~翌日~

コンコン

聡「姉ちゃんーそろそろ起きろって母ちゃ…」
聡「あれ?」

律の部屋は既にもぬけの殻であった

聡「出かけたのかな?」
聡「ん?なんだこの本」

聡は律の机にある一冊の本に目をやる

聡「オススメデートスポット2009秋の陣?」
聡「……」


街中
女律「おっし、次にここだな!」

律が地図にマーキングを入れる
こう見えて以外と忠実な性格のようだ

律「んで飯食ったらあっこのスタバで…」

本で見たデートスポットを次々にマーキングしていく律

律「あっ!映画も下見しておくか!」


平沢家
憂「お姉ちゃーん」
男唯「ういー待って~」

唯「あ、髪下ろしたんだ~」
憂「うんっ、お姉ちゃんとかぶらないしいいかなって」
唯「ちょっとまってて!」
憂「?」

唯は自分の部屋に行きいつも使ってるヘアピンを持ってきた

唯「これを前髪に…」

憂の頭の、いつも自分がつけている位置にピンをとめる唯

憂「わぁありがとうお姉ちゃん」
唯「かわいいよ~!」

唯「あれ?メールが来てる…」

和からのメールに今気付く唯

唯「あちゃ~」

憂「お姉ちゃんいこっ!」

子供のようにはしゃぐ憂
唯は手早くメールを返し、憂と一緒に家を出た


和のお部屋
結局朝まで寝られず、昼前に目が覚める和
慌てて携帯を開いた

Re:Re:
返事遅れてごめん和ちゃん!
今日は約束があって…
日曜じゃダメかな~?

和「……!」
和「やっぱりあの男ね…」

和は急いで外着に着替え家を後にした


街中のどっか人の集まる場所

女澪「……」ソワソワ
男紬「澪ちゃんー!」
澪「あ、むg」
澪「って!」

女で来ると思っていたいたムギが、普通に男で来た事に澪は驚いた
澪「な、なんでそっちで…」
紬「フフ、澪ちゃんのボディーガードよ」
紬「前みたいな事あるといけないし、ね」
澪「そ、そう」
紬「さぁ、りっちゃんとのデート用に可愛い服買いにいきましょう!」
澪「えぇぇぇぇぇぇぇ!?」
紬「フフフ」

顔を真っ赤にし慌てる澪
むぎには全てバレバレであった

紬「じゃあいきましょっか」

澪「う、うん」

紬「どこの店がいいかしら?」

澪「あ…えーっと」

紬「じゃあとりあえず私の行きつけの場所でもいい?」

澪「お、お願いします!」


顔をしかめながら映画館から出てくる律
律「んーっ、いまいちだなぁ」

律「この映画はやめとこう」

律「ん?あれは…和」

律の目には、帽子を深くかぶり辺りをキョロキョロと見回す和の姿が映った

律「おーい和ぁ!」

和「えっ!?」


水族館

男唯「あはは、見て見て憂!こいつ顔おもしろーい」

憂「本当だね、ふふ」

男時にも常に同じ口調で話す唯
周りから見るとその姿は少し変であるかもしれない

唯「あ、イルカショーだって憂!」

憂「今からみたいだね」

唯「行こう行こう憂~!」

憂「あ、待ってお姉ちゃんー!」

完全に唯のが満喫していた


水族館前

律「いやー!悪いな付き合わせて」

和「ほぼ無理矢理でしょ…」

律「ここの水族館どんなもんか調べたかったんだけど、1人で入るの恥ずくてさぁ~」

和「調べる?」

律「あ、いや何でもないさ!行こうぜ~!」

和「やれやれ…」

律「高校生2枚!」

ザパァン

憂「わぁ」
唯「すご~い!」

既に始まっていたイルカショー
2人は空いてる席に腰を下ろした

おじさんの笛の合図でイルカが様々な動きを披露する

唯「すごいすごーい!」パチパチ
憂「ふふっ」パチパチ

会場からは惜しみない拍手が送られていた

竹中「ピーッピッ!」

イルカ「キュイ」


水族館内

律「ふんふん、やっぱカップル多いな」

和「!」

和「そういえばここに来てる可能性もあるわね…」

律「ん?なんだ?」

和「な、何でもないわ」

律「ここはイルカショーが有名って本に書いてあったんだ、見に行こうぜ」

和「ええ!」

和は俄然乗り気になっていた


イルカショー広場

唯「憂~!もっと前で見ようよ!」
憂「え?うん、いいけど」

唯に手を引かれ最前席へ向かう憂
最前席には『水が跳ねる事がありますのでご注意ください』という内容の看板があった

ザパァン
おじさんの笛でまたもイルカが芸を披露する

律「おぉー!」
和「唯は…唯は…」キョロキョロ
律「おい和、ここ座ろうぜー!」
和「え、ええ」

律達は後列の席に腰を下ろした

竹中「えーレディースアーンジェントルメン!お爺ちゃんお婆ちゃんetc…」
竹中「いよいよ最後の出し物になります、イルカスーパーダイビングキャッチ!」

律「あれ、もう最後か」

男唯「わーい!頑張れイルカさ~ん!」

律「ん?この声…」

男唯の声に気付く律
斜め下の最前席に唯達の姿があった

律「あれ唯達じゃん」

男唯を見てそう呟く律

和「え!?」
律「あそこあそこ」
和「!」

憂を唯と見間違い、確信する和

和「や、やっぱりね…」
律「ん?何が?」


竹中「いぇーい!」ピピッ

イルカ「キュイ」

おじさんの笛で盛大にダイブするイルカ達
その時である

ザパァン!!

バシャ

唯「うひゃぁぁ」
憂「お姉ちゃん!」

唯に水しぶきが降り注ぐ

竹中「え?なに!?」

ぐちょぐちょになる唯
もちろんその姿は…

女唯「あっちゃ~グショグショ~」
憂「大丈夫お姉ちゃん!?は、ハンカチハンカチ…」


平山「ねぇ‥あの人、男から女になってない…?」
妻夫木「え!?あ、ごめん!見てなかった!!」


律「あっははは、唯の奴‥」
律「……和?」
和「……」フルフルフル

和「あ、あれは一体…唯が2人…?」
律「あーっ、そっか…和は知らなかったんだっけ…」
和「え?」
律「実はさ」

律は前回の、自分達がお湯と水を被る事で性別が入れ替わるようになったあらましを簡単に説明した 驚く和、だが少しその顔に笑みがこぼれる

和「そ、そんな事が…」
律「かくいう私もさ、今お湯をかぶると…」
和「ふぅん、そういう事だったのねフフッ」
律「?」

竹中「本日の予定は、これにて終了するんでごさいまぁす。ありがとう、ありがとう~」

ショーも終わり客達が会場を後にする

平山「いやぁイルカってすごいね!」
平山「あれ?」

律「よーし、唯達に声かけて飯でも食いにいくか!」
和「ごめん、私は帰るわ」
律「え?」
和「じゃあね、律」
律「お、おーい」

女唯「あれ~?りっちゃん!」

和を呼び止めようとした矢先、後ろから唯の声がかかる

憂「あ」

憂「律さん、こんにちは」

唯「何でこんなとこにいるの~?1人?」
律「あー‥さっきまで和といたんだけどさ…」
唯「え?和ちゃん?」
律「何か急用みたいで帰っちまった」
唯「そっかぁ~」
律「あ、なぁなぁそれより飯食いに行こうぜ!憂ちゃんも!」
唯「え?あ、でも今日は私…」

憂の方を見て少し困った表情になる唯
憂はすぐに察して

憂「はい、私も丁度お腹すいてたんです」
唯「いいの憂?」
憂「うんっ」

律「よーし行こうぜ~!」


どっかのオシャレな服屋
オシャレな店員さん「こんなのも似合いますよ~」

澪「ええっでもちょっと派手じゃ…」

オシャレ店員さん「そんな事ありませんよ~ねぇ彼氏さん」

澪「ち、ちがいます!」

男紬「ふふ、友達です。でも似合うよ澪ちゃん」


街中
澪「ふぅ…疲れた‥」

紬「でもいいの買えたわね、これでりっちゃんも喜ぶんじゃない?」

澪「だ、だからそんなんじゃないって!」

紬「ふふ」

澪「もぉ…」

澪「あ‥、ありがとうねむぎ。いっぱい付き合ってもらって」

紬「ううん、楽しかったわよ」

澪「ちょっと遅いけど昼ご飯食べに行かないか?私おごるよ!」

紬「フフ、気を使わなくていいわよ。行きましょっか」


どこかのファミレス
店員「お待たせしました」

女律「ふー腹減ったぁ」

女唯「りっちゃん頼みすぎ~今そんな食べれるの?」

律「あ…そうだった‥」

憂「律さん、今日は澪さんと一緒じゃないんですか?」

律「えっ!あ、ああ澪とは明日遊ぶから…その…」

唯「うーんおいひぃ~!」

店員「いらっしゃいませ~!二名様でございますか?」


男紬「はい」

店員「こちらへどうぞ」

女唯「でさ~あのイルカショーのおじさん…」
唯「あれ?」
女律「ん?」
唯「あれムギちゃんと澪ちゃんじゃない?」
律「なぬ!?」
唯「お~い!澪ちゃムグッ」

とっさに律が唯の口を塞ぐ

律「待て唯!」
憂「り、律さん?」
唯「むぐぐぐ」
律「何であいつら2人きりで…しかもむぎの奴男で…」

店員「ではご注文が決まりましたらお呼びください」
紬「はい」ニッコリ
店員(か、かっこいいいいぃ)

澪「何にするむぎ?」
紬「私は~」


唯「ぷはっ!もうりっちゃん!」
ようやく律の手を振り払った唯が口を開く

律「な、何してんだあいつら…」
唯「何かあーやって見るとデートみたいだね~」
律「!!」
憂「そうだね…すごくお似合いに見えるね、お姉ちゃん」
律「!!!」
唯「憂~私達もだよ~!」

律(や、やろう…!)
律(はっ!何をあらぬ感情抱いてるんだ私は!)
律(むぎは友達なんだ…友達と出かけるのは当たり前さ当たり前…)

唯「りっちゃん?声かけないの?」
律「んあ!?え、ああ…」

楽しく談笑するむぎと澪が目に入る
律は嫉妬の炎に包まれた

律「いや…邪魔したら悪いし‥」
唯「え?邪魔?」
律「わり、私帰るわ…」
憂「律さん?」
律「邪魔して悪かったな2人共…じゃ」

唯「りっちゃんまだカレーが~」
憂「行っちゃったね…」

店員「お待たせしました」
紬「ありがとうございます」ニコッ店員(ドキュゥゥン)
澪「…?」

紬「あら?ねぇ澪ちゃん」
澪「ん?」
紬「あれ唯ちゃんと憂ちゃんじゃない?」

唯「あ、むぎちゃ~ん!」

憂「こんにちは」
紬「2人でお出かけ?」
唯「うん!デートだよ~!」
澪「で、デート!?」
憂「えへへ…」

紬「あら、唯ちゃんその格好‥」
唯「あ、うんちょっと水かぶって戻っちゃった~」
紬「あらあら、じゃあ下着は…」
唯「うんノーブラなんだよ~!楽でいいね!」
憂「お、お姉ちゃん!ダメだよそんな大声で!」
唯「へへへ~」
紬「ゴクリ」
澪「む、むぎ?」

唯「そういえばさっきりっちゃんがさ~」
澪「え!?律もいたのか!?」

澪が驚き唯に問いただす

唯「う、うん。何か2人を見るなり帰っちゃってさ」
澪「な、何で…」
紬「あらあら…それはまさか‥」

唯「じゃあまた月曜日に学校でね!」
憂「失礼します」

先に食べおわった唯達は店を後にした

澪「何で帰ったんだろあいつ…」
紬「うーん…」

むぎは既に察していた
澪と2人で、しかも男で出かけた自分のせいだろうと

紬「だ、大丈夫よ!お腹の調子でも悪かったんじゃないかしら」

澪「……」


帰宅後
平沢家

唯「うい~アイスぅ~」
憂「もー夕飯食べてからね」
唯「でも今日楽しかったね~また行こうね憂!」
憂「うんっ」

ピルルルル

唯の携帯が鳴る
和からであった



未完



最終更新:2011年04月30日 18:37