唯「どうしよう」
ドラ「やっちゃったね唯ちゃん」
唯「でもジャイアンがイジワルしてきたから……」
澪「た、大変なことってどうなったんだ?」
唯「今、空き地に行ったら一年間はハンバーグ食べられないよ」
澪「ひぃぃぃい」
ドラ「とにかく回収しに行かなきゃ」
澪「な、なにをだよ!?」
唯「うぅ…やだなぁ…」
─空き地─
唯「右手見つかった?」
澪「うわあああああもう帰るうううううう!!」
ドラ「ショックガン」ズバ
澪「ギャ!!」パタン
ドラ「騒ぎになるとまずい」
唯「そうだね、ごめんね澪ちゃん」
ドラ「いったん澪ちゃんを土管に隠しておこう」
「唯ちゃん、足をもって」
唯「うぅ…重たいなぁ…」
ドラ「大体 集まったかなぁ。ジャイアン」
唯「あと何が足りないの?」
ドラ「ろっ骨が一本と脾臓が無いね」
唯「ひぞう?」
ドラ「古くなった赤血球を破壊してくれる臓器なんだよ」
唯「え~、破壊しちゃうの?なんか怖いなぁ…」
「いらないんじゃない?見つからないし」
ドラ「大事なものなんだよ?」
「脾臓を摘出した人がマラリアにかかると命にかかわるんだ」
唯「そっかぁマラリャだもんねぇ…」ブニ
「わっ、なんか気持ち悪いモノふんだ!!うんち!?」
ドラ「あっ、それが脾臓だよ」
唯「これで直せるね」
ドラ「ろっ骨が足りないけど、まぁいいか」
「復元光線」パー
ジャイアン「……ん?」
「オレ、なにしてたんだっけ」
唯「わぁ、よかった!!元通りだよ!!」
「ジャイアンよかったねぇ!!」スリスリ
ジャイアン「わっ、なんだよコイツ!!」
「気安く抱きつくな!!」ドンッ
唯「わぁあ~」コテン
「や、やったなぁ~!!」
「タケコプター!!」ブルルルrィン
ブシャアアアアブバババッバババババb
……
澪「う~ん……ハッ」
「わっ!?暗くて狭いよぉ!?」
「わぁぁぁああああ!?」ジタバタ
澪「…ん?あぁ、なんだ。ここ土缶の中じゃないか」
「唯たちのしわざだな…くそ、狭くて出にくいなぁ」ガサゴソ
コツッ
澪「あれ?何だろう何かカタイものが指にあたったぞ」
「細長いけど、この感触は木の枝とかじゃないよなぁ…」モゾモゾ
「まぁいいや。ふぅ、やっと出られたぞ」
唯「左手見つかった?」
ドラ「こっちにあったよ」
唯「あっ、澪ちゃんだ!!」
「またやっちゃったから手伝ってくれる?」
澪「ひいいいいぃい赤いいぃぃいいぃぃぃ!?」
ドラ「ショックガン」ズバ
澪「ギャ!!」パタン
唯「騒ぎになるとまずいって言ったのにね」
ドラ「バカだなぁ。本当にバカだなぁ」
唯「あれっ、澪ちゃんが持っているのって…」
ドラ「あっ、ろっ骨」
「さっき見つからなかったヤツかな」
唯「わぁ、よかった~!!これで今度は完全に治るね!!」
「結果オーライだね!!」
ドラ「調子いいなぁ」
唯「えへへ~」
ドラ「じゃあ復元光線で直すけど
もう人に回転させたタケコプターを投げつけちゃダメだよ?」
唯「は~い」
スネ夫「わぁぁぁっぁぁぁぁあああ!!!!」
唯「あっ、スネ夫くん」
スネ夫「あ…空き地が血まみれ…!!!」
ドラ「ショックガン」ズバ
スネ夫「」シュゥゥゥ…
ドラ「あれ?スネ夫くんがなくなった」
唯「それ、ショックガンと違うよ?」
ドラ「あっ、鉄筋コンクリートのビルを
一瞬で煙に変えるほどの威力を持つ
熱線銃だった」
唯「わぁああダメだよ~」
ドラ「大丈夫、死体が見つからないなら
警察は動かないよ」
第1話 おわり
─第2話─
紬「夏休みはフィンランドに行くの~」
唯「わぁ、いいな!!連れてって!!」
紬「えっ、ごめんね唯ちゃん」
「これは家族旅行だから唯ちゃんは連れて行けないの…」
唯「そ、そんなぁ~」
澪「わがまま言っちゃダメだぞ唯」
律「ムギが困ってるだろ」
唯「ぶ~」
唯「ドラちゃん、私もフィンランドに行きたいよ~」
ドラ「なんだい、やぶからぼうに」
唯「ムギちゃんたら、家族でフィンランドに行くのに
私を連れていってくれないんだ…」
ドラ「そりゃそうだろうね」
唯「えっ、そうかな」
ドラ「そうだよ」
「むしろ何故キミが人ん家の家族旅行に
連れていってもらえると思ったのかを知りたいよ」
唯「あっ…そういえばそうだなぁ」
唯「よく考えると恥ずかしいカン違いだったよー」
ドラ「21世紀のカン違いはレベルが違うなぁ」
唯「それはそうとハワイに行く道具出して~」
ドラ「フィンランドじゃなかったの?」
唯「よく考えたらフィンランドなんか大して興味がなかった」
ドラ「そうだね。名前がフィンファンネルと似てるだけだもんね」
「じゃあ、どこでもドアを出してもいいんだけど…」
唯「いいんだけど?」
ドラ「なんだかドラ焼きが食べたくなったなぁ」
唯「? 買ってくれば?」
ドラ「唯ちゃんは駆け引きというモノを知らないんだね」
ドラ「ドラ焼きを買いたいけれど お金がないんだ」
唯「ドラちゃんの道具でお金を作れないの?」
ドラ「あまり好き勝手に動くと
タイムパトロールが 黙っちゃいない」
唯「そっかぁ」
ドラ「唯ちゃんは おこづかい持ってないの?」
唯「持ってるよ!」
ドラ「じゃあ…」
唯「?」
ドラ「ドラ焼きを買ってほしいって言いづらいなぁ」
「あっ、言っちゃった」
唯「あっ、ドラ焼きを買ってほしかったんだね!!」
ドラ「よかった、伝わった」
……
ドラ「むしゃむしゃむしゃ」
唯「おいしそうだねぇ」
ドラ「脳がとろけるようだよ」
唯「あはは、ドラちゃんって脳みそ空っぽなのに~」
ドラ「ロボットだから脳はないけど
心に痛みを感じる機能はあるんだよ」
唯「ごめんね…」
ドラ「じゃあ、お腹もいっぱいになったし
ハワイに行こうか」
唯「やったー!!ハワイハワイ~♪」
テケテテン♪
ドラ「どこでもドア~」
「さぁ唯ちゃん、ドアを開けば憧れのハワイだよ」
唯「よぉーし、れっつごー!!」
ガチャ
ドッボオォォオォォン
唯「わぁ!?海!?海の真ん中!?」
バチャバチャ
唯「あっぷあっぷ」ガバゴボ
ドラ「ちょっと場所がズレちゃったみたいだなぁ」
「唯ちゃん、いったん戻って。そのままだと溺れちゃうよ」
唯「で、でも…ガバゲボ、ドアの位置が高くて手が届かないよぉぉ」
「ドラちゃん、助けて~」ゴボゴボ
ドラ「なんだかドラ焼きが食べたくなったなぁ」
唯「? 買ってくれば?」バシャバチャ
ドラ「唯ちゃんは学習しないんだね」
唯「あっ、買ってくるよ!!だって私おこづかい持ってるから!!」バチャバチャ
ドラ「よくできました」
第2話 完
─第3話─
梓「唯先輩、そこっ!」
唯「えっ、敵が見えたの?」
「あずにゃんニュータイプだったんだ!!」
梓「なに言ってんですか。今のはギターの間違いを指摘したんです」
唯「なんだ、そうなんだ~」ホッ
梓「なにホッとしてるんですか」
「新歓ライブも近いんだから、ちゃんと練習しておいてください!!」
唯「うぅ…ごめんね…」グスッ
─平沢邸─
唯「ドラちゃ~ん、練習しないでもギターが上手になる道具出して~」
ドラ「唯ちゃんはそうやって、すぐラクして解決しようとする」
唯「私だって一生懸命やってるよ~…」
「でも横で あずにゃんが怖い目で見張ってるかと思うと
頭が真っ白になっちゃって…」
ドラ「ははぁ、唯ちゃんはプレッシャーに弱いんだね。それなら…」ゴソゴソ
テケテテン♪
ドラ「どくさいスイッチ~」
唯「なぁに、それ?」
ドラ「じゃまな者は消してしまえ」
「すみごこちのいい世界にしようじゃないか」
唯「ドラえもんはそうやって、すぐラクして解決をしようとする」
唯「苦手だからってなんでも消してちゃ
いつまでも立派な大人になれないよ!!」
ドラ「えらい!!そこによく気がついたね」
唯「だからギターが上手くなる道具出して~」
ドラ「唯ちゃんはそうやって、すぐラクして解決しようとする」
唯「なんだかデジャブを感じるね」
ドラ「そうだね」
唯「なにか時間を操作する道具を使ったんでしょ」
ドラ「使ってないよ」
ドラ「ようは思いこみだよ」
「練習に対しても梓ちゃんに対しても
苦手意識をなくしちゃえばいいんだ」ゴソゴソ
テケテテン♪
ドラ「オモイコミン~」
唯「えっ」
ドラ「これを一粒飲んで
『梓ちゃんなんか怖くない、梓ちゃんは子猫』と思いこめば
本当に子猫のように見えるんだ」
唯「で、でも…ドラちゃんがポケットから出したのは
ネズミの死体だよね…」フルフル
ドラ「あっ、間違えた」サッ
唯「間違えるにしたって
なんでそんなもの出てきたの?」
ドラ「ボクは殺したネズミを次々と
四次元ポケットに放り込むクセがあるんだ」
唯「わあああ!!怖いよおお!!」ウヒャー
ドラ「はい、これが本物のオモイコミン」ホレ
唯「手!!さっき、その手でネズミの死体をさわってたよ!!」
ドラ「それがどうした? ぼくドラえ~も~ん」
「奇妙奇天烈摩訶不思議奇想天外四捨五入出前迅速落書無用」
唯「ドラちゃんが狂ったよ!!」
「でも、これに比べればあずにゃんなんて怖くないかも!!」ワーッ
憂「よかったね お姉ちゃん!!」
第3話 完
最終更新:2011年05月02日 11:49