「おい藤田、本当にこっちに武がいるのか」
桐山は感情のない声で同行者である藤田浩之に問う。
彼等はジャイアンの母とはぐれてしまった後、独自の判断で武を探しに動いていた。
「そんなに心配すんなよ和雄。ちゃんと超能力で調べたんだから間違いないぜ」
そんな桐山に、藤田は笑いながら答える。
彼にとっては誰が何処にいるかを探す事など簡単な事だ。
「浩之はやれば何でもできるんだから」と佐藤雅史に常々言われてきた通り、超能力も完璧マスターしている。
その能力で母達を捜さないのは、心配する必要などないと思ったからだ。
「だけど首輪を外す以外で、死ななくても死亡放送が流れるとは思わなかったな」
「だが俺たちには都合がいい。武が死んでいない事が分かった」
「まぁそうだけどな……っと、そろそろだぜ。喰われない様に気をつけろよ」
「ああ」
二人は言葉を止め、慎重に彼らがいるであろう場所に近づいていく。
そこには一軒の民家があり、こっそり中を覗くと4人の人物が食卓を囲み食事を取っていた。
「藤田、あの中の誰が武だ」
「いや、あの中にはいない。どうやらピンク玉の中にいるようだ」
「どういう意味だ」
「あいつは一人だけ腹の中に保存しておく事で、そいつの能力を使えるみたいだな。
ある程度の衝撃を与えれば中のやつが出てくるようだぜ」
超能力で次々にデータを解析していく。
無論他の3人についても忘れない。
「眼鏡と鎧は全職業マスターしているな、女は―――」
「そいつは知っている、俺のクラスメイトのただの食人鬼だ」
「だが脂肪のせいで打撃には強いみたいだぜ」
全員についてサーチし終わると、二人は慎重に作戦を練っていく。
最優先は武の救出。これを失敗するわけにはいかない。
「となると標的はピンク玉だな。和雄、俺が先に行くから後は頼めるか?」
「問題ない」
桐山は窓の下に隠れ、浩之は入り口のドアのノブを掴む。
浩之は手を開き、一つずつ指を閉じていく。
5、4、3、2、1―――
浩之はノブを廻し、一気にドアを開く。
浩之に背中を見せている女から時計回りに鎧の男、ピンク玉、眼鏡と座っていた。
つまり目標は一番奥にいる。
両サイドの男と背中を見せている女は無視してピンク玉に向かって走る。
浩之の突然の来襲に怯んでいた4人の中で一番最初に事態に対応できたのは歴戦の戦士であるアモス。
彼は剣を取り椅子に足をかけると、その勢いのまま跳躍で机を飛び越える。
対面のチャモロも何とか動き出そうとするも、
机をまたぎ飛び込んできたアモスと、その横側、アモスの死角から気弾を放ってきた桐山に気付き動きを止める。
アモスは浩之に切りかかり、気弾には気付かない。
身代わりになろうとも空中にいるアモスを庇うには時間が足りない。
気付かないアモスが不意打ちを喰らえば、その間にやられてしまうかもしれない。
だから迎撃のチャンスを捨て、アモスを突き飛ばした。
空中でバランスを崩したアモスは地面に墜落し、アモスを掠めた気弾は天井に穴を空ける。
パラパラと木屑による煙幕が小屋に立ちこもる。
その間にアモスは体勢を整え、浩之がいるであろう方向に剣を構えた。
浩之もこの粉塵の中では迂闊に動けずに油断なく構える。
チャモロは気弾を放った桐山を警戒し、辺りに気を張り巡らせる。
漸く敵襲と気付いた中川も、ほこりに塗れた食事に未練を残しながらも後方に下がる。
そして粉塵が止んだ。いや、全て
カービィの口に吸い込まれた。
対峙する5人、アモス達が驚きの声を上げる。
「俺(アモスさんが)が二人!」
「ぽよ!」
そう、そこには浩之と桐山の姿はなく、アモスが2人にチャモロ、中川、カービィの姿しかなかった。
「まさか、高レベル魔法のモシャスを!」
チャモロはその現象をそう推測し、彼らに説明する。
「これじゃあ手助けできません。それにもう一人の方は……」
「ぽよ!ぱよ!」
アモスたちから離れると、チャモロたちは互いに背中を合わせ敵襲に備える。
「粉塵に塗れて気配を消して襲撃するつもりなのでしょう」
「ぽよ~」
アモス達は互いに剣を構え、じりじりと近づいていく。
「一番強そうな俺を足止めして他の奴から始末するって戦法か」
「さて、どうかなっと!」
その言葉と共に一息に突きをみまう。疾風突きとよばれるものだ。
それを何とか避けながらも返しざまに剣を薙ぐ。
しかし鎧に阻まれ甲高い音を立てるだけに終わる。
「俺たちは、そんな簡単にやられなんかしない」
「俺なんかに手こずって、ホントにそういえるのか?」
互いに剣を打ち付け、そのまま互いの顔を睨みつける。
「俺達にはやらなきゃいけない事がある!」
「それは俺も同じだっ!」
剣をはじき、また打ち込み、阻まれ、戦場に金属音を響かせていく。
何回目かの剣の交叉の後、両者は後ろに飛び距離を開ける。
「剣では互角みたいだな」
「ならどうする?」
「こうするさ!」
剣を横に振りぬき真空波を発生させ、そのまま剣を縦に振り下ろし剣の五月雨を起こす。
縦と横の挟撃だ。
「ちぃっ!」
その攻撃に剣を捨てると、両腕を顔の前でクロスして防御の構えをとる。
直後、真空波が鎧を襲い、その衝撃で後ろに吹っ飛び、そのまま壁に穴を空けて外に飛び出る。
その瞬間、耳を震わす絶叫が鳴り響く。
家の中にいたアモスは、その突然の大音量に気絶してしまう。
吹き飛ばされたアモスは、その様子を見届けた後浩之の姿に戻る。
「やってくれたか……ったく、かったりぃぜ」
そう言った浩之の顔は安堵に満ちていた。
アモスが浩之と対峙していた頃、桐山はカービィの中に忍び込んでいた。
桐山が天井を崩した時に蔓延した粉塵と共に。
浩之が話した作戦は、こういうものだった。
ドアから奇襲する事により、カービィを襲う。
気付いて戦士が迎撃に飛び出た場合は桐山が影から狙い撃ち、失敗したとしても天井を崩し煙に紛れる。
成功すればそのままカービィを襲えばいい。
失敗した場合は煙の中で浩之が剣士に変身して、剣士をひきつける。
その間に桐山は隠れて取り残された3人を奇襲、カービィに衝撃を与え武を救出という内容だ。
もっとも隠れる前に粉塵を吸い込まれるのは予想外だったが、桐山は逆にそれを利用して敵の内部に侵入した。
中に入ったとカービィに気付かれても、奴はろくに意思疎通ができないと分かっていたからだ。
外から驚きの声が聞こえてくる。
「藤田は成功したようだな」
桐山はその事だけを確認すると、内部の探索に出かける。
ぶよぶよとした内部に何の感想も持たずに先へ進んでいき、ようやく目的の人物だろう者を発見する。
「
剛田武か?」
その声に、ふてくされて寝ていたジャイアンが気付き起き上がる。
「そうだ、俺様がジャイアンだ」
木屑に塗れて不機嫌そうな顔でジャイアンが答える。
「そうか、俺はお前の母に頼まれてお前を助けに来た」
「ホントか!」
ジャイアンはそれを聞くと元気を取り戻し桐山の肩をゆする。
「だけどどうやって、俺も色々探したけど出口なんかなかったぜ?」
「生き物の内部に潜入したときは内部からの攻撃と相場は決まっている」
桐山は自分のデイパックからゴルドーを取り出しジャイアンに渡す。
「これをこいつの身体に大量に投げつけろ」
桐山はそういい残すと別の場所へ行って元気玉を作る。
YOKODUNAの技を見て覚えたものだ。
流石に彼のものと比べると劣るが、それでもカービィの内部を破壊するには十分だった。
桐山の元気玉、ジャイアンのゴルドーがカービィの内部を暴れ周る。
「ぱよえーーーーーーーーーーーーーーーん!!!」
突如起こった腹痛にカービィは絶叫する。
いきなりの大音量に近くにいた中川とチャモロは気絶してしまう。
カービィは中に入ってるものを次々と吐き出していく。
桐山、ジャイアンも無事に吐き出される。
ジャイアンは久しぶりの外出に思わず歌いたくなったが、それを押さえて叫びまわるカービィの元へ向かう。
「よくも俺様を閉じ込めてくれたな! 死ね!」
カービィの口をむりやり開け、残っていた大量のゴルドーを口に流し込む。
吐き出せないように口元を押さえると、暫く暴れた後動かなくなった。
「俺様にこんな事するからこうなるんだ!」
ジャイアンはすっきりして安心したのか思わずへたり込む。
そんな彼を見かねて桐山は肩を貸した。
「心の友よー!」
ジャイアンは涙を流して桐山の肩に手をかけた。
「俺は藤田浩之、でこいつが桐山和雄だ」
「俺は剛田武、助けてくれてありがとう心の友よ」
三人は自己紹介を済ますと今後の方針について話し合う。
「こいつらはどうするんだ?」
「俺たちの目的は参加者の殺害ではない、放って置いていいだろう」
「俺様はカービィを殺せたから他はどうでもいいぞ」
「じゃあ岐阜へ向かったYOKODUNA達を追いかけるか」
【一日目 午後5時/山梨県】
【桐山和雄@漫画版バトルロワイアル】
[状態]:健康
[武装]:なし
[所持品]:支給品一式
[思考]:
1:岐阜の母達の元へジャイアンを連れて行く
【藤田浩之@LeafFight97】
[状態]:健康
[武装]:なし
[所持品]:支給品一式
[思考]:
1:岐阜の母達の元へジャイアンを連れて行く
【剛田武@
ドラえもん 死亡扱い】
状態:健康
装備:ゴルドー@カービィ
思考:
1:母ちゃんの所へ行く
【一日目 午後5時/山梨県どっかの小屋】
【チャモロ@ドラゴンクエスト6】
〔状態〕ちょっと空腹、気絶
〔装備〕ハラヘリの指輪(呪)、不明
〔道具〕支給品一式、大量の死体
〔思考〕
1:餓死なんてマヌケな死に方は嫌だ
2:打倒信長
【アモス@ドラゴンクエスト6】
〔状態〕満腹、気絶
〔装備〕不明
〔道具〕支給品一式、大量の死体
〔思考〕
1:打倒信長
2:意外と美味しかったので人食いの禁忌は無くなった
【中川有香@BATTLE ROYALE】
[状態]:気絶
[装備]:不明+不明(波平の分)
[道具]:支給品一式
[思考]:
1:信長を味見
2:とにかく性的な意味でも食事的な意味でもいいので味見する
【カービィ@星のカービィ 死亡確認】
[死因]:体内をゴルドーにズタズタにされる
最終更新:2008年01月11日 16:54