和「母さんただいま~」
和母「和お帰りなさい」
和「俺、部屋で勉強するからご飯出来たら教えてくれ」
和母「わかったわ」
和「はぁ~やっと脱げたぜ…しかしいつまでたっても女物の服にはなれないな」
和「しかし何で俺が女子校に行ってんだよ…………いや理由はわかってるな」
和「俺はバカか……好きな女の子がいるからって女装してまで女子校に行くなんて……それでバレないってのもどうしたもんかねぇ」
和母「和ちゃ~ん、ご飯できたわよ~」
和「和ちゃんはやめろって言ってるだろ!今いくよ」
和「母さん前にも言ったが和ちゃんはやめろよな」
和母「え~和ちゃんって可愛いじゃない」
和「可愛いって…俺は男だ!!」
和母「女子高生行ってるのに?」
和「…………ちくしょう」
和「ん~…朝か、はぁ…今日も女装か」
和「でもまぁ……唯に会えるからいいか」
唯「和ちゃ~ん!お~い、和ちゃ~ん!」
和「お、今日は早いんだな唯、朝練か?」
唯「うん、昨日朝練しようって話しになって今日から始めたんだ」
和「はりきってんな軽音部」
唯「うん!………えへへ」
和「急にどうした?」
唯「和ちゃんの男口調久しぶりだな~って」
和「本来はこっちが素なんだけどな……今は女口調の方が多くなっちまった」
唯「それにしても和ちゃん」
和「唯なんだ?」
唯「その格好で男口調って変だね」
和「……それは言うなよ」
唯「じゃあ私部室行くね」
和「朝練がんばれよ」
唯「うん!和ちゃんまたね~」
和「またな」
和「くそ~、唯の奴急に現れやがって………でも一緒に登校なんて運がいいな」
和「さて…ここからは気を引き締めないとね…いいわね?
真鍋和」
澪「和おはよう」
和「おはよう澪、朝練お疲れ様」
澪「あれ?和が何で朝練の事知ってるんだ?」
和「学校に行くときに唯あってね、その時に聞いたのよ」
澪「そうだったんだ」
和「それで唯は朝練ちゃんとしてた?」
澪「………練習してたと思うか?」
和「…するとは思えないわね」
澪「律も全然練習しなくてな、結局朝練にはならなかったんだ」
和「まぁ、そのメンバーならね」
澪「……それは私も入ってるのか?」
和「さあね、澪に任せるわ」
先生「よ~し授業始めるぞ」
澪「あ、先生来たからまた後でね」
和「ええ」
和「………(授業退屈だな~)」
和「(それにしても澪の奴あんなに近づきやがって……俺が男だって知ったらぶっ倒れちまうな)」
澪「…………」カキカキ
和「(前から思ってたが澪ってクラスの女子の中で一番可愛いよな…)」ジー
澪「…(何か姿勢を感じる気が)」カキカキ
和「(…って俺は何を考えてるんだ!俺が好きなのは唯だろ)」
澪「じゃあ和、私はこれから部活だから」
和「ええ、練習頑張ってね」
澪「……練習出来たらいいけどな」
和「…あは…はは」
和「さて…俺は帰るとするか」
会長「真鍋さ~ん!」
和「ん?」
会長「真鍋さ~ん!」
和「げっ!…あいつは生徒会長」
会長「はぁ…はぁ…真鍋さん、呼んでるんだから止まりなさいよ」
和「やなこった…どうせ生徒会の仕事を手伝わさせられるんだから」
会長「あなた生徒会でしょ?」
和「あれはお前が無理やり!!」
会長「お前?先輩であり会長の私に向かってお前呼ばわりですか?……随分偉くなったわね和」
和「∑はっ!!!す、スミマセン…スミマセン会長」ペコペコ
会長「いいのよ別に……和の秘密をバラすだけだし」
和「スミマセン!スミマセン!スミマセン!」ペコペコ
会長「なら手伝ってね?」
和「…………はい」
和「…………性悪会長」ボソ
会長「何か言った?」
和「いえ…なにも」
和「結局放課後まで手伝わさせられた……ちくしょう弱みさえ握られなければ」
和「まぁ……言ってもしょうがないか」
律「お~い!お~い!」
和「ん?」
律「お~い和待ってくれ~」
和「律?…どうしたの?律の家ってこっちじゃないでしょ?」
律「まぁな、ちょっと寄るとこがあってな…さっきたまたま和を見かけたんだよ」
和「それで私に声をかけたのね」
律「そういう事」
和「それで用事って何なの?」
律「い、いや…それは」
和「なによ、気になるじゃない」
律「いや~たははは」
和「で、用事って何なの?」
律「実は…………」
和「映画?」
律「ああ、今度見たい映画があるんだよ。それでチケット買っとこうかなって」
和「へぇ~どんな映画?」
律「アクション映画だよ、テレビで予告編見たんだけどさ、スゴく面白そうだったから楽しみなんだよな」
和「アクション映画なんて律らしいわね、誰と映画見るの?」
律「う~ん、一応弟を誘おうって思ってるんだけど、アイツ大丈夫かな…」
和「そこまで考えてなかったのね」
律「しょうがないだろ~予告見てすぐに見たくなったんだから」
和「その気持ちはわかるけどね」
律「う~ん………そうだ!!」
和「……何だか嫌な予感が」
律「和!一緒に映画行こう!!」
和「ち、ちょっと待って!!」ズルズル
律「けって~い」
和「ちょっと律!!」ズルズル
律「買った買った~…早く上映されないかな~」
和「まったく律ったら強引なんだから」
律「へへ、でもチケット買っちゃったからもう行くしかないよな?」
和「しょうがないわね」
和「………って事があって今度の休みに映画見に行くことになったんだ」
和母「まぁまぁ」ニヤニヤ
和「な、なんだよ、何ニヤついてるんだよ」
和母「だって和ちゃん、それってデートでしょ?」ニヤニヤ
和「∑で、デート!?」
和「違うって!律はただ一緒に行く相手を探してて、私がたまたまそこにいたから、誘われたんだよ」
和母「まぁ!もう名前で呼び合う仲なのね)
和「それは女の子の時にそう呼んでるから……」
和母「でも浮気しちゃダメよ、唯ちゃんがいるんだから」
和「俺と唯はそんな関係じゃないって言ってるだろ!」
和母「でも和ちゃんはそんな関係になりたいのよね?」
和「………くっ」
和「はぁ……母さんの奴何がデートだよ」
和「あれ?でも男と女が2人で出かけるってデートなのか?…いやいや、律は俺が男だって知らないんだ、デートじゃないよな…………………違うよな?」
和「もう待ち合わせから10分が過ぎてる、律の奴映画に誘った本人が遅れてどうするんだよ」
律「ごめ~ん和、遅れちゃった」
和「遅いわよ律」
律「ごめんごめん、昨日の夜興奮してなかなか寝付けなくて」
和「律ってば子供じゃないんだから…」
律「しょうがないだろ、楽しみにしてたんだから、それより早く行こうぜ」
和「はいはい」
律「そうだ和、何か食べ物でも買うか?」
和「そうね、律は何が食べたいの?」
律「私はこのセットを頼もうかなって思ってるよ」
和「そう、わかったわ」
和「お待たせ」
和「はい律、律が食べたかったセットよ、ドリンクは適当なの頼んだけどいいわよね?」
律「悪いよ和、これぐらい自分で出すし、むしろ私が和に奢る気だったのに」
和「いいのよ、今日映画に誘ってくれたお礼にね」
律「お礼って私が無理やり……」
和「無理やりだったかもしれないけど、何だかんだ言って私も楽しみにしてたから」
律「でさ、そこで主人公が…」
和「ちょっと律、前見ながら階段登らないと危ないわよ」
律「へいきへいき、で今度は敵g∑わっ!!」
和「律あぶない!!」
律「はぁ…はぁ…ビックリした、和助かったよ」
和「だから前みて登りなさいって言ったでしょ」
律「面目ない」
律「…………」キラキラ
和「(律の奴あんなに目を輝かせて、凄く面白いんだな)」
律「ぉ~」ボソッ
和「(そう言えば唯と映画言っても、唯は途中で寝ちゃってたな)」
律「…………」キラキラ
和(それに比べて律はずっとワクワクしてるな)」
和「(あれ?俺ずっと律ばかり見てるじゃないか、映画に集中しなきゃ)」
律「おもしろかった~」
和「ふふっ、律ってば」
律「おもしろかったよな和!」
和「そうね、あそこのシーンはハラハラしたわ」
律「ああ、あのシーンだろ?私もハラハラしたよ、他にもあそこのシーンが…」
和「うんうん、あそこのシーンも迫力あったわね」
律「私に感謝だな!」
和「まったく、調子に乗らないの」
律「へへへ」
和「あ、私トイレに行ってくるから待ってて」
律「わかったよ」
律「……って和!そっちは男子トイレだぞ~」
和「(∑しまった!いつも外じゃ男子トイレ使ってたからいつもの癖で……)あ!本当だわ、私間違えたみたい」
律「和がこんなミスするなんて新鮮だな、何だか珍しいものが見れたな」
和「ごめんなさい、待たせたわね」
律「よし、じゃあ行くか」
和「行くってどこに?」
律「買い物だよ、せっかく和とお出かけなんだからもっと楽しまないとな」
和「しょうがないわね、つきあうわ」
律「やった~、まずは洋服みに行こう」
和「お、これ格好いいな」
律「男者の服なんか見て…まさか彼氏にプレゼントか!?」
和「∑ち、違うって自分に」
律「自分に?」
和「ち、違うわよ、私に似合うかな~って(俺は何言ってんだよ)」
律「なら試着してみろよ」
和「えっ!?」
律「ほら、いいからいいから」
和「ちょっと律!」
律「おぉ~!格好いい、まるで男の子みたいだな」
和「そうかしら?(本当は男なんだけどな)」
律「うん、凄く格好いいよ」
和「ありがとうって言うべきなのかしら?(まぁ格好いいって言われて嫌じゃないよ)」
律「いや~買った買った~」
和「律ってばたくさん買ったわね」
律「よ~し次はご飯だな」
和「もうこんな時間だしちょうどいいわね」
律「そう言えばこの近くに新しいパスタの店が出来たんだよ、そこにしないか?」
和「いいわよ」
律「うまい!うまいぞ和」
和「わかったから落ち着いて食べなさい」
律「だってこんなに美味しいんだからしょうがないだろ」
和「確かに美味しいわね」
律「じゃあここは私が出すよ」
和「悪いわよ」
律「いいっていいって、映画の時のお礼だよ」
和「でも値段が全然違うし…」
律「いいからいいから」
和「そう?ならお願いしようかしら」
律「そうそう」
店員「○○○○円になります」
律「あ、あれ?あれれ?」
和「律どうしたの?」
律「……お金足りない」
和「だったら私の分は自分で出すわ」
律「じ、実は…」
和「自分の分も足りない!?」
律「…さっき買い物したからお金が全然なくて」
和「はぁ~…いいわよ私が出すわ」
律「い、いや悪いよ!」
和「でもお金ないんでしょ?」
律「……それはそうだけど」
和「なら決まりね」
和「すみません、私が払います」
律「はぁ~」
和「どうしたのよ律」
律「だって和にお礼が出来るって思ったのに、また貸しができちゃったから」
和「いいってば気にするなよ、俺は律と出かけて楽しかったし」
律「えっ!?」ドキ
和「(∑しまった!最後で油断した!!)い、今のは何でもないわよ」
律「そ、そうだよな」ドキドキ
和「そ、そうよ」ドキドキ
律和「「あははははは」」ドキドキ ドキドキ
律「(う~…なんだか胸がドキドキする)」
和「(くそっ、バレてないかで胸がドキドキする)」
最終更新:2011年04月30日 18:27