「だから、私はルパンなんかじゃ無いってば!!」
「まだ言うか、いい加減観念しやがれルパン」
銭型警部に引きずられるようにして船のデッキにやってきたのは
柊かがみである。
銭型は必死で抗弁するかがみに一切耳を貸さず、ずるずると引っ張りながら連行する。
実を言えば、銭型にとってこのかがみが本物かどうかなど大きな問題ではないのだ。
銭型の行動方針はあくまで「柊かがみの姿をした女を捕らえる」ということ。
それがルパンであれば万々歳、もしルパンで無い、すなわち本物の柊かがみであれば
織田信長の元に連行すればいい。
さすれば自分の長年の宿願である「ルパンを捕まえる」ということを実現することが出来るのだ。
警察官として一人の犯罪者を捕らえるために一人の民間人を犠牲にすることに対しては大いに悩んだが、
実際にかがみの顔を見たらどうでもよくなった。ムカつく顔だったからだ。
「ああ、何だその目は!! 小生意気な顔をしやがって」
「仕方ないでしょ、この顔は生まれつきなんだから」
「黙れ黙れ!! てめえのその目つきを見てたら無性に腹が立ってしかたないわ!!
二度とワシの顔を見るんじゃない!!」
銭型はそう言うと、かがみに持っていた包帯で目隠しをした。
後ろ手に縛られた故に抵抗も出来ないかがみは、銭型に蹴飛ばされて頭を靴の裏で踏まれても
されるがままでいるしかなかった。
(もう、なんでこんな時にいないのよ、あいつは!!)
お門違いの不満が胸に浮かぶが、もちろんそれを聞き届けてくれる人などもういない。
「さてと、次元や五ェ門もどうせこの船にいるんだろう? さあ吐け!!
今日こそはお前の一味を一網打尽にしてやるからな!!」
銭型は罵声を浴びせながらかがみの頭を何度も踏みつける。
もちろんこんな行為は、普段の正義感の強い銭型なら決してやらないことだ。しかし今の彼は普段の彼ではなかった。
何しろ相手がかがみなのだから。
「さあ言いやがれ!! お前の仲間はどこにいる!!」
甲板に顔を押し付けられているので答えられるわけも無いのだが、
銭型は容赦なくその頭蓋骨を砕かんばかりの勢いで踏みしめる。
かがみの口からは血が流れ出し、下顎の骨があまりの圧力のために砕け、支えを失った歯が口の中で転がる。
「ふん、ここまでしてもまだ言わんか」
そもそも口を開くことすらも出来ないような状態に置かれているのだから答えることなどできるはずがないのだが、
銭型はそんなことは全く考慮しない。だってかがみだもの。
「ならば仕方ないな。あまりこういうことはしたくは無いのだが」
そう言って銭型は拳銃を抜き、かがみの足に狙いを定める。
「さて、何発我慢できるか見ものだな」
そんなわけで銭型が引き金を引こうとした、まさにその瞬間。
銭型の頭の上に、灼熱に燃える巨岩が飛来した。
ところ変わってここは死者スレ。
今日も今日とて沢山の死者が思い思いの方法で暇つぶしをしていた。
その中に一人、カオスロワの中でもセプテントリオン編の映像を中継しているモニターを食い入るように見ているものがいた。
画面に注目しながらも背後に常に気を配っているその様子は、まるで人目をはばかっているかのようだ。
よほど誰にも見られたくないのか、それとも見られては困る誰かがいるのか。
「頼んでみるもんだな。まあ、こんなことがみなみに知れたらまた何をされるか……」
そう呟いて穴が開いた甲板を見ているのは、柊かがみの姿をした男だ。
「全く、こまるなあ6/さん」
音も無く背後に現れたセワシに、彼女、否、彼は軽く舌打ちする。
「あれ、あなたがやったんでしょう?」
にやにや顔で問うセワシからは、責めようとする気持ちは感じ取れない。
「何の話だ? 俺はただ、たまたまセプテントリオンの映像を見てて、
ただちょっと気が向いたからちょこっと管理モードにログインして、
ちょっとだけ操作して甲板に隕石を落としてやっただけだぜ。
日本本土で本家カオスロワのほうに参加してる
イチローに頼んでな」
「へーえ、ただそれだけ? じゃあそれがたまたま結果的にガチレズ悪臭を助けることになったのは?」
「それこそたまたまだ。俺が知ったことじゃない」
「あなたも中々、素直じゃない人だね」
「うるせえよクソガキが」
「こなたに言わせれば、『ツンデレ萌え~』ってとこなのかな」
耳まで真っ赤にしてセワシを睨みつける6/。
「ま、このくらいのことは多めに見るけどね。
なにしろカオスロワだし、正直言ってセプテントリオン編なんかは僕らにとってはただの些事だ。
いわば余興
みたいなもんだね」
これには6/も意外そうな顔をする。
「なんでだ? これは主催者直々に思いつきやがった新要素だろ?」
「わかってないなあ貴方も。主催者と言えども、全参加者の行動は僕らの支配下にある。
そして僕らの目的はセプテントリオン編を成功させることだけじゃあないんだよ」
「だったら何なんだよ」
セワシは大仰に肩をすくめる動作をして、ただ一言
「それは秘密だよ。まだね」
とだけ答えた。
なおこのあと彼は全てを知ったみなみによって鋸轢きの刑に処されるのだがそれはまた別の話である。
「ムッ!! 今の爆音は一体!!」
「何が起こったのだトクシマン!?」
彼らがいたのはちょうど隕石の直撃を受けた地点とは反対側のデッキの上だった。
しかし、衝突の衝撃と爆音、そして熱風は二人の下にも寸暇をおかずに到達していた。
尻餅をついたうじゅを助け起こしながら、トクシマンは逡巡する。
あの爆発の中に巻き込まれた人がいたとしたら?
ましてや、それが徳島県民だとしたら?
しかし幼いうじゅを危険地帯に連れて行くわけにはいかない。増してやここに置いていくことなどできるはずも無い。
ヒーローとして、自分はこんなときにどうすればいいのだ?
初めて直面した危急の事態に、彼は自らの在り方にすら疑問を抱き始めていた。
一人を守るか、大勢を助けるか。
「おいトクシマン!! なにをぼんやりしている、あれを見ろ!!」
「な、何? どこだ?」
「上だ、上!!」
言われるがままに空を仰いだトクシマンが目にしたのは、トクシマン目がけて落ちてくる少女の姿だった。
「ふんぬ!!」
「おおトクシマン、ナイスキャッチじゃな」
「ヒーローとして、このくらいは出来ないといけないからね」
かがみを抱きかかえて意味も無く決めポーズを取るトクシマン。
「にしても、この子ひどい怪我だなあ。それにひどく臭い匂いがする」
「どれ、私にも見せて……」
その傷だらけでまるで瀕死のように見える顔をみたうじゅは声を失った。
そして隠れて出て行くタイミングを見計らっていた峰岸も激しく動揺していた。
(どういうこと? 柊ちゃんが二人いる!?)
【沈没まであと23時間】
【カオスロワ4thセプテントリオン編/六階デッキ】
【柊かがみ@らき☆すた】
[状態]:
泉こなたのスクール水着を着用 きつい 手錠はめられ中 目隠しされ中
口から出血その他ひどい怪我 全身からひどい悪臭
[装備]:不明
[道具]:支給品一式
[思考]気絶中
【うじゅたま@ご当地キャラ】
[状態]:健康 柊かがみの制服を着用
[武装]:不明
[所持品]:支給品一式
[思考]: 基本:京都府民を保護する。その後脱出
1:柊かがみを見つけた!! どうする?
【トクシマン@ご当地キャラ】
[状態]:健康
[武装]:不明
[所持品]:支給品一式
[思考]:
1:徳島県民を保護する
2:その後脱出
3:柊かがみを見つけたら半殺し(なんとなく)
※飛んできたのが柊かがみだとは気付いていません
【
峰岸あやの@らき☆すた】
[状態]:健康
[装備]:不明
[道具]:支給品一式
[思考]柊ちゃんが二人!?
※うじゅたまをかがみと誤認しています
【銭型警部@ルパン三世 死亡確認】
※船を隕石が貫通していきました。それによる被害や沈没までの時間に与える影響は不明です
最終更新:2008年08月16日 23:49