─第13話─
─学校─
純「おはよ~、梓ー」
梓「チッ」
純「なんで今、舌打ちしたの?」
梓「ん?舌打ちなんかしてないよ」
純「してたよ、絶対」
梓「じゃあ多分、無意識にしちゃったんだよ」
純「なんで私に挨拶されたら無意識に舌打ちするのさ!!」
梓「無意識だから分かんないよ」
純「くぅう~、確かに」
憂「おはよう鈍ちゃん」
純「鈍ちゃんって誰!?すごく鈍そうな子だよ!?」
憂「チッ」
純「また舌打ちされた!?」
梓「そういえば唯先輩たち、今日は修学旅行だけど
無事に京都へ着いたのかな」
憂「うん!!修学旅行に行くお姉ちゃん、とっても かわいかったよ~」
純「修学旅行に行くお姉ちゃんがカワイイってどういう絵空なんだろう」
憂「まぁ修学旅行に行かなくてもお姉ちゃんはかわいいけどね!!」
梓「昨日、部室で修学旅行に行きたくてウズウズしてた唯先輩もかわいかったよ」
純「ようするに唯先輩はなにやってもカワイイって事かね」
梓「分かってきたねモップ頭」
憂「ワックス食べる?」
純「食べないよ!!」
純「しかし、そんなに唯先輩のことが大好きだと
今晩、さみしいんじゃないの?」
憂「ぇあ?」
梓「唯先輩、修学旅行で3泊4日家に帰ってこないもんね」
憂「しまった!!そうか!?お姉ちゃんを家に監禁しておくべきだった!?」
梓「狂った憂に監禁されて脅え戸惑う唯先輩も愛らしいなぁ」
憂「アッ!!そのシチュエーションいい!!」
「ちょっとおトイレに行ってくるね」ガタ
梓「私も」ガタ
純「私の友人は変質者ばかりでまいっちゃうよ」
純「ねぇねぇ!!」
「もし寂しいなら今日、私がお泊りに行ってあげようか」
憂「純ちゃんがウチに来て私になんの得があるの?」
「ハッキリ言って1粒で2度ガッカリだよ?」
純「ウッ…」
梓「じゃあ私が泊まりに行ってあげるよ」
憂「お姉ちゃんの下着を盗むつもりだね」
梓「スキが無いなぁ」
─平沢邸─
憂「お姉ちゃんが今すぐ帰ってくる道具出して」
「いや、もう四次元ポケットからお姉ちゃんを出して!!」
「いっぱいおっぱい沢山100人くらい!!」
ドラ「ムチャクチャだ」
憂「京都をうまく消し飛ばせば、修学旅行が中止にならないかな~」
「名づけてハイパーおねえちゃん奪還ミサイル作戦」
ドラ「それじゃ上手くいったとしても旅行が中止になった唯ちゃんがかわいそうだし
ボクがタイムパトロールに捕まる」
憂「後半はどうでもいいけど前半は大事なことだったね」
ドラ「思いとどまってくれたなら それでいいよ」
ドラ「そんなことより早くごはんにしようよ」
「ロボットだけど お腹は減るからね」
憂「ネズミの丸焼き食べる?」
ドラ「ボク、ネズミは嫌いなんだ」
憂「お姉ちゃんに迷惑をかけないで
私とお姉ちゃんが早く巡り合える道具を出さないと
夕食はネズミの刺身とドブネズミの活け作りだから」
ドラ「それって憂ちゃんにとっても苦痛じゃないの?」
憂「やると言ったら本当にやるから」
ドラ「皿の上で暴れ続ける上半身だけのネズミを見るのはトラウマになりそうだなぁ」
テケテテン
ドラ『ツモリガン~』
憂「そんなこと言いながら出したのはただの拳銃なんだね」
ドラ「違うよ未来の道具だよ。これで撃たれた人は睡眠状態に陥り
今やろうと考えていた事を夢で見る」
憂「夢を見られる銃…」
ドラ「そして撃たれた本人は夢だと気付かずに実際にやったつもりになるんだ」
憂「じゃあいいことがあっても幻に過ぎないんだね」
ドラ「後ろ向きに考えるとそうなる」
憂「じゃあ夢の中のお姉ちゃんなら何をしても拳を突っ込んでも頭を突っ込んでもいいんだよね」
ドラ「前向きに考えるとそうなる」
ドラ「じゃあ行くよ」カチャ
憂「待って」
ドラ「どうしたの?」
憂「その道具、先にドラちゃんで試してみていい?」
ドラ「ダメだよ」
憂「どうして?」
ドラ「ロボットは夢なんか見ないからね」
憂「じゃあ純ちゃんで試してみようかな」
ドラ「試す必要はないよ、このツモリガンはとてもいい道具なんだ」
憂「でも私、その銃、バイオハザードで見たことあるような気がするの」
「ベレッタじゃない方」
ドラ「気のせいだよ」
憂「じゃあ夢を見なくてもいいからドラちゃんを撃ってみようよ」
ドラ「あっ、間違えたな~。これはツモリガンじゃなかったな~」サッ
憂「どうしてウソついてマグナム出したの?」
ドラ「ウソじゃないよ。機械が誤作動しただけだよ」
憂「ドラちゃんは私を殺したいの?」
ドラ「憂ちゃんを殺したいワケじゃない」
「ただ時々、誰でもいいから殺したくなる衝動がこみ上げてくるだけなんだ」
憂「大問題だよね」
ドラ「でも憂ちゃんの声で正常に戻ったから、これからのボクは憂ちゃんの心強い味方だよ」
憂「ガタガタ言わないで どこでもドアを出して」
ドラ「チッ、わかったよ」
テケテテン
ドラ『どこでもドア~』
ドラ「さぁ、このドアをくぐれば唯ちゃんのいる京都だよ!!」
憂「ドラちゃん、先にくぐってみて」
ドラ「いやだ」
憂「……」
ドラ「いや、違うんですよ」
憂「くぐって」ドンッ
ガチャ
ドラ「うわあぁあああああ」
ドドドオオォォォォ
こうしてドラえもんはナイアガラの滝に落ちていった
憂「そうだ、お姉ちゃんが帰ってくるまで眠り続ければ
目が覚めればすぐにお姉ちゃんに会えるよね」
憂「スヤスヤ……」
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──────────
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ぴんぽーんぴんぽーん♪
憂「はっ、チャイムだ!!」
「お姉ちゃんが帰ってきた!!」
ガチャ
純「こんばんわー、ドーナッツ持ってきたよー!!」
憂「チッ」
13話 前篇 完
─14話─
純「へへ。憂が寂しがってると思って来ちゃった」
憂「お姉ちゃんがいなくて落ち込んでる
私の心のスキマに入り込んでハチャメチャに犯す気だ!!」
「朝、起きてオシッコしたら子宮からオタマジャクシがウジャウジャ出てくるんだ!!怖いなぁ」
純「怖いのはソッチだよ」
「まったく……これを聞いても そんな事を言ってられるかな?」
憂「え?」
純「うい~、あいす~あいす~」
憂「!?」
「純ちゃんからお姉ちゃんの声が!!」
純「ふっふっふ、どう?これで少しは寂しさも
憂「お姉ちゃんを返せッ!!」ボゴォン
純「ぐはっ!?」ガク
憂「純ちゃんの中からお姉ちゃんの声が聞こえたので
お腹を殴ってみたけれど、文明開化の音がしただけだった」
純「私のお腹はザンギリ頭じゃないよ!!」
憂「お姉ちゃんを小さくして飲み込んだんじゃないの?」
純「私は魔法使いでもないから!!」
「唯先輩の声マネをしただけだよ」
「うい~」
憂「あっ、お姉ちゃん」
「目を閉じると、そこにお姉ちゃんがいるみたい」
純「ふふ、よしよし」ナデナデ
憂「あっ、でも純ちゃん臭がしてダメだ」ォェェエエッ
純「私のニオイは そんなにダメなのか」
ガチャ
ドラ「帰ってきたドラえもん」
憂「帰れよ」
ドラ「お願いします!!ボクを家に置いてください!!」
純「うわぁ、本物のロボだ」
ドラ「ボク、ドラえもん。ちなみにケツから出てるのは尻尾じゃなくて
ゲームセンターの十字レバーを肛門に突き刺してるだけなんだよ」ピコピコ
純「そ、そんな事を私に話すことになんの意図があるんだろう」
憂「そうだ、ドラちゃん。純ちゃんをお姉ちゃんにする道具出して」
純「へぁっ?」
ドラ「そんなこと言われても、この子と唯ちゃんの共通点と言えば
ドーナッツと同じレベルでしかないよ」
純「ドーナッツ?」
憂「ドーナッツにも純ちゃんにも穴はあるけど
お姉ちゃんの穴は神聖なるホワイトホールだから一緒にしないで」
憂「純ちゃんはお姉ちゃんの声マネができるから、お姉ちゃん補完計画まであともうちょっと」
「でも外見は心の眼で見ることでカバーできるけど
ニオイはいかんともしがたい」
純「そんなに私ってニオうかなぁ」クンクン
ドラ「コカインとマリファナくらい違うね」
純「なんなの その例え」
ドラ「まぁ、ようするに唯ちゃんのように
いいニオイなら文句はないだろう」ゴソゴソ
テケテテン
ドラ『味のもとのもと~』
純「調味料?」
ドラ「これをかければどんなマズイ料理もおいしくなるし
悪臭も食欲をそそるニオイに早変わり」
パッパッ
純「わぷっ、私は料理じゃないよ!!」
憂「あっ、純ちゃんから いいニオイが」クンクン ゴクリ
憂「純ちゃん、あいすって言って!!」
純「うい~、あいす~」
憂「ワホッ!?お姉ちゃんアイス、おいしそう!!」ペロペロ
「おいしそうなお姉ちゃん、かわいい!!」ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
純「やっと喜んでもらえて何よりだけど、体中を舐めるのはやめてくれないかなぁ」
憂「おねえちゃん、耳たぶでいいから食べさせて」
純「えっ、絶対に食べさせるもんか」
憂「どうして!?耳たぶがあったって、なんの役に立つの!?」
純「じゃあ憂の耳たぶ食べさせてよ!!」
憂「なぁんだ、そんなことならお安いご用……」
純「わぁあ!?やっぱり いらないよ!!!!」
憂「やっぱり純ちゃんでは、お姉ちゃんの足元にも及ばないよ」
純「悪かったね」
憂「でも、お姉ちゃんとしては不合格だけど
純ちゃんとしてはギリギリ合格かな」
純「それってどういうこと?」
憂「ありがとう、わざわざ来てくれて、って事だよ」
純「えっ。て、照れるぜ!!」
ドラ「しまった、このままじゃいい話になってしまう」
「どこでもドアで唯ちゃんを召喚しよう」
ガチャ
唯「あれ~?トイレだと思ったら私の家だ~」
憂「ぅぅぉお姉ちゃん~!!」ダッ
純「あっ、うい」
憂「どけ!!偽お姉ちゃんがッ!!」ド ン ッ
純「わぁああ~」コテン
ドラ「めでたしめでたし」
14話 後篇 完
※>>229
13話の前篇が終わったかと思ったら14話が始まっていた
そしてその14話も読み終わったと思ったら14話の後篇だった…
何を言ってるのか、わからねーと思うが
このSS自体が狂っているのできっとそういうことだろうと思い俺は考えることをやめた…
梓「13話 後篇にすべきだったみたいですよ」
澪「いや、ドラえもん 13話『お姉ちゃんの修学旅行 前篇』
ドラえもん 14話『お姉ちゃんの修学旅行 後篇』と考えれば
間違っているとは言い切れないぞ」
梓「でも>>229さんの言い分は筋が通っています」
律「つまりどういうことなんだ?」
ドラ「ボクのコンピューターが誤作動したんだ」
唯「これが有名な2000年問題なんだね」
ドラ「間違いないね」
紬「よかったよかった」
最終更新:2011年07月15日 01:30