バチバチバチバチ…
律「や、やめくれ!ムギ!死んじゃうよ!!」
紬「ウフフフフ」
「りっちゃんのおでこにスタンガン当ててみたかったのー」
スタンガンを手に持ちゆっくり近づいてくる紬。穏やかな笑顔だ。
夕日で真っ赤になった音楽準備室には紬と私しかいない。
どうして…どうしてこうなった…!
…………
唯「えい!あずにゃんにくすぐり攻撃」
梓「うにゃ!」ビクビク
「なにするですか!」
唯「あずにゃんビクッとしたーおもしろーい!」
紬「あらー面白そう!」
唯「ムギちゃんもやってみなよ~」
梓「ちょっと!やめてください!」ピシッ
梓は伸ばしてきた紬の手を平手打ちで払う。
紬「いた!」
律「お~い、梓ぁ暴力はダメだぞ?」ニヒヒ
梓「律先輩!部長なら止めてくださいよ!」
律「部員どうしのスキンシップだろ?なんでダメなんだよ~」
紬「い、いいのよ律ちゃん?梓ちゃんも嫌がってるし…」
律「ダメダメ、ムギもこういうスキンシップを今のうちにやっとかないと!」
梓「じゃあ、律先輩がくすぐられれば良いじゃないですか!」
律「え?私か?」
唯「ほかーく!」ガシッ
律「ゆ、唯!?」
後ずさりする律を唯が後ろからホールドする。
梓「ムギ先輩やっちゃってください!」ガシッ
更に梓が足を掴む。
紬「それじゃあ遠慮なく~」サワサワ
律「ウヒャ、うひゃひゃ!やめろ~!」
「み、澪!ボーっとしてないで助けろ!ひぃ~」
澪「自業自得」
紬「おもしろーい!りっちゃんビクビクしてる!」
唯「お腹だけじゃなくて脇も面白いよ!」ガバッ
唯が律の腕を上げて万歳のポーズにする。
紬「こうかな?えいえい!」コチョコチョ
律「ぎゃあ!あひ~!」ビクビク
激しく反応した律は、バランスを崩して倒れる。
そこにすかさず紬が馬乗りになり執拗にくすぐり続ける。
紬「えいえい!ウフフフ」
律「あひ!ひ!…ぜぇ…ぜぇ…もうやめ…息が…」ピクッピクッ
紬「あはは、ごめんなさい。」ピタッ
律は紬の下でぜぇぜぇ息をする。顔は真っ赤だ。
律「はぁ…はぁ…もう良いだろどいてくれ…」
梓「か・ら・の?」
紬「第二次コチョコチョ戦争よ!えーい!」コチョコチョ
律「うひゃひゃ!イヤー!」ビクビク
澪「お、おいおい…もうやめとけよ…」
さすがに見かねた澪が紬の肩に手を置き制止する。
紬「ふん!ふん!」コチョコチョ
律「くぁ…!あぃひ!…ぜぇ…あひひ!」ビクビク
しかし、紬は全く澪に注意を払わず、律をくすぐり続ける。
澪「ムギ?」
唯「ムギちゃんコチョコチョにハマっちゃったみたいだね!」クスクス
梓「目覚めましたね。何かに」ニヤニヤ
律「死ぬ~!」ビクビク
……
律「はぁはぁ…くっそ…」
悪態をつきながら、乱れた着衣を直す。
梓「あはは!たまにはこういうのも良いですね!」
「ざまぁみろです!あははは!」
紬「りっちゃん色っぽい…」ポー
紬はうっとりしながら携帯で律を撮る
紬「ウフフフフ…」
澪「む、ムギ…」
数日後!
放課後の教室!
唯「ねー!りっちゃん起きて!」ユサユサ
律「うーん…」
澪「まったく…こいつ徹夜でゲームしたんだよ」
「こりゃ、起きないぞ」
梓「起きるです!部活サボるつもりですか!」グニー
梓は意地悪そうな笑みを浮かべながら、律のほっぺたをつねる。
律「あひ~…」
梓「あはは!あひ~だって!」
律「先輩で遊ぶなよ~…あとちょっと寝たら行くからそっとしといてくれ…」
澪「しょうがないな…行こう。ムギも部室で待ってるし。」
1時間後!
澪「律のやつまだ起きてこないみたいだな…携帯も出ないぞ」
「あとちょっとって言ってたよな?」
紬「私が起こしてきますわ~」ウフフフ
澪「ああ、頼んだよ」
梓「あ、紬先輩!これあげます!」
部室を出ようとする紬に梓が何かを渡し、コソコソと話す。
紬「まぁ!使ってみるわね!」
梓「やっちゃってください!」
二人とも表情が意地悪い。
律「スー…スー…」
机に突っ伏して幸せそうに眠る少女に、
満面の笑みを浮かべながら近づくもう一人の少女。
紬「りっちゃーん?いつまで寝てるのー?」
向かいの席に座って、優しく声をかける紬。
律「スー…」
しかし、律は反応しない。
紬「もぉー!りっちゃん起きて!」グニー
梓がやったように、律のほっぺたをつねる。
律「うぅー…」
紬(やわらかーい!)パァァ
律「あとちょっと…寝さして…」
紬「もう!あとちょっとって言って1時間も寝たじゃない」クスクス
「梓ちゃん練習したがってるよ?」
律「う~ん、ハイハイ…スー…」
紬(ふふ、また寝ちゃった。もうちょっとほっぺた触ってよ~)
プニプニ
紬(本当に柔らかくて可愛いわぁ)
律「も~、ほっぺた触るなぁ…」パシッ
律は重たい動作で紬の手を払う。
紬(あーん、もうちょっと触りたいのに…あ、そうだ携帯で写真撮ろうかな)ゴソゴソ
取り出した携帯には、2センチほどの小さな四角い箱が挟まってた。
紬(あ、そうだ。梓ちゃんからもらったこれを使おう!)
「ねぇねぇ、りっちゃん起きて~。最終通告よ?」ニヤー
律「スヤスヤ」
紬「しょうがないなぁ。ウフフフ、私もこんなことしたくないのになぁ。」
「ウフフフ」
紬はそーっと四角い箱から出ている線を律の額に近づける。
ボタンを押すとカチッという音とともに、火花が出る。
律「あち!」ガタっ
紬「わぁ!起きた~」パァァ
律「!?今なにやった!」
紬「ウフフ、こうやったの!」カチ
額をおさえる律の腕に、もう一度火花が走る。
律「うひぁ!何だよそれ!」
紬「ライターの着火装置よ~。梓ちゃんからもらったの!」
「ねぇ、もっとやっていい?」グググ
起きた律の頭を強引にまた机に突っ伏させる。
律「ヒッ!やめろぉ!」
紬「えい!」カチ
律の耳に着火装置を押しつけボタンを押す。
梓が耳にはかなりきくと言っていた。
律「ぎゃああ!」ビクっ
紬「わお!効果抜群ね!」
「えいえいえい!」カチカチカチ
律「あ!ぎゃ!ひぃ!」ビクビク
紬「あはは!耳がぴくぴくしてるよ?」
律「分かった!起きるからやめてくれ!」
紬「梓ちゃんはうなじも面白いって言ってたなぁ」
律「ばか!やめろ!」ググ
律は自分の頭を押さえつける紬の手を必死に押し返そうとする。
紬「私力持ちなの~」
律は全く押し返すことができない。
紬「りっちゃんのうなじも可愛いわぁ」
「えい!」カチ
律「ぎゃひ!」ビク
紬「今度は首がぴくってなった!」パァァ
律「い、いい加減にしろ!」ガシ
怒った律は紬の持つ着火装置を掴むと、思いっきり床に投げつける。
カシャーン
床に叩きつけられた四角い箱は割れてしまった。
紬「あ!梓ちゃんにもらったものなのに…」
律「ご、ごめん…」
紬「ううん、良いのよ。私もやりすぎちゃった。」
「りっちゃんて優しいねウフフ」
律「ふぅ…部室行くか。変なもの渡した梓をぶんなぐってやる」
最終更新:2011年07月18日 11:38