唯「さ、さわちゃん先生!!」
紬「どうしてここに」
DIO「どうせ、俺達を驚かせるためにあとで合流しようとして遭難した。という所か」
梓「じゃあ、律先輩は?」
DIO「それはこのDIOにもわからん。こいつは肝試し程度で肝をつぶすような女じゃないしな」
梓「案外、DIO先輩をお化けと間違えてたりして」
紬「確かに、DIOちゃんを暗闇で見ると怖いわね」
DIO「フン」
さわ子「……あら?」
唯「おー、さわちゃん先生おはよー!」
律「……うーん」
DIO「起きたか」
律「……でぃお?」
DIO「ああ」
律「あたし……」
DIO「気絶していたのだ。あの肝試しの森の中でな」
律「そっか……さんきゅ」
DIO「気にするな」
律「……なぁ、DIO」
ガチャ
唯「りっちゃぁ~ん!起きたぁ~~!?」
律「……おお、唯!」
唯「りっちゃん、DIOちゃん!お風呂にはいろ、お風呂!!」
DIO「フン、断る」
唯「えぇ~~!!」
律「……もう!断るってお前なぁ!!裸の付き合いって奴があるだろ!!ほら、行くぞ!!」
DIO「去年は後れをとったが、今年は去年のようにはいかんぞ」
唯「ふっふっふ~、そういうと思って今年は」
紬「四人で!」
さわ子「引っ張っちゃおうかな~」
DIO「なにィ!?」
律「さあ、DIO!観念してレッツお風呂タイム!!」
DIO「KUUUAAAAAAAA!!やめんか貴様等!!そうだ、アズサ!こいつらを振りほどけェ!!」
梓「皆さん。お風呂わきましたよー」
DIO「貴様、裏切りやがったなァ――!!」
梓「ほら、DIO先輩もいつまでも嫌がってないで入りますよ」
DIO「馬鹿な、このDIOが……このDIOがァ――――――z_____!!!」
――
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド……
DIO「……」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド……
さわ子「DIOちゃんって意外と筋骨隆々ね」
梓「意外でも何でもないと思いますけど」
DIO「なにをジロジロ見ている」
律「いやぁ~、この一年でDIOも色んなところが成長したなァー、ってさ」
DIO「その手をひっこめろ、リツ。このDIOの胸に触ろうとするんじゃあない」
律「んだよー。なんならあたしの触ってもいいぞ!ほれほれ」
DIO「いらん」
唯「……そーっと」
DIO「そしてユイ。何故貴様も腹筋を触ろうとしている」
唯「あ、えと……えへへへへ」
さわ子「ええい!まどろっこしい!!全方位から飛びかかれー!!」
DIO「やめろと言っているんだッ!!」
DIO「フン、このDIOの言う事を聞かんからこうなるんだ」
梓(あああ……死屍累々の山が……)
DIO「その点アズサ。貴様はちゃんと理解しているようだな」
梓「は、はい」
DIO「このDIOはもう上がる。そいつ等は貴様が片付けておけ」
梓「は、はい」
――
DIO「……」
律「う~ら~め~し~や~」
DIO「何のつもりだ」
律「……ちぇ、もう少し驚いてくれてもいいじゃんか」
DIO「貴様が近付いて来ていることなど300m離れている時点から知っていたわ」
律「そか。そりゃばれて当然だわな」
DIO「フン」
律「隣座るぞ」
DIO「……」
律「うーん……海綺麗じゃないな。どうして夜の海ってこんなにおどろおどろしいのかな?」
DIO「海は空の光を反射しているだけだ。このDIOにとっての海はこの色でしかない。
おどろおどろしいもクソもあるか」
律「へぇ~、やっぱりDIOは物知りだな」
DIO「……それで?」
律「へ?」
DIO「何か話があるのだろう?貴様から俺の方にすり寄ってくるときはいつもそうだ。入部の時といい、作曲の時といい」
律「……DIOに隠し事はできないな」
DIO「それに、今日の貴様は勢いが無い。何かあったと考えるのが当然だろう」
律「あー、ばれてた?」
DIO「ああ、バレバレだ」
律「……なぁ、DIO」
DIO「……」
律「…………お前さ」
DIO「……」
律「……野菜嫌いだったか?」
DIO「なに?」
律「いや、お前、肉しか食ってなかったし」
DIO「……気が乗らなかっただけだ。食いたくなれば食う。
だいたい貴様等はこのDIOを檻の中のトラか何かと勘違いしているんじゃあないか?」
律「そうだよな!あれは悪かった!!」
DIO「話はそれだけか?」
律「ああ!お前野菜嫌いだったかな、ってずっと気になっててさ!!いやぁ~、胸がすっとした!!」
DIO「ならば帰るぞ。風が冷たくなってきた。湯冷めしてはかなわん」
律「だな!」
――
律「『野菜嫌いだったか?』って……何聞いてんだろ、あたし」
to be continued→
唯「うん!いい感じに纏まってきたね!!」
紬「これなら今年も成功しそうね」
律「事前にプッチさんとも打ち合わせ出来てるし、曲も軽音楽らしいのばっかりだ!」
DIO「奇妙だ」
梓「へ?」
DIO「この部がここまで順調に進んできた事があったか?……なにか抜けている気がする」
律「ったく、DIOは考えすぎなんだよ!!ここまで来て失敗なんて、なぁ?」
唯「ねぇ?」
ガチャ
和「ねぇ、じゃないわよ。まったく」
DIO「……貴様か。何の用だ」
和「何の用だも何も、これ。アンタ達バンド演奏する気らしいけど出し忘れてるでしょ?」
DIO「なんだそれは」
梓「えっと、『講堂使用許可』……」
和「これを出さなきゃバンドどころか講堂使うこともできないわよ」
――
DIO「何か言いたい事は?」
律「もう許して下さい……」
DIO「どうして貴様は!!大事な事をそうポンポンポンポン簡単に忘れられるんだッ!?
抜けているのか!?頭のネジがッ!!」
律「うう……」
DIO「即刻仕上げろ。このDIOがこの本を読み終わるまでにな」
律「はい……」
DIO「返事は?」
律「……わん」
唯「久しぶりに見たね、このやりとり」
紬「そうね~、最近はDIOちゃん梓ちゃんに構いっきりだったから」
梓「昔は良くこんなやり取りがあってたんですか?」
さわ子「そういえば私も何度か見た事あるわね」
梓「そんなもんなんですか」
唯「そんなもんだよ!さ、皆で書こう!!」
梓「ところで、バンド名ってなんなんですか?」
唯「
平沢唯と愉快な仲間たちだよね?」
紬「充電中でどう?」
律「ザ☆力こぶだな!」
DIO「DIOの世界だ」
梓「見事にバラバラですね」
唯「あれ、平沢唯と愉快な仲間たちじゃないの?」
DIO「何故貴様の名なのだ。DIOの世界で決まりだろう」
律「だから、個人名を入れるよりかは、ザ☆力こぶで」
紬「充電中でもいいと思うけど……」
??「待てェ――イ!名前が欲しいのならこのオレが『名付け親(ゴッド・ファーザー)』になってやろうッ!!
そうだな、『放課後に皆で集まりお茶を飲む』という意味の『放課後」
さわ子「とりあえず、一晩考えてきたら?」
律「そだな。それが一番かな」
??「ムム!?旗色が悪いなッ!!撤退、撤退ィ―――――――!!」
律「おし、じゃあ今日はこれで終わり!!」
梓(今の人誰なんだろう)
梓「ところで唯先輩。ギター結構汚れてるけど、もしかしてビンテージか何かなんですか?」
唯「ビン……?」
DIO「こいつは手入れをサボっているだけだ。……音がでなくなっても知らんぞ」
唯「ええ!?で、出なくなるの?」
梓「極論ですけど……出なくなる事はあるんじゃないでしょうか?」
律「じゃあさ!今日いつもの店に行くってのはどうだ?そこでギターの整備もしてもらってさ!!」
唯「そうしようそうしよう!!音がでなくなったら大変だもんね!!」
――
??「いらっしゃいませェ―――― イ!!」
梓(あの人さっきの)
唯「ギターの整備をお願いしたいんですが……出来ますか?」
??「ブゥワァァァァカ者がァァァ――――!!ナチスの科学力は世界一ィ―――――!!
ギターの整備なぞ!!このオレの体を弄るよりも!!!簡ッ単ッだろォ―――――がァ――――z_____!!」
唯「本当ですか!?良かったぁ~」
??「ちょっと待ってろィ!!すぐに作りたてのようにピッカピッカにしてやろう!!!」
DIO「なんだあのナチ公かぶれは……イカれてるのか?」
DIO「……これは」
律「お、なぁDIO。何見てんだ?」
DIO「……貴様には関係ない」
律「なんだよ!見せてくれたっていいだろこのこのぉ~」
DIO「やめろ、集中して読めんだろうが」
律「じゃあ一緒に読めばいいだろ!ケチ!!見せろって」
DIO「貴様には関係ないと言っているだろうが!!黙っていろ!!!!」
律「へ……」
紬「でぃ、DIOちゃん。何もそこまで」
DIO「フン」
律「な、なんだよ……怒鳴らなくてもいいだろ!!DIOの馬鹿!!!!」
ダダダ……
紬「あ、りっちゃん!!」
紬「DIOちゃん、あんな言い方しなくても……」
DIO「このDIOは二度『やめろ』といった。それだけだ」
紬「……うう」
唯「私、りっちゃん追いかけてくる!!」
梓「あ、唯先輩!」
??「ンなんだァ――――!?修羅場かァ―――?」
梓「あなたは黙って整備を続けてください」
??「ハッハ―――!!もう終わッとるわァ―――!!」
バッアァ―――――z_____ ン!!
??「ちょいとツマミがギクシャクするがァ、演奏に支障は生じんンンンン!!」
DIO「……帰る」
紬「あ、DIOちゃん!」
??「さて、修理費の方だが」
紬「後にしてください!!」
律「なんだよ、なんだよ!!あたし、悪いことしたか!?」
律「確かに……横から雑誌を覗こうとしたけど、あんなに怒鳴ること無いだろ!!」
律「なんだよ……ぐす……なんなんだよぉ…………」
律「別にケンカなんて昔からしてるのに……なんでこんなに悲しいんだよ……」
律「……ぐす」
最終更新:2011年05月02日 11:45