澪「え!!!」
梓「唯先輩!デリカシーなさすぎです!」
律「そうだぞ唯。皆、朝からなかなか言えなかったことを…」
澪「皆?朝から?」
紬「大声でいっちゃ駄目。恥ずかしいでしょ?」
唯「そっかー。澪ちゃんごめんね」
澪「恥ずかしいこと…」
澪「え、えっと…皆って軽音部だけだよな?」
律「いや…」
澪「違うのか!正直に言ってくれ!」
律「まずはクラスの皆…」
皆「!!…嘘だ…」
律「澪の後ろの席の奴が手紙書いて皆に回したんだ」
唯「私のところ来なかったよ?」
紬「唯ちゃん寝てたから」
唯「あ、そっかぁ」
梓「2年生も皆知ってます」
律「ファンクラブ経由だろうな」
紬「昼休み職員室言ったら先生も噂してたわ」
唯「澪ちゃん人気者だねー」
紬「体育の時間に髪の毛くくったじゃない?あの時隠れるかと思ったけど無理だったわね」
律「そうそう!余計強調されてたな」
紬「それに太陽の光反射して眩しかったわ」
唯「それで今日の澪ちゃんは一段と輝いていたんだね!」
梓「今日の体育ってプールじゃなかったんですか?」
律「澪は見学だったんだ」
唯「生理だったんだよ!」
澪「お前ら!もういい加減にしろ!」
唯・律・紬・梓「!!!!」
澪「ど、どうした?」
梓「澪先輩が怒鳴った途端、髪の毛が揺れて…」
澪「…何?」
唯「新しい白髪が現れた!」
律「澪の攻撃!効果は無いようだ…」
唯「シラガーの攻撃!こうかはばつぐんだ!」
梓「あ、澪先輩が倒れた!」
紬「気を失っちゃったみたいね」
梓「先輩方が面白がるからです!!」
律「悪かったって…」
唯「よし!お詫びに白髪全部抜いてあげよう!」
律「だな!じゃぁさっそく探すとするか!」
紬「…あら?」
唯「澪ちゃん、こんなにいっぱい…」
律「ストレスか?悩みがあるなら言ってくれればいいのに」
梓「先輩方がストレスなんじゃないですか?」
紬「これは抜ききれないわね」
唯「全部抜いたらはげちゃうね」
律「時間も労力もかかる」
梓「どうしましょう…」
澪「…う…」
唯「あ、起きた」
梓「結局何も出来ませんでしたね」
澪「あれ…私…?」
紬「澪ちゃん気を失ってたのよ」
澪「そっか…私、白髪が…ぐすっ…」
律「な、泣くな!澪!」
澪「うぇっ…だって、恥ずかしいことなんだろ?」
紬「違うわ、澪ちゃん」
澪「ムギが言ったくせに」
紬「初めて生理になった時、どう思った?」
澪「え?なんか、恥ずかしかった覚えがあるけど…それがどうした?」
紬「そうよね。私もそうだった。けど今は違う」
澪「そう言えばいつの間にか恥ずかしいことじゃなくなったな」
紬「白髪も同じことよ」
澪「…同じ?」
紬「皆いつかは白髪になるもの。澪ちゃんが初めてで戸惑うのも分かるけど、生きてる限り当たり前のことなのよ」
澪「当たり前のこと、か…」
紬「澪ちゃんは人よりも早く年を取っただけのこと」
唯「おばあちゃんだね!!」
澪「お、おば、おばあ…」
律「唯はまた余計なことを…」
澪「私、おばあちゃんなのか…?」
律「いや、最近の子は若白髪多いって聞くし!」
紬「そうそう。澪ちゃんは黒髪ロングだから目立つのよ」
澪「でも、梓は真黒だ」
梓「若いですから!!」
澪「一つしか違わないのに…」
律「梓!お前は!」
梓「すみません!口が勝手に…」
澪「いや、若い子と同じ髪型してたこのばばぁが悪いんじゃよ…」
律「澪、心まで…」
澪「染めようかな」
律「澪のトレードマークが!誰か分からなくなるぞ!」
唯「何色?澪ちゃんは赤とか似合いそう!」
紬「黄色は?」
澪「派手な色は恥ずかしい」
梓「どうして黒染めの発想がないんですか」
律「じゃぁパステルカラー系の色は?」
紬「澪ちゃんといえば…」
唯「ピンク!」
澪「ピンク…可愛いかも」
梓「ええええ!!!!」
紬「今すぐ美容師手配するわね」
律「待て!ムギ!」
紬「どうしたのりっちゃん?」
律「澪は昔から行きつけのところしか行かないんだ」
澪「美容師さんって話しかけてくるんだろ?私知らない人と話できないし…」
梓「澪先輩恥ずかしがり屋さんですもんね」
唯「私はおしゃべり楽しいけどなー」
律「だよな。ただ、ドライヤーされてるときに話しかけられるといらつく」
唯「分かる!聞こえないんだよね」
梓「私は話しかけないでほしいです。雑誌読みたいので」
律「梓は雑誌派か」
唯「美容師さん曰く雑誌読むの迷惑らしいよ。下向かれると切りにくいんだって」
梓「じゃぁ置くなです」
紬「私は昔から専属美容師だから、知らない人と、ってわけじゃないのよね」
律「おぉ!専属!じゃぁ澪と同じようなもんだな」
唯「澪ちゃんはどこ行ってるの?」
澪「近所の床屋だよ。パパと一緒に行くんだ」
唯「……そうなんだ」
澪「あ!違う違う!パパじゃなくてお父さん!」
梓「そこじゃないです…」
律「あの床屋はピンク染め出来るのかな?」
澪「あそこの親父は切る専門だからな。無理かもしれない」
唯「……そうなんだ」
澪「あ!親父じゃなくって店長!イケメンなんだぞ!58歳!」
梓「少し黙ったほうがいいと思います」
紬「わかめとかひじきとか髪にいいって聞くわよね」
律「中から栄養補給だな」
澪「そうか、メモメモっと」
梓「あと、きのこ類とかも聞きます」
澪「わかめ、ひじき、きのこの山、と」
唯「なんだって!たけの」
律「戦争はいけませーん。平和が一番だと思いまーす」
澪「今日ママに頼んで白髪に聞く料理作ってもらうよ」
律「澪の母ちゃんの料理は美味いんだぞ」
唯「憂よりも?」
律「んー?同じくらいかな」
梓「お母さんが料理上手だと幸せですよね」
紬「澪ちゃんは何が好きなの?」
澪「うーん、色々あるけど…納豆かな」
梓「料理じゃないですよ、それ」
紬「うふふ、澪ちゃんいつの間にか笑ってる」
澪「あ、本当だ」
律「白髪なんて気にすることじゃないよ!澪は笑ってる顔が一番かわいい!」
澪「ありがと…」
唯「あれ、りっちゃん?」
律「何だ?」
唯「おでこ、後退してない?」
おわり
最終更新:2011年05月06日 21:06