて鼻血がちょろっと出てくるまどほむ。

「あー、やっぱこええええ!!!」

思わずどこぞパンツレスラーが言いそうな叫び声を小町は上げながら、三人の美少女はフォレスト・セルに美味しくいただかれた。







やられたぜ。 投稿者:爆乳変態死神 (東月方日(ZUN)午後7時14分22秒)

今日の東月方日にいつもの雀士の姉ちゃん(高校一年)と目立ちたがりの団子の主人公ちゃん
(13歳)あたい(外見20代)の3人で世界樹にあるフォレスト・セルの口の中で盛りあったぜ。
今日は明日が終末かもしれんのでデモニカと武器と防具を脱いでから滅多に人が入れない所で、
そこでしこたま唾を飲んでからやられはじめたんや。
3人で触手舐めあいながら脱ぎ忘れた靴下だけになりセルが持っていたテラカオス抗体を3本ずつ入れあった。
しばらくしたら、下の穴がひくひくして来るし、触手が因子を求めて腹の中でぐるぐるしている。
姉ちゃんに口の中をなめさせながら、主人公ちゃんの口の中を舐めてたら、
先にセルの兄ちゃんがあたいの尻に抗体をドバーっと出して来た。
それと同時に姉ちゃんも主人公ちゃんにも抗体を出したんや。もう体中、抗体まみれや、
3人に出された抗体を手で掬いながらお互いの体にぬりあったり、
粘液まみれの触手を舐めあって抗体で浣腸したりした。ああ^~たまらねえぜ。
しばらくやりまくってから又浣腸されるともう気が狂う程気持ちええんじゃ。
セルの兄ちゃんの触手があたいの腸内を突うずるっ込んでやられると
腸内が抗体と粘液でずるずるして気持ちが良い。
主人公ちゃんも姉ちゃんの口に舌を突っ込んで唇を合わせて居る。
汁まみれの姉ちゃんの雀力を掻きながら、思い切り受精したんや。
それからは、もうめちゃくちゃに姉ちゃんと主人公ちゃんと唇を重ね合い、
抗体を塗りあい、二回も女汁を出した。もう一度やりたいぜ。
やはり大勢で粘液まみれになると最高やで。こんな、グンマーの変態遺産と触手遊びしないか。
ああ~~早く汁まみれになろうぜ。
世界を守りたいと願う奴なら最高や。
汁まみれでやりたいやつ、至急、手紙くれや。
靴下姿のまま浣腸して、粘液だらけでやろうや。



「小町さん! 起きて小町さん!」
「ハッ、夢か! もう終わったのか?!」
「小町さん、お尻にイれられて三秒で気絶したじゃないっすか!!」
「え? そうなの?」
「私とあかりちゃんは気絶できないだけに最初から最後まで……ウッウッ」

小町が目覚めたのは治療行為が終わり、フォレスト・セルから吐き出された後だった。
尻が広がって何かが残って感覚と、いろんな液体でヌルヌルになった裸体。
泣いているモモと、レイプ目で地面に転がっているあかりと解放を行うまどかとほむらが目に映った。

「あかりちゃん、ねえ答えて、お尻は気持ち良かった?」
「――――」
「まどか、ちょっと待ってあげて、今の彼女の精神状態では返答は無理よ」

「にしゃにしゃしゃ(アンタとモモのおもちは最高だったぜ、もう一度やりたいぜ)(キリッ」
「何言ってるかわからないのに、なぜか意味が分かる気がするっす」
「こいつ段々、オオナズチ化が進んでないか……あ、やべえ、思い出したら出ちまったよ」
「何がっすか!?」

こうして抗体と蒼への耐性を得た影薄組は、少しの休憩を挟んだ後、都庁からビックサイトへの旅路に準備を整えた。
ちなみに五人ともちゃんと服とデモニカは着た。
さらに黒子とあかりは犯された精神的ショックから15分くらいで回復した。

そして時刻は20時。
いよいよ、出発の時である。
小町をあかりの悪魔召喚プログラムに格納した後に、仲間に見送られる影薄組。

『あれ? 桑原とアイスシザースは?』
「イリヤちゃんや犬牟田くんたちも、いないね」
「桑原たちならさっき、レーザーの射程外から嫌な予感がするって言ってイリヤたちを引き連れて調査に出かけたぜ。
直に戻ってくるだろ」
「もっとも、小町さんたちの見送りはできないだろうから、代わりにエールを贈って欲しいって言ってた。
『がんばれ、誰ひとり死ぬんじゃねえぞ』って」
『ああ、あとでありがとうって伝えてくれ』

レイジとイオリが言ったとおりに、見送りに防衛や治療といった事情のために外せないメンバーと、桑原・イリヤ・アイスシザーズ、高津と犬牟田はいなかった。

『あたいたちは全力を出すから武運を祈ってくれよ』
「レストさんにほむらちゃんはあんまり無茶をするから死なないでくださいね、私の大切な友達だから」
「皆さんお元気で」
「あかりはみんなも魔物もだいすーき! だから主人公の仕事を終えたら必ず帰ってくるね」
「じゃ、期待されたからには成果をあげてくるぜ」

五人は同盟軍の仲間に別れの挨拶を終えた後、仲間の視点では幽霊のように消えていった。
四人はかつて狂信者が地下の道を利用して都庁を攻めたように、東京中に張り巡らされた地下道を通ってビックサイトに向かうことにした。

「影薄組はビックサイトに向かったか」
「サウザーさん、ちょうど高津さんたちも戻ってきたみたいです」

影薄組と入れ替えになる形でドラゴンの集団に跨った高津・犬牟田、そして生き別れだった先遣隊の三人が戻ってきた。

「紘太! ふなっしー! なんか大きくなってるがチルノも無事だったか!
ん? イリヤたちはどうした?」

クロコダイン以外の先遣隊メンバーの存命にサウザーや聖帝軍は一時は喜ぶが、高津たちの浮かない顔を見て何かを察してすぐに表情は曇った。

「イリヤは死んだ……イリヤだけじゃない、桑原やアイスシザーズも殺された」
「なに!?」
「桑原さんが!?」

高津から告げられた三人の仲間の突然の死の通告に、聖帝軍やエリカ、他の同盟軍の仲間も固まる。

「高津さんから聞いたよ、キュゥべえってのは俺らや都庁の敵なんだよな」
「キュゥべえに会ったの!? アイツは今どこに!」

キュゥべえの名前を聞いて飛びついたのはほむらであった。

「ついさっきまで近くにいたが逃げちまった……どうやら仲間の霧切や苗木を騙しているらしい。
……クソッ、仲間だと信じて向かい入れた俺が馬鹿だった、イリヤたちを殺したのは俺も同然だ。
俺は自分のことを絶対に許せねえ……」
「落ち込んじゃダメなっし、紘太のせいじゃ絶対にないなっしー……」
「どうやら事情があるみたいだけど、少し落ち着いたら話してもらえる?」

涙を流し膝をついて崩折れる紘太とふなっしー。
キュゥべえが近くにいた事実に並々ならぬ嫌な予感を感じるほむら。
困惑する周囲。

だが、事態はさらに追い打ちをかけらていく。
ズドンッ、と突然、世界樹の第一層部分から大爆発が起きた。

「なんだ今の爆発は!?」
「まどか!」
「お、お腹が痛い…」

同時に世界樹と感覚を共有しているまどかが腹を押さえて、その場にかがみ込んだ。
彼女の腹には大きな青あざができていた。

「砲撃!? 攻撃は見えなかったけど……まさか、デスマンティスのような裏切り者がまだ中に!?」

レストはかつて世界樹を裏切ったデスマンティスのような潜伏者の攻撃を疑うが、すぐ後のまどかの言葉により否定される。

「レストさん違う……この痛みは外からきたもの、ダオスさんでも目視できない見えない攻撃だよ」
「なに、影薄組の皆のような見えない攻撃だって?」

攻撃の正体は拳王軍の投げた消える魔球である。
それが今になって着弾し、第一層の一部を吹き飛ばしたのである。
この時点では同盟軍のメンバーは知る由もないが。

「それよりもあの位置にはスノードリフトのみんなやオオナズチさんがいたはず、無事を確認しないと!!」


場面は移り、砲撃を受けた第一層の一部。
一番最初に駆けつけたのはさやかであった。

「オオナズチ……良かった無事だったのね」
「無事……とは言えんがな、さやか……」

オオナズチは普段のキモヲタじみた口調を維持できないほどのボロボロの血まみれであったが、致命傷は回避していた。
この傷もさやかの癒しの魔法があれば立ちどころに治るであろう。
……問題なのはオオナズチ以外の周囲の状態であった。

まるで内部がシェイクされたかのように樹木のダンジョンは見る影なく燃え上がり、さっきまで命だったものの肉があたり一面に散乱している。

「……スノードリフトは全滅だ、一匹残らずな」
「そんな!」

都庁の仲間、特に魔神皇戦で活躍したスノードリフトたちは今後に備えて一箇所にたむろしていたことが仇になり、たった一撃の投球で絶滅した。
もう、この世界で彼らの勇ましく遠吠えを聞くことは叶わない。

【スノードリフト@世界樹の迷宮 全滅確認】


「クソッ、我は五分前にドラゴンネットワークを切断していたから助かった!
ギムレーがチャットをしてくれなければ、玄室に閉じこもり続けていた我も一緒に死んでいた!
我が助かって彼らが助からなかった差は本当にそれだけだ……!」

オオナズチはつい先ほど、ギムレー及びイチリュウチームとのコネクションを得て、カオスロワちゃんねるの裏とドラゴンネットワークの危険性を知り、彼方が不屈の勇者足り得るテラカオスを手に入れたことを知った。
そして最後のドラゴンネットワークを切って仲間に情報を伝えるために玄室から離れたからこそ、爆心地から離れられたオオナズチは助かったのである。
仲間をむざむざと殺されたことへの悔しさか、ダオスの防空能力すら上回る攻撃への恐怖か、オオナズチは気を落としていた。

「落ち込まないでオオナズチ、まだ生存者がいるかも……あれ?」
「どうした?」
「爆心地に何かある……これは野球ボール!?」


さやかが破壊されたダンジョンの中で見つけたのは、この世界樹に不釣合いな野球ボール。
そして中には拳王軍からの脅迫じみた挑戦状と、電車ごっこロープが入っていた……



【二日目・20:10/東京都 新宿都庁世界樹】
※第5266話で投げられた魔球が世界樹に届きました。
 中の挑戦状と電車ごっこロープは無事です。
※聖帝軍と聖帝軍先遣隊が合流しました
 先遣隊は情報共有にて予言に纏わる進展状態と、キュゥべえの正体を知りました
※オオナズチがドラゴンネットワークで握った情報は、まだ仲間に伝播していません


【都庁同盟軍】


【ダオス@テイルズオブファンタジア】
【レスト@ルーンファクトリー4】
【ウォークライ@セブンスドラゴン2020】
【氷嵐の支配者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【音無小鳥@アイドルマスター】
【渚カヲル@新世紀エヴァンゲリオン】
【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
【オオナズチ@モンスターハンターシリーズ】
【エリカ@ポケットモンスター】
【アルルーナ@新・世界樹の迷宮】
【歪みし豊穣の神樹@世界樹の迷宮4】


【聖帝軍】

【サウザー@北斗の拳】
【ターバンのボイン(金色の闇)@ToLOVEるダークネス】
【ターバンのガキ(円亜久里)@ドキドキプリキュア!】
【ターバンのガキ(イオリ・セイ)@ガンダムビルドファイターズ】
【ターバンのガキ(アリーア・フォン・レイジ・アスナ)@ガンダムビルドファイターズ】
【ターバンのおっさん(高津臣吾)@ササキ様に願いを】
【ターバンのガキ(犬牟田宝火)@キルラキル】
【ターバンのないガキ(葛葉紘太)@仮面ライダー鎧武】
【ターバンのレディ(チルノ)@東方project】
【ターバンのナシ(ふなっしー)@ゆるキャラ】
【諸星きらり@アイドルマスターシンデレラガールズ】
【ターバンのレスラー人間(ザ・魔雲天)@キン肉マン】


【二日目・20:10/東京都 新宿 地下道】
※ビックサイトへの潜入作戦実施中
 小町は悪魔召喚プログラムから出るまでは影薄組のステルス能力の恩恵を受けられます
※影薄組全員がフォレスト・セルの抗体を得ました
 蒼への多少の耐性を得ると同時に、今後のテラカオス化を発症する危険がなくなりました

【影薄組】

【小野塚小町@東方Project】
【日之影空洞@めだかボックス】
【東横桃子@咲-Saki-】
【黒子テツヤ@黒子のバスケ】
【赤座あかり@ゆるゆり】

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最終更新:2019年04月10日 22:57