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「お茶、いれましょうか?」「ああ」
民家の中にあった台所。そこで僕はお湯を沸かす。
彼――昔馴染みの旅の方は、大きなテーブルに突っ伏しながら、ぼんやりと窓の外を見ている。
疲れているのでしょうか。それとも、こういうだらけたポーズが好きなのでしょうか。
どちらの理由でも構わないのですが。

「……あーあ、あいつやバッシュや鈴子は大丈夫かな」
「お友達ですか?」
カップに注いだ紅茶を運びながら僕は聞いた。
「友達というか、仲間だな」
「きっと優しい人たちなのでしょうね」
「ああ、機会があったら紹介するよ」
「ありがとうございます」と微笑みながら、僕は紅茶を差し出す。
「この後は美味しいご飯ですよ」
僕がそう言うと、彼は砂糖も入れずにそのままぐいっと飲み干した。
僕はダメだ。ミルクを入れて冷まさないと飲めそうにない。



ようやく飲める熱さになったようだ。僕はゆっくりと、緋色の液体を口に運ぶ。
「おいしいですね」
自分で入れた紅茶を自分で誉めたのはやはり変だったのだろうか。彼の返事は無い。
「すみません、付き合わせてしまって」
やっぱり返事は戻ってこない。
「本当は一人で食べるつもりでした。
 でも、怖かった。たまらなく怖くて決意がつかなかったとき、あなたが現れて」
どこから吹いた風なのか。彼の髪が静かに揺れた。
「嬉しかったです。僕のことを気遣ってくれて。一緒にご飯を食べようと誘ってくれて。
 僕、とても嬉しかったんです。だからこの人にこんなことをしてしまいました」
彼は答えない。
「空腹になり餓死するより、満腹になりたかった。
 絶望の中お腹を空かせて死ぬぐらいなら、多少の禁忌を犯してでも生きたかった」



ただ、命の限りを尽くし、ご飯を食べている。
もう少し僕の話も聞いて欲しかった。
ごめんなさい、アモスさん。身勝手な願いに付き合わせてしまって。
 ごめんなさい、みくるさん。あなたの事を殺して食べてしまって」
やがて腹が鳴り始め、視界が白く濁りだしてきた。
空腹を我慢できずに、皿に乗っかったままのみくるさんに飛び掛って食べてしまう。
おかわりはある。全部を二人では食べられないだろうから……
「――さようなら」
それがみくるさんへの手向けの言葉になった。



【一日目 朝/鹿児島県】
【チャモロ@ドラゴンクエスト6】
〔状態〕満腹、健康
〔装備〕ハラヘリの指輪(呪)、不明
〔道具〕支給品一式、朝比奈みくる(食べ残し)
〔思考〕
1:餓死なんてマヌケな死に方は嫌だ
2:主催者を倒す

【アモス@ドラゴンクエスト6】
〔状態〕満腹、健康
〔装備〕不明
〔道具〕支給品一式、朝比奈みくる(食べ残し)
〔思考〕
1:主催者を倒す
2:意外と美味しかったので人食いの禁忌は無くなった

【朝比奈みくる@涼宮ハルヒの憂鬱 死亡確認】
死因:空腹を耐えられなかったチャモロにより殺された後食べられる(チャモロ)
最終更新:2007年12月02日 13:25