アットウィキロゴ
澪「なあ、律…私明日から桜ケ丘高校に通うんだ」

律「…」

澪「お前と一緒に行くって約束したよな…」

律「…」

私が話しかけているのはうさぎのぬいぐるみ、名前は律
これは去年の夏、どこかへ転校してしまった親友の名前だ

彼女が転校してしまってから私はこのぬいぐるみを通して声が届くように
毎日話しかけている

学校であったこと、家族のこと、彼女の家族のこと…
細かいことでも何でも話している

澪「律…お前は今どこにいるんだ?両親から離れて私に内緒で転校なんてさ…」

律「…」

澪「日本国内かな?それともイルクーツクにでも転校したのかな?」

律「…」

澪「そうだ!私高校で軽音部に入ろうかと思ってるんだ!」

澪「ビックリだろ?でも約束したからな『一緒にバンドやろう』って」

律「…」

澪「どうせお前がいたら私が文芸部に入りたいって言っても
ムリヤリ軽音部にされてただろうし…」

澪「お前が帰ってきたときに私が迎えてやらないとだしさ!」

律「…」

澪「お前が帰ってきたときには有名なベーシストになってるかもな」

律「…」

澪「あ、今お前笑っただろ!いいじゃないか、夢を語るぐらい!」

律「…」

澪「じゃあ、明日も早いしおやすみ、律…」

律「…」



澪「軽音楽部は廃部したんですか!?」

さわ子「まぁ、一応4人集まれば活動できるけど…」

澪(私一人で人を集めるなんて恥ずかしいなぁ…でも…)

澪「じゃあ私一人で頑張ってあと3人集めます!」

さわ子「頑張ってね」

澪(私一人でもやってやる!)



──────────

澪「なぁ律~…私どうしたらいいんだろ…」

澪「4月中にあと3人部員集めなきゃいけないんだってさ」

澪「お前だったら『私が部長だー』とか言って盛り上がるんだろうなぁ」

律「…」

澪「でもまぁ…やらなきゃどうにもなんないよな!私頑張るよ!」

律「…」

澪「愚痴聞いてくれてありがとうな、律…おやすみ…」

律「…」



澪「今日も誰も来ないな…」

澪「律…」

ガラッ
紬「あの~、見学に来たんですけど~」

澪「あ…軽音部ですか!?」

紬「いえ…合唱部の…」

澪「あ…すみません、大きい声出しちゃって…」

紬「お一人なんですか?」

澪「まぁ…わけあって今は一人です」

紬「じゃあ私、軽音部に入ろうかしら」ニコッ

澪「え…いいんですか?」

紬「キーボードぐらいしかできませんけど♪」

澪「ありがとう!これであと2人か!」

紬「?」

澪「ああ、4月中にあと2人入らないと廃部になっちゃうんだよ」

紬「そうなんですか…じゃあ作戦会議しませんか?」

澪「作戦会議?」

紬「私、会議とかするのが夢なんです♪」

澪「へぇ~、じゃあ近くのファーストフードでも…」

紬「ファーストフード!?すごい!!」

澪「…え?」

紬「あ…私ファーストフードに行くのも夢なんです♪」

澪「…そうなんだ(変な子だなー)」



紬「うふふ♪ポテトも一緒にどうですかって言われちゃった♪」

澪「そんなに珍しいの?」

紬「中学まではあまり自由に外に出られなくて~」

澪「お嬢様も大変なんだな」

紬「で、どうします?」

澪「う~ん、とりあえず…もっと親しくなろう!」

紬「え?」

澪「あだ名で呼び合ったり、敬語とか使わないで話そうよ」

澪「和気あいあいとしてたほうが他の人が入りやすいんじゃない?」

澪(律だったらこういうこと言いそうだよな)

紬「いいですね!…じゃなくて、いいわね!」

澪「じゃあ琴吹さんのことはムギって呼ぶことにしよう」

紬「素敵♪あだ名で呼ばれるのも夢だったの!」

澪「夢が多いな」

紬「秋山さんは…澪ちゃんでいいかな?」

澪「もっとみっちゃんとかあだ名っぽいほうがいいんじゃない?」

紬「澪ちゃんは…澪ちゃんって感じがするから♪」

澪「それはよく分かんない」



──────────

澪「なあ律…今日部員が増えたんだ」

律「…」

澪「すごいお嬢様でさ…世間知らずでほわほわした可愛い子なんだ…」

澪「ファーストフード行っただけですごい盛り上がったんだ」

澪「帰ってきたらお前にも紹介するよ」

律「…」

澪「明日も部員増えるといいな…じゃあおやすみ、律…」

律「…」



澪「来ないな」

紬「来ないわね~」

澪「どうすれば来るんだろうな…特典でも付ける?」

紬「特典?別荘とか車とか?」

澪「どんだけ豪華なんだよ…お菓子とかかな?」

紬「あ、お菓子と言えば今日お菓子持ってきたの♪二人で食べようと思って♪」

澪「え、いいの?」

紬「うん♪貰いものなんだけど多くて処理しきれないの~」

澪「うわ!すごい高級そうなお菓子!」



澪「ポスターでも作るか」モグモグ

紬「いいですね♪どうせ二人じゃ練習できないし」モグモグ

澪「ポスター作るのは夢じゃないのか?」

紬「うふふ♪ポスターぐらい作ったことあるわよ~」

澪「ははは、基準がわかりにくいんだよ」



紬「澪ちゃん…絵が小さすぎない?」

澪「う…自分の絵が張られるとか恥ずかしくて…」

紬「大丈夫、私のと一緒に張りましょう♪」

澪「うん…今度は大きく描く!」

紬「澪ちゃんは絵が上手なんだからもっと自信を持って♪」

澪「…」

紬「…澪ちゃん?」

澪「褒めないで…恥ずかしくなるから…」

紬「澪ちゃんって可愛いわよね♪」

澪「!…」カァァ

紬「あ、ごめんね~♪」



──────────

澪「律、今日はムギにからかわれちゃったよ…」

律「…」

澪「あ、ムギっていうのは昨日話してたお嬢様な」

澪「私、律以外からからかわれるの慣れてないからな、黙り込んじゃったよ」

律「…」

澪「妬いてるのか?ははは、ムギはいいやつだぞ~」

澪「お前にも会わせたいな」

律「…」

澪「じゃあ、おやすみ」

律「…」


2
最終更新:2011年05月04日 02:05