「うあ……う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
誤爆かと思われたその呪文、そして永久追放。
しかし、ゆたかの意識自体にはそれがクリーンヒットしていた。
もはや完全に単なる肉塊――そして僅かな意識しか残り得ないそれはただの動く屍と化す。
小早川ゆたかと言う理性は既に無く、再び腐食が始まった肉体からは赤黒い液が滴る。
「猿の死体か」
フラウはその異様な光景を目の前にしても、何故か冷静でいられた。
内臓が口と腹から飛び出し、身体の穴と言う穴から体液を漏らした猿の少女。
常人なら目にしただけでも吐き出すであろう悍ましい代物だ。
――だから、何だと言うのだ?
明らかな敵に見えたゆたかに、フラウは田代砲を撃ち出す。
激しい反動と共に打ち出された田代砲の衝撃波は窓を打ち破り、校庭の泉に当たって泉が吹っ飛んだだけに終わった。
ゆたかはそれを待っていたかの如くフラウに飛び掛かり、フラウの首を掴み掛かる。
「ぐっ」
首に、深く爪が食い込む――フラウの脳に強烈な痛覚が伝わり、意識が混濁していく。
手からは田代砲がこぼれ、限りない脱力が手と足に広がる。
ゆたかが掴んでいる手の指の爪にはフラウの血が伝わり始め、徐々にフラウを浮き上がらせていく。
重力が更に爪を深く食い込ませ、フラウの視界が薄れる――
フラウは咄嗟に神討ちの剣――セイクリッドティアを持ち上げようとしたが、その右手もゆたかに噛まれてしまう。
うあっと言う声が漏れ、フラウの右手からセイクリッドティアが離れる。
離れて、落ちる。床に。
脳に酸素が回らず、いい加減フラウも壊れて来たのかも知れない。
ある言葉を叫びたくて、うずうずして堪らなくなってきたのだ。
こんな、まさに死が間近までに近寄る場面だと言うのに。
しかし、もうそれすらも気にならない。
フラウはその目的の達成の為に残った左手で武器を持ち上げ、放った。
怯むゆたか。
手にかかる力が弱まり、ついに叫ぶことが出来る――
「どうしてそんなまどろっこしいことを……山葵抜きの寿司は旨さが半減するんだぞッ!!」
勢いよく、そう意味不明の言葉が叫ばれながら放たれたそれは、ゆたかを光に包み、そして――
今度こそゆたかは無の彼方へ消し飛ばされた。
フラウは首を押さえながら咳込み、しかし、それでも口からは心からの笑みが零れる。
そう――自分が今、なすべき事をようやく唐突に理解したのだ。
山葵入りの寿司――その素晴らしさを伝えなければならない。
「あの子が倒されたわね」
成仏も永久追放も逃れた芳賀唯――否、かなたはゆたかの消滅を廊下の角から見届けていた。
「とにかく――今度は慎重にそう君とツンデレコンビを捜さなきゃ」
かなたは学校から出るために、玄関へ向かった。
【一日目 午後七時/埼玉県陵桜高校】
【フラウ・ニー@ジーンダイバー】
状態:首に深い裂傷(致命的ではない)、右手に噛み傷、覚醒、キャラ崩壊気味
装備:削除依頼@ゲーム版TCBR
所持品:ハッキングソフト『The Third Man』@映画版バトルロワイアル、イデオのラブレター@真女神転生if…、スタンガン@ひぐらしのなく頃に
セイグリッドティア@SO2、完全他殺マニュアル@SO2、広技苑(2001年Ver.)@現実、サソリ鞭@女神転生、田代砲@タシーロ
思考:
1:ツンデレコンビでおびき寄せ、主催の打破
2:
ゲームの破壊
3:山葵入りの寿司の素晴らしさを伝える
備考:あまりにも締め上げられ過ぎて脳に影響が出たかも知れません
※ゆたかを倒したことで何か特殊能力を習得しました
【泉かなた@らき☆すた】
[状態]芳賀唯の死体に憑依、大変健康な惨殺体
[装備]なし
[所持品]なし
[思考]
基本・ツンデレコンビを捕らえて主催に引き渡し、こなたを生き返らせる
1:早くそうじろうと合流する
2:元祖ツンデレコンビを生け捕りにする
3:かがみについてはこなたの下着を盗んだことなどについて個人的に報復したい
※【特殊能力・呪詛】
詳細不明、死体、及びほぼ崩壊に近い肉体には効果無し
【金井泉@BATTLE ROYALE 死亡確認】
死因:射殺(フラウ)
【小早川ゆたか@らき☆すた 完全死亡確認】
死因:あぼーん(フラウ)
最終更新:2008年01月20日 11:57