「なるほどな。頼朝もやっぱり復活してたのか」
「ハイっす」
6/氏は腕の中に抱いた田村ひよりの生首と情報を交換しながら歩いていた。
二人の傍には一見誰もいないように見える。
いっぺん試しに自殺してみたりもしたが、やっぱり予想通りに死ねなかったので、
仕方なくひよりと三人で行動することにしたのだが、今彼の傍にかがみの姿は無い。
「ところでこの後だがな、出来ればどこかでメシでも喰って、あと武器になりそうなもんを探したい。
さすがに刀一本じゃ不安だからな。ここだと投擲武器禁止ルールの外だし、銃でもあれば安心だ。
……と、いうことを後ろの奴に伝えてくれ」
6/氏はそういうと、ひよりの首を振りかぶって後方に投げた。
「ひあああああっ!!」
エコーをかけて飛んでいくひよりの生首。それを、6/氏の五メートル後ろを歩いていたかがみがキャッチした。
「大丈夫、田村さん?」
「は、はひ……」
かがみの腕の中で目を回すひより。
「ねえ、あいつに変なことされなかった?」
かがみはきっちり五メートル先を同じ速度で歩く6/氏の背中を忌々しげに睨んで尋ねる。
「い、いえ……それより伝言が……」
ひよりは6/氏が言っていたことをかがみに伝えた。
「そう。でもその前にその臭い精液の匂いを落とせるお風呂でも探せばいいんじゃないの? って言っといて」
そういい終えるとかがみはひよりの首を前方に投げる。6/氏は振り返ってキャッチした。
この形での移動を提案したのは6/氏である。
その理由は、「三人で固まって行動していたら誰かが急に接近してきたらアウトになる。
だから歩ける二人は常に五メートルの距離をとって歩き、ひよりを通して会話しよう」
というもので、確かに理屈に叶ってはいる。
が、実際にはこの五メートルという距離はそのまま二人の心の溝を表しているのがひよりの目にも明白なわけで。
「もうこんなのやめませんか6/さん? なんか私何度も投げられてすっごく気持ち悪いんスけど」
「ん……まあ、念のためだ。我慢してくれ」
本当は柊先輩と喧嘩でもしたからでしょう、とは怖くて言えなかった。
「それよりあいつは何か言ってたか?」
「はい、一応……」
かがみの伝言を伝えるひより。それを聞いた6/氏の額に青筋が浮かんだ。
「あのガチレズ悪臭、俺が精液まみれになったのは俺のせいじゃないか!!
いいか、そんなことはてめえの体から匂う腐臭をなんとかしてから言えと伝えておけ!!」
そうして再び宙を舞うひよりの首。
数分後、ひよりの首が6/氏の腕の中に戻ってきたとき、その顔はまるで恐ろしいものでも見たかのように青ざめていた。
よほど怖い目にあったのだろう。
「えと……ひ、柊先輩からの伝言ッス……ちゃ、ちゃんと伝えないと犯すって言うから……」
「かまん、言ってみろ」
「ええと、その、輪姦されて喜んでたくせにこのいやらしい豚が、
あんたなんかその恥ずかしい格好で変態どもに今度は大勢の人の前でマワされろ、と」
ぶちっ
「いたいいたいッス!! 私が言ったわけじゃ無いッスよ!! 髪の毛抜かないで下さい!!」
その後もひよりは二人の間を伝書鳩の如く何度も往復する羽目になり、しまいには気持ち悪さでかがみの頭の上に
盛大にゲロをする結果となったのだがそれでも二人が歩み寄る気配は無かった。
そんなこんなで、結局一度も目も合わすことも無いままに第八回放送を迎えた。
相変わらずカオスな放送内容だが、犠牲者は今までどおり大量に出ていることは分かった。
「ったく、また五十人以上かよ……何人死ねば終わるんだよこのロワは……」
今は自分のほうに来ていたひよりの首を抱いて、6/氏は舌打ちした。
≫
やおいが死んでいないのがわかっただけでも良かったようなものだ。
ふと、たまたま後ろを見た。かがみが道の真ん中に棒立ちになっていた。
「おい、何立ち止まってんだよかがみ。さっさと行くぞ」
6/氏が声をかけても反応しない。さすがに変だと思って体ごと振り返る6/氏。
「どうしたんだ、かがみ?」
「柊先輩……」
二人の前で、かがみはがっくりと膝をついた。
「そんな……お母さん……まつり姉さん……つかさ……」
「―――――っ!!」
しまった、と思った。放送で読み上げられる名前なんてほとんど聞き流していた。
が、今までにもらき☆すたキャラが何人も呼ばれていた以上、こういう可能性も予測できたのに―――
「かがみ……」
かける言葉もなく、その場に立ち竦んだ。歩み寄ることは、まだ出来ない。
一方そのころ、埼玉では老賢者が暇を持て余していた。
「あーあ、せっかく参加者を埼玉に集めたのに誰とも会えないじゃーん?
めちゃツマンネ。退屈だから日本のどっかに天変地異でも起こすか。
とりあえず東京辺りに」
「ん? 急に雨でしょうか?」
しんすけさんの言葉に、へびくんとだんご三兄弟も立ち止まる。
三人が空を見上げようとしたその途端、空から何万もの風呂桶の水をそのままひっくり返したようなとてつもない雨が降ってきた。
「ひいいいい!! なんなんですかこれ!!」
三人は急いで近くの家の屋根の下に隠れたが、雨はあっという間に膝までの深さに溜まった。
「こ、このままじゃ溺れちゃいますよ!!」
だんご三兄弟が口を揃えて叫ぶ。
「どこか高いとこに逃げないと不味いですね……」
しんすけさんが目を巡らせて避難場所を探している間に、水は早くも胸までの高さにまで達していた。
へびくんとだんご三兄弟を抱き上げながら、しんすけさんは滝のように振る雨の中で叫び続けた。
「誰かー、助けて下さい!! 助けて下さーい!!」
多分、ノアの洪水というのはこんな感じだったのだろう。
顔に弾丸のように当たる雨は、容赦なくしんすけさんたちの体力を奪っていく。
「しんすけさん、あれを!!」
だんご三兄弟が示したのは、水の上に浮かぶどこかの家の屋根の破片だった。あれに捉まれば……
だが、しんすけさんがいくら手を伸ばしても、その板切れには届かない。すでに足は地面から浮き、荒れ狂う水の中で翻弄されている。
手足の感覚も、徐々になくなっていった。
「へびくん、だんご三兄弟、君たちだけでも!!」
しんすけさんはへびくんを板に向かって投げた。無事に板の上に着地する。
「さあ、今度は君たちを……」
だんご三兄弟の体を持ち上げようとするしんすけさん。しかし、その体力はすでに限界に達していた。
「オヤジ……いや、しんすけさん……」
もはや漂うことしか出来ないしんすけさんの腕の中で、だんご三兄弟も死の予感に戦慄していた。
(そんな……せっかく、おしりかじり虫もぶっ殺して……堂々とカムバックできると思ったのに……)
「死にたくねえよ……」
串の一番上に刺さっている長男がポツリと言った。
その時だった。突如、下から押し上げられるような強い衝撃があった。
その次の瞬間には、気絶したしんすけさんとだんご三兄弟の長男と次男、串は大きなクッションの上にいた。
「これは……まさか、三男!!」
「バカ、これは禁断の!!」
長男と次男が叫ぶ。彼らが乗っているクッションは、いつもは串の一番下にいる三男だった。
団子たちにはいくつかの特殊能力がある。その一つこそ、『水を吸って通常の数百倍の大きさに変化する』というものだ。
が、この能力には大きな制約がついていた。すなわち、『使用者は使用後に即座に死ぬ』という制約が。
「なんで、なんでこんなことを!!」
「いいんだ……僕の役目はこれで……兄さんたちは、もっともっと人気ものになって……」
三男は長男たちの足の下で静かに笑った。
「兄さん……僕たち、今度生まれてきても、また、同じ串がいいね。出来ればこしあんがついた……あん団子で……」
「三男―!!」
しんすけさんたちをへびくんのいる板の上に運んだ後、三男は静かに一人水の底に消えていった。
【
二日目・午前五時/東京都】
【しんすけさん@おかあさんといっしょ】
[状態]:気絶中
[武装]:あの鐘@のど自慢
[所持品]:支給品一式
[思考]: (気絶前)
1:へびくん、だんご三兄弟といっしょにツンデレコンビを捕獲する
2:ツンデレコンビを説得できるようなら説得する
3:ぶたくんの無念を晴らす
【へびくん@おかあさんといっしょ】
[状態]:健康
[武装]:エチケットじいさんのステッキ@ハッチポッチステーション
[所持品]:支給品一式
[思考]: しんすけさんと同様
【だんご三兄弟@おかあさんといっしょ】
[状態]:三男死亡
[武装]:参加者探知機(名前を知っている参加者なら居場所を追跡できます)付きノートパソコン(インターネット接続可)
バタフライナイフ
[所持品]:支給品一式
[思考]:
1:三男……
2:ツンデレコンビを捕まえ、半殺しにしてでも主催に突き出す
3:しんすけさんとへびくんも邪魔するなら殺す
4:三男のためにも、もう一度世間から注目を浴びる
これは普通の雨では無い。
そう気づいたあとの彼の反応は素早かった。
「かがみ!!」
うずくまっていたかがみの傍へ駆け寄ると、その手を引いて走った。
水かさはあっという間に胸にまで達し、まっすぐ歩くことすらも出来なくなった。
「な、なんなんスか、さっきまで晴れてたのにこんな急に!!」
ひよりが溺れないように頭の上に掲げながら、水の中でかがみの手を握り続けた。
「離すなよ!! 離したらぶっ殺すからな!!」
そう怒鳴りつけると、かがみは戸惑いながらも頷いた。
視界すらもまともに利かない中、どうにかして助かる方法を考える。
「あ、あっちから車が来るッスよ!!」
ひよりの声にはっとして振り向く。木材や瓦礫に混じって、壊れた無人のミニバンが流れてきた。
「おい、あの上に逃げるぞ!!」
「う、うん!!」
立ち泳ぎでミニバンに近づいた。が、ミニバンのほうも流れていく。どうにか手を伸ばそうとするが、
左手でひよりを持ち、右手でかがみの手を握っている状態ではとても自由に動くことが出来ない。
あと少しなのに、どうやっても届かない。
「っ……まずは、お前だけでも……」
少し手を伸ばして、ひよりの頭部を車の屋根の上に置くのは成功した。
あとは左手で車に捉まるのみ。何度かの挑戦の後、ようやく指が車にひっかかった。
(はあ、助かった……)
そう信じて、全身の力を緩めた時だった。
「あ……」
かがみの声がした。それと同時に、右手にあったぬくもりが消えた。
振り向いた。かがみの姿が瞬く間に小さくなっていった。波の合間から、わずかに顔が覗く。
繋いでいた筈の右手が空しく空を切っていた。
かがみは何かを叫んでいた。が、その姿はあっという間に見えなくなった。
「かが……み……」
思わず、泳いで追いかけようとした。が、ミニバンの上ではひよりの生首が成すすべも無くあちこちへ転がっている。
(ダメだ、俺が今ここを離れたらひよりは……)
6/氏は、荷物が無くなった右手でひよりの頭を押さえた。
雨が降っていたのは、時間にしてわずか三十分ほどだった。
老賢者が「あー、もう飽きたしこのくらいにしとこう」と言った瞬間に雨は止んだ。
結果、東京都全域が水の底に沈んだ。
水没を免れたのは、ビルや官庁舎など高い建物ばかり。
そして6/氏とひよりを乗せたミニバンは、東京でもっとも高い電波塔の鉄筋の上に流れ着いた。
「6/さん……柊先輩が……」
ひよりの言葉に、6/氏はしばらく何も答えなかった。
この世の終わりのような光景になった東京を見下ろして、やがて一言
「大丈夫だ。あいつがこの程度で死ぬわけが無い」
「でも……」
「まあ、それよりだ」
着ているかがみのセーラー服を絞りながら、ため息混じりに言った。
「俺たちこそ、どうやってこっから降りるかだよ……」
【二日目・午前五時/東京都東京タワー】
【◆6/WWxs9O1s氏@現実】
[状態]:
柊かがみのセーラー服とスクール水着を着用 、病んでる、精液塗れ
[装備]:贄殿遮那@灼眼のシャナ
[道具]:業務用ポッキー(ダンボール一箱分)
[思考]
1:建前:ま、まあかがみくらいいなくなっても別にどうってことないぜ!!
本音:かがみ……ぐすん
2:ひよりと行動し、みなみ、義経、ひよこっこの仇を討つ
3:誤解フラグを解く
4:放送を信じない味方を集め、主催を倒す
5:最終手段でかがみを主催に差し出す
6:その願いでみなみを生き返らせてもらうのもいいかも
7:ま と も な ふ く が ほ し い
※大臣の取引には乗ったふりをしていますが、実際に手を貸すつもりはありません。
※
第六回放送を聴いていません(かがみにレイプされていたため)
【田村ひより@らき☆すた】
[状態]首だけ、錯乱、現実逃避、
朝比奈みくるのコスプレ
[装備]なし(流されました)
[所持品]なし(流されました)
[思考]
1:6/氏と一緒に行動する
2:やおいカップル、百合カップルを沢山誕生させる
3:ツンデレコンビを捕まえて友人を生き返らせる(目の前にいるのは気づいてません)
※放送で何人もの友人達の死を聞かされたため、いつにも増して頭がおかしいです
※必ず朝比奈みくるのあの歌を歌いながら登場します
一方その頃、東京から遥か南に位置するとある島では。
「ぐすん……ここ一体どこなのよ……。
田村さーん!! 6/ー!! お願いだから返事してよー!!」
漂流者がひとり砂浜を彷徨っていた。
【二日目・午前五時/東京都沖ノ鳥島】
【柊かがみ@らき☆すた】
[状態]:首から下は、田村ひより 全裸(服は流されました)
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]
1:ぐすん……
2:◆6/WWxs9O1s氏と再会して自分の非は謝る
3:早くこの島を出るために、イカダか何かを作る
4:まつりやつかさたちの仇を取りたい
5:放送を信じない味方を集め、主催を倒す
6:自分の胴体と友人、家族を探したい
※
第一回放送を聞いていません
※
第四回放送も聞いてません(自慰行為のため)
※第六回放送も聞いてません(6/氏をレイプ中だったため)
【二日目・午前五時/埼玉県】
【老賢者@誤爆スレ】
[状態]:健康
[武装]:不明
[所持品]:支給品一式、飛行機
[思考]:
1:あらゆるキャラの言葉を乱す。
2:逆らえば殺害
3:ツンデレコンビを捕らえて願いをかなえるのもいいかも
※老賢者の魔法により、東京全土が水の底に沈みました。他の地域への影響は不明です
最終更新:2008年02月09日 16:30