そんなふざけた放送を聞いたとき、俺は保健室でみなみの足を手当し、
ついでに自分の肩の傷にも湿布を張ろうとしていた。
保険室内になんともいえない沈黙が流れる。
つーか、放送って六時間置きじゃ無かったんですか……
いや、そんなことより今は――
「みゆき……こなた……」
俺の傍らで、かがみが呆然となっていた。
流石にかける言葉も無く、俺は唇を噛んでうつむく。
まあこなたについては前回も呼ばれていたことを考えると、一回復活してそれからまた死んだようだが。
いくら二次元キャラとはいえ、死者放送を聞くのはやはりいい気分がするものではないな。
「柊先輩……」
ベッドの上に寝かせたみなみが、気遣うようにかがみに声をかける。
うんうん、やっぱりみなみんはいい子だねえ。流石は俺の嫁だ。
自分だって、みゆきが死んだことでショック受けてるだろうに。
それに比べて、何も言えない俺は情けないなあ……
しかし、他のロワのように死者の思い出をゆっくり回想するような時間は俺たちには与えられなかった。
「ったく、武器の投擲禁止なんて酷いルールよねえ」
気がつくと、保健室の入り口に一人の女生徒が立っていた。
いつの間に!? あまりに影が薄いから入ってきても気がつかなかったな。
「おかげで、直接刺さないと殺せなくなったじゃないの」
そう言って、少女は血まみれの一本のナイフを取り出した。
「峰岸? あんた一体何やってんの?」
かがみが驚いたような声を上げる。
峰岸? 誰だっけそれ? ああ、あのらき☆すたの背景キャラか。
あまりに背景すぎて咄嗟に思い出せなかったぞ。あの、ヴァ、ヴァ言ってる相方はわりと有名だけどな。
「あれ、柊ちゃん、さっき死んだんじゃなかったの? それに、その格好……」
峰岸はナイフの刃を舐めながらこちらにゆっくりと歩みよってくる。
「柊ちゃん、似合ってるわよ。柊ちゃんなら顔だけ残ってればそれなりに人気出るだろうし、いいんじゃない?」
「っ……!!」
かがみの顔が曇る。こいつ、ちょっと無神経にも程があるんじゃないか? なんか腹たってきたな。
「それに比べて、私はちゃんと五体揃ってても柊ちゃんほどの人気は出ないもんね。
だから、死んで? あの世で泉ちゃんか妹ちゃんと一緒になればいいでしょ、ガチレズツインテさん?」
峰岸はナイフを振り上げると、愕然とするかがみの顔めがけて振り下ろした。
俺は慌ててかがみの首を抱えて部屋の反対側に逃げる。勢いあまった峰岸の刃はベッドに刺さった。
「み、峰岸、お願いだからやめなって!!」
「なんで……なんで、邪魔するんですか?」
ナイフをベッドから引き抜き、みなみには目もくれずにゆっくり俺たちのほうに歩んでくる峰岸。
デコがまぶしい。
「あなたも、柊ちゃんの顔に騙されたバカ?」
「ああ? 何言ってやがんだこの背景デコ。俺の嫁はみなみだ!! かがみなんか……」
って、みなみんが傍にいるのに何いってんすか俺。
とか言ってる間に、峰岸の刃は着実に俺たちに近づいてくる。
俺たちは壁際に追い詰められていた。物を投げたらアウト。こっちに武器は無い。
「じゃあ、二人一緒に死んで下さいね?」
峰岸がナイフを腰に構えて突進してきた。俺は目を閉じる。
「峰岸、目を覚まして!!」
かがみが叫んだ。
「きゃあ!!」
まぶたを開けた俺が目にしたのは、みなみに体当たりされて吹っ飛ぶ峰岸の姿だった。
細い峰岸は床の上を転がり、痛そうに顔をしかめる。
しかしみなみはそれ以上に痛そうな顔をしていた。
「みなみ!! 足は……」
俺が手を伸ばすよりも先に、みなみは右足を押さえて床に倒れこんだ。
捻挫してるってのに、なんて無茶をしやがるんだ。
「クソっ!!」
俺の嫁が必死の思いで作ってくれたチャンスを逃すものか。
倒れている峰岸の上に馬乗りになり、その手のナイフを奪おうとしおた。
しかし相手も必死に抵抗してくる。俺たちはもみ合いになった。
畜生、こんな時に限って肩の傷が痛んできたじゃねえか。
「うがっ……」
気がつけば、右掌から鮮血が噴出していた。峰岸は思わず手を押さえた俺を思い切り突き飛ばす。
次いで、峰岸は床にうずくまった俺を出鱈目に斬りつけた。縦に、横に、何度も何度も。
その結果、
「いやあああああ!! 服がああああああ!!」
俺は綺麗に服だけを斬られて、いわゆる全裸になってしまった。あわてて大事なところを切れ端で隠す。
「うふふふ」
峰岸はそんな俺に一瞥もくれずに、床に置きっぱなしのかがみの首に向き直る。
「じゃあ、やっぱりまずは柊ちゃんから殺してあげるわね」
俺の血を付けたばかりのナイフを構えて突進する峰岸。視界の端に、かがみの顔が悲痛に歪むのが見えた。
「やめ、ろ……」
かがみはさっき友達の死を知らされたばかりなんだぞ?
その上で友達に殺されるなんて、そんなのあんまりじゃないか? いくらガチレズ悪臭でも……
だが、もう俺がどんなに急いだところで間に合わない。かがみとの距離は遠すぎる。
俺はなすすべなくかがみが死ぬのを見ているしか……
「なっ――!!」
「え?」
俺と峰岸は同時に声を上げた。遅れてかがみが叫んだ。
「みなみちゃん!!」
咄嗟にかがみを庇ったのは……峰岸の前に立ちはだかって身代わりになったのは……
俺はなすすべも無く、俺の嫁が腹を押さえて崩れ落ちるのを見ているしかなかった。
全裸で(←重要)
【一日目/昼前 埼玉県】
【
岩崎みなみ@らき☆すた】
[状態]:腹部に深い刺し傷、右足首を捻挫
[武装]:不明
[所持品]:支給品一式
[思考]:
1:ゆたかを止める
2:◆6/WWxs9O1s氏とかがみに死んで欲しくない
【
峰岸あやの@らき☆すた】
[状態]:健康
[武装]:スペツナズナイフ
[所持品]:支給品一式、ノートパソコン(北川の支給品)、しんのすけの上半身左側
[思考]:
基本:自分より目立っている人間を皆殺し(知り合い優先)
1:殺す殺す殺す
【◆6/WWxs9O1s氏@現実】
[状態]:全裸で軽傷、愕然
[装備]:
柊かがみの頭部
[道具]:ふっかつそう@ポケットモンスター×1個
[思考]
1:お、俺の嫁があああああ!!
2:かがみ? べ、べつにんな奴俺の嫁に比べたら……
3:誤解フラグを解く
4:出来れば主催を倒す
5:ふ く が ほ し い
※大臣の取引には乗ったふりをしていますが、実際に手を貸すつもりはありません。
【柊かがみの頭部@らき☆すた】
[状態]:首から下無し、愕然
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]
1:できるなら峰岸を止めたい
2:◆6/WWxs9O1s氏、岩崎みなみと行動を共にする
3:自分の胴体と友人、家族を探したい
4:出来れば主催を倒す
※
第一回放送を聞いていません
最終更新:2007年12月02日 13:12