―――――異人館
唯「あー、緑ちゃんもここに来てたんだ~」
緑「・・・」
梓「・・・」
紬「・・・」
律「・・・」
澪「・・・」
静花「・・・」
律「誰か喋れよ!」
緑「列車の中でも歩き回っているみたいだけど、観光地でもそうなのね」
律「あ、そっちが喋るんだー」
紬「そうです!」
梓「せっかくの旅ですからね、色々と景色をみておきたいです」
緑「・・・別に、旅なんて日ごろの気分転換になればいいだけよ」
唯「そうだね~、ここみたいに普段とは違った場所にくるのもいいよね~」
静花「美しい町並みに加えて眺めも良くて・・・」
澪「憧れますね」キラキラ
律「乙女スイッチ入ったかー」
静花「古い町並みでありながら、どこか新しくてそれでいて懐かしい」
緑「・・・」
静花「神戸という所はそんな街ですわ」
澪「うんうん!」
梓「共感しているみたいですね」
紬「西洋風な家が並んでいるわね~」
唯「異国情緒があるっていうんだよ、りっちゃん」
律「う、うん。どうして私に言った?」
緑「異国情緒というよりおとぎの国ね・・・」
紬「なるほど~」
唯「海も見えていい景色ですな~」
律「そうでんな~」
紬「あっちにガラス細工のお土産屋さんがあるから行きませんか?」
緑「・・・・・・そうね」
紬「行きましょう~」
唯「行こう行こう~」
スタスタ
静花「・・・」
梓「・・・」
律「・・・」
澪「・・・行かないのか?」
律「あ、あぁ」
梓「・・・いつもと変わりませんね・・・。気のせいだったのでしょうか?」
律「・・・うーん、分からん」
澪「これいいな!ママ・・・マイ母に買っていこう」
律「マイ母ってなんだ」
唯「これ可愛いよ~、ういに買っていこ~」
梓「純に買って行こうかな」
緑「・・・」
唯「あ、これも可愛い~。和ちゃんに買うのです」
梓「それ指揮者のタクトですよ?」
静花「可愛い・・・ですのね・・・」
紬「・・・」
緑「どうしたの・・・?」
紬「え・・・?」
緑「・・・」
律「誰もさわちゃんに買わないのかよー」
唯「りっちゃんが買ってあげなよ~」
澪「そうだな、言いだしっぺが・・・」
梓「そんな流れで購入していいのでしょうか・・・?」
律唯澪梓「「「「 ・・・ 」」」」ゴクリ
律「み、みんなで選ぼうぜー」
唯「そうだよー」
澪「だ、だよなー」
梓「そうですよー」
静花「・・・慕われているのか分かりませんわね」
律「ほら、むぎも選ぶぞ!」
紬「う、うん!」
緑「・・・」
静花「・・・あなたは買いませんの?」
緑「・・・どうでもいいわ。じゃ」
スタスタ
静花「・・・?」
―――――太陽の塔
唯「ちひろちゃーん!」
ちひろ「唯さ~ん」
澪「お待たせしました」
ちひろ「今来たところですよ~」
律「そっか、よかった」
梓「いつの間にか北上さんがいなくなってましたね」
紬「・・・そうね」
梓「・・・」
ちひろ「どうかなさったんですか~?」
唯「緑ちゃん私たちを置いてどこかへ行っちゃったんだよ!」
律「びっくりだよ!」
澪「一人で観光したかったんじゃないか?」
梓「・・・そうかもしれませんね」
紬「静花さんも来れたらよかったわね~」
ちひろ「忙しいんでしょうね~」
律「あ!見ろ唯!あれが太陽だー!」
唯「おぉ、りっちゃん!サンサンと輝いてるよー!」
澪「それは太陽だからな。直視するなよ」
梓「塔には興味ないのかな・・・」
紬「太陽の塔は変な形ね」
ちひろ「意味があるんでしょうね~」
唯「ふふ、あの形をしている意味が分かるかな諸君」フフ
律「・・・分かるのか唯!」
澪「裏側回ってみようか」
梓「そうですね」
紬「裏?」
ちひろ「表は有名ですけど、裏はどうなっているんですか~?」
澪「・・・」アワワ
梓「黒い太陽ですかね」
紬「そうね・・・」
ちひろ「なにか意味があるんでしょうね~」
澪「・・・見てない見てない」ブツブツ
梓「私たちには分からない世界ですね」
紬「そうね~」
ちひろ「みなさん、お昼には早いですけど、サンドイッチどうですか~?」
澪「あ、それサンドイッチだったんですね」
紬「それじゃ、私も紅茶を~」
梓「それ水筒だったんですか!?」
ちひろ「ベンチに座りましょう~」
澪「・・・あの二人どうなったんだ?」
梓「まだなにか騒いでいますけど・・・」
紬「りっちゃーん、唯ちゃーん」
唯「カンガルーだね!」
律「さすが唯だぜー!って理解できねえー!」
唯「むぎちゃんが呼んでるよ」
律「そうだな・・・、私らを置いていくなんて・・・」
唯「何か食べてる!」
律「なんだとー!」
テッテッテ
澪「もぐもぐ」
梓「もぐもぐ」
ちひろ「ごくごく」
紬「さ、どうぞ~」
律「あ、ありがと」
唯「・・・もぐもぐ」
律「のんびりしてんな~」
澪「おいしいよちひろさん」
梓「はい、おいしいです」
紬「えぇ、おいしいわ」
唯「うまい!」
律「うむ、合格だ」
澪「・・・試験だったのか」
ちひろ「よかった~。喜んでもらえて~」
唯「料理上手なんだね!」
ちひろ「これくらいしか出来ませんけど~」
唯「私はケーキを作れます!」フフン
ちひろ「すごいですね~」
澪「ケーキに苺乗せただけじゃなかったか?」
唯「ういが作れます!」フフン
ちひろ「憂さんもすごいですね~」
律「褒め上手なのかな」
梓「そのまま感情に出るんでしょうね」
ちひろ「あ、そろそろ出発ですね~」
紬「・・・」
唯「あ~、ついにこの時が来ちゃったよ。澪ちゃん!」
澪「・・・そうだな」
梓「ヴェガに戻りましょう」
律「・・・あぁ」
―――――ヴェガ
紬「・・・」
唯「はい」
澪「はい」
車掌「当特急ヴェガへのご乗車、誠にありがとうございました」
唯澪「「 ありがとうございました! 」」
紬「・・・」
梓「・・・」
律「・・・」
車掌「どうか、お気をつけてお帰りください」
唯「澪ちゃんがいるから大丈夫です!」
澪「・・・はい」
梓「その台詞で心配になります」
律「・・・まったくー」
紬「・・・」
菜々子「じゃ、元気でな」
澪「はい、短い間でしたけどお世話になりました」
唯「菜々子ねえたんも気をつけて!」
修治「ブフッ」
菜々子「あのなぁ唯・・・」
ギリギリ
修治「ごふぇんなふぁい」
秋子「寂しくなります~」
唯「秋子ちゃん、いっつも私たちの気分を明るくしてくれたよね、ありがとう」
澪「うん、おかげでとても助けられたよ」
秋子「そんなことないです~」
風音「ほら、ピノ挨拶してきて」
ピノ「ピピッ」
ピョン
唯「ピノちゃん、バイバイ」
ピノ「ピッ」
静花「・・・意志の疎通ができてますのね」
ピノ「ピピッ」
澪「バイバイ」
ピノ「ピッ」
ピョン
風音「それでは、お二人ともお元気で」
唯「うん!風音ちゃんも元気でね!」
澪「ピノといつまでも仲良くな」
風音「はい」ニコ
紬「・・・」
静花「帰れば会えますのよ」
紬「!」
梓「・・・」
律「・・・」
澪「・・・」
唯「むぎちゃん!帰ったら部室で演奏しよう!」
律「おぉ、いいなそれ!」
澪「そうだな、憂ちゃん、和、さわ子先生、純も呼んでみんなで集まろう」
梓「いいですね!」
唯「あー!それ言っちゃダメだよー!!」
澪「え・・・?」
唯「ういと和ちゃんで密かに計画してたんだよー!むぎちゃんにありがとうをこめて~」
律「全部言っちゃったよ」
紬「うふふ、ありがとう~」
唯「いえいえ~」
梓「まだこの旅は終わっていませんよ?」
律「演奏が始まってもいないのにな」
車掌「そろそろ時間ですので、乗り遅れには注意してくださいね」
菜々子「それじゃ先に乗り込むか・・・」グイッ
修治「俺挨拶してないー!」ズルズル
菜々子「そうか・・・」
修治「・・・コホン。平沢さん」キリ
唯「ん?」
修治「秋山さん」キリ
澪「な、なに?」
修治「楽しかったぜー!」グー
唯「こっちもだっぜー!」グー
澪「うん、楽しかった!」
修治「それでは、ごきげんよう」キリ
菜々子「それじゃ、乗り込むか・・・」グイッ
修治「バイバイー」ズルズル
律「なんだそりゃー」
唯「バイバーイ!」
澪「じゃあな」
静花「修治さんは菜々子さんの僕ですわね。気の毒に・・・」
秋子「さようなら~!」
風音「さようなら」
ピノ「ピピッ」
唯「三人とも元気でねー!」
澪「さよなら」
静花「後は私どもに・・・コホン。私にお任せくださいな」
唯「よく分からないけど、お願します!」
澪「・・・」
静花「菜々子さんなんてポイですわー!オーッホッホッホ」
律「あはは・・・」
梓「・・・はは」
紬「唯ちゃん、澪ちゃん、気をつけて帰ってね」
唯「むぎちゃんも体にだけは気をつけてね!」
澪「・・・うん、気をつけてな」
律「じゃあ帰ったら連絡するよ」
梓「私もです!」
唯「うん!待ってるね~」
澪「あぁ・・・」
紬「それじゃあね、二人とも!」
澪「あ、待ってむぎ・・・。右手を出して」
紬「・・・こう?」
スチャ
澪「ブレスレット・・・持ってて」
紬「これ・・・でも・・・」
澪「待ってるからさ、預かってて欲しい」
紬「うん・・・分かった」
ギュ
唯「それじゃ、わたしも~。これ預かっててください!」
紬「あ・・・、キーホルダー」
唯「えへへ~」
紬「分かった!」
prrrrrrrrrrr
梓「さ、行きましょう、むぎ先輩!」
紬「よいしょー!」
菜々子「じゃあな!」
静花「それでは」
澪「・・・むぎを・・・よろしくお願します」ペコリ
菜々子「・・・任せときなって」
静花「・・・もちろんですわ」
唯「みんなー、またねー!」
律「じゃーなー」
梓「またです!」
紬「またね~」
澪「・・・」
プシュー
ガタン ゴトン
ガタンゴトンガタンゴトン
梓「・・・」
律「さて、最後の道中だー!」
紬「まずは観光ガイドね!」キラン
梓「・・・」
律「買いにいこうぜー」
紬「よしきたー!」
テッテッテ
菜々子「・・・」
静花「・・・」
梓「・・・」
菜々子「釈然としないなー・・・」
静花「なにがですの?」
梓「・・・」
菜々子「どうして澪はお前を見てたんだよ?」
静花「・・・」
梓「・・・」
菜々子「梓、なにか知ってる?」
静花「私が頼りにされているからに決まってるではありませんか・・・」
梓「え・・・」
菜々子「それはないね!」
静花「オーッホッホッホ、それでは罰ゲームを発表いたしますわ」
梓「もう勝負はついたんですか!?」
菜々子「なに言ってんだよ!どうせ変なこと吹き込んだんだろ!」
静花「あら~、そんな言い訳を用意しているなんて、あなたらしくありませんわね」
菜々子「なんだってぇ・・・」ジロ
梓「・・・むぎせんぱ~い、まってくださーい」
スタス
静花「お待ちになって」
ガシッ
梓「・・・な、なんですか?」
静花「お話があります」
梓「話・・・ですか・・・?」
菜々子「話ぃ?」
静花「あら、お聞きになりたいんですの?それなら頭を下げて私のいう事を聞いてくださるのなら・・・」
菜々子「それは敗北っていうんだよ。誰が聞くか!ふんっ」
ズンズン
梓「・・・」
静花「相変わらず女性としての色気を失っていますわね」
梓「あの・・・、話というのは」
静花「ここじゃなんですから、展望車へ」
最終更新:2011年09月13日 18:46