【くるーじんぐ!1】
ムギ「おもかじいっぱ~い♪」
ミオ「流石ムギだな、船の操縦までできるなんてすごいな~」
ムギ「小さい頃から船にはよく乗ってたから♪帆さえ張ってしまってこの位の風なら操縦は簡単なのよ~」
~♪ (鼻歌)
ミオ「おっ!?ブランキーなんか知ってるのか、ムギ!」
ムギ「ウフフッ、こないだりっちゃんと遊んだ時に『ムギはこんなん聞かないだろ~』って貸してくれたの♪」
ミオ「そっか~いい歌だよな、水色」
ムギ「うん!私すごぉ~く気に入っちゃったの~♪」
~♪ (鼻歌)
ミオ「・・・」
ミオ「・・・」
ミオ「・・・なぁ、ムギ」
ムギ「なぁ~に、澪ちゃん?」ニコッ
ミオ「・・おまえ、その~・・・最近悩んでるんじゃないのか?」
ムギ「えっ?」
ミオ「ほら、最近学校でもお前うかない顔してるし、特に・・・ここに着てからの戦闘でも・・」
ミオ「・・・なんか溜まったストレスを発散するみたいな風にみえるし・・・(まぁ、過度の百合は毎度の事だけど・・・)」
ミオ「それにお前は周りに気を使いすぎて、あんまり自分の悩みを外に出さないだろ?」
ムギ「・・・」
ミオ「なにかあったんじゃないのか?ムギ」
ムギ「・・・」
【夕暮れくるーじんぐ!2】
ミオ「良ければ話聞くぞ、ムギ?」
ムギ「・・・」
ムギ「・・・特別、何かあったってわけじゃないの。気を使ってくれてありがとう、澪ちゃん」
ムギ「・・・」
ムギ「・・・」
ムギ 「あのね・・もう昔から決まってたんだけど、私の家の跡取りは私になるの。お父様は養子を迎える気は全然なくて。・・・だから小さい頃から、琴吹家の帝王学を学んできたの。」
ムギ「小、中学校は政治家や一流企業の子しか通えない学校でね・・・学校が終わると、どこかの企業を買収し分別して高く売れる部署は天秤にかけて売ryそういう方法や経済学、金融学をずっと学ばされてきたの」
ムギ「そんな毎日だったから友達らしい友達なんて今まで一人もいなかったし、学校以外で同級生に会うなんて企業関連の社交パーティー位だったの」
ムギ「私はそんな生活が嫌で嫌でたまらなくなって、高校だけは普通の女の子が通う学校に行きたい、ってお父様に初めてお願いをしたの。」
ムキ「そうしたらひどく失望させたようで二言も言わせないような態度で頑なに拒否されたし、徹底的に罵倒されたわ」
ムギ「それから私は何度も何度もお願いしたんだけど・・・やっと認めてもらえたのは・・・その・・・私が・・・私が自殺をしようとしたからなの・・ううん、今はそんな事は全然考えてないからね!!大丈夫だから!」
ムギ「それで条件付だったけど、3年だけ、3年だけお前の好きなようにしなさいって言ってくれたの」
ムギ「私、春から私立の女子大に通うって言ってたでしょ?そこの理事を勤めているのはお父様でね・・・」
ムギ「・・・」
ミオ「・・・」
ムギ「・・・ウフフッ♪よくよく考えれば桜ヶ丘高校での生活は本来の私の人生には有り得ない事ばかりだったわ~」ニコニコッ
ムギ「皆とバンドを組んでライブをしたり、放課後にお茶を飲んだり、バイトしたり、合宿でBBQしたり、他所のお家にお邪魔してお泊り会、学校帰りのアイスクリーム♪・・・あっ、ごめんなさいね。私はいつも小さい事なのに夢だ、夢だ、なんて言ったりして・・」
ムギ「みんなと一緒にいるのが楽しくて楽しくて本当に楽しくて・・卒業して今みたいに皆でワイワイする事がなくなってしまうのが・・・私、不安で、怖くて、最近・・おかしくなってたんだと思う・・」
ムギ「・・皆には本当に感謝してもしきれない位、感謝してるの!」ニコニコッ
ムギ「今回もこうやってみんなでゲームをするのも本当に私の夢だったのよ♪」
ミオ「・・・」
ムギ 「いつも一緒に居てくれて、仲良くしてくれて本当にありがとう!」ニコッ
ミオ「・・・」
ムギ「ごめんね、つまらない話をしてしまって・・・でも、なんだかスッキリしたわ!ありがとう、澪ちゃん!」ニコッ
ミオ「・・・」
ムギが無理して作った笑顔を見るのが痛々しかった。
ムギの傍に約3年も居たのに、何もムギの事を知らなかった自分に腹が立った。
ムギがいつも淹れてくれる紅茶のティーポットの中に何があるかなんて考えてもみなかった。
今ムギが不安定で、私がムギの最近おかしい様子に気が付かなかったら、ムギは絶対にポットの中身を見せたりはしなかったのだろう。
【夕暮れくるーじんぐ!3】
いつの日にか
みんなどこかへ
消えてしまいそうな気がする
伝えなくちゃ
素直なその気持ちを 今すぐに
【夕暮れくるーじんぐ!4】
場の雰囲気をまぎらわすためか、さっきの鼻歌の続きで口ずさんだのか・・・
なぜ、ムギが今『水色』のそこの歌詞を口ずさんだのかはわからなかったのだけど・・・
潮風に吹かれてなびくブロンドの長い髪は夕日に照らされて、こんなに眩しいのに・・・
ムギの淋しそうな笑顔は一枚の写真のように私の心にずっと残るんだろう
ムギ「・・・澪ちゃん?・・・」
ミオ「・・・」
ムギ「・・・本当にごめんなさい!なんかしんみりさせちゃry」
ダキッ!
ムギ「澪ちゃん?!!どうしry」アタフタ
ミオ「ムギ、ごめん!・・・何もお前の事を知らなくて・・・」
ムギ「私こそ変な話をしてごめんry」
ミオ「みんなどこにも行かないし、消えたりなんかしない」ギュッ
ムギ「澪ちゃん・・・」
ミオ「ムギ、つらい時はいつでも私たちを頼ってくれ」ギュッ
ムギ「・・・」
ミオ「おまえがどこかの有名企業のお嬢様でも、どこかの王国のお姫様だろうが全く関係ないじゃないか!」ギュッ
ムギ「・・・」
ミオ「おまえは、私たちの大切な大切な友達の『ムギ』なんだ!」ギュッ
ムギ「・・・」
ムギ「・・・」
ムギ「・・・」ポロッ
【夕暮れくるーじんぐ!5】
ミオ「おまえを一人にはしないよ、ムギ」ギュッ
ムギ「・・・」ポロポロッ
ミオ「おまえは一人じゃないんだ、ムギ」ギュッ
ムギ「・・・ヒック」ポロポロッ
ミオ「みんな、ムギのことが大好きだからな。・・・それと・・・いつも本当にありがとう!ムギ」ギュッ
ムギ「・ヒック・・ミオチャ・ヒック・アリガ・・ヒック・アリガt・フェ・・フェェ~ン!!」ポロポロポロッ
ミオ「・・・よしよし、ムギはいい子だから大丈夫、大丈夫」ナデナデ
リツ(チェッ、澪の奴にいいとこもってかれたなぁ~)
【月夜のくるーじんぐ1!】
ユイ「あぁぁーっ!!ムギちゃんが目腫らしてる~さては、りっちゃん!!?」ギロッ
リツ「ぉおい!!なんで真っ先に私を疑うんだよッ!!!」
アズサ「ムギ先輩を泣かせるなんて、律先輩最低ですっ!!」フンス
リツ「梓まで!!誤解だよ、誤解っ!」
ユイ「ひどいね~大丈夫、ムギちゃん??今度いじめられたらすぐに言ってね?」ダキッ ナデナデ
ムギ「ウフフッ、今度からそうさせてもらうわ~♪」ギュッ
リツ「なにぃぃ~ムギまで?!おい~っ澪、澪!何とか言ってやってくれ!」アタフタ
ミオ「フフッ、律は昔からいじめっ子だもんな~」ニヤッ
リツ(・・なん・だ・・と・・?!)
ムギ「冗談よ♪ただ潮風にあたり過ぎてちょっと腫れちゃったみたいなの」ニコッ
アズサ「本当ですか~?今ならサメの餌にするのに絶好の場所ですよッ!!」フーッ
リツ「サラッと怖い事言うな、梓!!・・・それと~・・ムギ、ちょっとこっちに来てもらっていいか?」
ムギ「はいはいは~い♪」ニコニコッ
ユイ「ムギちゃ~ん、いじめられたらすぐに助けをもとめるんだよ~!」ブンブンブンッ
リツ「こんな状況でいじめなんかするかっつーの!!」
【月夜のくるーじんぐ2!】
ムギ「なぁ~に?りっちゃん♪」ニコッ
リツ(面と向かうと言いづらいなぁ・・・ぇええーいっ!!!)
リツ「なんだ、え~っと、その・・・すまんっ!!!聞くつもりは無かったんだけど・・・さっきの話、全部聞いてしまいマシタ・・」オソルオソル
リツ「それで~えっと、なんだっけ・・・まぁ、澪が言ったようにだな・・・私たちが何も力になれる事はなくてもムギが困った事や、つらい事があったらry」
ムギ「りっちゃんは正直者で本当に優しいのね~♪澪ちゃんが惚れてしまうのもよく理解できるわ~」ニコニコッ
リツ「なっ?!ryって今はそんな話じゃなくて!!・・・その~・・困った事や、つらい事があっry」アタ
【月夜のくるーじんぐ3!】
チュッ
【月夜のくるーじんぐ4!】
ユイ&アズサ「あぁぁーっ!!!!」バッ!
リツ「わぁぁぁ!!??ムギryフジryコr!!」カァァァー
ムギ「ウフフッ♪」ニコニコ
ユイ「ムギちゃんが~りっちゃんのほっぺにチューしたよぉぉぉ!!!!」ワァァァー
リツ「むgiryお前、何考えry!!?っていうか、なんでお前らここにいるんだっー!!!」
アズサ「mugisenpairydouiukotory??!!」プッシュー ポンッ シュワシュワシュワ ポンッ
リツ「ぁあ~梓ッ!!いかん、梓がまたオーバーヒートしてしまった!!おい、みおーっ!!澪っー!助けてくれ~!!ミオ~!!」
ユイ「みおちゃ~んっ!!ムギちゃんが~りっちゃんのほっぺにチューしたよぉぉぉ!!!!」ワァァァー
ムギ「ウフフッ♪」ニコニコ
ギャーギャー ミオー ワイワイ ミオー ザワザワ ミオー
ミオ「フフッ」ニコッ
夜の海を進む船に今日の風は優しく吹いているようです
【一章 完】
待って下さい
今ほんとに続きを書きだしたばかりなので今日は投下できませんですよ、すいません
遅筆なので最速でも来週になってしまうと思います
書けたらまたスレ立てるかこのスレが残ってればここに投下します
後、何かリクエストがあれば教えて欲しいです
百合絡みは無しで行きたいので、それ以外であればお願いします
最終更新:2011年05月18日 16:55