憂「………」ゴゴゴゴォーーーーーーーッ!!!!
唯「 う 」
憂っ……!!!
平沢憂がそこに立っていたッ!!!
しかし憂の様子がおかしいッ!!
髪が天に向かって激しく逆立っているッ!!!
全身から凄まじいオーラが迸っているッ!!その姿はまさに修羅っ……!!!
そしてその顔っ……!!!表情っ……!!!表情が女子高生のそれではなかったっ!!
鬼 神 であるっ……!!!
鬼神の表情をしていたっ……!!!!
さわ子「 な 」
~~~さわ子が何か言おうとした瞬間、憂は大きく前に跳躍していたッ!
空中で膝を大きく前に突き出したッ!
そうッ渾身のとび膝蹴りっ……!!フライングニーキックっ……!!!
『 め こ っ 』
会 心 の 一 撃 っ !!!
~~~~憂の膝がっ………!!!!!
さわ子の顔面に深くめり込んだっ………!!!!!
ずだァん!!!!
さわ子が吹き飛ぶッ!
さわ子「 」ピク…ピク…
白目を剥きながらピクピク痙攣しているッ!!
その直後ッ!!!
「お嬢様ッ!紬お嬢様ァーーーーーーーーッ!!!!」
琴吹家の執事斉藤ッ!!!
を先頭になんか特殊部隊っぽいひとたちがなだれ込んできたッ!!!!!
紬「斉藤ッ…!!」
律「うわぁーーーーーーーーーん!!!」ポロ…ポロ…
唯「憂……!!!!」
憂「お姉ちゃんっ!!!!」
~~~~~救われるっ……!!救われたのである軽音部はっ……!!!!
~~~~~あの時っ!さわ子にしてやられた憂はっ……!!!
絶望的な状況の中で
琴吹紬の実家に電話を掛けたのであるッ!!
電話に出た執事斉藤ッ!!!電話越しに話す少女の只ならぬ様子を察知するッ!
これはイタズラではないッ!本当にお嬢様と軽音部に危機が迫っていると確信した斉藤ッ!
密かに紬に付けていた発信機(携帯にも服にも鞄にもついている)を元に紬の現在地を把握ッ!!
ヘリコプターを出すからそれに乗れと言ったものの、電話の少女は現在地だけ聞くと電話を切ってしまったッ!!!!
唯「憂っ!憂~~っ!!!」
憂「お姉ちゃんっ!!お姉ちゃんっ!!!」
斉藤「……」(我々より速く到着しただと……なにものなのだ……この娘は……)ゴクリ
なにはともあれ、軽音部は救われたのであるっ……!!!!
だ が し か し っ !!!!
~~~~エピローグ
事件発生より一か月後……
軽音部の5人は救出された直後から、学校は休学という形をとっていたッ!
精神的ショックがあまりに大きかったためであるッ!
2週間の休学を経て、律と紬はなんとか学校に通えるレベルに回復ッ!
2人は元気はあまりないものの、徐々に明るさを取り戻しつつあるッ!
しかし澪と梓は、まだカウンセリングを受けているッ!
この2人は回復までもうしばらくかかりそうであるッ!
そして……唯は……っ
唯「憂いーーーーっ!今日のご飯すごく美味しいよ!おかわりっ!」
憂「よく食べるねお姉ちゃん」ヨソイ
なんとっ…!!!
唯は救出されてからたったの3日で以前の明るさを取り戻して普通に登校していたのだッ!
憂「…………」
大好きな姉の元気な姿を見るのは喜ばしいことッ!!
しかしッ!
はっきり言おうッ!
今、憂は形容しがたい一抹の不安を抱えていたのであるッ!
あまりにも元気すぎるのだッ!唯がッ!
憂「………」
そもそもであるッ!
あの事件で軽音部は、みな心に大きな傷を負ったッ!
直後は唯もひどく落ち込んでいた様子だったッ!
しかしッ!
唯はほかの4人と比べ落ち込み方がどこか違ったのであるッ!
ほかの4人は目の下にクマが出来るほどに、やつれていたッ!
しかし唯の落ち込み方は……なんか……こう……精神をやられたというよりも…なにか…
考 え 事 をしているような……
そんな落ち込み方だったのだッ!
そして3日で以前と変わらぬ唯に戻ったッ!
憂は驚きつつも、姉は自分が思っている以上に強い人間だったのだと自分に言い聞かせたッ!
自らの内部に生じた言いようのない不安を、隠すようにッ!
不安から目を背けるようにッ!
そして…ッ!!
ある日ッ…!!
エ ッ ク ス デ ー は突然に訪れるッ!!!
唯「ふー、美味しかったー」
憂「いっぱい食べてくれて嬉しいよ。いまお風呂沸かしてくるね」
唯「ちょっと出かけてくるから、憂さきに入っちゃっていいよ」
憂「え?今から出かけるの?」
唯「うん。近くのビデオレンタル屋に行ってくるね」
憂「――――――!―――――」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
憂「な……」
唯「ん?」
憂「な、なにか見たい映画でもあるの……?」
唯「ちょっとね、あとで一緒に見よう。じゃ、行ってくるね」
憂「………気を付けてね」
~~~~憂の中で、モヤモヤした不安が渦巻いたッ!
~~~~ビデオレンタル屋
唯「えーっと……あ……ここだ」
~~~唯が向かった先はホラーコーナーっ…!!!!
唯「えっと……たしかこの辺だったような……」
~~~唯ッ!!!!
平沢唯ッ!!!!!
ある意味では、この平沢唯が軽音部で最も深刻なダメージを負ったのかもしれないッ!
なぜッ!なぜなのかッ!
それは唯があの中で唯一刃物を肌に当てられ、あの冷たい感触を味わったからなのかッ!
あるいは唯は本当に心から軽音部のメンバーを愛しているからなのかッ!!!
唯は頭の中で何度も繰り返していたッ!!
あのさわ子の言葉をッ!!!
好きな人と繋がっていられること以上に幸せなことってないでしょという言葉をッ!!
そうッ!!唯は心が純粋過ぎたッ!
純粋であるが故に何色にも染まってしまうッ!
そうつまり 危 う い の で あ る 言 う な れ ば っ !!!!!!
唯「あ!あったあったこれだ」すっ
~~~唯がとある映画を手に取るっ…!!!
~~~~同時刻ッ!!!
さわ子「 」カッ
病院の集中治療室でこん睡状態に陥っていたさわ子の目がカッと開かれたッ!!!
もう意識を取り戻すことはないかも知れないと言われていたさわ子が目覚めたのだッ!
~~~~~
唯「ふんふーん、借りちゃった」
スキップして家に向かう唯ッ!
~~~~~
憂「……お姉ちゃん」
不安を胸に抱えて姉の帰りを待つ憂ッ!!
唯「ただいまー」
憂「!!!」
ド ド ド ド ド ド ド
唯が帰宅ッ!!憂の不安が急速に膨らんでいくッ!
憂「お、おかえりお姉ちゃん……」
言いようのない不安が凄まじい速さで膨らんでいくッ!
憂「な、……なんの映画……か、借りたの……???」
~~~~そして唯がッ!!!口を開くッ………!!!!
唯「―――――――。」
憂「 え ? 」
~~~~今……ッ! 純粋過ぎる唯の心にッ……!!!
ほんの小さな邪悪の芽がッ!!
ぴょこんと顔を出したのであるっ……!!!!
―――――――――――――――THE END .
最終更新:2013年02月05日 01:20