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(やっぱり、霊体は何かと不便ねえ……)
かなたは陵桜高校の屋上の手すりの上に腰掛けて参加者達の動きを見ていた。
さっきの放送とキバヤシ理論により、一部の参加者は岐阜へと向かい始めた。
また他の者たちはあくまでツンデレコンビの確保にこだわり、学校周辺を手分けして探し始めた。
中でも双子?の大柄な刑事に率いられた一団は鬼気迫る形相で彼らを捜索していた。
どうやら彼らは殺し合いを止めたいというだけでなく、そのツンデレコンビの片割れに対して激しい怒りを抱えているらしい。
そして彼らの話を盗み聞きしたことにより、学園長が指定した「ツンデレコンビ」とは、さっき逃げていった男と生首とは別人らしいということを知った。
名前は◆6/WWxs9O1sと柊かがみというらしい。そう言えば娘の友人にそんな名前の子がいたような気がする。
(ああ、思い出したわ……よくうちのこなたの下着や水着を盗んだり制服の匂いを嗅いだりしてた子ね……)
天界からしっかり見ていたので覚えている。あのド変態なら捕まえて主催に突き出してもかまうまい。
しかし、霊体のままでは無理だ。生きている人間に触れることも出来ないし、ずっと霊体のまま行動していたせいか
霊力が尽きてきてだんだん体が思うように動かなくなってきた。
それにこのままでは夫であるそうじろうと言葉を交わすことすらできない。夫はやはりさっき逃げた二人をツンデレコンビだと誤認し、
彼らを捕まえようとしている。
(どうにかしてそう君に本当の標的を教えないと……)
ふわふわと空中を漂いながら、かなたはどこかにいい『霊媒』が無いかと目を凝らした。
人形か動物にでも乗り移ってしまえばもっと自由に動けるようになるはずだ。
(あら、あれは確かゆたかちゃんのお友達の……)
体育館を覗き込んだかなたの目に、全裸で死んでいるつるぺったんの少女が飛び込んできた。
(丁度いいわ、この子の体を借りましょう)
かなたはみなみの肉体に乗り移った。血の気の失せていたみなみの顔にわずかに色が戻り、目蓋がゆっくりと開く。
「お腹に怪我してるのね……でもなんでもいいわ。これでそう君とお話できるようになれたし」
みなみはみなみの声でそう呟くと、ちょっとだけ内臓が覗いている腹を押さえながら立ち上がった。

「でも、裸なんて寒いわねえ。私は霊だから風邪引くことはないけど」
まな板みたいな胸を摩りながら震えるみなみの姿をしたかなた。今は冬である。
その時、体育館の入口のほうから若い女の声がした。
「ん? お前こんなところで何やってんだ? うちの生徒か? しかもそんな格好で……」
女はどうやらこの学校の教師らしい。白衣であるところを見ると化学か生物の教師だろうか。
彼女は全裸の女子生徒を見て、呆れるような顔をして近寄ってきた。
「知ってのとおり、ここももう安全じゃないぞ。殺し合いに巻き込まれたく無かったらさっさと帰って家にでも閉じこもっておけよ
それにいくら胸が無いっつったって年頃の女がそんな格好でいたら不味いだろ。うちのクラスの柊あたりに襲われるぞ」

「……邪魔をしないで」
みなみは何かを早口で呟いた。霊となることで身につけた、必殺の『呪詛』だ。
その詠唱が終わった途端、白衣の女の頭が瞬く間に腐食し、熟しすぎた果肉のように汁を零しながら崩れ落ちた。
後に残った頭部を潰された死体を見下ろして、みなみは微笑む。
「丁度いいわ、この人の上着を貰っていきましょう」
そして、彼女は全裸の上に白衣という姿で体育館を出ていった。

【一日目午後5時/埼玉県陵桜高校】

【泉かなた@らき☆すた】
[状態]岩崎みなみの死体に憑依 腹部に裂傷、やや小さ目の白衣のみを着用
[装備]桜庭ひかるの支給武器
[所持品]桜庭ひかるの支給品一式
[思考]
基本・ツンデレコンビを捕らえて主催に引き渡し、こなたを生き返らせる
1:早くそうじろうと合流する
2:元祖ツンデレコンビを生け捕りにする
3:かがみについてはこなたの下着を盗んだことなどについて個人的に報復したい
※【特殊能力・呪詛】
詳細不明

【桜庭ひかる@らき☆すた 死亡確認】
最終更新:2008年01月11日 16:55