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近代神職制度史

明治4年

「神官社家精選補任の事」明治4年5月14日太政官布告

神社の儀は国家の宗祀にて一人一家の私有にすべに非さるは勿論の事に候処中古以来大道の陵夷に随ひ神官社家の輩中には神世相伝由緒の向も有之候へ共多くは一時補任の社職其儘沿襲致し或は領家地頭世変に因り終に一社の執務致し居り其今村邑小祠の社家等ニ至る迄総て世襲と相成社入を以て家禄と為し一己の私有と相心得候儀天下一般の積習にて神官は自然士民の別種と相成祭政一致の御政体に相悖り其弊害不尠候に付今般御改正被為在伊勢両宮世襲の神官を始め天下大小の神官社家に至る迄精拱補任可致旨被 仰出候事

「官社以下定額及神官職員規則」 明治4年5月14日

官社以下定額及神官職員規則等別紙の通被 仰出候尤亦藩県社郷社の分は先達て差出候明細書を以て取調区別の上追て神祇官より差圖に可及其節万端処置の儀同官へ可相伺事
一 神官従来の叙爵総て被止候事
一 官社以下府藩県社郷社神官総て其地方貫属支配たる可く本籍の儀は士族民の内適宜を以て編籍可致事
 別紙 官社(官國幣社列記)
    諸社 府社 藩社 県社 府藩県崇敬の社 郷社 郷邑産土神
 右地方官管之
  官國幣社官社以外府藩県社郷社に等を以て天下諸社の等差とす右官社定額の外式内及国史見在の諸社期年検査を経て更に官社に列すへし伹四時祭官幣の列は方今神祇官に請して祭之
 職員
  神宮 祭主 大宮司 少宮司 皇太神宮禰宜 豊受太神宮 両宮権禰宜 両宮主典 両宮権主典 宮掌
  官幣國幣大社 大宮司 少宮司 禰宜 権禰宜 主典
  官幣國幣中社 宮司 権宮司 禰宜 権禰宜 主典
  官幣國幣小社 宮司 権宮司 禰宜 権禰宜
  府社藩社県社 祠官 祠掌
  郷社 祠官 祠掌
 規則
一 官幣社長官は華族士族の中より選任す国幣社長官は府藩県大少参事の兼任とす或は華族士族新任もあるべし若し官幣國幣社共従前の神官を補すべくは神孫相承の族たりと雖とも一旦世襲の職を解き改補新任たるべし
一 官幣國幣社次官以下従前の神官解任の上更に相應の官等新補たるべし
一 官幣國幣大社長官は上京叙任の上神祇官に於て祭式職制を受べし次官は遥任禰宜以下は神祇官の判任たり
一 同中小社長官は神祇官の判任たり拝任の時上京神祇官に於て祭式職制を受べし
一 官幣社神事及び社頭の願伺長官以下主典以上連署を以て辯官へ出すべし
一 同上判任以下の進退黜陟長官の処分に任すと雖も事件により地方官ともに処置し太政官に伺べきものは格別たり
一 同上官祭の外私祭及ひ人民地方に関するの事件は地方官の支配を受さるを得す其事神祇官へ開せさるものは官の指揮に及はす一社地方官と相対たるべし
一 國幣社神事社頭の願伺等凡て宮司より地方官を歴て辯官へ出す
一 同上神官の進退は地方官より伺を遂くべし自余凡て地方官の処分に任す
一 官幣社式年の造営年分の営繕典公事の入費等一切大蔵省下行たるべし
一 國幣社祈年の幣帛官祭の支度等凡て公事の入費公廨こり出すべし
一 同式年の造営年分の営繕等は公廨入費の外たるべし尤地方の見込に任せ或は従来の処分に任するもあるべし
一 府藩県社の祠官は國幣小社権禰宜相当に准し郷社の祠官は府藩県社祠官に准し祠掌は凡て郷社祠官の下席たる可き事
一 祠官職に任せは地方庁に於て任状及ひ祭式職制を授くべし祠掌は地方の選任を以て一社に於て是を任す
一 祠官祠掌地方の管轄と雖も事件により伺の上処置すべきものは官社の規則に同じ
一 官幣國幣の外社頭公収の諸社営繕社用の入費等適宜の処置取り調の上伺出へし

郷社定則(7/4)

一 郷社は凡戸籍一区に一社を定額とす
仮令は二十ヶ村にて千戸許ある一郷に社五ヶ所あり一所各三ヶ村を氏子場とす
此五社の中式内か或は従前の社格あるかまたは自然信仰の帰する所か凡て最首となるべき社以て郷社と定むべし
余の四社は郷社の附属として是を村社とす
其の村社の氏子は従前通り社職も従前の通りにて是を祠掌とす総て郷社に附す
(郷社に附すと雖も村社の氏子を郷社の氏子に改るにはあらず村社氏子元のままに郷社に附するのみ)
郷社の社職は祠官たり村社の祠掌を合せて郷社に祠官祠掌あること布告面の如し
(但し祠掌は村社の数によれば幾人もあるべし)
一 従前一社にて五ヶ村七ヶ村の氏子場数千戸にし内外にして粗戸籍一区に合するものは乃ち自然の郷社たり
(祠官一人なれば更に祠掌を加ふも許すべし)
一 三府以下都会の地従来産土神郷社一社にして氏子場数千なるものは戸籍の数区に亘ると雖も更に郷社を立て区別するに及ばず
一 官社又は府藩県社にて郷社を兼るものあり
仮令は東京日吉神社京都八坂神社の如き氏子場数万戸に亘るといえども更に郷社を建てず固より区別に及ばざること上件の如し

(明治5年 神祇官→教部省)


明治6年 神官給与廃止
     祠官祠掌の給与を人民に委ねる

(明治10年 教部省→社寺局)


明治12年 祠官祠掌の身分は僧侶と同等
     祠官祠掌の進退は氏子崇敬者に委ねる

※明治15年 神官教導職分離
      〇府県社以下はそのまま(神葬祭もできなくなるから)
 明治17年 神仏教導職廃止

明治20年 官国幣社保存年制度実施(明治19年神社改正の件)

     ※「神社改正ノ件」に関する史料の翻刻と解説(新田均)

官国幣社神官を廃し神職を置く(閣令第4号3/17)



明治23年 皇典講究所学階授与規則

     ※明治15年皇典講究所設置、明治19年学階選叙式
     (司業) 祠官    祠掌
     府県社  5等以上  7等以上
     郷社   6等以上  8等以上
     村社    -    8等以上
       ※郷社定則には祠官が置かれないから

明治25年 神職任用訓令(内務省訓令4号(官國幣社)・5号(府県社以下))

内務省訓令第4号(明治25年3月17日)官國幣社神職試験規則(抜粋)

第10条 左に掲くるものは試験を要せす直に宮司権宮司に補することを得
一 其神社神統又は維新前十代以上該神社へ奉仕せし重立たる者及ひ其子孫
二 其神社祭神の一族臣下の内祭神在世に於て功績顕著史乗に著名ある者の統末
三 行政官吏判任官四等八級俸以上満三年以上奉職せし者
四 皇典講究所学階一等司業以上の者
五 該神社所在地の旧藩主
六 維新前王事鞅掌の功に依り官の褒賞を受けたる者
  但以上の六項に該当する者と雖とも現時の性行其他不適当と認むるものは採用の限りにあらす
第11条 左に掲くるものは試験を要せす直に禰宜主典に申付ることを得
一 維新前五代以上該神社へ奉仕せし者及ひ其子孫
二 行政官吏判任官以上満二年以上奉職せし者
三 皇典講究所学階五等司業以上の者
  但性行其他不適当と認むるものは前問断

内務省訓令第5号(明治25年3月17日)

 府県者以下神官の儀は自今左に掲くるものにして性行其他適当と認むる者は皇典講究所学階試験に不拘神官たるの認可を與ふへし
 祠官
一 維新前五代以上其神社へ奉仕せし者及ひ其子孫
一 明治十五年八月以前より奉職勤続の者
  但現職祠掌より祠官に選挙するは此限にあらす
一 有位者又は判任官以上満二年奉職せし者
一 該神社所在の府県に於て一箇年直接国税十円以上納むる者
 祠掌
一 維新前五代以上其神社へ奉仕せし者及び其子孫
一 明治十五年八月以前より奉職勤続の者
一 該神社所在地の町村長三年以上奉職せし者


明治27年 府県者以下神社の神職に関する件(勅令22号)

第一条 府県社及郷社に左の神職を置く
 社司 一人  社掌 若干人
第二条 村以下神社に左の神職を置く
 社掌 若干人
 ※祠官→社司、祠掌→社掌に

明治28年 府県社以下神社神職登用規則(8/7内務省令10号)社司社掌試験規則(9/20内務省訓令16号)

府県者以下神社神職登用規則

第一条 社司社掌試験に及第したる者にあらされば社司社掌に補することを得す
第二条 左項の一に当る者にして直接国税年額二円以上を収むる者は試験を経すして社司に補することを得
 一 明治元年以前に於て五代以上引続き其神社に奉祀したる者の子孫
 二 神宮皇学館本科及専科を卒業したる者
 三 皇典講究所六等以上の学階証書を有する者
 四 満二年以上判任待遇以上の職に在りたる者
第三条 左項の一に当る者にして直接国税年額二円以上を収むる者は試験を経すして社司に補することを得
 一 明治元年以前に於て五代以上引続き其神社に奉仕したる者の子孫
 二 神宮皇学館本科及専科を卒業したる者
 三 皇典講究所八等以上の学階証書を有する者
 四 満二年以上判任待遇以上の職に在りたる者

(明治33年 社寺局→神社局)


明治35年 府県社以下神社任用規則 官國幣社職制 官國幣社及神宮神部署神職任用令


明治40年 皇典講究所学階授与規則 改定

     (官國幣社)宮司・権宮司 五等学生以上
           禰宜・主典  三等司業以上
     (府県社以下)  社司  六等司業以上
              社掌  八等司業以上

※明治39年 官國幣社への国費供進を認める
      府県社以下への幣帛料供進を認める
      神社整理本格化
 明治40年 神社祭式行事作法(明8祭式、大3祭祀令)
 明治44年 府県社以下への公費供進を認める

大正10年 皇典講究所学階授与規則 改定

     旧)1~5学生 → 新)学生
       1~3司業 →   一等司業
       4~8司業 →   二等司業

最終更新:2018年12月26日 13:01
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