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(いきなり殺し合いが始まったかと思ったら、今度は船から脱出か……)
大浴場のシャワーの前の椅子に腰掛けているのは、坊主頭で野球のユニフォームを着た少年である。
支給されたカバンの中に入っていた船内見取り図と参加者名簿を見るその目は、どこか笑みを湛えているようにも見える。
(全くツイテねえ……いや、ツイてる、というべきかな)
少年の名前は、亀田なんとかという。とりあえず亀田投手と呼ぼう。

彼が始めてロワに出たのはしばらく前のことだ。
しかしそれはロワと言っても、たったの一晩で終わったようなネタロワの一つに過ぎないし
自分の活躍など無かったに等しい。
だが、それでも彼にとっては願っても無いチャンスだった。
自分はあくまでもただの脇役キャラ。部活メンバーなんかには逆立ちしたって勝てるわけが無い。
既出キャラに制限がかかったとしても、まだまだ自分の出身作品にはお魎や鷹野、公由家など人気キャラが控えている。
ネタキャラとしての人気もニコ動人気も無い自分など通るはずがない。
挙句の果てには、ひぐらしという作品自体が出すぎだから自重などと言われる始末。
だから、あんな泡沫ロワにでも出られただけで満足だったし、それ以上など俺は何も望まない、はずだったのに。

あのロワの投票で得票数が多かったのは自分とFateのハサンだった。
あの時はどうせ他のロワに出れないから票が集まったのだろうと笑われたものだ。
なのに……
(まさかハサンがまともなロワに正式出場するとはな……)
自分と同じ影の薄いキャラだと思っていたのに、まさかの盛況ロワへの出場。
しかも序盤からキャラが立っているし、それなりに活躍もしそうだ。
翻って、じゃあ自分は?
果たして俺がこの先まともなロワに出てる可能性は?
ただ、絶望だけが襲ってきた。

だからカオスロワに参加できたこと、そしてセプテントリオン編のメンバーにまで選ばれたことは天啓にも思えた。
このロワならどんなキャラが活躍しても許される。
ハサンほどの活躍は無理だろう。でも、俺もKや部活メンバーのみんなみたいに、パロロワの中に何らかの足跡を残したい。
「対主催で行くか、マーダーで行くか。それは追々考えるとするか」
亀田投手はそう呟くと、浴室の湿気で少し湿った地図と名簿をカバンにしまって立ち上がった。

「ん……」
数歩歩いて立ち止まる。

(ヒタ……)

もう一度歩き始め、浴場を出たあたりで足を止める。

(ヒタ……)

(やっぱり……)
なんで、足音が一つ多く聞こえるんだ?
後ろを振り向いてもそこには誰の姿も見えなかった。
誰かが後ろから付いてくる。でもその姿は見えない。変わりに聞こえるのは、まるですすり泣くようなか細い声。
(こんなことって……)
亀田投手は、得体の知れない恐怖に駆られて走り出した。

一方その後ろを、ピンクの着物を着た男が泣きながら追いかけていた。

【カオスロワ4thセプテントリオン編/大浴場(三階)】
【沈没まであと23時間30分】

【亀田投手@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:健康
[武装]:不明
[所持品]:支給品一式
[思考]:
1:うえーん こわいよー
2:今後どういうスタンスで動くかは未定
3:とりあえず目立つ

【笑点のピンク@笑点】
[状態]:健康
[武装]:不明
[所持品]:支給品一式
[思考]:
1:なんで私に気付いてくれないんだろう……
2:優勝するか、ツンデレコンビを捕まえる
3:それが叶ったらあのピンクの少女(名前は忘れた)を生き返らせてもらおう
※「ツモリナール」の効果で、楽太郎が死んだと思い込んでます
【特殊能力・気配遮断】
誰にも気付かれなくなる。自分の意思に関係なく発動する。
最終更新:2008年05月07日 13:03