そして二学期
唯「おっはよー澪ちゃーん」
澪「おう、おはよう」
律「おはよーう今日から二学期だなあ」
唯「そうだねー」
ガラッ
和「……」
唯「あ、和ちゃんおはよー」
澪「おはよう和」
和「…………」
澪「ど、どうしたんだ、和……?」
唯「ありゃー、まだ立ち直ってないみたいだねー」
澪「立ち直る……?
まさか私たちにオタバレしたのがショックで?」
唯「いやー実はあのあと
和ちゃんのお母さんにもバレちゃってさあ」
律「ええ?」
唯「内緒でコミケ行ってたのもバレちゃって
同人誌とか漫画とかDVDとか
オタグッズ全部捨てられちゃったんだよ~」
澪「そ、そうなんだ……」
律「そのオタグッズとやらはどれくらいあったんだ?」
唯「段ボール箱20箱分くらいかな」
律「そんなに貯めこんでたのかよ」
和「はぁ……」
澪「生きる意味を失ったような顔してるなあ」
唯「澪ちゃん励ましてあげてきてよ」
澪「ええ、私が……?
唯が行けばいいだろ、唯のほうが和に詳しいんだし」
唯「私が近づくとなぜか涙目で睨まれるんだよお~」
律「何したんだよ……」
唯「だから澪ちゃんおねがい」
澪「わかったよ……」
澪「あ、あー……和?」
和「なに……」
澪「唯に聞いたよ、同人誌作ってるって。
すごいよなあそういうの、憧れるよ」
和「……」
澪「私も昔から小説とか書いたりしてたからさー、
いいよな自分の作品が本になるのってさ、な」
和「……」
澪「……あー……」
和「……」
澪「の、和って文才あるよな、すごいよ、
キャラの設定とかはサッパリだったけど……」
和「!! よ、読んだの!?」
澪「ああ、唯に見せてもらって……」
和「う、あ……うああああああ……」
澪「ああっ、ごめん! 読んじゃいけなかったんだな、ごめん!」
律「何やってんだ澪は……」
和「……気持ち悪いでしょ?」
澪「えっ、な、なにが?」
和「ホモ小説なんか書いてて……」
澪「そ、そんなことないぞ!
流石に始めて読んだ時は面食らったけど……」
和「……」
澪「今は別にこういうのもアリかなって……
いや、ホモが好きになったとかじゃないんだけど」
和「……」
澪「和が好きなものなら、私は別に偏見を持ったりしないよ」
和「嘘よ……」
澪「えっ」
和「嘘に決まってるわそんなの……
オタクなんて気持ち悪いってみんな思ってる……」
澪「まったく……じゃあ唯はどうなんだよ」
和「えっ」
澪「唯はお前のオタクな面を知っても仲良くしてくれてたんだろ」
和(そうか……そうよね……)
和(唯はずっと私についてきてくれていた……)
和(同人誌の即売会にもアニメショップにもコスプレにも)
和(文句ひとつ言わずいつも笑顔で……)
和(そう、それは私がオタクとか言う以前に)
和(唯が私の友達だったから……)
和「……」
澪「気付いてくれたみたいだな」
和「ええ、ごめんなさい……当たり散らしたりして」
澪「いやいいんだ。
だれだって落ち込むことはあるからな」
和「ところで澪」
澪「何?」
和「あなたちょっとコスプレに興味ない?
すごくコスプレ映えしそうなんだけどどうかしら」
澪「ええっ?」
和「ねえいいでしょう?
その長い黒髪とかすっごくいいわあ、
衣装とかもちゃんと作るから」
澪「ひいっ、そんなの嫌に決まってるだろ!」
和「あっそうだ一緒に同人誌も作らない?
合同誌にして二人で書きましょうよ」
澪「いやっ、私ホモなんて書けないぞ」
和「教えてあげるから、私がみっちりと!」
澪「いやだー、ホモもコスプレも嫌だー!」
律「いいのか、あんなに大声でオタ話して……」
唯「あれくらい開けっ広げにしたほうが
余計なストレス貯めなくて済むからいいんじゃない多分」
律「そういうもんか?」
和「唯ー、今度のイベントで澪と3人で
ISのコスプレすることに決まったから!」
澪「決まってなーい!」
お わ り
最終更新:2011年09月21日 19:44